概要
wizardryシナリオ#1。
原題は"Proving Grounds of the Mad Overlord"。
偉大なる伝説の第一歩、かも知れんじょう。
同ジャンルの作品に与えた影響、及びこのジャンルそのものの成立に果たした役割等については親記事のwizardryを参照していただくものとして、ここでは#1の内容と、#2・#3に引き継がれるゲームシステムの特徴に関してのみ記述する。
日本国内でも、ベニー松山『隣り合わせの灰と青春』をはじめ、多くのノベライズ・コミカライズが為されている。
プラットフォーム
ファミリーコンピュータ / MSX2 (1987年)
プレイステーション / セガサターン / windows(『リルガミンサーガ』収録) (1998年)
スーパーファミコン(『ストーリーオブリルガミン』収録) (1999年)
ストーリー
エセルナートという世界に、リルガミンという都市国家がある。
ある時代の王が、偏執的なまでの征服欲によって近隣の国家を圧倒し、また国内においても意に沿わぬものは容赦なく弾圧した。
人々は恐怖と憎悪を以って彼をこう呼んだ…『狂王』トレボー(Trebor)と。
彼の覇業を実現する原動力、それは太古の神の隠された神殿より持ち出されたともいわれる魔法の護符(Amulet)であり、トレボーがリルガミンの玉座に就いたのも、護符の強大な魔力があってこそ可能になったともいわれている。
エセルナート全土の支配も時間の問題と思われた。だがある夜、侵入不能のはずのトレボーの寝室から、魔法の護符が盗み出されたことにより、状況は一変する。
護符を手にした『悪の魔術師』ワードナ(Werdna)は、その強大な魔力を用い、巨大な地下迷宮をリルガミンの町外れに出現させ、迷宮最下層に篭城の構えを見せる。
怒り狂ったトレボーはワードナ討伐のため精鋭騎士部隊を差し向けるが、冥界魔界より召喚された膨大な数の魔物たちによって、悉く返り討ちにされてしまう。
そこでトレボーは一計を案じた…件の護符を奪還し、さらに壊滅した騎士団の戦力を従来以上に増強し得る、一挙両得の妙手。
『偉大なるトレボー王による世界統一を妨げる逆賊・ワードナを成敗し、国宝たる護符を見事持ち帰った者には、多額の報奨金と共に正当な騎士の称号を与え、トレボー親衛隊への入隊を認める』
この召集は城下のみならず近隣各地へも通達され、あらゆる種族の猛者たちがリルガミンの街に結集した。ある者は名誉を求め、またある者は金銀財宝を夢見て、そしてまたある者は死と隣り合わせの冒険に引き寄せられ…
これがシナリオ#1の、そしてwizardryの始まりである。
実は上記のストーリーはほぼ後付け設定であり、必ずしも公式と言い切れるものでもない。
『エセルナート亜大陸』はグループSNEによる設定(ウィザードリィRPGも参照)で、『都市国家リルガミン』もシナリオ#2から出て来た語句であり、#1の舞台とは別の国であるというウィザードリィ二都説もあるほど。
『リルガミンサーガ』にて『エセルナート』という地名が採用されたときは少なからず物議を醸したのだとか。
最初から存在しているのは『狂王』トレボーと『悪の魔術師』ワードナの二人の名前だけで、それも当時大学生だった二人の製作者、ロバート・ウッドヘッドとアンドリュー・C・グリーンバーグの名前を逆さ読みにしただけである(Robert→Trebor、Andrew→Werdna)。
トレボーとワードナがどのような関係であったのかも明確な設定はなく、面識はない説、主従関係からの反逆説、同盟関係からの仲間割れ説、競合関係説、政敵説、仇敵説、八百長説、果ては同一人物説にいたるまで、小説等が発表されるたび新説が登場する。
特にこの点に踏み込んだ作品としては、多摩豊『ウィザードリィ正伝 トレボーと黄金の剣』がある。
ともかくも『狂王』の命令で『悪の魔術師』を倒し、クリアアイテムである"WERDNA'S AMULET"を持ち帰るのが目的であることから、細部については解釈の幅があるものの、概ね上記のような物語が半公式的に採用されている。
ゲームシステム
#1で確立されたものが#2・#3にもほぼそのまま受け継がれている。#5ではかなりの変更点があるが、基本的には#3までの延長上。
一応#2の時点で呪文の効果が一部変更されているが、100000GPも払ってまで曖昧な情報を聞かせてもらうほどの変更ではない。
キャラクター
主人公ともいうべき冒険者に関しては、その人物像等について、ゲーム側では全く何も用意していない。
プラットフォームによっては初心者への救済措置として、初期状態でLv5程度に達している何人かの冒険者が登録されているが、それぞれの経歴なり物語なりがあるわけでもない。
#1から#5まではキャラクターの容姿を現すグラフィックすら存在しないのだ。
ゲーム上に存在するのは『名前』『種族』『性格(戒律)』『職業』、あとは能力等を示す数値があるのみ。
容姿、性別、冒険に挑む動機や目的などは、全てプレイヤーの想像力(妄想力)で賄わなければならない。
#6以降と和製wizに関しては冒険者の顔グラフィックが用意されているものもあるが、これらに対して『非表示に切り替えられるようにして欲しい』という人もいるのである!
パーティ
迷宮の探索は最大六人のパーティで行う。五人以下でも、なんなら一人でも迷宮に潜ることは可能。
隊列の1、2、3人目は前衛として前列に立ち、4、5、6人目は後衛として後列に立つ。前衛二名・後衛一名などの隊列は組めない(後代の一部作品では可能に)。
後衛は呪文詠唱やアイテム使用でしか戦闘に参加できず、敵が呪文やブレスを使用してきた場合はダメージを受けることも。
こうした理由から、実戦に対応できるパーティ編成はおのずと決まってくる。
種族
人間(ヒューマン) / エルフ / ドワーフ / ノーム / ホビット の五種族。詳細は各記事にて。
#6では新種族の追加と共に、種族ごとの装備制限も設けられるが、#5までは後述の特性値以外に種族による違いはない。
もともと『D&DやMERPをコンピュータ上で行うもの』という側面があるだけに、選べる種族もそれらの作品に近いものになっている。
性格(戒律)
悪といっても辻斬り強盗を生業にしているような悪党のことではなく(そういうイメージでプレイすることも可能ではあるが)、実際には『善=理想主義』『中立=現実主義もしくは日和見主義』『悪=利己主義』程度が一般的な解釈。
基本的に善の者と悪の者は同じパーティには参加できず、善悪混成のパーティを作るには一定の手間が必要になる。
下記の職業に対する制約になる他、一部の装備品は性格限定。
また迷宮内での特定の行動により、善は悪に、悪は善に変化することもある。
職業
装備できる武具と、習得できる呪文、罠の識別・解除、成長の速度(レベルアップに必要な経験値)に関わってくる。詳細は各記事と、ジョブ(RPG) / クラス(RPG)も参照。
就職条件は特性値と性格で、これを満たしていれば転職も可能。ただし転職を行うと、習得した呪文とHPは継続されるがLv1(経験値0)になり、特性値は種族の初期値に低下、さらに数年分加齢(後述)というオマケがつく。
特性値等
能力を示す特性値は力・知恵・信仰心・生命力・敏捷性・運の六つ。
種族ごとの初期値に、キャラクター作成時のボーナスを加算して、いずれかの職業の最低基準を満たすところから始める。
これとは別に年齢が設定されている。宿屋に宿泊していると『誕生日』がやってくる他、寺院での蘇生、訓練場での転職でも加齢が発生する。
若いうちはレベルアップによって各特性値が上昇するが、齢をとると上昇しづらくなり、五十路ともなれば逆に減少し始める。
特に生命力が一定値を下回るとお迎えが来てしまう(後述)…。
これはキャラクターごとに設定されているので、冒険を開始した頃は同年齢だったのに、一人は子供のままで他のメンバーだけ十数年も年上になってしまう…なんてことも普通に起こりうる。
その他の数値としてはHPと呪文使用回数がある。
呪文
魔術師系と僧侶系の二系統があり、習得できる職業が異なる。
どちらもLv1からLv7まで七段階の位階があり、キャラクターのレベルが一定以上でなければ高位階の呪文は習得できない。
二系統七位階のそれぞれに呪文使用回数が存在し、例えば魔術師系Lv4の呪文を使い切ってしまうと、(それ以外の回数がどれだけ残っていても)魔術師系Lv4の呪文は使えない。
キャラクターのレベルアップによって最大値が9まで増える。
蘇生失敗
wizardryというゲームを強烈に印象付ける最大の特徴、それが蘇生失敗という悪夢である。
HPの残量が0になる、もしくは一部モンスターの特殊能力や呪文による『一撃死』の効果によって、キャラクターは『死亡』という行動不能の状態に陥る…まぁここまでは普通のゲームと同じ。
寺院にお布施を払う、あるいはパーティメンバーが蘇生呪文を詠唱することで『死亡』から回復(蘇生)できるが、これらはけっこうな確率で失敗する(特性値等で成功率が変化)。
すると『死亡』状態から『灰』状態に進行してしまうのだ。ここからでも復活は可能だが、より高額なお布施、あるいはより高位階の復活呪文が必要になる。
そして『灰』状態からの復活に失敗してしまうと…そのキャラクターは『消失』する。大事なことなのでもう一度いうが、どんなに経験をつんだキャラクターであろうと『消失』するのだ。既に灰なので火葬の手間は要らない。老衰による死も同様で、装備・所持品ともども埋葬されます。
こうなるとゲームのシステム上において、このキャラクターを再登場させる手段はない。訓練場の冒険者名簿も空欄となる。
HPにして僅か1だけのダメージが、積もり積もればキャラクターの本当の意味での死に直結しているという事実が、ゲームの緊張感をいやというほど高めているのだッ!
…まぁたいていのプレイヤーはリセット(後述)を用いてこの事態を回避するわけだが。
蘇生失敗も恐ろしいが、冒険中にパーティ全員が『麻痺』『石化』『死亡』『灰』のいずれかに陥った場合は『全滅』となり、地上に戻され…ない。
全滅したパーティは現場に倒れたままで、地上に連れ戻すためには新たに救助隊を編成し、現場まで回収に行かなければならないのだ。
さらに救助隊がたどり着いた頃には所持品等が減っていたり、場合によっては『消失』していたりもする。
冒険の拠点は地上の街
迷宮と城下町を行ったり来たりするのが、wizardryの冒険の形態である。
ギルガメッシュの酒場
パーティの結成、メンバーの入れ替え、所持品・所持金の受け渡しが行える他、一部プラットフォームでは酒場でしかキャラクターのステータスを確認できない。
善悪混成のパーティは酒場では結成できず、迷宮内で冒険を中断してから別のパーティと合流する必要がある。
冒険者の宿
レベルアップは迷宮内では発生せず、必要な分の経験値が貯まった状態で宿に泊まると発生する。
部屋の格付けは『簡易寝台』『エコノミールーム』『スイートルーム』『ロイヤルスイート』の四段階があり、一週間ごとの宿泊費とHP回復量が異なる。
これらとは別に『馬小屋』で寝ることも可能で、呪文使用回数しか回復できないが宿泊費はタダ、なにより一晩だけなので誕生日を迎えるのが遅くなる。このため、ベテラン冒険者はほとんど馬小屋生活者と化している。
ボルタック商店
アイテムの売買を行う他、正体不明のアイテムを鑑定し、また呪いが発動して手放せなくなったアイテムを解呪してくれる。
プレイヤーが売ったアイテムは買い戻すことも可能だが、それ以外に商材が増えることはほとんどなく、ある程度ゲームが進むと下取り専門の施設、あるいは有料(買い戻しの差額が必要になる)の倉庫と化す。
ちなみに、店名は本家・合衆国でも"Boltac's Trading Post"だが、カナ表記の『ボルタック』は『ボッタくる』のアナグラムとも読める。あたかも店主の経営哲学が現れているかのような偶然の一致…まぁ、カント寺院に較べればずっと良心的なお店なワケだが。
カント寺院
キャラクターの状態異常を治癒してくれる寺院。シナリオ#4で御本尊が『カドルト神』と判明する("Kadorto"は僧侶系Lv7の復活呪文)。
継続する状態異常のうち『毒』は地上に出ると自然に回復するため、寺院のお世話になるのは『麻痺』『石化』の治癒と、『死亡』『灰』からの蘇生である。
ささやき - えいしょう - いのり - ねんじろ!
対象者のレベルに応じたお布施が必要になるのだが、所持金が足りないと『ケチな背教者め!出て行け!』と叩き出されてしまうのだ。
さらに、上述の通り死亡者の蘇生はけっこうな確率で失敗するのだが、ちょっとでも済まなそうにするとか、一言でも謝罪するとか、そんなことは全くない。少なくともプレイヤーの目に見える範囲では全くそうした態度をとらない。
そして失敗した場合でもお布施は返ってこない。仲間が帰ってこない事実のほうが遥かに重大なのはもちろんだが、カント寺院の暴虐ぶりはある意味ワードナやトレボー以上である。
町外れの訓練場
冒険者の新規登録、ステータス確認、改名、転職、および登録抹消を行う。
迷宮でパーティが全滅し、救助が困難と判断した場合、回収を諦めて意図的に消失させることも可能なのである…実際にやるかどうかはさておき。
また何らかの状況でキャラクターが消失した場合、ここで同名のキャラクターを新たに登録して、『生前の経験で得た能力は全部失ったけど、若い身体で転生した』と思い込むことも可能…実際にやるかどうかはさておき。
戦闘と戦利品
武器と防具
装備品には呪いの有無と特殊効果が設定されており、武器はダメージ計算式とSTR修正値・攻撃回数、防具はACが設定されている。
片手武器と両手武器の区別はなく、全て盾との併用が可能。防具は鎧・盾・兜・篭手・その他の五箇所にそれぞれ装備できる。
モンスター
mon-ster / 怪物. 過去で対決し、未来で立ち向かうであろう己自身の影.(『末弥 純 画集 ウィザードリィ』より)
モンスターにはそれぞれ『名称』『不確定名』『タイプ』『レベル』『HP』『AC』『ダメージ(攻撃力)』『特殊能力』『抵抗』『弱点』『友好』『EXP』『出現数』『出現場所』と『後続の随伴率・種類』が設定されている。
その後に一定確率で特定種のグループが付いてくる。B1では最大で2グループ、B2~B4では3グループ、B5以降は4グループまで出現しうる。画面上に表示されるのは先頭グループのみ。
FC版で、不確定状態を含むグラフィックが末弥純により作成されたことで、シリーズ全体のイメージが大きく変化した。
これ以前のプラットフォームでは非常にシンプルな画像で種類も少なく、また冒険者やアイテムにはFC版以降も長い間公式なデザインがなかったため、(pixiv上でも)wizardry関係のイラスト作品はFC版由来のデザインによるモンスターをモチーフにしたものが多い。
宝箱
危険な戦闘を乗り越えた者へのご褒美、そして戦闘以上に危険なデストラップである。
宝箱には基本的に何かしらの罠が仕掛けられている。『毒針』『ガス爆弾』『石弓の矢』『爆弾』『スタナー』『テレポータ』『メイジブラスター』『プリーストブラスター』『警報』の九種類が存在し、解析・解除しなければ中身を手に入れることは出来ないのだ。実際、安全を重視して放置してしまうのも、状況次第では正しい選択といえる。
宝箱を見つけたら、まずは生存者のうち誰かが罠の解析を試みる。職業が盗賊で、敏捷性が高ければかなりの確率で見破れる。職業がニンジャだとやや心もとなく、敏捷性が高くてもたかだか七割程度。その他の職業では二割にも満たない。僧侶系Lv2呪文"CALFO"でも解析可能(これも100%ではないが)。
次は罠の解除。罠の種類ごとに手順が異なるので、解析が間違っていると解除は失敗してしまう。解除能力はキャラクターのレベルから算出され、盗賊・ニンジャは修正値が加算される。
また解除に失敗しても、敏捷性が高ければ、罠が作動する前に開けることが可能。
宝箱の中身は、これを持ち歩いていたモンスターがなんであるかで決定される。複数のグループがいた場合、遭遇時点で先頭にいたグループが宝箱を持っていたことになる。
アイテムは基本的に不確定の状態で入手し、店舗での鑑定は買い取り価格と同額の手間賃がかかる。
神のイカズチ
プラットフォームによって事情は異なるが、初期のwizardryはゲーム内の状況が自動的に記録される、オートセーブが標準装備されている。…つうか、基本的にオートセーブをオフに出来ない。
上述のような『蘇生失敗』『迷宮内で全滅』といった破滅的状況が確定してしまうと、例え電源を落としてもなかったことには出来ないのだ。
が、オートセーブがどのタイミングで行われるかを理解していれば、これを逆手にとってゲーム内の状況をある程度制御下におく方法がある。そう、『リセット技』である。
『不利な状況』が見えてから『オートセーブがなされる』前にハードウェアによるリセットを行うことで、『不利な状況』になる前の『オートセーブがなされた』時点に状況を戻すことが出来るのだ。
本来のルールからは外れる手段だが、このゲームでは『必要悪』と見なされてもいて、『ノーリセット』は『縛りプレイ』の一種であり、リルガミンサーガに到ってはコントローラー操作によるソフトリセットが可能になっている。
というのも、プラットフォームによってはハードリセットという行為がゲームのデータに負担をかけ、不利な状況どころかセーブデータそのものが消滅するという状況もそれなりの確率で発生したのである。
ルール外の行動だけに代償も高くつく諸刃の刃、世界そのものを破壊しかねない神のイカズチ、それがwizardryの『リセット技』である。
あらためて#1
ダンジョン
B1からB4までをつなぐエレベーターと、B4からB9までの各階を結ぶ高速エレベーターがある。
B4でブルーリボンを入手すれば(後述)、B5からB8までは一切踏み込まなくてもクリアは可能。B9もエレベーターからたった四歩の位置にB10へのシュートがあるので、あちこち歩き回る必要がない。
B10はテレポータで結ばれた七つのエリアで構成されており、各エリアには地上に直通のテレポータもある。ちなみにそのことは他でもないワードナ様が教えてくれている。
モンスター
このシナリオでは、特定の地点で必ず遭遇する(いわゆる固定出現の)敵は二組しかいない。
B4のモンスター配備センター(MONSTER ALLOCATION CENTER)で登場するパーティと、B10の事務所(OFFICE)で待ち受けるワードナ様ご一行である。
B4のパーティはレベル7ファイター(LVL 7 FIGHTER)二名、レベル7メイジ(LVL 7 MAGE)二名、ハイプリ-スト(HIGH PRIEST)二名、ハイニンジャ(HIGH NINJA)一名の計七名様。
結論から言えば『初見殺し』。魔術師系Lv5の窒息呪文"Makanito"が使えなければ(普通にB4に辿り着いた程度の力量では)、この場で全滅の可能性も充分にある。
なお、この戦闘で得られる宝箱の中身は固定。うち一つはかなり高額で買い取ってもらえる…生きて持ち帰れたら、の話だが。
ここを切り抜けて進んでいくとブルーリボン(BLUE RIBBON)を受け取り、高速エレベーター(PRIVATE EXPRESS SERVICE ELEVATOR)が使用できるようになる。
注目すべきは、この集団はワードナではなくトレボーのしもべであり、ここでの戦闘は#1のサブタイトルどおりの『狂王の試練』であるということ。
エレベーターの乗り継ぎを行うこのB4だけは、トレボーの騎士団が制圧できているということなのだろうか?なお、B4には上記の『モンスター配備センター』の他に、『迷宮コントロールセンター』と書かれたドアもある。これらは一体何を意味するのか…
迷宮の深層ともなればランダム出現の『雑魚』もシャレにならない力量を備えている。代表的なものはドラゴンゾンビ(DRAGON ZOMBIE)、
グレーターデーモン(GREATER DEMON)、
フラック(FLACK)、
レイバーロード(RAVER LORD)、
マイルフィック(MAELIFIC)。
そしてまた強さという観点ではかすりもしないが、多くのプレイヤーにとって忘れられない存在が
マーフィーズゴースト(MURPHY'S GHOST)である。
そしてもう一つの固定出現、ラスボスであるワ ー ド ナ(W E R D N A)と、彼の事務所にのみ姿を見せる
特にFC版のバンパイアロードは、美形モンスターの草分け的存在とも言われている。呪文一発であっけなく倒れる儚さも魅力。
FC版を含む幾つかのプラットフォームでは、主人不在の事務所をバンパイアロードが守っていることもあり、弱点を衝けば労せずレアアイテムを取得できるという裏技も…
アイテム
稀少かつ強力なアイテムを手に入れたければ、強敵に挑み続ける必要がある。
世に言う『三種の神器』、むらまさ(MURAMASA BLADE)・しゅりけん(SHURIKEN)・せいなるよろい(ARMOR of LORDS)(以上三点の表記はFC版準拠)を求めて、ワードナそっちのけで迷宮に潜り続けた日々は、いわば『wizardryあるある』。
ネタ要素
wizardryシリーズは日本では『本格的』『硬派』といったイメージで浸透したが、元々はパロディ・脱力系ギャグを散りばめた悪ノリ的な側面、いわゆるバカゲー要素が強かった。代表的なものを挙げると…
- カシナートの剣
- ボーパルバニー
- 甲高い声で"YEAH.. YEAH.."といいながら踊っている『カエルの置物』
- "A DUNGEON'S DARK..." / "WHEN IT'S NOT LIT..." / "WATCH OUT. OR YOU'LL.." / "PIT!"
- AppleⅡ版での村正は"MURASAMA BLADE"となっている。ひょっとしてソレ、村正じゃなくて村雨…?
- 自分を倒しに来た冒険者に"CONTRA-DEXTRA AVENUE"という手がかり(?)をくれるワードナ様
- 事務所のドアに受付時間を明記し、予約を求める律儀なワードナ様
- いかにも重要そうなのに何の使い道もない『金の鍵』(一部プラットフォームでは必須アイテムに)
…等々(ほかにありましたら追記してください)。