東武日光線
とうぶにっこうせん
路線データ
路線名 | 日光線 |
---|---|
区間 | 東武動物公園 - 新栃木 - 下今市 - 東武日光間 |
路線距離 | 94.5km |
軌間 | 1,067mm |
駅数 | 26駅 |
電化区間 | 全線(直流1,500V) |
複線区間 | 全線 |
最高速度 | 120km/h |
閉塞方式 | 自動閉塞式 |
保安装置 | 東武型ATS(TSP) |
運転指令所 | 運行管理所(東武指令) |
ICカード乗車券エリア | PASMOエリア:全線 |
第1種鉄道事業者 | 東武鉄道 |
概要
東武動物公園(埼玉県南埼玉郡宮代町) - 東武日光(栃木県日光市)間を結ぶ東武鉄道の鉄道路線。伊勢崎線(東武スカイツリーライン)・野田線(東武アーバンパークライン)と共に東武本線幹線として機能している。
世界遺産「日光の社寺」を擁する観光地・日光や鬼怒川沿岸温泉群アクセスを担っており、浅草方面 - 日光・鬼怒川・南会津方面を結ぶ特急が頻繁に運行されている。
現在の種別
特急
前述の通り、日光・鬼怒川方面アクセス列車が多数運行されている。これらの列車は同時に埼玉県・栃木県から東京の代表的な観光地である浅草や東京スカイツリーがあるとうきょうスカイツリーへのアクセスも担っている。
- 浅草発着
浅草 - 東武日光間を結ぶ「けごん」・「リバティけごん」、鬼怒川線鬼怒川温泉を結ぶ「きぬ」・「リバティきぬ」、野岩鉄道会津鬼怒川線経由で会津鉄道会津線会津田島まで直通する「リバティ会津」が運行されている。500系「Revaty」で運行される「リバティけごん」の一部は浅草 - 下今市間で「リバティ会津」「リバティきぬ」と併結運行を行う。
通常運行区間以外にも朝上り・夜下りに新栃木発着「リバティけごん」が1往復、朝に鬼怒川線新藤原発「リバティきぬ」が1本運行される。
2023年(令和5年)7月15日からは既存の100系「スペーシア」を使用した列車をN100系「スペーシアX」に置換えた同名特急が浅草 - 東武日光・鬼怒川温泉間で運行されている。
朝夜通勤時間帯には南栗橋・板倉東洋大前に停車する列車が存在する(板倉東洋大前停車は1往復)。
- JR直通列車
2006年(平成18年)3月18日ダイヤ改正で「日光」「きぬがわ」が運行を開始。栗橋駅構内に設置された連絡線を使用してJR東日本東北本線(宇都宮線)経由湘南新宿ライン新宿駅からの直通運行が実現した。これらの列車は「スペーシア」を使用する場合は列車名が「スペーシア日光」「スペーシアきぬがわ」に変化する。
運行区間は「日光」・「スペーシア日光」が新宿 - 下今市 - 東武日光間、「きぬがわ」・「スペーシアきぬがわ」が新宿 - 下今市 - 鬼怒川温泉間。
定期列車は運行開始以来長らく「日光」が1往復・「きぬがわ」1往復・「スペーシアきぬがわ」2往復、計4往復体制であった。2023年(令和5年)3月18日ダイヤ改正で「日光」を「スペーシア日光」に変更、「きぬがわ」1往復を臨時化・「スペーシアきぬがわ」1往復を「きぬがわ」に変更し、往復は廃止する減便が行われ、定期列車は「スペーシア日光」「きぬがわ」が1往復ずつ計2往復の設定となった。
臨時列車は上述の新宿以外にも中央本線(中央快速線)八王子発着で設定されており、主に「スペーシア」が使用される。過去には東海道本線品川・大船・総武本線(総武快速線)千葉発着で設定されたこともあり、品川発着は「スペーシア」で運行された。
急行
2006年3月18日ダイヤ改正まではJR同様特急より下位の有料優等列車種別として使用されていたが、同改正より快速より下位の種別として新設された。
2017年(平成29年)4月21日ダイヤ改正以降は南栗橋以南・以北で大きく性質が異なる2系統の急行が運行されている。
- 東武動物公園 - 南栗橋間
伊勢崎線(東武スカイツリーライン)押上(スカイツリー前)を介し、東京メトロ半蔵門線・東急田園都市線中央林間まで直通を行う。日光線内は各駅に停車する。
元は2003年(平成15年)3月19日ダイヤ改正で半蔵門・田園都市線直通「通勤準急」としてラッシュ時のみ設定されていたが、2006年3月18日ダイヤ改正以降はほぼ終日に渡り設定されている。大半の列車が南栗橋で新栃木方面列車と接続する。
日中同区間列車は全て半蔵門線・田園都市線直通急行で、毎時3本設定されている。
区間急行
2006年3月18日ダイヤ改正に伴う種別整理で「準急」から変更された。2017年4月21日 - 2022年3月11日には急行同様南栗橋以南と以北で異なる2系統の区間急行が設定されていた。本項では南栗橋以南の区間急行について記載。かつて以北に設定されていた区間急行は後述する。
地下鉄に直通しない優等列車の種別で、日光線内は各駅に停車、朝のみ運行される。かつては南栗橋駅で分割・併合し新栃木・東武日光発着(一部は会津田島発)列車や準急時代は東武宇都宮線東武宇都宮発着列車も存在した。
停車駅
(浅草 - 曳舟 - 北千住間各駅) - 西新井 - 草加 - 新越谷 - 越谷 - せんげん台 - 春日部 - 東武動物公園⇔南栗橋間各駅
準急
2006年3月18日ダイヤ改正以前は現在の「区間急行」に相当する種別。前述の通り、東武日光や東武宇都宮まで乗入れていた。同改正で「区間準急」のうち、半蔵門線直通用車両で運行される列車種別に変更された。なお、2003年3月19日ダイヤ改正まで時刻表上では「準急B」と区分されていた。
区間準急時代はラッシュ時以外に運行されていたが、現在は午前中及び夜間の急行が設定されていない時間帯に運行され、日光線内は各駅に停車する。平日の上り最終列車である押上行以外は全て半蔵門線直通で、同列車と下り半蔵門線清澄白河発南栗橋行以外は全て田園都市線と直通している。南栗橋で新栃木方面列車と接続する場合がある。
停車駅
押上 - 曳舟 - 北千住 - 西新井 - 草加 - 新越谷⇔南栗橋間各駅
区間準急
2006年3月18日ダイヤ改正以前は浅草・北千住 - 南栗橋間の区間列車及び現在の「準急」に相当する列車の種別として使用されていたが、現在は前者のみ使用されている。
朝・夜に運行され、日光線内は各駅に停車する。
2013年(平成25年)3月16日ダイヤ改正までは半蔵門線直通対応車による運用も存在した。
停車駅
浅草 - 北千住間各駅 - 西新井 - 草加 - 新越谷⇔南栗橋間の各駅
普通
2017年4月21日ダイヤ改正以降は南栗橋駅を跨いで運行される列車は存在せず、同駅で運行系統が分割されている。
基本的に東京メトロ日比谷線中目黒 - 南栗橋間及び同駅 - 東武日光・東武宇都宮・新藤原間の2系統で運行される。
- 東武動物公園 - 南栗橋間
北千住発着の一部列車以外日比谷線直通列車のみで構成されている。
2022年3月12日ダイヤ改正以降は日中以外の時間帯に設定され、直通列車の一部は出入庫のため、霞ケ関発・南千住行として運行している。
元々同区間における普通列車設定は少なく、他種別が普通列車機能を果たしていた。日比谷線直通区間が延長された2013年3月16日ダイヤ改正で上下線で終日運行を開始。2017年4月21日ダイヤ改正で浅草発着・南栗橋を跨いで運行する列車、2022年3月12日ダイヤ改正で日中時間帯における日比谷線南栗橋行が廃止され、現在に至る。
- 南栗橋 - 新栃木 - 下今市 - 東武日光間
この区間の普通はワンマン運転を行なっている。
南栗橋 - 新栃木間においては東武日光・鬼怒川線方面列車・宇都宮線直通列車がほぼ交互に運行され、日中は毎時1 - 3本運行される。東武日光方面列車は新栃木で東武宇都宮線と接続する他、栃木 - 新栃木間では栃木発着宇都宮線直通列車が存在する。
かつては区間快速や旧準急及び区間急行が普通の代替として機能していた。
新栃木 - 下今市間においては毎時1本程度の運行頻度で、一部は新鹿沼駅発着。また、下今市 - 東武日光間は毎時1 - 2本程度。下今市 - 東武日光間区間列車が存在。鬼怒川線方面特急や普通と接続する。この他にも東武日光・鬼怒川線を結ぶ列車も一部設定されている。
同区間普通は2020年6月6日ダイヤ改正で南栗橋 - 新栃木間及び東武宇都宮線におけるワンマン運転が開始されたことで新栃木で運行系統が分割されていたが、2022年3月12日ダイヤ改正で新栃木以北・鬼怒川線でもワンマン運転が開始された事で直通が再開された。
過去の種別
快急→急行(有料)
元は快急「だいや」「おじか」「しもつけ」として運行し、急行化時に使用車両を6050系から300・350型に変更。同時に「だいや」を「きりふり」、「おじか」鬼怒川温泉発着便を「ゆのさと」、野岩鉄道・会津鉄道直通便を「南会津」に改称した。
「きりふり」「しもつけ」は特急に昇格、「ゆのさと」は定期列車としては廃止し、臨時特急として設定。「南会津」は急行のまま廃止された。詳細は各列車項目を参照。
快速・区間快速
6050系で運行された料金不要最速達列車。浅草 - 東武日光・会津田島間で運行された。
2006年3月18日ダイヤ改正で全上り列車及び昼以降の下り列車が格下げされる形で区間快速が誕生した。区間快速は当初通過駅が伊勢崎線内のみであったが、2013年3月16日ダイヤ改正から新大平下以南で通過運行を行うようになった。
どちらも2017年4月21日ダイヤ改正で急行・区間急行に置き換えられる形で廃止された。
停車駅(廃止時)
浅草 - とうきょうスカイツリー - 北千住 - 春日部 - 東武動物公園 - 板倉東洋大前 - 新大平下 - 栃木 - 新栃木 - 新鹿沼 - 下今市 - 東武日光/下今市〜会津田島間の各駅
※区間快速の停車駅は浅草〜新大平下間は快速と同じ。新大平下〜東武日光・会津田島間は各駅に停車。
区間急行(南栗橋以北)
2017年4月21日ダイヤ改正で廃止された区間快速に代わり、設定された種別。2022年3月12日ダイヤ改正で全列車が普通に格下げされ、廃止された。
停車駅
南栗橋 - 栗橋 - 板倉東洋大前 - 新大平下⇔東武日光・新藤原間各駅
快速「AIZUマウントエクスプレス」
2017年4月21日ダイヤ改正で鬼怒川温泉発着1往復が東武日光発着に延長された。日光線内は各駅に停車していた。
2022年3月12日ダイヤ改正で東武日光発着便は廃止された。
特急連絡・急行連絡
下今市 - 東武日光間で運行されたシャトル列車。下今市で接続する優等列車によって名称が変化した。普通列車同様に特別料金は不要だが、上今市は通過していた。
急行が特急に統合された際に「スペーシア」を使用する朝2本以外は「普通」に統合され、最後まで残った2本も2022年3月12日ダイヤ改正で普通に変更され、消滅。
駅一覧
※東武動物公園 - 南栗橋間急行・区間急行・準急・区間準急は各駅に停車するため、省略。表の急行は同駅以北を指す。
●:停車 ○:一部停車 レ:通過
駅番号 | 駅名 | 特急 | 急行 | 乗換路線 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|
- | - | - | |||
TS30 | 東武動物公園 | レ | - | 伊勢崎線久喜方面(TS30) | - |
TN01 | 杉戸高野台 | ○ | - | - | - |
TN02 | 幸手 | レ | - | - | - |
TN03 | 南栗橋 | ○ | ● | - | 運行系統上の境界 |
- | - | ↑JR東北本線経由湘南新宿ライン新宿まで直通(特急のみ) | - | ||
TN04 | 栗橋 | レ | ● | JR東北本線(JR宇都宮線) | JR直通特急は運転停車 |
TN05 | 新古河 | レ | レ | - | - |
TN06 | 柳生 | レ | レ | - | - |
TN07 | 板倉東洋大前 | ○ | ● | - | - |
TN08 | 藤岡 | レ | レ | - | - |
TN09 | 静和 | レ | レ | - | - |
TN10 | 新大平下 | レ | ● | - | - |
TN11 | 栃木 | ● | ● | JR両毛線 | 当駅発着あり |
TN12 | 新栃木 | ○ | ● | 東武宇都宮線 | 当駅発着あり |
- | - | ↓東武宇都宮線東武宇都宮まで直通 | |||
TN13 | 合戦場 | レ | レ | - | - |
TN14 | 家中 | レ | レ | - | - |
TN15 | 東武金崎 | レ | レ | - | - |
TN16 | 楡木 | レ | レ | - | - |
TN17 | 樅山 | レ | レ | - | - |
TN18 | 新鹿沼 | ● | ● | - | 当駅発着あり |
TN19 | 北鹿沼 | レ | レ | - | - |
TN20 | 板荷 | レ | レ | - | - |
TN21 | 下小代 | レ | レ | - | - |
TN22 | 明神 | レ | レ | - | - |
TN23 | 下今市 | ● | ● | 鬼怒川線新藤原方面 | 当駅発着あり |
↓鬼怒川線・野岩鉄道経由会津鉄道会津田島まで直通 | - | ||||
TN24 | 上今市 | レ | レ | - | - |
TN25 | 東武日光 | ● | ● | - | JR日光線日光駅 |
現在の使用車両
自社車両
- 100系「スペーシア」(メイン画像)
南栗橋車両管区春日部支所所属。特急「きぬ」「けごん」「スペーシア日光」「スペーシアきぬがわ」で使用。
2022年3月12日まで東武日光発下今市行「特急連絡」でも運用された。N100系投入に伴い、一部が廃車された。
- 500系「リバティ」
南栗橋車両管区春日部支所所属。特急「リバティきぬ」「リバティけごん」「リバティ会津」及び尾瀬夜行で使用。
- N100系「スペーシアX」
南栗橋車両管区春日部支所所属。日光線内では2023年4月21日より試運転開始。同年7月15日から同名特急で運用されている。
- 634型「スカイツリートレイン」
元6050系。2編成あり、常時併結で運用される。南栗橋車両管区本区所属。かつては臨時特急「スカイツリートレイン」として運用されていた。現在は臨時列車や団体列車で使用される。
下今市機関区所属の蒸気機関車・ディーゼル機関車及び客車。「SL大樹ふたら」で運用。
南栗橋車両管区春日部支所所属。かつては全線で運用されていたが、現在は南栗橋以南の区間急行・区間準急で運用される。
南栗橋車両管区春日部支所所属。南栗橋以北のワンマン列車で運用。
南栗橋車両管区本区所属。半蔵門・田園都市線直通用車両。南栗橋以南の急行・準急で運用。50000型は2編成のみであり、30000系とのトレードで東上本線から転属して来た。
南栗橋車両管区春日部支所所属。日比谷線直通用車両。南栗橋以南の普通で運用。70090型は座席指定列車「THライナー」でも運用される。
東京メトロ所属
千住検車区所属日比谷線用車両。南栗橋以南の普通で運用。
鷺沼検車区所属の半蔵門線用車両。南栗橋以南の急行・準急で運用される。18000系投入に伴い、8000系は間もなく引退予定。
過去の使用車両
南栗橋での運行系統分割及びJRとの直通運転を開始した2006年3月18日以降の車両のみ記載。
自社車両
南栗橋車両管区本区所属。
特急「きりふり」「しもつけ」「ゆのさと」及び急行「南会津」、尾瀬夜行で使用された。
- 6050系
南栗橋車両管区本区所属。快速・区間快速及び南栗橋以北の急行・区間急行、栃木以北の普通で運用されたが、2022年3月12日のダイヤ改正をもって定期運用を終了した。
- 1800系
南栗橋車両管区本区所属。元伊勢崎線急行「りょうもう」用車両。定期運用離脱後は最終増備車1編成のみ波動用車両として臨時列車で運用された。
かつて全線で運用されていた車両。最末期は南栗橋 - 新栃木間及び東武宇都宮線で運用されていたが、2006年末限りで運行終了・廃車された。
かつては全線で運用されていたが、最末期はワンマン仕様対応編成が東武宇都宮線直通用として栃木 - 新栃木間で運用された。
- 20000・20050・20070型
南栗橋車両管区春日部支所所属。日比谷線直通用車両。南栗橋以南の普通で運用され、一部は20040型に改造された。余剰となった中間車は廃車・解体されたが、一部がアルピコ交通に譲渡されている。
南栗橋車両管区本区所属。半蔵門・田園都市線直通及び地上線で使用。臨時列車も含めると全線で運用された。
直通用2編成を除き、東上本線に転属。残る2編成も50000型2編成とのトレードにより、2021年9月までに全車転属した。
会津鉄道所属
- 6050系200番台
東武南栗橋車両管区新栃木出張所所属。東武・野岩車と共通運用であった。
- AT-700・750形
会津田島車両基地所属。日光線内の運用区間は下今市〜東武日光。快速「AIZUマウントエクスプレス」で運用された。
JR東日本所属
大宮総合車両センター東大宮センター所属。特急「きぬがわ」「日光」で使用された。基本は485系運用であるが、検査等で運用出来ない場合は「スペーシア」が代走、それも運用出来ない際に189系を代走として使用した。これは189系が485系や「スペーシア」と比べて設備が劣るための措置であった。臨時列車には189系が主に充当されていた。