基礎データ
進化
ヒノアラシ→マグマラシ(Lv.17)→ヒスイバクフーン(ヒスイ地方でLv.36)
概要
ヒスイジュナイパー・ヒスイダイケンキと並び、パートナーポケモン初のリージョンフォームである。
また他2種とは異なり、原種から分類名が変わっている。
全体的なシルエットは大きく変わっていないが、背中の色が濃い紫となった他、本来背中側にだけあった炎の噴出器官が、首回りを1周する形で増加している。
そこから噴き出す炎も妖しく揺らめく紫色のものに変異しており、まるで妖怪や、数珠をかけた祈祷師・霊能力者を彷彿させるデザインとなった。
ヒスイ地方中心にそびえるテンガン山の霊気が影響してこの姿となったとされ、行き場を失いさまよう霊魂を食べることによりその炎で浄化し、冥界へ送ると信じられている。
また、しばしば何もない宙を目で追っている姿が見られ、生命エネルギーの流れや霊魂を見ていると考えられている。
体型は原種バクフーンよりも前脚が若干大きく二足歩行化が進み、人相も荒々しく鋭い目付きをしていた今までから一転、アイシャドウが入った様なタレ目で、耳も後方に垂らしている。
振る舞いもどこか優雅で余裕を感じさせる所作で、ニヒルとも不敵とも気怠げとも妖艶とも取れる独特な雰囲気を放ち、原種同様オフの時には炎を消しているため余計に際立つ。
このように気質も温厚となっているが、1度怒ると原種以上に感情を爆発させ、灰も残さない程に執拗な炎で相手を燃やし尽くしてしまう。
その際首元から生み出した最大108にも及ぶとされる鬼火は、恐ろしい獣のような形相となり相手に襲いかかるという。
タイプにはほのおに加え、設定通りゴーストが追加されており、後付け進化とはいえ炎御三家初のゴースト複合となった。
色違いは背中の体毛が青みがかって、原種とほぼ同じ色合いとなる。
ゲームでの特徴
対戦での評価
HP | こうげき | ぼうぎょ | とくこう | とくぼう | すばやさ | 合計 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
ヒスイ種 | 73 | 84 | 78 | 119 | 85 | 95 | 534 |
原種 | 78 | 84 | 78 | 109 | 85 | 100 | 534 |
差異 | −5 | ±0 | ±0 | +10 | ±0 | −5 | ±0 |
原種から「HP」と「すばやさ」を少し削り、その分を「とくこう」に回したステータスとなっている。
耐久と素早さが下がったことはリスクといえばリスクではあるものの、元々バクフーンは「こだわりスカーフ」などを用いて強引にでも先手を取りに行く戦法を得意としてきたので、火力が上がったメリットの方がはるかに大きいといえる。
タイプ追加で技範囲が広がったことも恩恵が大きい。もっとも、ほのお・ゴースト複合は耐性も多いが弱点も突かれやすく、特に『LEGENDSアルセウス』ではじめん技やあく技を使うポケモンが多いので慢心は禁物である。
一族初の専用技として「ひゃっきやこう」を習得している。「たたりめ」に確率のやけど効果を追加したような性能で、手堅く使いやすい。
一方で、定番の必殺技であった「ふんか」は『LEGENDSアルセウス』では未実装。分類名と同じ「おにび」も同様である。
代わりに本作では「オーバーヒート」が実質的に一族の固有技となっている(本作で他に使用できるのはヒートロトムのみ)。
ちなみに『LEGENDSアルセウス』ではねむり状態・こおり状態がまひやどくに似た別の状態異常に置換えられており、どんな状態であっても相手が行動する可能性が残っている。
折角「さいみんじゅつ」を決めたのに捕獲したいオヤブンが「すてみタックル」を放って来て自傷し戦闘終了、何てこともあるので、ノーマルの自傷技を不発に出来るゴースト追加は捕獲面でもそこそこ役に立つ。
第9世代
『SV』ではレギュレーションDからランクバトルで解禁。
同タイプの新ポケモンとしてラウドボーンとソウブレイズが登場しており、シャンデラも同時期に復帰してきたものの、いずれも得意とする戦法が異なるためすんなりと棲み分けできている。勿論差別化点は意識しておく必要がある。
特性は「御三家」恒例の「もうか」に加えて「おみとおし」を得た。「こだわりスカーフ」に頼ることが多いバクフーンにとって、相手も所持しているか否かを始め、どうぐを確認してから行動を選べるメリットは大きい。
前述の通りゴースト複合で止まりにくくなっており、さらに原種譲りの「きあいだま」も使える。かくとう技の相性補完は引続き優秀で、覚える特殊技の少なさに反して技範囲は完成の域にある。
技範囲の狭さ故に両刀にしてまで突破を図る必要もあった原種に比べると、特殊一本に絞った育成が格段にしやすくなっている。ただし、「ねっさのだいち」は原種しか習得しなかったので、どうしてもじめん技が欲しいならば「じしん」の使用も視野に入って来るが。
また、原種が覚えない「めいそう」や、効果が変わる「のろい」を活かした搦め手も可能である。
そして「ふんか」が帰って来たことが何よりも嬉しい。
ゴーストはこの「ふんか」とも相性が良く、仕様上ダメージを少しでも食らうと弱体化する「ふんか」の障害である先制技に多いノーマルやかくとう(特に「ねこだまし」)を無効化出来ることが非常に大きい。
欠点は環境上位に強いゴーストやあくが多く、他の巻き添えとなりやすいということか。特にイーユイなどはほのお側でも支障して来る。
新要素「テラスタル」は「ふんか」の突破力をさらに向上出来るほのおを筆頭に、あく・ドラゴンに強く弱点のどく・はがねには元タイプが耐性を持っているフェアリー、「のろい」の邪魔とならないゴースト、ゴースト弱点対策ノーマル、みず・じめん弱点と「キノコのほうし」対策となるくさが目ぼしい所。
以上のように戦法の幅が広がっており、初見での対応が難しいポケモンとなっている。
準伝説・パラドックスポケモンが使用不能なレギュレーションHでは使用率こそ振るわないがパワー自体は評価されている。C252「こだわりメガネ」ほのおテラスタル「ふんか」150は、HD特化のブリジュラスやH252「とつげきチョッキ」アカツキガチグマぐらいは確定1発で粉砕する。上位帯ではパワーよりも「のろい」でアカツキガチグマのような受け突破系アタッカーを処理出来る性能が注目されている。
同レギュレーションダブルバトルではそのパワーを味方のエルフーンの「いたずらごころ」+「にほんばれ」で増強する形で、これを軸とした晴れパが環境に乗った。シングルと比べると「もうか」の採用も多め。
使用トレーナー
番外作品
『ようこそ!ポケモンカフェ〜まぜまぜパズル〜』
2022年10月登場。この手のポケモンとしては珍しく、原種も進化前もジュナイパーやダイケンキも伴わない、完全に単独での登場となっている。
編集時点では不定期にイベントや課金コンテンツの題材となるゲスト枠と扱われている。
2024年4月にはイベント「ぽかぽか茶屋」に合わせて和服衣装が実装された。これのデザイン的な評価がかなり高く、プレイヤー以外にもそこそこの知名度がある。
ポケモンGO
- 2014年1月14日にレイドデイという形で実装。ポケモンGOは基本的にリージョンフォームに進化させることが出来ないため(ごく稀にリージョンフォームへ進化出来るイベントが開催される)レイドでしか入手出来ない。
- 肝心の性能だが、ほのお・ゴースト複合としては優秀なアタッカーのシャンデラとジム防衛向けで住み分けているラウドボーンには見劣りする。一般ポケモンである両者と比べてレイド限定なせいで入手に難があり過ぎるのもキツい。御三家なのでいずれは「ブラストバーン」が覚えられるコミュニティデイが開催される可能性はあるが、それはラウドボーンも同じことである。ただしラウドボーンはノーマルアタックにゴースト技を覚えず、攻撃力もヒスイバクフーンの方が高いので、ゴーストタイプとしては一応勝っている。最もゴーストとしても正直弱いのであまり意味はない。
- 専用技「ひゃっきやこう」は未実装。これの性能によってはゴーストポケモンとして活躍出来る可能性は残されている。シャンデラの壁はかなり高いが健闘を期待したいころである。
余談
登場当初の原種バクフーンの色違いは今よりも濃い目で、背中の炎もやや紫がかっていた。
第3世代頃には消滅した設定であったが、ヒスイ種をデザインするに当たって「現代には受け継がれなかったもの」という繋がりで意図的に当時の配色をオマージュしたという説が存在する。
シャンデラの炎は燃やした魂の行き場をなくし永遠に彷徨わせるとされ、行き場をなくした魂を燃やして浄化するヒスイバクフーンとは、同じほのお・ゴーストでありながら炎の性質が正反対となっており興味深い。
ジュナイパーやダイケンキと異なり、ヒノアラシ系統は『BDSP』にも登場したが、やはりどう育てても原種バクフーンにしかならない。
ヒスイ地方がシンオウ地方となる過程でテンガン山は霊山としての性質を失ってしまったのであろうか…。
関連イラスト
関連タグ
図鑑番号順
0156.マグマラシ→0157.バクフーン(ヒスイバクフーン)→0158.ワニノコ
同複合タイプ
ヒスイ御三家・最終形態
炎御三家・最終形態
ポケモン | 該当地方 |
---|---|
リザードン | カントー御三家 |
バクフーン(ヒスイバクフーン) | ジョウト御三家(ヒスイ御三家) |
バシャーモ | ホウエン御三家 |
ゴウカザル | シンオウ御三家 |
エンブオー | イッシュ御三家 |
マフォクシー | カロス御三家 |
ガオガエン | アローラ御三家 |
エースバーン | ガラル御三家 |
ラウドボーン | パルデア御三家 |