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路線データ

路線名伯備線
路線区間
  • 倉敷〜伯耆大山(正式区間)
  • 岡山〜米子(運行系統)
路線記号V
ラインカラー
路線距離138.4km
軌間1,067mm
駅数
  • 28駅(正式区間)
  • 35駅(運行系統)
信号場数3箇所
最高速度120km/h
複線区間倉敷〜備中高梁/井倉〜石蟹
単線区間備中高梁〜井倉/石蟹〜伯耆大山
電化区間全線:直流1,500V
閉塞方式
  • 複線自動閉塞式:複線区間
  • 単線自動閉塞式:単線区間
保安装置ATS-SW
運転指令所
  • 中国総合指令所岡山指令所:倉敷〜新郷
  • 中国総合指令所米子指令所:新郷〜伯耆大山
ICカード乗車券エリアICOCAエリア※
第一種鉄道事業者西日本旅客鉄道(JR西日本):全線
第二種鉄道事業者
  • 日本貨物鉄道(JR貨物):全線
  • 井原鉄道:清音〜総社

※利用可能駅は倉敷〜新見間と生山、根雨、伯耆大山。

概要

倉敷駅(岡山県倉敷市)と伯耆大山駅(鳥取県米子市)を結ぶ西日本旅客鉄道(JR西日本)鉄道路線の一つで、幹線。倉敷駅を経由する全列車が山陽本線岡山駅(岡山県岡山市北区)、伯耆大山駅を経由する全列車が山陰本線米子駅(鳥取県米子市)に乗り入れる為、運行系統上は岡山駅〜米子駅間の路線として扱われる。

路線名の由来は岡山県中部の旧国名備中国」と鳥取県西部の旧国名「伯耆国」。

陰陽連絡線の一つであり、全線が直流電化されている。山陽新幹線と接続する岡山駅と県北部や鳥取県西部を結ぶ重要な役割を果たしている。それは旅客列車のみならず貨物列車にとっても同様で、全線で日本貨物鉄道(JR貨物)が第二種鉄道事業者となっている。

また岡山県総社市清音駅総社駅間は第三セクター井原鉄道も第二種鉄道事業者として、両社の共用区間となっている。但し改札口ホームは分離されており、運賃形態も別物となっている。この為この区間をJRの列車に乗車した場合はJR、井原鉄道の列車に乗車した場合は井原鉄道の運賃が必要となるが、井原鉄道には清音駅発着の列車が存在する為、総社駅〜清音駅間をJR、清音駅以西を井原鉄道に乗車した場合二社の運賃が必要となってしまう。

第一種事業者と第二種事業者の共用区間で運賃系統が別なのは国内唯一の事例である。

なお国内で第一種事業者と第二種事業者の共用区間は他にJR七尾線のと鉄道七尾線七尾駅和倉温泉駅間、東京メトロ南北線都営地下鉄三田線目黒駅白金高輪駅間、北総鉄道北総線京成成田空港線京成高砂駅印旛日本医大駅間※があるが、これらは共通の運賃を用いている。

※正式には京成高砂駅〜小室駅間は北総が第一種、京成が第二種。小室駅〜印旛日本医大駅間は北総と京成が第二種、千葉ニュータウン鉄道が第三種。

途中岡山県新見市新見駅備中神代駅間は芸備線の列車が乗り入れており、この区間にある布原駅は伯備線の列車は全列車が通過し(運転停車はあり)、芸備線の列車のみ旅客扱いを行う。

全区間が交通系ICカード乗車券ICOCA」利用可能エリア内だが、実際に利用できるのは倉敷駅〜新見駅間の各駅と生山駅根雨駅、伯耆大山駅。その他の駅を利用するには切符を購入する必要がある。

かつて足立駅の近くには石灰石の採掘場があり、非電化の時代は兵庫県姫路市新日本製鐵広畑製鉄所(現・日本製鐵瀬戸内製鉄所広畑地区)まで貨物列車が運行されていた。特に新見駅まではD51形蒸気機関車が三重連で牽引する事で知られていた。

沿革

1919年(大正8年)8月10日鉄道院による官制鉄道伯備北線として、鳥取県側の伯耆大山駅〜伯耆溝口駅間が開業した事が始まり。

1925年(大正14年)2月17日には鉄道省の官制鉄道伯備南線として、岡山県側の倉敷駅〜宍粟駅(現・豪渓駅)間が開業した。

1928年(昭和3年)10月25日に伯備南線の備中川面駅足立駅間が延伸された事で全線が開通。同日伯備北線の伯耆大山駅〜足立駅間を編入し伯備線に改称された。

1982年(昭和57年)7月1日に全線が直流電化され、電車の運行を開始した。

1987年(昭和62年)4月1日国鉄分割民営化に伴い、JR西日本が第一種鉄道事業者、JR貨物が第二種鉄道事業者として継承。1999年(平成11年)1月11日には井原鉄道井原線が開業し、清音駅〜総社駅間は井原鉄道が第二種鉄道事業者として共用区間となった。

運行形態

特急寝台特急

詳細は各列車の記事を参照。

岡山駅〜山陰本線出雲市駅間で運行される特急列車。県内輸送、陰陽連絡、新幹線連絡と役割は多岐に渡り、毎時1本運行されている。

東日本旅客鉄道(JR東日本)東海道線東京駅〜出雲市駅間で1往復運行される寝台特急。繁忙期には臨時列車と合わせて2往復体制となる。

普通

新見駅で運行系統が分かれているが、早朝の岡山発米子行のみ全区間で運行される。また平日土曜日に運行される新郷赤穂線播州赤穂行も新見駅を跨いで運行される。

伯備線内のみの運用は無く、全列車が山陽本線または山陰本線に直通する。

  • 岡山駅〜倉敷駅〜新見駅

岡山市と倉敷市、総社市、高梁市、新見市を結ぶ為本数が確保されている。

岡山駅〜総社駅間は毎時2本、総社駅〜備中高梁駅間は毎時1〜2本、備中高梁駅〜新見駅間は1〜2時間に1本程度の運行頻度である。

総社駅、備中高梁駅発着の区間列車が設定されている他、山陽本線姫路駅、赤穂線播州赤穂駅まで直通運転を行っている。

  • 新見駅〜伯耆大山駅〜米子駅

県境の山間部を経由する為新見駅以南と違い閑散区間となっている。基本的には前述の新郷発播州赤穂行を除き米子駅発着だが、1往復だけ出雲市駅発着の列車が存在する。また生山駅〜米子駅間の区間列車が設定されている。

新見駅〜備中神代駅間は芸備線が乗り入れ伯備線列車が通過する布原駅にも停車するが、伯備線が下り8本・上り9本(1本は休日運休)、芸備線が6往復(東城駅備後落合駅発着が半数ずつで、早朝の下り備後落合行は快速)しか運行されない。特に備中神代駅〜生山駅間は最長4時間程列車間隔が開く時間帯が存在する。

生山駅〜米子駅間は1〜2時間に1本程度運行されている。

臨時列車

JR京都線京都駅〜出雲市駅間で運行される臨時特急。

下り列車は月曜日金曜日、上り列車は水曜日日曜日に運行される。

2024年(令和6年)に岡山県北部で開催される「森の芸術祭 晴れの国・岡山」にあわせて、期間限定で岡山駅〜新見駅間で運行される臨時列車。

貨物列車

岡山貨物ターミナル駅〜伯耆大山駅間にコンテナ車による高速貨物列車が4往復設定されている。

駅一覧

運行系統上の区間を記載。

●:停車 ○:「やくも」が一部停車 レ:通過

※岡山貨タ=岡山貨物ターミナル

駅番号駅名特急快速乗換路線備考
  1. 山陽本線姫路まで直通運転
  2. 赤穂線播州赤穂まで直通運転
JR-V01岡山
  1. 山陽新幹線
  2. 山陽本線姫路方面(JR-S01)
  3. 赤穂線(JR-N01)
  4. 宇野みなと線(JR-L01)
  5. 瀬戸大橋線(JR-M01)
  6. 津山線
  7. 吉備線(JR-U01)
  8. 岡山電気軌道東山本線(岡山駅前・H01/S01)
岡山貨タ貨物駅
JR-V02北長瀬
JR-V03庭瀬
JR-V04中庄
JR-V05倉敷
  1. 山陽本線三原方面(JR-W05)
  2. 水島臨海鉄道水島本線(倉敷市・MR0)
JR-V06清音井原鉄道井原線
JR-V07総社
  1. 吉備線(JR-U10)
  2. 井原鉄道井原線
当駅発着あり
JR-V08豪渓
JR-V09日羽
JR-V10美袋
JR-V11備中広瀬
JR-V12備中高梁当駅発着あり
JR-V13木野山
JR-V14備中川面
JR-V15方谷
広石信号場
JR-V16井倉
JR-V17石蟹
JR-V18新見
  1. 芸備線
  2. 姫新線
運行系統上の境界
布原芸備線のみ停車
備中神代芸備線
足立
新郷当駅始発あり
岡山県/↓鳥取県
上石見
下石見信号場
生山当駅発着あり
上菅
黒板
根雨
武庫列車交換不可
江尾
上溝口信号場
伯耆溝口
岸本
伯耆大山山陰本線鳥取方面
東山公園
米子
  1. 山陰本線出雲市方面
  2. 境線
↓山陰本線出雲市まで直通運転

使用車両

現在の使用車両

自社車両(電車)

後藤総合車両所出雲支所所属の特急形直流電車

特急「やくも」用の車両。2024年(令和6年)6月15日以降全定期列車が273系で運行している。

381系は定期運用からは離脱したものの、「ゆったりやくも」編成が臨時便として運用される。

後藤総合車両所出雲支所所属の特急形直流電車(寝台車)。

寝台特急「サンライズ出雲」として運用中。

下関総合車両所岡山電車支所所属の近郊形直流電車

115系はG編成のみ全線で運用され、その他は新郷駅以南での運用。

113系・213系・227系は新見駅以南で運用される。

  • 117系7000番台「WEST EXPRESS銀河」

吹田総合車両所京都支所所属の近郊形直流電車を改造した車両。

同名臨時特急で運用される。

  • 213系7000番台「La Malle de Bois」

下関総合車両所岡山電車支所所属の近郊形直流電車を改造した観光列車

臨時快速「ラ・マルやまなみ」として期間限定で運用される。

自社車両(気動車)

網干総合車両所宮原支所所属の同名クルーズトレイン用気動車。

現在設定されているコースでは伯備線には乗り入れないが、不定期に伯備線を経由するコースが設定される。

後藤総合車両所岡山気動車支所所属の一般形気動車。

現在は芸備線列車で使用されているが、2022年(令和4年)3月12日ダイヤ改正まで伯備線列車として新見駅〜米子駅間での運用も存在した。

後藤総合車両所運用検修センター所属の一般形気動車。

生山駅〜米子駅間の普通列車で運用される。

吹田総合車両所京都支所所属の事業用気動車(総合検測車)。

自社車両(機関車)

いずれも工事列車等で運用される。

EF65形は下関総合車両所運用検修センターの電気機関車で、美袋駅以南で団体列車「特別なトワイライトエクスプレス」を牽引した実績がある。

DE10形は下関総合車両所岡山電車支所所属のディーゼル機関車

DD51形は後藤総合車両所運用検修センター所属のディーゼル機関車。元山陰本線の寝台特急「出雲」牽引機で、1993年(平成5年)〜1995年(平成7年)に実施された「出雲1号」の伯備線迂回運転時にも使用された。

JR東海所属

  • 285系3000番台「サンライズエクスプレス」

大垣車両区所属・後藤総合車両所出雲支所常駐の特急形直流電車。西日本の0番台と共通運用。

JR貨物所属

愛知機関区所属の直流電気機関車。電化後の貨物列車牽引機。

過去の使用車両

国鉄民営化後の車両のみ記載。

自社車両

岡山電車区(現・下関総合車両センター岡山電車支所)所属の通勤形直流電車

新見駅以南で運用されていた。103系は臨時で生山駅〜米子駅間の運用に就いた事もあった。

下関総合車両センター岡山電車支所所属の近郊形直流電車。

伯備線での定期運用は存在しなかったが、代走で入線する事があった。

JR東日本所属

尾久客車区(現・尾久車両センター)所属・田町運転区(現・東京総合車両センター田町センター)常駐の客車(寝台車)。

寝台特急「出雲1号」の伯備線迂回運転時に入線した。

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