「さあ、検索を始めよう」
「僕達は、二人で一人の探偵さ」
「実に興味深い、ゾクゾクするねぇ」
「僕は人間で!探偵で!そして!!仮面ライダーだ!!!」
「この事件、どう考えても僕の力が必要だと思うよ」
CV:内山昂輝(『KAMEN RIDER memory of heroez』/『風都探偵』)
変身する仮面ライダー
概要
史上初となる「二人で一人の仮面ライダー」の片割れ。相棒の左翔太郎とは「二人で一人の探偵」でもある。
記憶喪失者であり、本編開始の1年前「ミュージアム」から救出され、以来鳴海探偵事務所の一員となった。
人物
「安楽椅子探偵」で「魔少年」。
口癖は「ゾクゾクするねぇ」(第1話では「ムラムラするねぇ」)。
脳内に「地球(ほし)の本棚」と呼ばれるデータベースが詰まっており、これを駆使して事件解決に貢献している。
しかしフィリップ自身の脳では「閲覧」には限界があり、特定の具体的なワードを複数重ねなければ欲しい情報が出てこなかったり、閲覧規制がかけられたり、そもそも彼が閲覧できる情報に上限があったりなど決して万能ではない。また一方で、常人なら大抵知っている「たこ焼き」や「富士山」といった一般的知識を持ち合わせていなかったりする。
白紙の本を持ち歩いており、閲覧している本の中身はこちらの本に映し出される(本が無くても検索は可能だが効率は落ちる)。調べた事柄は、事務所のガレージに設えられたホワイトボードに書き込んでいく。
一度興味の対象を見つけるとそれ以外には見向きもせず、寝食も忘れて検索に没頭するが(翔太郎曰く「知識の暴走特急」)、それでいて、対象の知識を完全に読み終えると掌を返すように無関心になるという極端にマイペースな性格。閲覧した知識を活かせる頭脳は持っているが、世間や常識に疎いため、興味を持った出来事に食い付いては突飛な行動を度々起こす。
理屈っぽい上物言いに割と容赦がなく、他者との共感性が乏しかった(というより育っていなかった)ため、本編開始時は翔太郎とも今一つ噛み合っていなかった。
第1話では鳴海亜樹子のデータを全て閲覧し終えると興味なしと判断したが、彼女がたこ焼きの情報を与えると掌を返すように彼女を「すごい」と評していた。
風都の地元アイドル・園咲若菜のファンという意外な一面もあり、周囲はもちろん本人すらも「何故こんなに惹かれるのか不思議」と稀有に思っている。
「我が家」や「家族」という単語を聞いて動揺した事があり、このキーワードに関しては、記憶を喪失した際の影響か、最初期はそれについて考えようとしただけでフリーズ状態のように失神している。地球の本棚で検索を試みても、自身のそれに関する本はページが破り取られていて読めなくなっていた。
照井竜と同じく精神干渉波を伴うガイアメモリ能力への耐性を持っている。その為、テラーなどの能力を無効化できるが、ライアーのような干渉波を伴わない精神操作能力はやはり照井同様有効。
ミュージアムに狙われていることやフィリップ本人の性格もあり、翔太郎達に比べると外で活動することは少ない。
物語当初は感情が希薄で、浮世離れした所謂変人な部分が目立っていた。しかし精神・情緒面で成長を重ね、理屈だけでは動かない人間らしさを会得していき、翔太郎に最高のパートナーとして強い信頼を寄せていくようになる。
脳震盪で記憶喪失になる事があり、てれびくんの付録DVD『仮面ライダーW ガイアメモリ大図鑑』ではとある事情で一時的に記憶喪失になった。
基本的にはインドアだが、本で得た知識を元に高度なダンスができたり、本編終了後では生身の状態で戦闘員と渡り合えているなど運動神経は低くない模様。
また、メカニックの心得もあるようで、メモリガジェットの製作やロボットに特殊なプログラミングを行えるほどの技巧を持つ(前者は本編と漫画『風都探偵』、後者はゲーム『KAMEN RIDER memory of heroez』で披露)。とはいえ、彼ができることは「既存の技術の調整」止まりであり、複雑な機構が組み込まれているドライバーの複製や完全新規のガジェットを開発することはできない。『風都探偵』では母に遠く及ばない自身の技術不足を自嘲している。
翔太郎が重傷で調査に出れない時は亜樹子と共に直接自らの足で捜査に赴き翔太郎が調べあげた者や風都イレギュラーズ警察からの情報を元に効率よく情報を集め出し事件たうえで犯人を絞り出して当時のアリバイの有無を聞き出したうえで真犯人を暴いている。
聞き込みに関して本人は翔太郎に比べて人の心を読んで犯人候補や裏がありそうな依頼人との心理戦は難しいと言いながらもストレートに現場近くにいた人間を煽ってガイアメモリ犯罪者を炙り出している。
好みの異性について
一般的に見れば「変人」「不思議ちゃん」の部類に入る性格であり、ともすれば「自分の興味ある分野の探求」ばかりで異性には興味がなさそうに見えるフィリップだが、上述の園咲若菜の件でも垣間見えるように、いちおうひとりの男としてそういう感性がないわけではないようである。
- 時系列的にはTV本編32話と同33話の間になる小説エピソード「Zを継ぐ者」においては、同エピソード内のゲストヒロインとなる依頼人・禅空寺香澄と出会っているが、当初こそ彼女の「気の強いお嬢様」気質と「童顔で子供じみた出で立ちで不遜な態度の探偵」と見られたフィリップで互いに第一印象は最悪だったが、豪奢な貴金属や化粧もないシンプルな白いドレスに小さな装飾品という出で立ちながらも、その整った顔立ちと気品・知性・意志の強さを備えた香澄の眼を見て、フィリップは素直に惹かれ「美しい」と形容してしまっている。さらに事件捜査で交流を深めていく中で彼女の祖父ゆずりの「自然に対する知識と探求欲・造詣の深さや熱意」を知って、同じ探究者肌であるフィリップとも意気投合。そのうえ、事件の黒幕に命を狙われる香澄と、それを救うために仮面ライダーに変身して戦ったフィリップということもあり、明確な「恋愛」や「相思相愛」とまではいかずとも互いに強めに惹かれ合うくらいの仲にはなっていた。
- 一方で、香澄の腹違いの姉でZENONグループのイメージガールをやっている禅空寺麗子は、作中でフィリップと顔を合わせた際にも、その美顔にメリハリの利いた妖艶な体躯のラインがよくわかるぴっちり系ドレス(顔合わせ時)や布面積の小さいビキニ(広報PR写真撮影時)などのセクシー衣装で現れ、(撮影中という事もあって)フィリップに対し数度のセクシーなポージングや己の顔や肢体を極端に間近にまで接近させたりもしたが、フィリップとしては「好みでない」「からかいが透けて見えて腹立たしい」と、香澄とは対照的にドギマギ要素ゼロでバッサリだった。
- また、これまた作中でも美女・美少女の登場回数が多い「風都探偵」作中でも、TV本編「Kが求めたもの」以来、度々依頼人として事務所に現れる轟響子には一度「頭の上に響子のおっぱいを乗せられる」という誘惑イタズラでからかわれるも「ムラムラもゾクゾクも一切しません。重いのでどけてもらえませんか」と、これまた顔色一つ変えずバッサリであった。
以上のことから、フィリップが惹かれる異性のタイプは「容姿の美しさ」だけでなく「気品ある理知的な立ち振る舞い」「探求すべきものへの熱意や意志の強さ」「高潔な精神性」を備えた女性であり、よくある露骨な「セクシーさ」や「セックスアピール」程度では心を動かされない模様である。
容姿
外ハネの黒髪を持ち、右側(向かって左側)が留められている。
基本的には指穴付きカットソーの上にロングパーカーを着用し(ブランドは翔太郎同様『WIND SCALE』)、クロップドパンツを合わせ、地球を模した飾りのついたネックレスを首から下げている。
なお髪留めに使っているのはヘアピン等ではなく文房具のクリップ。銀色の目玉クリップを筆頭に色や形状のバリエーションも豊富。
ビギンズナイト(後述)時は髪が留められておらず、上下白の衣服を着用していた。
『風都探偵』では同一人物という設定だが、キャラデザを似顔絵にしないという方針から大まかな特徴をそのままに、髪色がサイクロンサイド同様に緑色になっている。こちらでも引き続き目玉クリップで髪を留めている。
過去
劇場版作品の『MOVIE大戦2010』の第2部「ビギンズナイト」で、第1話冒頭直前の出来事及び彼の過去の一端が明かされた。
とある人物からの依頼で孤島にそびえ立つ高層ビルに潜入した翔太郎と初邂逅。
この時彼は全ての記憶を失っており、「運命の子」と呼ばれ、秘密結社「ミュージアム」の管理下で、自分で何も考えることなく言われるがままガイアメモリ開発に利用されていた。翔太郎に詰め寄られた際にはガイアメモリを銃に喩え、「製造側ではなく、使う側に責任がある」と冷淡に語っていた(尤も、彼の言い分も間違ってはおらず、ガイアメモリも使い方次第という考えを実践しているのは他ならない仮面ライダーWである)。
しかし、鳴海荘吉と翔太郎の命懸けの尽力によって救出され、鳴海探偵事務所の一員となった。
また、「フィリップ」という名前は荘吉の愛読するハードボイルド小説の探偵フィリップ・マーロウにちなみ、彼と同じように「自分で考え、自分で決める事が出来るように」と、荘吉がつけたもの(該当シーンでは地球の本棚の中にレイモンド・チャンドラーの「長いお別れ」が確認できる)。
そして荘吉から言われた"自分で考えずに流されるまま生きてきたこと"という自らの罪を償うために、戦っていくこととなる。
ちなみにフィリップはビギンズナイト時・本編第1話冒頭にて、Wへの初変身前に「悪魔と相乗りする勇気、あるかな?」と翔太郎に問いかけているが、これにはビギンズナイト時、ガイアメモリ製造に携わっていたことへの怒りを露にした翔太郎から「悪魔野郎」と罵られたことに由来している(視聴者からの予想はされていたが、「風都探偵」にて公式で確定することとなった)。
その後も時折自らを悪魔と称していたが、最終的には「僕は悪魔なんかじゃない」「僕達は探偵で仮面ライダーだ」と一人の確固たる『人間』としてのアイデンティティを確立した。
(ただ、それでも上述の「悪魔と相乗りする勇気、あるかな?」というフレーズは、フィリップの中で『相棒との絆』の象徴として強く印象付いているようで、本編中でも翔太郎が敵に囚われた第16話、自分が敵に囚われた第46話でも重大局面で、それに因んだ言葉を翔太郎に投げかけている)
先述した若菜の他、『queen&Elizabeth』のエリザベスや『Zを継ぐ者』で登場した禅空寺家の分家筋である禅空寺香澄に好かれているなどモテモテであるが、モデルである禅空寺麗子のマイクロビキニの巨乳姿を見ても、あまりいい感情が湧いてこなかった辺り、色仕掛けの類はあまり効果がない(これは相手の態度にもよる)。
正体
本名は園咲来人(そのざき らいと)。
「ミュージアム」の首領である園咲琉兵衛の息子で、冴子と若菜の実弟にあたる。シュラウドこと園咲文音は実母。記憶は琉兵衛(正確には当時ミュージアムに所属していた脳科学者・山城諭)によって消されていた。
さらに12年前地球意思とのアクセスポイント(通称「泉」)に転落して死亡していたという事実が判明。
そして転落死した彼の肉体は、偶然地球の情報に触れたことによって奇跡的にデータとして再構築された。
つまり現在の来人=フィリップは、「地球の本棚」を素に再構成された、データ人間である。
劇場版でエクスビッカーの生体ユニットにされた際にはこの特性を利用して、逆に発信データを書き換えて抵抗し、T2以前のガイアメモリを再起動できるようにした。
物語終盤、ミュージアムの最終目的であるガイアインパクトの為にテラー・ドーパント戦の敗北が元で拉致され、ガイアインパクトのコントロールプログラムとして若菜に吸収される。
消滅の危機に陥るが、翔太郎の「Wの変身システムでフィリップの精神を召喚する特性を利用する」という奇策で精神のデータを取り戻し、肉体のデータもエクストリームメモリの効力によって若菜から奪還された。
しかし一時的とはいえ若菜に吸収され、地球の中心に近づき過ぎたことが原因で、彼の体は加速度的に消滅に向かってしまう。
次にWに変身すると消滅してしまうリスクを背負うも、加頭順に拉致された若菜を助けるために最後の変身を使うことを決めていた。
翔太郎は一時は拒むものの、最終的に意を汲んで最後の変身を決行する。
そしてユートピア・ドーパント撃破後、存在強度が限界を迎え、変身解除と共に消滅した。
消滅する前、翔太郎に贈っていたプレゼントの中身はロストドライバーといつも使っていた白紙の本。
そして本の中には、翔太郎へのメッセージが残されていた…
『僕の好きだった街をよろしく
仮面ライダー 左翔太郎!
君の相棒より』
「ありがとよフィリップ……大事にするぜ………。」
そして、消滅から約1年が経った頃。
物語後半、エナジー・ドーパントの攻撃から、消えた筈のエクストリームメモリが翔太郎を庇う。
そしてメモリからは消えた筈のフィリップが出現。
1年前、翔太郎が漏らす形で弟の消滅を知った若菜は、地球の巫女としての能力で地球の本棚で手段を閲覧した後「私の決めたガイアインパクト」としてその命をフィリップに譲り渡すことを決意する。
フィリップは事態に一度は戸惑うも、死んでいった両親や姉達と、地球の記憶と直結した場所であるガイアスペースの中で再会・和解を果たし風都を託された。
そして、若菜の身体を代価に再構成されたエクストリームメモリ内のガイアスペースで、人知れず翔太郎を見守りながら地球の記憶から自身の肉体の情報を収集。約1年の時間をかけて肉体を再構築していたのだった。
なお、新たな肉体はデータではなく生身に戻っているが、エクストリームメモリを介してデータ化と再構築を行うことが可能になっていることが『風都探偵』にて明かされている。
二人で一人の仮面ライダーが復活を遂げ、街を泣かせる悪党に、永遠に投げかけ続けるあの言葉を発したところでTV本編は幕を閉じる。
公式外伝小説「Zを継ぐ者」
本作の事実上の主人公。
「ゼブラ・ドーパント」との戦いの後、夜風で冷えて風邪を引いてしまった翔太郎に代わり、「左翔太郎」を名乗って風都でも有数のリゾート地であるZENONリゾートの創始者である弾空寺惣治(本編1ヶ月前に病死しているが、本当に病死かは怪しい)の父・義蔵を名乗る者が起こす怪事件の調査を開始する。
しばらくはファングジョーカーで戦っていたが、翔太郎の疲労により変身もままならず、ライブモードのズーメモリの攻撃でエクストリームメモリが破損し、ファングメモリも謎のドーパントの介入で活動を停止してしまうというどん詰まりの状況下に追い詰められ、修復されるまでの間はシュラウドに授けられたロストドライバーで仮面ライダーサイクロンとして戦う事に。
なお、本作でのヒロイン兼依頼人は若菜姫ではなく、禅空寺香澄という新規の女性キャラクターで初対面時の印象は最悪であったが、彼女の別荘にある膨大な動植物の資料(フィリップに「何日でも篭れる」とまで言わしめた)を見て義蔵や彼女の風都の自然を大切に思う心に感銘を受けるようになり、事件解決後には和解している。
フィリップの評を信じるならば、香澄は美人であるようだ。
正統続編「風都探偵」での活躍
概要
復活後も翔太郎の相棒として「二人で一人の探偵」および仮面ライダーとして戦っている。「地球の本棚」による検索も健在。
漫画化に伴い、黒であった髪の描写は緑に変更されている。「閉ざされたk」の回想シーンでは幼少期から緑髪であったことが判明しており、「本編から髪を染めた」のではなく「元から緑髪」という扱いの様子(実際劇中では特に髪色に言及はない)。
ときめと共に『風都探偵』でWを知った初見の読者or視聴者のために手短に解説するなど、『風都探偵』の世界観に入り込みやすい役割も担っている(ファングジョーカーの“初変身”やエクストリームメモリの特性など)。
本編ではミュージアムから狙われていた事情から事務所にこもりがちであったがミュージアム壊滅後は積極的に外に出る機会が増えて捜査や依頼人の護衛に付くようになる。
活躍
「tに気をつけろ」冒頭ではなかなか全身が映されず、坪崎忠太と共に裏風都に迷い込み謎の存在の攻撃を受けそうになった翔太郎の前に、あの特徴的な鳴き声と共に鳴き声の主が翔太郎を庇いながら、鳴き声の主から放たれたと思わしき緑色の光と煙に包まれる形という凝った演出で登場。記事冒頭4段目の台詞を投げかけた。
その後謎の存在=ロード・ドーパントの事件について調査する中で、正体候補としてときめが浮かび上がる。
ロードの正体=ドーパントの犯人かもしれないときめにに翔太郎が好意を抱きつつあることを指摘した結果、翔太郎に「年下のくせにオカン目線かよ」と吐き捨てられ、ドライバーを置いての単独行動に走られてしまう。
だが律儀に地球の本棚でロードの正体ついでにオカンの意味を調べ、ロードの真の正体が発覚し生身の翔太郎がときめを庇うべくピンチに陥った際は、亜樹子と共に颯爽とリボルギャリーで駆けつけ(この際ロードを撥ね飛ばしている)、翔太郎の比喩を肯定しながらドライバーを渡す。
「オカンという言葉を検索した。関西弁で母親という意味だね。」
翔太郎「フィリップ···!」
「保護者というニュアンスなら正解かもしれない。
この感情豊かで無謀に走り続ける相棒を、僕は放っておけない。守りたいと思う。」
そして翔太郎と共にWに変身し、ロードを裏風都まで追いかけ撃破した。
事件解決後、ときめが鳴海探偵事務所での保護下に置かれる事になるが、『左翔太郎は悪女と惹かれ合い、その結末の多くは悲劇である』という一つの法則を結論づけていたフィリップは相棒の行く末を案じる事となる。
「最悪のm」では、どうもときめと馬が合わず、いがみ合いになってしまう。
後に亜樹子に悩みを打ち明けると、彼女のアドバイスで自身の無自覚な「嫉妬」であることに気づいてときめに謝罪。
「僕は女性にはなれない。君に翔太郎との距離をたやすく飛び越えられた気がして、面白くなくて。言葉に棘が出た。
無礼な印象を与えたことを謝りたい。」
ときめ「フィリップの方から、そんなことを言うなんて···」
「僕は知識の権化のような存在だ。自分に分からないもの、理解できないものが一番不愉快なのさ。
だが全てが分かった今、君への憂いは全て晴れた。」
事件解決後、ときめが不服を抱いていた要因のひとつでもあった「翔太郎達との通信手段の有無」の解決のために、新造しておいたときめ専用カラーのスタッグフォンをときめに渡すなど、現在は良好な関係になりつつある。
なお亜樹子のアドバイスが手でハートを作りながら説明するという少々偏ったものであったせいか「男性同士でも嫉妬はするのか」という疑問から事件解決後、地球の本棚で検索した結果……
「亜樹ちゃん!この間の話、検索してみて分かったよ。」
亜樹子「どの話?」
「男と男の間にある感情についてだが、
翔太郎、亜樹子「ブゥーーーッ!!」
翔太郎「は、はぁ"ぁ"ぁ"ぁ"ぁ"ぁ"ぁ"ーーーーーッッッッ?!」
「君は知らないだろう?翔太郎!興味深いとは思わないかい?!」
翔太郎「あ゛き゛こ゛ぉ!!お前今度はフィリップに何吹き込んだんだッッ!!!」
亜樹子「いやぁぁあ~あれはその場の勢い、ものの例えっていうか、何て言うか···」
「閉ざされたk」ではキノコの種類を調べていた結果カバイロツルタケ(実在する)なるキノコに関心を持ち、翔太郎に「以前ある山で見たことがある」と言われさっそくその山に2人で出掛けるも、おりしもその頃風都には大きな爆弾低気圧の影響で季節外れの雪が降っており、2人揃って遭難しかけてしまう。
そんな危機的状況でも自分が採ったキノコが無事なのか確認しており、翔太郎から「キノコより、俺達の心配をしろぉぉぉーっ!」とツッコまれていた。
また、ターゲットにされていた女性を守るためにターゲットに女装して犯人の1人が持っていたメモリを蹴ってはたき落とすというライアー・ドーパント回のセルフオマージュとも見れるシーンがある。その際に「一つ弁解させて欲しい。よく女装を押し付けられるが、僕にそういった趣味はない」とこぼしていたが、まるで読者や視聴者に向けて言っているようだった。
「bたちの宝物」では、フィリップの新たな苦悩が描かれている。
余談
- 年齢は公式で明言されていないが、第45話にて「12年前に5歳」と判明。通算した場合17歳ということになる。
- あえて明言を避けているのは、一度死亡しているからかもしれない。また、最終2話で消滅から復活までに約1年の空白が生じたため、本編終了後はますます年齢が曖昧な状態になっている。
- 本名の"来人"は、仮面ライダーWの右側(RIGHT)を司る事からきている。
- 演じた菅田将暉氏は放送開始時点で16歳と6ヶ月13日であり、仮面ライダーシリーズで主人公を演じた俳優としては最年少。但し「単独主人公」の最年少は天空寺タケルを演じた西銘駿氏であり(17歳と7ヶ月12日)、そこに野上良太郎を演じた佐藤健氏(17歳と10ヶ月7日)が続く。
- 元々、氏はマネージャーとともに関係各所への挨拶回りを行っていたが、銀座でたまたま時間が空いたため東映を訪ねたところ、たまたま本作のプロデューサーである塚田英明Pと対面。偶然本作の最終オーディションが翌日にあるからと誘われ、受けたところ満場一致で合格した。これはフィリップが特殊な役柄なため選考が難航していたところ、塚田P曰く「(脳内に膨大な知識を持ちながら)何も知らない魔少年」であるフィリップのイメージに、「真っ白」でピュアな菅田氏が合致したからとのこと。
- 菅田氏は本作がデビュー作であったため、大阪から上京したての氏にとって標準語は関西弁とイントネーションなどが何もかも違っており、悪戦苦闘したという。そのため、台本の標準語を一度関西弁に変換した上でそのシーンの台詞の感情を把握し、再度標準語に変換したものを制作陣やキャスト陣に確認してもらいながら試行錯誤を繰り返していたようである。
- また、本作撮影のために地元の高校を中退し、日出高校に編入したものの、守秘義務があるため公式発表まで弟達にも知らせることができないまま上京することとなり、高校生活は本作撮影の多忙さを受けろくに過ごすことができずレポート提出と試験で卒業した。編入先にも同級生がいたが、彼らとも会えずじまいのまま卒業したという。
- ファイナルステージ時のキャストトークショーで氏が語ったところによれば、フィリップの髪留めに文房具のクリップが使われているのは第1・2話時に監督を務めた田崎竜太氏の思いつきとのこと。衣装合わせの段階で髪留めを考えていたとき、資料を挟んでいたクリップを付けてみたのが始まりらしい。放送当時は、撮影時に使ってほしいと多数の視聴者からクリップが送られてきたそうである(収めておくために専用のクリップケースが存在した程)。
- 翔太郎へのメッセージを本に残していたシーン(第48話)は氏の発案によるものである。(東映公式サイトにて確認可能)
- なお、この件は翔太郎役の桐山漣氏に一切知らせておらず、桐山氏は感極まってリアルに号泣したという。
- 後年、菅田氏が明かしたところによると、変身後に倒れるという設定を知り、「これで子供から好かれたり慕われるのだろうか」と不安だったという。ところが当時の子供達の間では、フィリップを真似して急に気絶する遊びが流行ったそうで、親御さんからクレームが来るほどだったとか。
- pixiv内における彼が登場する作品には「フィリップ」タグが用いられている事が多い為、pixiv内で作品検索をする際には「フィリップ(仮面ライダーW)」のみで検索するより「フィリップ 仮面ライダーW」で部分検索をする方がより多くの作品を閲覧できるだろう。そしてこの「キャラクター名+作品名」で部分検索をかけると、投稿件数は翔太郎よりフィリップの方が多い(本編放送当時から)。やはり魔少年である。
- 『仮面ライダージオウ』と『仮面ライダービルド』のコラボ映画『仮面ライダー平成ジェネレーションズFOREVER』に出演を検討しており、オファーをしていたらしい。が、菅田サイドからスケジュール確保上の問題によりNGが出た。(スタッフ曰く、「2年先までスケジュールが真っ黒」だったとのこと。)劇中、ウォズが地球の本棚に入る描写は、その名残かもしれない。
- なお、菅田氏本人は出演にかなり意欲を示していた模様。実際に、「出たかった」と悔しさを滲ませる発言をしていた。
- 『memory of heroez』及び『風都探偵』で演じる内山昂輝氏は前者の作品が発売された2020年に『セイバー』でデザストを演じている。
- 何の因果かデザストのライバルにして友である存在は緑の風属性のライダーである。
- さらにデザストとは(『memory of heroez』で)エターナルの名を冠するアイテムを使用した、1度消滅して復活したという共通点もある。
- アニメ版ではフィリップの検索の際に、ちょくちょくホワイトボードに過去のライダーのキーワードが書かれているという小ネタもあるので、いつか示唆される小ネタが出てくるかもしれない。
- ちなみに、内山氏は当初菅田氏の雰囲気に寄せようと『W』本編を視聴したが、途中で「当時の菅田さんの雰囲気をアニメで出すのは困難」と判断し視聴を中断。「フィリップらしさ」は残しつつもアニメに合わせた演技へと切り替えた。
- 舞台『風都探偵』で演じる木津つばさ氏は後に『ライドカメンズ The STAGE』で魅上才悟/仮面ライダー才悟を演じることになる。
- 才悟もフィリップ同様記憶喪失かつ常識に疎い所がある他、マフラーが特徴的なライダーに変身する共通点がある。
- ちなみに、ライドカメンズにはダブルをモチーフとしたキャラクターが登場するが、二重人格である変身者の内フィリップに近い方の人格は敵組織によって生み出された存在だったりする。
- 本編中に何度かハードボイルダーや亜樹子のスクーターを乗り回すシーンがあるが、実はフィリップ自身の免許に関しては言及がない。
- なお、記憶喪失者の免許については救済規定が設定されているためフィリップの免許取得ハードルはわりと低い。
- 取得については、一発試験でクリアできてしまうだけの能力はあるので心配はなさそうである。
関連イラスト
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仮面ライダーダブル ファングジョーカー 仮面ライダーサイクロン
さぁ、お前の罪を数えろ!/ゾクゾクするねぇ:決め台詞/口癖
バイス(仮面ライダーリバイス):バディを組んで戦うスタンプを使う仮面ライダーの片割れでこちらは本当の悪魔。敵からも何度も「悪魔らしく」と言われ続けられたが、こちらも「悪魔じゃなくて仮面ライダー」であるという事を強調した繋がりもある。なおスピンオフでアクセル及びアクセルトライアルと共闘した。
平成ライダー主人公