解説
『帰ってきたウルトラマン』に登場した怪獣の1体。
デザインや設定で人気怪獣であるレッドキングの流れをくみながらも、黒いボディと金色の角を持つシックで格好いいビジュアルから、高い人気を誇っている。
データ
別名 | 用心棒怪獣 |
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身長 | 65メートル(尻尾含めると82メートル) |
体重 | 6万トン |
出身地 | ナックル星 |
第37話「ウルトラマン夕陽に死す」、第38話「ウルトラの星光る時」に登場
ウルトラマンジャックの抹殺および地球の侵略を目的とするナックル星人が、対ウルトラマンジャック用に連れてきた強力な怪獣。
武器は口からのマグマ光線「ヘルマグマ」、煙幕を吐いて目くらましといった技の他、尻尾は掠めただけで鉄板をズタズタにし、背中の棘は鯨でも串刺し鋭く、角で30万t(50万tとする説もある)のタンカーを投げ飛ばし、鉄の100倍の強度のブラックアームは平手打ちの一撃でジャックを叩き伏せ、羽交い絞めにして動きを抑えるなどの圧倒的怪力を持つ。
事前に送り込んだ再生シーゴラス、再生ベムスターの戦闘データから、対ウルトラマンジャック用にトレーニングを積んでおり、スペシウム光線やウルトラブレスレットに耐えうる防御力を得ている(※)。
ナックル星人と共に一度はジャックを倒した実力から最強怪獣の1体に数えられるほどである。
再びジャックと戦った時も一度は窮地に追い込んでいるが、闘志を取り戻したジャックの前に逆に追い込まれ、最後はスライスハンドで首を刎ねられ、倒された。
※ 戦闘データを得た際ナックル星人は「これではブラックキングでも勝てるかどうか危ない」と判断しており、冷静さを奪う為に坂田兄妹を殺害するなど念を入れた作戦を採っている。
『ウルトラマンタロウ』放送当時の児童誌では、タロウを倒すために怪獣軍団が派遣しようとするも「ナックル星人が付いていなきゃ勝てないんじゃないか」と書かれて却下されている。
レッドマンにおいて
Battle-002と005に登場。
両手からロケット弾を発射してレッドファイトを繰り広げた。
平成以降の作品において
ウルトラ銀河伝説
ウルトラマンベリアル配下のシャプレー星人が操る怪獣として登場。ベリアルに破壊されて氷に閉ざされた光の国でレイを強襲するが、シャプレー星人がウルトラマンらを追いかけて行ってしまったため、あっけなくゴモラの超振動波の前に砕け散った。また、ベリュドラの左の角を構成する怪獣としても登場した。
映像作品の登場は38年ぶりの登場となる。
『ウルトラマンサーガ』
未公開映像では、ハイパーゼットンがスフィア細胞で誕生させた怪獣兵器の一体として登場。
同じく登場したアントラー、キングパンドン、ベロクロン、タイラントと共にフューチャーアースに送り込まれ、かつての仇敵ウルトラマンジャックと戦うが、数々の戦いを乗り越えたジャックの敵ではなく、ウルトラランスで串刺しにされ倒された。
ウルトラマンギンガ
礼堂ヒカルが初めてウルトライブした怪獣として登場。スパークドールズはヒカルが草むらで偶然発見したもの。
直後に現れたサンダーダランビアと対決するが、電撃攻撃に苦戦。最終的にはヒカルがウルトラマンギンガとなったことでスパークドールズへと戻った。
その後は第7話でダークガルベロスとボクシングで対決するも、リーチの差でパンチが届かず敗退してしまった。
『新ウルトラマン列伝』・『スパークドールズ劇場』
声:岸哲生
一人称は「ワシ」、もしくは「ワイ」。よくサンダーダランビアとセットで出てくる。かつての強豪怪獣のはずが何故かお笑い芸人のような調子で関西弁を喋っている。ウルトラマンタロウの物まねをしたがサンダーダランビアから悪意を感じると突っ込まれた。
『新ウルトラマン列伝』第37話の頃から「クロッチ」と言うあだ名がついた。またウルトラヒーローが好きなのでは無いかと言う疑惑も浮上している。
ウルトラマンX
第5話で登場。今回はナックル星人バンデロに使役されている(ナックル星人とのタッグは『帰ってきたウルトラマン』以来実に44年ぶりとなる)。
着ぐるみは『ギンガ』で使用した物の流用…ではなく新造形(若しくは改造品)。眼が赤一色になっており、より凶暴そうな面構えになっているのが特徴。
Xioが持つスパークドールズを素粒子研究所に輸送する際に突如出現、原作通りスペシウム光線(に匹敵する威力を持つ設定の光線銃での攻撃)を物ともせずに弾き飛ばして襲い掛かるもエックスと戦闘になる。続いて巨大化したバンデロとのタッグでエックスを追い詰めるが、バンデロを追ってやって来たゼロの乱入により跳び蹴りで角をへし折られ、バンデロ共々別次元の「惑星ギレルモ」へと逃走した。そして後述するドリルカスタムへと改造される事になる。
ブラックキングドリルカスタム
ゼロによって折られた頭頂部の角を、バンデロによりドリルに換装された姿(後述する改造ブラックキングが元ネタと思われる)。
ドリルから「ドリルブラスター」という光線を発射しているが、相手に命中しなかったため、ウルトラマンに当たった場合の効果のほどは不明。しかしエックスの背後の山を一撃で吹き飛ばした事からそれなりの威力はあるようだ。
後を追って来たゼロ、エックスのタッグとの再戦になり、エックスの「ゴモラ振動波」「エレキング電撃波」「ザナディウム光線」を立て続けに喰らってスパークドールズになり(その姿はなぜか通常のブラックキングのものだった)、最後は高田ルイによって回収された。
ウルトラマンオーブ
「怪獣総進撃」
第10話「ジャグラー死す!」に登場。
元々はナグスの所有物だったが、ジャグラーがガイとの決着をつけるためにノストラから譲り受けて召喚した。
アリブンタやケルビムを瞬殺したオーブスラッガーランスの攻撃すら受け付けないほどの防御力を誇る。
ハリケーンスラッシュやバーンマイトに変身したオーブとも互角以上に渡り合うほどの凄まじい強さを見せるが、最後はナグスがジャグラーを銃殺した(と思われたが、後に生きていたことが判明)様子を目にして奮起したバーンマイトのストビュームダイナマイトを受けて木っ端微塵に粉砕された。
スーツは『X』に使用されていたものの流用。
ちなみに、今回のタイトルは、初登場時の「ウルトラマン夕陽に死す」のパロディになっており、ブラックキングが粉砕される際に画面が赤く染まるという初代のオマージュ的な演出も見られる。
ウルトラマンR/B
第2話「兄弟の絆」に登場。
歴代の中では初めて市街地に出現した個体である。
なお、今回は逆にブラックキングが2人のウルトラマンと戦うというシチュエーションとなっている。
何者かの手によってルーブジャイロにセットされた怪獣クリスタルによって出現。怪力とヘルマグマで街を破壊していたところウルトラマンロッソとウルトラマンブルと戦闘となる。まだ戦い慣れていない二人と互角に渡り合い、ロッソアクアに頭部を水で包まれても尚それを炎で蒸発させ二人にダメージを与える強さを見せるも、連携する事を学び基本形態に戻った二人によって角を折られ形勢逆転。ブルアクアによって空中に打ち上げられた後、ロッソとブルのキックで地上に落とされ大ダメージを負い、最期はロッソのフレイムスフィアシュートとブルのアクアストリュームを同時に受けて爆散した。
ウルトラマンタイガ
第10話「夕映えの戦士」に登場。
本作ではブラックキングの卵が登場している(下のイラスト)。
ナックル星人オデッサ(小田)によって卵に封印され、とある倉庫の異空間で保管されていたが、霧崎ことウルトラマントレギアの甘言で掻き立てられた小田のナックル星人としての闘争本能に反応し唸り始め、そしてトレギアとウルトラマンタイガの戦闘を目の当たりにした小田の眼前でついに巨大化。タイガとの戦闘に入り、怪力と溶岩熱線でタイガを圧倒するも、途中で交代したウルトラマンタイタス相手にはそれらも効かず形勢を逆転され、最後はエレクトロバスターで倒された。
次回作『ウルトラマンZ』の9月の第1週の放送では弟分のレッドキングと二代目が登場しており、こちらもブラックキング同様卵が登場している。
ウルトラマンZボイスドラマ
第14回「スパークドールズ劇場Z」にブラックキング(SD)がサンダーダランビア(SD)と共に登場した。
他媒体での登場
ウルトラ超伝説において
ナックル星人1号のパートナーとしてグア軍団から支給されたもの。しかし力は数十倍に強化された上に頭部の角がドリルに変更された改造ブラックキングとなっている。東京を襲い、ウルトラマンエースにダメージを負わせるも、アンドロメロスによってドリルと頭部を接合する動力パイプを破壊されアンドロタイフーンで撃破される。
グラビア版でも登場する。
ウルトラマンFightingEvolution0
ヤプールによって強化され、エレキングの能力を付与されてウルトラ兄弟に襲い掛かった。
レベル1は角での攻撃、レベル2はヘルマグマが使用可能。最終レベルの3ではこの技に限りナックル星人が登場し、連携攻撃で相手を倒す技となっている。
大怪獣バトル
第3弾から、主のナックル星人と同時参戦。
Neo3弾以降はナックル星人とのタッグ技「マッドネスコンビネーション」が実装された。
漫画「大怪獣バトルウルトラアドベンチャー」ナックル星人が、敵対するペダン星の基地へ大量に送り込んでいた。そのうちの一匹がペダン星人の円盤に捕獲され、捕虜のナックル星人により暴走させられるも、主人公・御蔵イオの召喚したベムラーに破れた。
ウルトラマンフュージョンファイト!
第1弾稼働終盤に発売されたサンダーブレスターセットにて、テレビ本編に登場した物と同一のイラストで収録及び先行参戦(通常カードは第2弾にて収録)。
属性は「火」。奇しくも「盾」属性のジャックには有利な属性である。スペックは同セットのベムスターと比べるとハヤサが無い代わりにコウゲキ・ヒッサツの数値が6と同じく第2弾にて筐体排出されたORマガパンドンと同じステータスを持っている。
ウルトラマンSTORY0
星間連合幹部たるナックルの怪獣牧場にて大量に飼育されており、モットクレロンなどの怪獣を貪り食って成長していた。空を飛べるように改造されたワイバーン型ブラックキングや、水中活動が可能な首長竜型ブラックキングなども登場している。
凶暴で残忍だが、ナックル星人に無理矢理作り出された生物ということもあり、ゴライアンからは「今度生まれてくるときはもっと良い奴に生まれてくるんだぞ!」と言われていた。
スーパー特撮大戦2001
このゲームにはバット星人とゼットン二代目が登場しないため、ジャックシナリオのラスボスとしてナックル星人と一緒に登場している。
最初のステージは原作再現のいわゆる負けイベントなので勝つことができない……のだが、ブラックキングが弱すぎて負けようと思っても負けられないという罠が待っている。
具体的にはブラックキングにジャックを倒してもらわないと話が進まないのだが、スパロボでのこの手のイベントでよくあるターン経過やHP減少等でイベントが発生するようなことが一切ないため、ジャックが成長し過ぎていると普通に攻撃が全く当たらない状態になってしまう(本作の仕様上、ウルトラマン系ユニットはレベルを上げると加速度的に強くなっていくのもそれを助長している)。
加えて武器がエネルギー消費型のヘルマグマしか持っていない上、これまたスパロボのボスクラスのようなエネルギー回復能力も持っていないために、ブラックキングがエネルギー切れを起こしたらそこでゲームが進行不可になって詰む。
ならばジャックを育てず弱いまま挑めばいいと思うかもしれないが、次のステージでは増援もあるとはいえナックル星人や滅茶苦茶強いザコのケルバーンの軍団、加えてゼットンとほぼジャック一人で戦わなければならない。そのためこの負けイベントで楽に勝てるくらいレベルを上げていないと、次のステージで勝てずに詰んでしまう。どうしろと。
あんまりにあんまりな詰み要素ぶりから、本作のクソゲーっぷりを語る時に真っ先に槍玉に挙げられる要素になっている。
CGアニメ版ULTRAMAN
CV:藤沼建人
原作漫画で登場するレッドに代わり、ブラックキングに似た異星人が現れ、主人公の早田進次郎と戦う。(原作で活躍しまくりなレッドが登場しないのはおそらく尺の都合というものだろう…)
最終的には飛行能力に目覚めた進次郎に首を切断されて倒される。原作の姿を踏襲しながらも角が灰色になった他、青い鉱石のような体組織が体中に確認できる。
原作漫画でも、第91話にブラックキングと酷似した容姿の異星人が登場。
アメリカのカリフォルニアで騒動を起こしていたようだが、かけつけたジャックに倒された。
ゲーム版ではプロレス技をアクティブスキルに持つ。ちなみに異星人だが、元ネタ同様に「ブラックキング」の名称で正解だとの事。
酩酊!怪獣酒場2nd
第25話にて旧世代怪獣VS新世代怪獣の全面戦争のイメージに登場。
同じく一度はウルトラ戦士を倒したグラールと対決した。
ウルトラ怪獣擬人化計画
電撃版
2016年2月7日に行われたワンダーフェスティバルの電撃ホビーウェブニコニコ生放送にて、主人のナックル星人と共に擬人化されることが決定、夏のワンフェスにて発表された。
“用心棒”怪獣という別名を意識してか、甲冑をまとった女騎士のようなデザインに生まれ変わった。頑強な尾は大剣としてアレンジされている。
同じようなコンセプトの下デザインされたエレキングと比べるとより正統派なデザインになっている印象。
一方で、髪型は癖毛気味のウルフカットになっており、ややワイルドな印象を受ける。このあたりは狂暴な性質の持ち主として描写された原典のブラックキングを多少意識したものなのかもしれない。
担当絵師は黒銀氏。
漫画版では第29話のクリスマス編に登場。
ここではナックル星人とは友人という間柄になっており、一緒にウインドウショッピングを楽しむなどしている。
見た目通りのクールな口調が特徴だが、クリスマスに浮かれて大はしゃぎするなど、中身はかなり子どもっぽい。
小説版では、第4話に登場。陸上競技のスプリンターである黒柳ナミという怪獣娘という設定。
寡黙でどこかぶっきらぼうな印象を与える少女だが、仲間を思いやる気持ちは強く、同話の主人公である柴崎ランと切磋琢磨し合う関係になっていく。
feat.POPComiccode
第52話でモブキャラとして登場。怪獣墓場学園の生徒の1人。
テレスドン、デマーガと共に、学園の校長が主催した怪獣デュエルの様子を見物していた。
また、連載版ではこれより前にも八百屋の店主として登場していたが、単行本化された際には該当する役はワイアール星人へと変更されている。
ウルトラヒーローズEXPO THE LIVE ウルトラマンゼット
『ウルトラマンZ』の前日談である本作にも登場。
惑星ロインに出現し、スチール星人を襲っていた所、ウルトラマンゼットが現れ、エネルギーをチャージして放ったパンチ技に敗れた。
ゼットの発言によればこの怪獣が初陣の相手だったらしい。
ウルトラヒーローズEXPO2021ニューイヤーフェスティバル
『ウルトラマンZ』の後日談である本作では怪獣軍団の一体として登場。
デマーガを倒した特空機2号ウインダムの前に現れて数の暴力で苦戦させるが、ガンマフューチャーのガンマイリュージョンに翻弄され、最期はゼスティウム光線を浴びて爆散した。
余談
先述のようにレッドキングに関係の深い怪獣で、レッドキング兄、もしくはナックル星人に捕獲されたレッドキングが改造された姿という裏設定が存在する。児童誌ではこんな兄弟を生んだ母親怪獣の想像図まで描かれていた程。
デザインにもレッドキングを強く意識した部分があり、ファンの中でも様々な想像がされており『ギンガ』では第7話のスパークドールズ劇場にて映像作品内で初めてレッドキングとの共演を果たした。
ギャグマンガ『ウルトラ怪獣かっとび!ランド』では非常に仲の悪い怪獣という設定。
『大決戦!超ウルトラ8兄弟』では、当初は登場が予定されていたことからラフデザインも描かれていた(超全集やDVD映像特典のギャラリーにも載っている)が、撮影の際にはキングパンドンに変更された。また、ギガキマイラも初稿デザインでは腹部にブラックキングの意匠が存在していた。
デザインは円谷プロのプロデューサー補でもあった熊谷健氏。キングストロンで考案した頭頂部の前方に曲がった角を持つ頭部は会心の出来だったらしく、ブラックキングに採用しただけではなくアストロモンスにも同様の角を持たせている。
当初、『R/B』の脚本では出現場所はクワトロMから離れた場所だったが、監督の武居正能はアサヒとウシオも含めた市民にロッソとブルがヒーローと認められるというシチュエーションにするため改められた。また、武居は、定番の水平に光線を受ける倒され方にはしたくないと考え、第1話のグルジオボーン戦とは逆にロッソとブルが上空からブラックキングに光線を浴びせる描写とした。武居は、これは以前からやりたかった案の1つであると述べている。
参考資料
関連イラスト
※pixivでは「ブラックキング」で登録されている場合が多い。
似ている怪獣
アーストロン
頭に角が生えてる黒い怪獣ということで、シルエットがダブる人もいるかもしれない。
ブラックキングとアーストロンでは角の角度どころか肉のつき方からしてまったく違う。
ソフビを並べれば一目瞭然、角意外の共通点は無いと言ってよい。
コバルトキング
ゲーム『ワイルドアームズ セカンドイグニッション』に登場する用心棒怪獣。勿論外見もブラックキングそっくりである。