マタドガス
またどがす
基礎データ
概要
ドガースの進化系。二つ連結したドガースである。稀に三つ子の個体が見つかるという設定もある。昔のポケモンは進化すると数が増えるヤツが多かった。もしメガシンカすればさらに増えるのだろうか…。
それぞれの頭には特に記述は無いが、アニメなどで見る限り感情や意志は共有しているようだがそれぞれ個々に微妙に違う反応も見せる。
バルーン状の身体を持ち、片方が膨らむと片方がしぼむ。コレを繰り返して体内のガスを循環させている。ガスの主成分は化学兵器をモチーフとした名前に反して生ゴミの腐敗ガス。外部から取り込んだ腐敗ガスと体内の毒素と反応させてマタドガスの毒ガスは完成する。
また、掃除をしない家に住み着き、人々が寝静まった夜にゴミ箱を漁るが、この時に腐敗ガスだけでなくばい菌や埃も食べているらしい。
後述のガラルマタドガスと比べると空気を吸い込む力は若干弱いが、やはり混成しているぶん毒素は此方が強力な模様。
吹き出るガスは強い催涙性を持ちとても臭いが、特殊な方法で1000倍に薄めると最高級の香水が出来るらしい(後に香水ポケモンやフェロモンから香水が作れるポケモンが登場してもいる)。
重さが9.5kgというのはおそらくガスを抜いた重さだろう。体重を量るときマタドガスはどんなことをされたのだろうか?
ちなみに「高さ」の基準は連結したドガースを含む最も長い場所で1.2mである(ピカブイ)。
名前の由来はおそらくマスタードガス。
皮膚を爛れさせる毒ガスで発がん性を持つが、改良したナイトロジェンマスタードは抗がん剤として使われる。また、又になったドガースだからマタドガスとされるとも。
pixivでは描く人によって小さなドガースの位置など微妙にデザインが変わったりする。不定形グループならではである。
性能
HP | こうげき | ぼうぎょ | とくこう | とくぼう | すばやさ | 合計 |
---|---|---|---|---|---|---|
65 | 90 | 120 | 85 | 70 | 60 | 490 |
パラメータの中では防御が1番高く、ポケモンの中でも上位に位置する。次いで攻撃、特攻が高いので両刀も可能。
特性「ふゆう」の追加により弱点が事実上エスパーのみ。
物理受けとして名高く、特に格闘ポケモンに対して滅法強い。格闘は物理アタッカーが多いうえに「じしん」もマタドガスには効かないため基本的に有効打を持てない。さらに「おにび」によって相手の火力を奪うこともできる。
一方で、特防は低く弱点でなくてもタイプ一致の強力な特殊技を食らえば致命傷は避けられない。
補助技に恵まれ、先述の「おにび」のほか「でんじは」、いたみわけ」、「みちづれ」、「おきみやげ」と嫌らしい技が揃ってる。さらに、覚えるサブウエポンの幅が広いため、特殊アタッカーに育てても中々いい働きをしてくれる。「かえんほうしゃ」「だいもんじ」を習得することからはがねタイプに対しても強い。汎用性の高い「10まんボルト」を搭載する例もある。
こうした点が評価され、第四世代の頃に「毒タイプ特殊最強ポケモン」として公式のポケモン配布企画に君臨したことがある。
種族値としては攻撃のほうが若干高いのだが、「だいばくはつ」以外に実用的な技がないため、ほぼ死にステータスである。物理アタッカーならベトベトンを使えということなのだろう。
『BW』では「クリアスモッグ」という一風変わった技を習得し、積みアタッカーの封じることができた。この世代は格闘タイプが猛威を振るったため、マタドガスの有用性はさらに高まった。
『XY』からはポケムーバー解禁までしばらくお預けだったものの、フェアリータイプの登場や、マリルリを初めとした物理ポケモンの使用が増えたため、環境的には追い風となっている。さらに新技の「ゲップ」も習得。きのみを消費する必要があるものの、生半可なダメージを与える相手にキツい一撃を浴びせることができる。
『SM』では火力のインフレが進み、もはやマタドガス程度の種族値では力不足感が否めなくなってしまう。この時代の環境では格闘タイプ自体が少ないが、メガバシャーモやメガルカリオが目立ち、これほどのアタッカーを後出しで受けきることは流石のマタドガスでも難しい。特性「さいせいりょく」を持つドヒドイデのほうが受けとして好まれるようになった。
『剣盾』ではリージョンフォームが登場し、共に新特性「かがくへんかガス」を獲得。また隠れ特性として「あくしゅう」も追加されるという思わぬ特別待遇を受けた。……のだが、汎用性の観点から結局今まで通り「ふゆう」が一番良いという結論に落ち着きそうである。
ただし「あくしゅう」ははっきりとバレてしまう「かがくへんかガス」とは異なり場に出しただけでは「ふゆう」の個体とは見分けが付かないため、「かがくへんかガス」では無い原種マタドガス=「ふゆう」という固定観念を逆手に取り、「ふゆう」と思い込まれて地面技を使われないのをいいことに不意打ち気味に怯みを狙うことも可能なため、敢えて「あくしゅう」を採用するのも一つの手である。
ちなみに、元々の特性が「ふゆう」のポケモンに第2特性が追加されたのはドガース系統が初めての事例である。(隠れ特性の追加されたポケモンにはヨマワルがいる。)これにより一部の「ふゆう」を活かせていない不遇ポケモンたちにも希望の光が差し込んだと言える。
なお原種マタドガスを剣盾内で入手するには過去作から連れてくるか、DLCがある場合はランダムに現れるNPCから交換してもらえ、場合によっては隠れ特性の個体も入手できる。また、教え技にふしょくガスという新技も習得し、相手の妨害により長けるようになった。
使用トレーナー
ゲーム版
- キョウ:ジムリーダー(カントー)
- アンズ:ジムリーダー(カントー)
- ラムダ:ロケット団幹部
- ランス:ロケット団幹部
- マツブサ:マグマ団リーダー
- コジロウ:ロケット団
- キクコ:四天王(カントー)
- コウジ:マタドガスマスター
- 初代マタドガス使いといえばキョウで、手持ちに他にもドガースが2匹いるなどドガース系統は充実している。ただし、『ピカチュウ』から『金銀』の四天王時代にはドガース共々手持ちから外されている。娘に譲ったのだろうか。そして、『金銀』『ハートゴールド・ソウルシルバー』でセキチクジムのジムリーダーを勤めているキョウの娘・アンズも『金銀』の頃は手持ちに2匹マタドガスがいたが、ハートゴールド・ソウルシルバーでは1匹に減らされ代わりにアリアドスが増えている。
- 『ハートゴールド・ソウルシルバー』でロケット団の幹部ラムダとランスも手持ちにしているが、ラムダと区別を付けるためかランスの使用ポケ代名詞はもう片方のゴルバットになっていることが多い。ラムダの方は何といってもラジオ塔時の手持ちのインパクトが強烈でストーリーのトレーナーとしては珍しい6匹編成、ドガース5匹とマタドガス1匹という充実っぷり、さらには自爆技を惜しみなく使ってくるため、素早いエスパーポケモンがいないと爆発の餌食となってしまう。他のトレーナーが別ポケモンに乗り換えたりする中、見事にラムダの代名詞ポケモンの座を勝ち取ったのであった。
- 『オメガルビー』の海底洞窟にてマツブサが使用。本作はマグマ団の手持ちにドガース系統が追加されており、海底洞窟内ではマタドガスのみを使用する女性のしたっぱも存在する。
- 「LPLE」ではキクコの手持ちに追加された。
- コジロウについてはアニメ版で後述するが、「LPLE」で手持ちに、「ポケモンマスターズ」でもバディとして登場している。
『なぐさめてくれるのか? ……ありがとな!』
『おれの バディは おまえだ マタドガス!』
アニメ版
漫画版
- キョウ(ポケスペ)
- アンズ(ポケスペ)
- ロケット団中隊長・ハリー(ポケスペ)
番外作品
『ポケモンGO』
- 原作同様防御が高いがHPが低く、同期のベトベトンと比べると強さは控え目。
- 進化前ドガースの巣が発見されておらず出現率が低い為、入手はかなり難しい。それでもベトベターやメリープよりはマシか。
- 昔は通常技にどく技「ようかいえき」があったが、2017年2月以降消滅し2つともタイプ不一致になってしまった。
- 2017年6月23日~11月4日までレイドボスとしてジムに襲来してくることがあった。ランクは★★。きちんと育成されたポケモンで挑めば、ソロでも十分攻略可能な範疇である。…のだが、実はゲージ技3つのうち2つがエスパーの弱点を突いてくる。その為エスパータイプでの攻略はお勧めできない。
- このゲームに特性は実装されていないので、じめんタイプの技は抜群で入る。その為じめんタイプでの攻略が最も安全である。しかし、強力なじめんタイプのポケモンはゲージ技が他のタイプの技に化けやすいので、他のタイプでもゲージ技に「じしん」やじめんタイプ技を持つCP最大値の高いポケモンを育てておいたほうがいい。
- 単どくタイプなのでジム防衛でも使える。ステータスだけだとベトベトンに劣る。あく技はベトベトンも覚えるため、あちらが覚えない「シャドーボール」をサブ技として覚えさせておくといいだろう。
『スマブラ』
- 『大乱闘スマッシュブラザーズDX』ではモンスターボールから登場。当たると相手を引き寄せるガスを撒き散らして連続ダメージを与える。また、隠しステージ「ポケモン亜空間」では下から巨大なマタドガスが足場として登場し、小さくなりながら上へとフェードアウトしていく。
- 『SPECIAL』ではスピリッツで登場。バトル時にはワリオに憑依する。
『ポケモンコマスター』
- オープニングムービーでピカチュウと直接対峙するという大役を与えられており、同時に早くもコマの1体として実装されている。足止め役であり、相手を「どく」状態にすることに長けている。レアリティはUC。交換所にも鎮座しているため焦らずともいつか確実に入手できるだろう。
- 様々な活躍が報告される中、悲しいことに2016年某日に行われた「ブサイクだと思うポケモンランキング」にて、アンケートの結果3位となってしまった。
しかも筆者のコラムのトップにもイラストが引き出されている始末である。
アニメ版
コジロウのマタドガス
- CV.石塚運昇(二つの顔の声を毎回別々に収録)
- 無印31話でドガースから進化し、AG6話まで非常に長い期間コジロウと行動を共にした。
- サカキからお歳暮でもらったとのこと(お中元と非常に勘違いされやすいが、そちらはアーボックの方である(※無印17話より))。
- 主に逃げる目的で煙幕を使ったり、水上で浮き袋として活用されたり、ムサシに強制レンタルされたりとバトル以外にも様々な場面で活躍。他のコジロウのポケモンのように主人に抱きついたりすることはなく、命令に忠実・従順であった。
- しかしムサシのアーボックに比べると、バトルの主力として活躍する回数は少ない。というのも、オレンジ諸島編以降はコジロウの手持ちとして同じくらい愛着のあるウツボットが主力となることが多かったためである。話によっては、煙幕で逃亡するためだけにボールから出されることもあった。
- ムサシのアーボック同様、ピカチュウやゲストポケモンにやられることが多いため錯覚しがちだが、バトルの実力は十分高く、サトシたちを苦戦させることもままある。得意のヘドロこうげきで相手の視界を奪ったり、無印51話でのひな祭りコンテストではパラセクトなど数々のポケモンを破るシーンがあった(決勝戦でピカチュウに敗れてしまったが・・・)。また、無印39話でシャワーズとブースターの2匹に同時に大ダメージを与えるという実力も発揮した。
- AG6話でポケモンハンターのリョウから野生のドガースやアーボたちをアーボックと共に守るため、涙を呑んでコジロウと別れた。
- めざせポケモンマスター9話では回想で登場。
- 無印56話
- 新無印53話
- スイクンを誘き寄せる為にポケモンハンターが毒タイプのポケモンで水を汚しており、その中の一体がマタドガスであった。
その他
『Pokemon Generations Episode4』
チョウジタウンのロケット団アジトでラムダが使用し、毒ガスを撒き散らすが、ワタルのカイリューにラムダ共々一撃で倒されてしまう。その後はラムダがマルマイン達に仕返しされてる横で安らかな顔をして眠っていた。
…えっ?ラムダはアジトでマタドガスを使わない?
漫画版
『ポケットモンスターSPECIAL』
- 2章では四天王戦でアーボックの戦況が悪いと判断したキョウが繰り出したが、一瞬でキクコのアーボックに倒された。
- 3章では娘のアンズもマタドガスを手持ちにしている。
- 他にもロケット団中隊長であるハリーも手持ちにしていた。