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命乞いの編集履歴2024/04/05 23:04:16 版
編集者:黒犬十世
編集内容:編集ミスの修正

概要

自分または他者の生殺与奪の権を持った相手に対し、対象の命を奪わないように頼むこと。

別の意味として、長寿神仏に祈る事も言う。

ただし、現実ならともかく創作(特に敵側)ではあまり成功せず、うまくいっても“死んだ方がマシ”な目に会う事が多い。

中には命乞いに成功して見逃して貰えたにも拘らず、見逃してくれた相手に対して不意打ち等で襲いかかった結果、返り討ちにされてせっかく失わずに済んだ命を自分から捨てる羽目になったという愚かな末路を辿るケースや、主人公達からは逃げられたもののその後自身より上の立場の悪役に役立たずとして粛清されるパターンもある。

フィクションでは基本的に悪役敵役側が行う手口だが、主人公側がやった場合、敵の油断を誘う搦め手のパターンが多い。(後述のジョセフがその最もたる例である。)無法者や悪漢に襲われる一般人も行う事もあり、その場合は主人公等によって救われるパターンも多い(物語冒頭だと世界観説明の為に殺される事も多いが。)

また、悪役側が主人公側に命乞いを要求するパターンも多いが、大概は主人公側が折れずに失敗に終わる事が多い。多くの場合は後述にもあるが悪役側の自業自得・因果応報である。

なお、pixivにおいては命乞いの結果(=無慈悲に処刑されるシーン)や、命乞いの前後に凌辱されているシーンが含まれていることも多いため、タグの性質上ではR-18R-18Gになりやすいので閲覧は要注意。

命乞いの一例

命乞いにも色々なパターンがあるのでそれをここに記載する。

※:他のパターンをご存知の方は加筆をお願いします。

ひたすら哀願する

モブ娘「ひっ……! やめて! 殺さないで! 助けて!」

主に何の特徴もないモブによく見られるパターンだがそれ故に実は一番よく目にし、下記のようなパターンでも土壇場でこちらに移行することも多い。

特に交渉カードを出すわけでもなく、ひたすら哀願して情に訴える。当然これで許されるはずもなく、次のコマあたりで何のタメも容赦もなくあっさりと殺害されることが圧倒的に多い。これで助かるのはそもそも相手が人質奴隷強姦生贄拷問など別の用途に供するつもりでいるため生け捕りにする必要があるなど、状況がさらに悪化するケースが大多数である。無論、その用が済んだら改めて殺されることも多い。

味方が行う場合は「なぜ殺すんだ?」「どうしてそんなひどいことをするの?」と人の心に訴えかけることも多いが、基本的には空振りに終わる。

一方、悪役が行った場合「お前はそれを聞き入れたのか?」「お前はあの子が『助けて』と言ったらやめてやったのか?」などと返されることも多い。自業自得である。

金や物や地位等を差し出す

悪徳な貴族「ゆ……許してくれ! 金ならいくらでも出す! だから命だけは……」

主に金や物に恵まれている貴族金持ち社長等が用いるパターン。

だが、この方法の命乞いをしている者は頼む相手からをゲスな理由で奪っているため命乞いには失敗する場合が多く、もし殺されなかったとしても自分の悪事の報いとして惨い制裁を受けるのが定番である。

悪役同士の場合は自身が握っている情報を盾に「俺を殺せばあいつらの居場所が分からなくなるぞ」と命乞いをすることがあるが、聞き入れる雰囲気を見せつつ裏切りや任務に失敗したことへの粛清を優先して殺すというご無体な展開になるのがよく見られる。

終わった関係をネタにする

元・仲間「頼む…許してくれよ……俺達一緒にやってきた仲間だろ? な?」

小説家になろうカクヨム等のサイトで閲覧できる追放もの復讐もので見られるパターン。主に「主人公に酷い仕打ちをしてパーティや組織から追い出した仲間(主に勇者等のパーティのリーダー格であるのがお約束)や、自分の浅はかすぎる思い込みで主人公を嘲笑や差別したクラスメート」等が馴れ馴れしく用いる。

当然この時点で、主人公は命乞いをしてきた相手に対して友情や仲間意識は完全に消滅しており命乞いに応じるわけがなく、ましてや仲間やクラスメイトとしてヨリを戻すこともなく「もう○○じゃないだろう」と一蹴されるのが定石である。中には、主人公を裏切った異性の幼馴染恋人婚約者・結婚相手等が用いるパターンもある。その場合は「浮気相手に騙されていた」、「確かに浮気相手と関係はもったけど、心はあなたの物」等の責任逃れや言い訳をするが、この段階で主人公には新しい恋人・婚約者ができているため、これまた主人公が応じるはずがない。

相手を自分の仲間に引き入れようとする

元『組織』の男「お前らも早くこっちにこい! 『組織』はもうダメだ!」

上のパターンに似ているがニュアンスはかなり異なり、こちらは「追い出した方」というより「追い出された方」あるいは「逃げた方」が行うことが多い。相手は追手として放たれた元仲間、あるいはヒットマンである。

人間誰しも上の命令に疑問を覚えることはあるものだ。ましてそれが組織の倫理、あるいは組織そのものの崩壊を招くものであれば袂を分かつこともある。そして、悪の組織とはそういった足抜けを許さず、追手を放つのがお約束だ。

そんな追手に対して自らの正義や組織の実情を主張し、仲間に引き入れようとするのがこれである。交渉カードとしては「クスリにだけは手を出さないと思っていた」「ボスが企んでいることを知っているのか」「お前も用済みになれば殺されるぞ」といったような内容が多い。

このカードを切った場合の展開は相手によって大きく異なる。相手が一人でやってきた場合は「そんなことはすでに知った上で組織に忠誠を誓っている幹部」「理由はどうあれ依頼は確実にこなす仕事人」「そんなことがあるはずない、あるいは自分に限っては不利益を受けるわけがないと高をくくっている楽観主義者」等の理由でそのまま殺害されることが多い。

一方、複数人で襲撃してきた場合はそのうち一人以上が事実を知らない、あるいは同様に疑問を覚えている、場合によってはそもそも自分も裏切るつもりで、裏切り者と接触するためについてきたなど、交渉に乗って共闘したために結局助かるというケースもよく見られる。

交渉する

いじめっ子「お前が嫌がるようなことはもう二度としない! だから許してくれよぉ! なぁ!」

身勝手な理由で相手に危害を加えていたいじめっ子不良などの悪人・悪党が、被害者に追い詰められた際に用いるパターン。当然、発言者から酷い仕打ちや被害を受けた復讐者は「わかった、もうすんなよ」なんて応じるわけがなく、徹底的に痛めつける等をして復讐を果たすパターンが多い。

また、少し珍しいパターンとしては「もう俺がお前にかなうわけないってわかっただろう?」「俺を殺す必要なんてないはずだ」などと開き直って自分の弱さを盾に良心へ訴えかけるというパターンも見られる。

話し合いで乗り切る

元・仲間の冒険者「ま、待て! 話せばわかる!」

前述の交渉すると少し似ているが、こちらは自分が相手を殺すこと前提で襲い掛かるも失敗して逆に相手に追い詰められ、自分の生殺与奪の権利を相手に握られた際に用いる。

だが、自分から殺すこと前提で襲い掛かって失敗しても話し合いで相手を言いくるめて窮地を乗り切れるなんてムシのいい話があるわけないし、もし仮にそれが通じたら自分が襲い掛かった相手は「超」や「バカ」が付く程のお人好しである……が「俺を殺したら○○が悲しむぞ」のように自分のしでかした悪行や愚行を棚上げして、相手の良心や人情を突く形で命乞い……もとい不意打ちに成功するパターンも見受けられる。

自分の立場を利用した上から目線の命乞い

勇者「俺を殺したら魔王を倒せる奴がいなくなって世界は滅ぶんだぞ! そうなったらお前に責任取れるのかよ!?」

義父「捨て子だったお前を拾い上げて育てたのは誰だと思っている!? 恩を仇で返すつもりか!」

マッドサイエンティスト「私の優秀な頭脳が失われても良いのか?」

王族勇者、あるいは育ての親などの自分の立場、肩書きを利用した上から目線の命乞い。

人にものを頼む態度ではないし、そもそも略奪や殺戮に破壊、寝取りに洗脳といった絶対にやってはいけない悪事、犯罪に手を染めていたりで立場や肩書きを名乗る資格を失ってるパターンが多い。

ちなみに「魔王の討伐」といった命乞いをする者の役目や使命は、主人公が引き継ぐのが定番である。「育ての親」のケースは主人公にとっても簡単に割り切れないことが多く、涙ながらに説得して改心させたり、悲しみを乗り越えてトドメを刺すというケースである。

命乞いに関連するキャラクター・人物一覧

※:他にもご存知の方は加筆をお願いします。

漫画作品

なお、後の北海道編では、隠し財産を賄賂として各方面にバラ撒いたことで何とか死刑を回避した事が本人の口から語られ、皮肉な事に剣心の発言が正にその通りになってしまった

  • 美しい魔闘家鈴木(幽遊白書)
    • 戸愚呂弟と戦った時に靴を舐めても助かりたいというほどの見苦しい命乞いをしたが、「殺す価値すらない」として見逃された。その後、最終的に戸愚呂弟よりも強くなるという異例のキャラであった。
  • ゴキブリ(こちら葛飾区亀有公園前派出所)
    • 「野生へ帰れ!の巻」で、両津勘吉の部屋でゴキブリの大群が人文字の要領で「バカ」と挑発したが、バルサンを取り出して徹底抗戦する両津の前に「トモダチ」と許しを乞う。しかし聞き入れられるはずもなかったため、ヤケクソになって特攻をしかけたゴキブリのせいで部屋は地獄絵図と化してしまった。
  • ザボエラ(ダイの大冒険)
    • 切り札の超魔ゾンビに乗り込んでミナカトールを形成する魔方陣を守るダイの仲間達を圧倒するが、ロン・ベルクの捨て身の必殺技「星皇十字剣」の発動で撃破されてしまう。だがザボエラ本人はすんでのところで脱出して逃走を図っていたがそれを見越していたクロコダインに見つかるや否や「この場は見逃してくれいっ!!! 今後は魔王軍には決して協力せんと誓うっ!!!」と必死の命乞いを和解を求める裏で密かに体内では洗脳効果のある毒を調合し、クロコダインがザボエラの命乞いに応じて手を差し伸べるや否や爪からその毒を注入しようとするも、それも見抜いていたクロコダインによって躱された挙句グレイトアックスの柄を叩き落とされて両腕の骨を圧し折られて身動きを封じられ、トドメとばかりに獣王会心撃で引導を渡され自業自得末路を迎えた。

アニメ

特撮

ゲーム作品

  • 吹雪御前(天外魔境Ⅱ)
    • ヒロインであるの前で自分が彼女の両親の仇であることを笑いながら白状したことで、それがその絹の逆鱗に触れてしまった上に、彼女の今まで隠し続けていた真の力を開放させてしまい、腕を千切り飛ばす程の無慈悲な残忍さをはじめとする恐ろしさから自分が氷漬けにした主人公に絹を止めるように懇願する形で命乞いをするが、当然絹には拒否され容赦なく惨たらしく殺害された。
  • ジャンガ(クロノアヒーローズ)
    • 元相棒の息子であるガンツに追いつめられ戦闘前までイキリ散らしていたのがウソのようにヘコヘコし命乞いをしだす。呆れたガンツに帽子を撃たれ命は助けられるがその後油断した隙を突き主人公クロノアを強襲しダメージを与えるが本人は撃たれて崖から転落し物語からフェードアウトする。なお、namco×CAPCOMに出演した際も懲りずに別のキャラに対して実行しているが、罠であること見抜かれていた上にクロノアの時のように致命傷を負わせるのに失敗した上に割って入ってきためっちゃ強い格闘家必殺技でボコられるという自業自得そのものな結果となった……
  • ボクオーン(ロマンシングサガ2)
    • 主人公である皇帝に追い詰められると命乞いを行う。それに許すか許さないかの二択の選択肢が出るが「許す方」を選んだ場合は不意打ちで襲い掛かって来て、それにより陣形を崩されるというデメリットを被ってしまう。なお、その後のボクオーンとの戦闘で皇帝が討ち死にした場合は、次代以降の皇帝が同じ状況に立たされても不意打ちを受けなくなる。
  • カンダタ(ドラゴンクエスト)
    • ドラゴンクエストⅢで初登場し、ロマリアにあった金の冠を奪って主人公たちは取り返すべく、カンダタのアジトであるシャンパーニの塔へ戦闘を挑みにいく。彼を倒すと「金の冠を返すから許してくれよ!な!な!」と命乞いをしてくる。ちなみにここで「いいえ」を選んでも無限ループに突入するため許さないことはできない。その後も「許してくれよ!な!な!」という命乞い構文を引っ提げ本編外伝問わず様々な作品に登場し、彼の持ちネタの一つと化している。

小説・ラノベ作品

  • セイン(経験値貯蓄でのんびり傷心旅行)
    • こちらもユージンのように因縁の相手にして不倶戴天の存在である自分が冒険者パーティーから追放した主人公との一騎打ちで戦うも、右腕を切断されるや否や、掌を返して自分と自分が寝取った主人公の婚約者が、大勢の命をはじめとする何もかもを修復不可能にまで奪い、粉々にしておきながらそれらを棚に上げて『仲間や親友』という関係を引き合いに命乞いを行い、それが功を奏してその場で殺されずに済んだものの、悪事の報いとして殴り飛ばされた(書籍版では何発も顔面を殴られた挙句、太ももの骨をへし折られた)挙げく、自分が国王をはじめとする多くの人を殺した祖国に自分の身柄を引き渡され、一週間(書籍版では数か月に激増している)に渡って連日10時間以上の拷問を受け続けた挙句、処刑された。
  • デスドレイン(ニンジャスレイヤー)
    • フジキド・ケンジに全身を内側から焼かれる拷問を受けた際に命乞いをするが、その理由が悪いことはもうしないからではなく、もっと悪事を働きたいから見逃せという例のないものであった。もちろん許されるはずもないのだが、フジキドは追撃よりも仲間の援護を優先したために、悪党にしては珍しく生き延びることができた。

その他

  • ニコライ・ボルコフ
    • TRPG実況を中心に活躍するボイロ実況者。AmongUsを用いたコラボ企画であるふにんがすにおいて投票にて追放される寸前に、TRPGのロールプレイさながらの命乞い即興劇を敢行することで有名となる。その内容は『「吊らなかったら心から『ありがとう』と言う」として交渉』『故郷に帰って娘を一目見てから処刑して欲しいと交渉』『上層部への不満を煽り、革命を起こそうとする』『真意を伝えるために即興ラップを披露する』『事前に作成した動画にてプレゼンテーション』等と多彩であり、『ニコライする』として参加者・視聴者共に親しまれている。基本的には始まった瞬間に粛々と投票されるのが様式美であり、本人も吊られる前のお約束として敢行するのが常だが、中には息子をダシにしたニコライがなぜか息子がいない参加者の心の琴線に触れた結果追放を免れてしまい、衆人環視の中で堂々と殺人を敢行して『見ろよ!お前らが甘ちゃんなせいでコイツが死んだぞ!』とさらなるロールプレイに走ったことも。

関連タグ

助けて/助けてあげて 助けたい

命あっての物種

ピンチ ヒロピン ヒーローやられ

助ける/助け

くっ、殺せ!:対となる言葉で、主に女騎士の要素を持つキャラにマッチする。

異世界もの追放もの復讐もの)に登場する悪徳勇者など:プロローグで主人公に酷い仕打ちをするが、主人公に追い詰められた際に用いるのがお約束になっている。

卑劣漢(悪女):登場する作品において後述のキャラクター達のように『命乞いをして、相手が油断したり躊躇した所を奇襲する』といった卑劣そのものな手を使う事が多い。

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