概要
保護地域(ホームエリア)は埼玉県。
現在の親会社・運営母体は西武鉄道(西武ホールディングス)。球団会社名は西武ライオンズで、通称は『西武』又は『ライオンズ』。
チームカラーは「ライオンズカラー」と呼ばれ、現在は濃い紺色(レジェンドブルー)である。
本拠地の1軍は、所沢市にある西武ドーム(埼玉県のアパレル企業「ベルーナ」が命名権を取得し「ベルーナドーム」の名称を使用)。イースタン・リーグに所属する2軍は、ドームに隣接する西武第二球場(CAR3219が命名権取得し「CAR3219フィールド」の名称を使用)である。
チームの起源は、1949年後半に福岡県福岡市に拠点を置く西日本鉄道資本の西鉄クリッパースが創立したことに始まる。51年に西日本新聞社の西日本パイレーツと合併し、西鉄ライオンズに改称。黄金時代を築くが、60年代後半に起きた黒い霧事件により、チームは失墜。72年オフに太平洋クラブライオンズ、77年にクラウンライターライオンズと命名権による改名がなされる。
1978年オフにコクドを親会社とする西武グループが買収。埼玉県所沢市へ移転し西武ライオンズが誕生。2008年、地域密着を図るべく埼玉西武ライオンズと球団名を変更し、現在に至っている。
なお、直接の系譜ではないが、戦前に存在していた「東京セネタース」に関係する2球団のうちの1つ(もう1つは北海道日本ハムファイターズ)。2013年に復刻試合を開催している。
これまでに23回のリーグ優勝と13回の日本シリーズ制覇を達成している。2020年には、NPB球団傘下としては初の女子野球クラブチームとなる「埼玉西武ライオンズ・レディース」を創設した。
球団史
「埼玉西武ライオンズ」への改名前については上記の球団名の記事を参照。
不祥事と埼玉西武の誕生
2004年に発覚したコクド・西武グループの不祥事(証券取引法違反事件)に伴い、オーナーの堤義明が逮捕・失脚する。これにより西武グループは再編を余儀なくされる。
結果2006年に親会社がコクドからプリンスホテルへ変わり、2008年には西武鉄道へと変更されている(グループ内異動のため身売りではない)。
さらに2007年には球団スカウトによる裏金問題も発覚し、ドラフトの指名権を一部剥奪されている。
「西鉄とわれわれ(西武)は別の球団」という方針であった堤義明ら堤家の影響が離れたことや、一連の騒動をきっかけに、球団は福岡時代の歴史を公認し、復刻イベント「ライオンズ・クラシック」の開催や稲尾和久の永久欠番指定などを行うようになった。
そして地域密着をはかって2008年よりチーム名を埼玉西武ライオンズと改めることになった。
法人としては「西武ライオンズ」のままであり、球団旗や球団歌など主だった部分の変更はなされなかったが、ビジターユニフォームに「Saitama」の文字が入るようになり、さいたま市の大宮公園野球場を準本拠地として主催試合を行うようになった。埼玉県を舞台としたアニメを中心にコラボイベントが現在でも盛んに行われている。かつては埼玉県章がユニフォームにデザインされていたことがあった。優勝が懸かる大一番には県のマスコットコバトンがベンチに鎮座し、優勝すると一緒に胴上げされている。
渡辺監督時代
渡辺久信が監督に就任。
2008年は野手陣は片岡治大、栗山巧、中島裕之、中村剛也、G.G.佐藤(佐藤隆彦)、投手陣は涌井秀章、岸孝之、帆足和幸といった若手が台頭。それを西口、石井一久、平尾博嗣、江藤智といったベテラン勢が支え圧倒的な強さでリーグ優勝し、日本シリーズでも巨人との激戦を制し日本一。2009年は4位に終わるものの、2010年は再びAクラスの2位に返り咲き。ドラフトでは2009年に菊池雄星、2010年には大石達也といったアマチュアの目玉選手を相次いで獲得している。
だがこの頃から中継ぎ陣の崩壊が著しく、中継ぎで炎上し1軍と2軍を行き来する選手ばかりが増え、web上で俺達と揶揄された。
2013年は土壇場で2位に食い込むも、クライマックスシリーズファーストステージで敗退。オフに渡辺監督が辞任を発表し、後任には伊原春樹が10年ぶりの復帰となった。
伊原・田邊監督時代
2014年は調子が上向かず、伊原はシーズン途中で休養。田邊徳雄が代行で指揮するが、一向に調子が上がらないまま、あわや35年ぶりの最下位かと思われたが、前年優勝した楽天が最下位に落ちたことで、どうにか最下位は免れた。
2015年・2016年もそれぞれ4位に終わったことで、田邊監督は無念の辞任。黄金時代の二塁手だった辻発彦が監督に。
辻監督時代
2017年は100勝ペースで勝ち続ける楽天・ソフトバンクを夏場に怒涛の13連勝で猛追。菊池雄星が最優秀防御率を獲得、また山川穂高や外崎修汰が覚醒、源田壮亮が球団新人最多安打・盗塁を達成し2位。しかしCSは1stで楽天に敗れた。
2018年は山賊打線と呼ばれた打線が猛威を振るい、10年ぶりのリーグ優勝。ところがCSではあいつらのせいもあって2勝4敗でソフトバンクに敗れ、日本シリーズ出場はならなかった。
2019年は菊池、浅村栄斗、炭谷銀仁朗ら主力が相次いで移籍し前途多難な船出となる。序盤はソフトバンクの陰に隠れるも、中村剛也や新加入のザック・ニールの活躍もあり8月から怒涛の追い上げを見せ、9月以降はソフトバンクとの熾烈な優勝争いを演じた。最終的には最大8.5あった首位とのゲーム差をひっくり返し2年連続のリーグ優勝を飾った。打撃タイトルも森友哉がパ・リーグ54年ぶりの捕手での首位打者を獲得するなど、打撃タイトル6部門中5部門を西武の選手が獲得し、前年よりも向上した打撃が活路を開いた。しかし、クライマックスシリーズでは、またまたあいつらがA級戦犯となり、2年連続でソフトバンクに敗れた。
そんな山賊打線は2020年以降不振に陥るようになり、2020年はシーズン終盤に連勝を積み重ねてようやく3位に入れたものの、2021年は西武球団初年度以来&42年ぶりに最下位を記録。加えてオリックス・バファローズが日本シリーズに進出したことにより12球団で最も日本シリーズから遠ざかっている球団になってしまった。一方で明るい話題はあり、平良海馬が抑え投手になり2020年に新人王タイトルを獲得&2021年に「開幕からの連続試合無失点」および「1シーズンの連続試合無失点」となるプロ野球記録・39試合を達成。また、ライオンズ一筋20年の栗山巧が2021年に球団初の2000本安打を達成した。
2022年はパ・リーグ全体が「投高打低」のシーズンであり、山賊打線時代とはうってかわって投手力で3位へ入った。山川穂高が打点王・本塁打王の2冠。しかしクライマックスシリーズファーストステージで2連敗。辻監督は任期満了で退任した。後任はヘッドコーチの松井稼頭央。森友哉がFAでオリックスに移籍した。
松井監督時代
2023年はWBCの影響により源田が故障で出遅れる。さらに主砲だった山川が故障および不祥事の発覚でシーズンの殆どを棒に振ってしまい、得点力が大幅に低下。前半戦終了時点で最下位に低迷するも、先発に転向し11勝を挙げた平良を中心に投手陣が奮闘し、5位でシーズンを終えた。
pixivでは
埼玉県を舞台にした作品として公式コラボもあったらき☆すたとのコラボ絵が多い。
他にもあの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。、クレヨンしんちゃん、ヤマノススメなどの埼玉が舞台のアニメとのコラボイベントや放送が行われている。
選手一覧
2023年7月31日現在
監督・コーチ
一軍
背番号 | 名前 | 役職 |
---|---|---|
77 | 松井稼頭央 | 監督 |
83 | 平石洋介 | ヘッドコーチ |
81 | 豊田清 | 投手コーチ |
93 | 青木勇人 | 投手コーチ |
82 | 野田浩輔 | バッテリーコーチ |
80 | 嶋重宣 | 野手コーチ |
91 | 高山久 | 打撃コーチ |
87 | 黒田哲史 | 内野守備・走塁コーチ |
86 | 赤田将吾 | 外野守備・走塁コーチ |
ファーム
背番号 | 名前 | 役職 |
---|---|---|
74 | 西口文也 | 監督 |
92 | 清川栄治 | 投手総合コーチ |
79 | 小関竜也 | 野手総合兼打撃コーチ |
90 | 長田秀一郎 | 投手コーチ |
97 | 内海哲也 | 投手コーチ |
95 | 大石達也 | 投手コーチ |
96 | 中田祥多 | 二軍バッテリーコーチ |
98 | 荒川雄太 | 三軍バッテリーコーチ兼ブルペン捕手 |
88 | 大島裕行 | 打撃コーチ |
76 | 阿部真宏 | 二軍内野守備・走塁コーチ |
84 | 熊代聖人 | 二軍外野守備・走塁コーチ |
94 | 鬼崎裕司 | 三軍守備コーチ |
所属選手
投手
背番号 | 名前 | 投 | 打 | 備考 |
---|---|---|---|---|
12 | 渡邉勇太朗 | 右 | 右 | |
13 | 髙橋光成 | 右 | 右 | 選手会長 |
14 | 増田達至 | 右 | 右 | |
15 | 宮川哲 | 右 | 右 | |
16 | 隅田知一郎 | 左 | 左 | |
17 | 松本航 | 右 | 右 | |
19 | 佐藤隼輔 | 左 | 左 | |
20 | 浜屋将太 | 左 | 左 | |
23 | 公文克彦 | 左 | 左 | |
25 | 平井克典 | 右 | 右 | |
26 | 佐々木健 | 左 | 左 | |
28 | 森脇亮介 | 右 | 右 | |
29 | 青山美夏人 | 右 | 右 | 2022年ドラフト4位 |
36 | 山田陽翔 | 右 | 右 | 2022年ドラフト5位 |
40 | 田村伊知郎 | 右 | 左 | |
41 | 井上広輝 | 右 | 右 | |
42 | ボー・タカハシ | 右 | 右 | |
43 | 羽田慎之介 | 左 | 左 | |
44 | 與座海人 | 右 | 右 | |
45 | 本田圭佑 | 右 | 右 | |
47 | 張奕 | 右 | 右 | オリックスから森友哉のFA移籍に伴う人的補償で移籍 |
48 | 今井達也 | 右 | 右 | 11から背番号変更 |
54 | ヘスス・ティノコ | 右 | 右 | 新外国人 |
57 | 黒田将矢 | 右 | 右 | |
59 | 大曲錬 | 右 | 右 | |
61 | 平良海馬 | 右 | 左 | |
67 | 赤上優人 | 右 | 右 | |
69 | 水上由伸 | 右 | 右 | |
70 | 豆田泰志 | 右 | 右 | 育成から支配下登録 |
75 | ディートリック・エンス | 左 | 左 | |
99 | ブルックス・クリスキー | 右 | 右 | NPB復帰 |
111 | 齊藤大将 | 左 | 左 | 育成選手 |
112 | 粟津凱士 | 右 | 右 | 育成選手 |
113 | 伊藤翔 | 右 | 右 | 育成選手 |
114 | 上間永遠 | 右 | 右 | 育成選手 |
116 | ジャシエル・ヘレラ | 右 | 右 | 育成選手 |
120 | 出井敏博 | 右 | 右 | 育成選手 |
121 | 三浦大輝 | 右 | 左 | 育成選手・2022年育成ドラフト3位 |
128 | 菅井信也 | 左 | 左 | 育成選手 |
捕手
背番号 | 名前 | 投 | 打 | 備考 |
---|---|---|---|---|
2 | 岡田雅利 | 右 | 右 | |
22 | 古賀悠斗 | 右 | 右 | |
37 | 柘植世那 | 右 | 右 | |
38 | 野田海人 | 右 | 左 | 2022年ドラフト3位 |
64 | 中熊大智 | 右 | 左 | |
65 | 古市尊 | 右 | 右 | 育成から支配下登録 |
78 | 齊藤誠人 | 右 | 左 | |
117 | 牧野翔矢 | 右 | 左 | 育成選手・38から背番号変更 |
122 | 是澤涼輔 | 右 | 右 | 育成選手・2022年育成ドラフト4位 |
内野手
背番号 | 名前 | 投 | 打 | 備考 |
---|---|---|---|---|
0 | 児玉亮涼 | 右 | 右 | 2022年ドラフト6位 |
3 | 山川穂高 | 右 | 右 | |
4 | 山野辺翔 | 右 | 右 | |
5 | 外崎修汰 | 右 | 右 | |
6 | 源田壮亮 | 右 | 左 | キャプテン |
8 | 渡部健人 | 右 | 右 | |
30 | デビッド・マキノン | 右 | 右 | 新外国人 |
31 | 平沼翔太 | 右 | 左 | |
32 | 山村崇嘉 | 右 | 左 | |
34 | 高松渡 | 右 | 左 | 中日からトレード移籍 |
39 | 呉念庭 | 右 | 左 | |
49 | ブランドン | 右 | 右 | |
50 | 中山誠吾 | 右 | 左 | |
52 | 陽川尚将 | 右 | 右 | 阪神から現役ドラフトによる移籍 |
56 | 川野涼多 | 右 | 両 | |
58 | 佐藤龍世 | 右 | 右 | 日本ハムからトレード移籍 |
60 | 中村剛也 | 右 | 右 | |
62 | 滝澤夏央 | 右 | 左 | |
63 | 長谷川信哉 | 右 | 右 | |
118 | 野村和輝 | 右 | 右 | 育成選手・2022年育成ドラフト1位 |
外野手
背番号 | 名前 | 投 | 打 | 備考 |
---|---|---|---|---|
1 | 栗山巧 | 右 | 左 | |
7 | 金子侑司 | 右 | 両 | |
9 | 蛭間拓哉 | 左 | 左 | 2022年ドラフト1位 |
10 | マーク・ペイトン | 左 | 左 | 新外国人 |
33 | 古川雄大 | 右 | 右 | 2022年ドラフト2位 |
35 | 若林楽人 | 右 | 右 | |
46 | 鈴木将平 | 左 | 左 | |
51 | 西川愛也 | 右 | 左 | |
53 | 愛斗 | 右 | 右 | |
66 | 仲三河優太 | 右 | 左 | |
68 | 岸潤一郎 | 右 | 右 | |
73 | 高木渉 | 右 | 左 | |
115 | ロマー・コドラド | 右 | 右 | 育成選手 |
119 | モンテル | 右 | 左 | 育成選手・2022年育成ドラフト2位 |
123 | ジョセフ | 右 | 両 | 育成選手 |
過去に所属した選手
あ行
か行
さ行
た行
な
は
ま
や
わ
助っ人
永久欠番
24・稲尾和久(西鉄時代のエース)
※ 西鉄時代からの継承ではなく現球団名に改称された後に制定。なお、西鉄時代には24に加えて大下の3、中西の6も欠番状態だった(いずれも後に解除)。
マスコット
いずれも埼玉移転後に誕生しており、ジャングル大帝の作者手塚治虫がキャラクターデザインを手がけた。
球団歌・応援歌
現在の公式球団歌は『地平を駈ける獅子を見た』であり、公式応援歌は『吠えろライオンズ』である。
歌詞とメロディーのシンプルさからなのか、試合中や西武線の駅・車内放送では『吠えろライオンズ』が使われている。
イベントなど
上記の通り埼玉県を舞台にしたアニメとのコラボイベントが盛んに行われている。
球団の過去の歴史を振り返るイベント「ライオンズ・クラシック」はたびたび行われており、特に2013年には前述の通り東京セネタースのユニフォームが復刻された。
関連項目
西鉄クリッパース⇒西鉄ライオンズ⇒太平洋クラブライオンズ⇒クラウンライターライオンズ⇒西武ライオンズ⇒埼玉西武ライオンズ