「この程度でくたばれるんならよ、オレは英雄になんぞなってねえ」
プロフィール
真名 | クー・フーリン |
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クラス | ランサー |
性別 | 男性 |
身長 | 185cm |
体重 | 70kg(SN)/ 72kg(FGO) |
出典 | ケルト神話、アルスター神話 |
地域 | アイルランド |
属性 | 秩序・中庸・天 |
イメージカラー | 青 |
特技 | 魚釣り、素潜り、山登り |
好きなもの | 気の強い女、無茶な約束(SN)、無理難題、気の強い女(FGO) |
苦手なもの | 回りくどい方針、裏切り(SN) |
嫌いなもの | 裏切り、面倒なこと(FGO) |
天敵 | ギルガメッシュ、アーチャー |
テーマ曲 | 「激突する魂」 |
設定担当 | 奈須きのこ |
ILLUST | 武内崇(SN、FGO)、渡れい(SR) |
CV | 神奈延年 |
人気投票 | 20位(男性7位・型月10周年記念) |
ルーン魔術は(面倒くさいので)封印している。
概要
『Fate/stay night』に登場するランサークラスのサーヴァント。
アーチャー共々、『stay night』物語開始当初から登場する。
アーチャーと交戦する姿を衛宮士郎に目撃されたため、口封じに彼を殺害しようと襲いかかるが、その過程で士郎が召喚したセイバーに阻まれ、交戦の末に虎の子の宝具を回避された後撤退する。
初戦以降は中々姿を見せない神出鬼没なキャラでルートによってはそのまま登場しない。
続編『Fate/hollow ataraxia』では傍観の姿勢を貫き、気ままな生活を送る。
しかし、夜の聖杯戦争においては一転して重要な役割を担うことになる。
外部作品への出演は多い方のため、知名度も高め。
真名
人呼んで「クランの猛犬」の異名を持つケルト神話の戦士、「クー・フーリン」。
太陽神ルーの子である半神半人であり、もう1つの異名は「アイルランドの光の御子」。
無敗の勇者として知られ、物語において類似点がいくつも確認されることから、ヘラクレスやロスタム、ヒルデブラントといった他神話の名だたる英雄と並び称される紛れもない大英雄。
惚れ込んだ王女を射止めるに相応しい武勲を立てるべく、影の国の女王スカサハに弟子入りし、彼女の元で魔術と武術を学び、魔槍ゲイ・ボルクを授かった。影の国を去った後は、赤枝の騎士のひとりとして数々の戦場を駆け巡り、アイルランド中にその名を轟かせることとなった。
そんな血生臭くも楽しい日々を過ごす中で、コノートの女王メイヴの奸計により無二の親友フェルディアを殺害し、また存在を知らなかったとはいえ息子であるコンラもその手にかける事になる。
そしてメイヴの策略によってゲッシュを次々と破り、半身不随になったところを敵に奪われたゲイ・ボルクで心臓を刺し貫かれ、最期を迎える事となる。しかし、こぼれ落ちた臓腑を水で洗って腹におさめた上で、石柱に己の体を縛りつけ、最後の最後まで倒れなかったという。
その壮絶な死に様を彫り起こした銅像は、今もアイルランドの中央郵便局にて見る事ができる。
人物
一人称は「オレ」。
口調は少々荒いが、さっぱりとしつつも面倒見の良い愛嬌のある性格。
ケルトの戦士らしく信念と義を重んじ、正々堂々の戦いを望む生粋の武人である。
普段は気さくな兄貴肌で通っているが、ケルトの戦士らしく荒事に関してはどこまでもシビアかつ冷徹で、一切の飾りを排した野性剥き出しの戦いを好むその在り方はまさに猛獣そのものである。
筋の通し方においても一家言あり、たとえ親兄弟や親友だろうと「敵」に回れば躊躇なく殺しにかかり、どんなに嫌いな相手でも「主」であるなら裏切る事はなく最後まで義理を立てる。
特にこだわっている訳ではないものの、戦いで女性を殺すのは好きではないらしく(『hollow』でのセリフに曰く、あくまで結果でしかないが)、生前に女性を殺した事は一度も無い。
戦場を駆け抜け、多くの者を手にかけたその人生に、無念はあれど後悔はない。現世にも執着せず、聖杯にかける望みも特に無く、強いて言えば「強者との死力を尽くしたバトル」である。
取り立てて未練らしい未練がないためか、現代に馴染むのも早かったらしく、『hollow』では小洒落たアロハシャツを着こなし、バイトにナンパに釣りに明け暮れ、第二の人生を存分に謳歌している。召喚されてからタバコも覚えたようで、日常生活では一服点ける姿をよく見せる。
ちなみに二人称は次の通りだが、マスターを名前で呼ぶことが無いわけではない。
能力
戦闘では真紅の槍「ゲイ・ボルク」によるスピーディーな槍術を得意とする。
英雄の中でも突出したスピードと機動力を誇り、神速にすら届くその槍捌きは歴戦の猛者でも躱すのは困難。アーチャーからも「ランサーに選ばれる英雄の中でも選りすぐり」「これほどの槍手は世界に三人といまい」と評されている。そして本気を出した際の攻撃は、アーチャーの研ぎ澄まされた動体視力を以てしても全く視認出来ないレベルの速度に達している(アーチャーはこれに対し、わざと致命的な隙を見せて攻撃が飛んでくる位置を絞り込むという方法で対処していたが、それでも残り30手しか読めず、あと少しでも打ち合いを続けていれば確実に負けていたと言う)。
どんな死地からも生還するサバイバル性能に特化したサーヴァントでもあり、凛の見立てによると、セイバーとアーチャーを同時に相手取っても守りに徹すれば充分に持ちこたえる事ができる模様。セイバーも「卓越した敏捷性と豊富な戦闘経験を持つランサーが守りに徹すれば鉄壁」と評価している。本編では語られていないが、設定集では「Fateルート」最終盤においてギルガメッシュを相手に半日以上足止めし、最終的に敗北こそしたもののそれなりにダメージを与え、消耗させたことが語られている(因みにその現場は長柄の武器では戦いづらい地形であった)。
ちなみに素の耐久力も折り紙つきで、『hollow』のドラマCDでは水圧が非常に大きい深海に潜って圧死することなくダイオウグソクムシを取ってきて見せた。大英雄ってなんでもありだな……
スカサハ直伝の18の「原初のルーン」も修得している魔術師としての顔も持ち、キャスターにも適正を得るほどの腕前を持つ。ランサー時にも使用する事自体は可能だが、本人の好みは武器を使った戦いであるため、めんどくさいからとあまり使いたがらない。作中では探索の「ベルカナ」と炎の「アンサズ」を使っており、神出鬼没に現れるのはベルカナで敵の位置を探知しているため。
そして手持ちの全てのルーンを使って発動させる結界は、上級宝具をも防ぐ防御性能を誇っており『Fate/EXTRA』のドラマCDではバーサーカーの「軍神五兵」を防ぎ切っている。魔眼の超能力すらも守備範囲内で、理論上はライダーの石化の魔眼も無効化できるという(原作では地面に槍を刺して展開しているが、アニメ版『UBW』ではルーン石を周囲にバラ撒いて展開している)。
『hollow』では四文字のルーンを刻む「アトゴウラ」が登場するが、これはあくまで決闘の儀礼としてルーンを刻んでいるだけで、後述の「四枝の浅瀬」のような魔術的な効果は一切ない。
派手さはともかく、堅実に勝つには持ってこいのサーヴァントと称して差し支えないだろう。
『FGO』では、引き続きゲイ・ボルクによる槍術を駆使する。宝具の限定開放と思しい呪いのエネルギーを纏わせた刺突や斬撃を見せる他、エクストラアタックでは「突き穿つ死翔の槍」を放つ。
ステータス
保有スキル
対魔力(C) | 二節以下の詠唱による魔術は無効化できるが、大魔術・儀礼呪法など大掛かりな魔術は防げない。 |
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神性(B) | 神霊適性を持つかどうか。ランクが高いほど、より物質的な神霊との混血とされる。クー・フーリンは、ダーナ神族の光の神ルーの血を引いている。 |
戦闘続行(A) | 往生際が悪い。これは生き汚いのではなく、最後まで戦いをやめないケルトの戦士の矜持のなせる業である。瀕死の傷でも戦闘を可能とし、決定的な致命傷を受けない限り生き延びる。 |
四枝の浅瀬(A) | アトゴウラ。己の死期を悟った際、体を柱に縛り付け、決して斃れることなく最期を迎えたという逸話をルーン魔術によって再現した陣。この陣はケルトの戦士にとって、不敗と不退を誓約する証であり、生ある敗走は決して許されない。『hollow』において使用され『EXTRA』では戦闘スキルとして扱われた。『FGO』では「戦闘続行(A)」から強化クエストにより変化。 |
矢避けの加護(B) | 飛び道具に対する防御。狙撃手を視界におさめているかぎり、どのような投擲武装であろうと肉眼で捉え、対処できる。ただし超遠距離からの直接攻撃及び広範囲の全体攻撃にも該当しない。呪腕のハサンは「流レ矢の加護」の別名で読んだ。 |
仕切り直し(C) | 戦闘から離脱する能力。また、不利になった戦闘を戦闘開始ターン(1ターン目)に戻し、技の条件を初期値に戻す。 |
ルーン(B) | 北欧の魔術刻印・ルーンを所持し、キャスターにも適正を獲得する程の知識と腕前を持つ。クー・フーリンが扱うのは神代の威力を有する原初のルーン。 |
宝具
刺し穿つ死棘の槍(ゲイ・ボルク)
- ランク:B→B+
- 種別:対人宝具
- レンジ:2~4
- 最大捕捉:1人
「その心臓、貰い受ける!『刺し穿つ死棘の槍(ゲイ・ボルク)』!!」
ランサーが編み出した対人用の刺突技。
ゲイ・ボルクの持つ因果逆転の呪いによって、予め「心臓に槍が命中した」という結果を先に作ってから「槍を放つ」という原因を作ることで、確実に刺突を命中させる「必殺技」と呼べる代物。
致命傷を回避するには、高ランクの幸運と神速の槍捌きを躱しうるだけの技量の二つが必要であり、真っ向から防ぐには槍の魔力を上回る防壁を用意するしか手立てはない。
詳細は該当記事を参照。
突き穿つ死翔の槍(ゲイ・ボルク)
- ランク:B+
- 種別:対軍宝具
- レンジ:5~40
- 最大捕捉:50人
「この一撃、手向けとして受け取るが良い――!『突き穿つ死翔の槍(ゲイ・ボルク)』!!」
ゲイ・ボルクの本来の使い方。魔槍の呪いを最大開放し、渾身の力で投擲する荒技。
先述の「刺し穿つ死棘の槍」とは違い心臓に命中させるのではなく、一撃の破壊力を重視している。伝説においては、魔槍が30に分かれて降り注ぐとされているが、英霊化後はさらにその数を増しており、相手に向かって無数に分裂していき一発で並み居る敵をまとめて吹き飛ばす。
因果逆転程の強制力はないが「幾たび躱されようと相手を貫く」という性質を持っているため、標的が存在する限りそこがたとえ地球の裏側だろうと飛んでいくだろうと推測される。
詳細は該当記事を参照。
設定のみ
鏖殺戦馬(セングレン)
- ランク:不明
- 種別:不明
- レンジ:不明
- 最大捕捉:不明
「灰色のマッハ」と「黒色のセングレン」の二頭の駿馬に牽かせた戦車。
地元なら持って来れるらしく、『hollow』にてその存在について言及された。
豆知識
アイルランドにおける戦車は二頭立ての二輪車両で、おおまかに「馬」「車体」「戦士」そして「御者」の4つの要素から成る。車体への乗り降りは後ろから行い、前部から「ながえ」と呼ばれる木または金属の棒が延び、先端についた「くびき」が馬のくつわに繋がっている。馬の機動力を活かして高速で走り回り、戦士は主に投擲武器を使って攻撃する。御者はしゃがみ、手綱で馬をさばく。
車体にはトゲ、車輪には鎌といった武装がさらに追加される事もある。伝承では「ローグ」という名の御者に操縦を任せているが、スカサハの教えのひとつに戦車の操縦技術があったため、クー・フーリン本人も操縦できる。宝具の状態では操縦者がどうなるかは不明である。
ちなみに、ケルト圏の戦士には歩兵しかいない印象が強いと思われるが、それもそのはず、ケルトにおいて馬とは権力や地位、富の象徴であり、一般市民の日常生活にさえ馬が欠かせなかったユーラシア内陸部等の騎馬民族とは違い、貴族階級にしか所有できなかった超貴重品である。さらに車付きともなればさらに位の高い者となる。クー・フーリンの英雄としての実力が見てとれる。
戦車を持つ戦士は「eirr」と呼ばれ、この言葉は「高位の戦士」「エリート戦士」という意味合いで使われる。騎乗馬だけでもエリート、戦車まで持ってたら超エリートと言ったところである。
城の宝具(仮称)
- ランク:不明
- 種別:不明
- レンジ:不明
- 最大捕捉:不明
城を押し合う相撲の逸話を持っており、恐らくこの逸話に由来するものと思われる。
宝具級の奥義
四枝の浅瀬(アトゴウラ)
- ランク:A
- 種別:不明
- レンジ:不明
- 最大捕捉:不明
己の死期を悟った際に、体を柱に縛り付けた状態で、決して斃れることなく最期を迎えたという逸話をルーン魔術によって再現した陣。不退転の覚悟の証であり、命ある敗走は決して許されない。
『hollow』の最終決戦において初使用され『EXTRA』では戦闘スキルとして扱われている。また『unlimited codes』では、聖杯超必殺技として扱われて『FGO』では保有スキルとなった。
『stay night』における活躍
最序盤:全ルート共通
アーチャーと戦った後、目撃者である士郎に瀕死の傷を負わせ、凛の手で蘇生された彼を衛宮邸にて再度襲撃するが、彼が倉庫奥の魔法陣から偶然召喚したセイバーに阻まれ、撤退する。
その後は直接の描写こそないものの、全てのサーヴァントと刃を交えた上で様子見に徹していた。
これはマスターである言峰から「お前はサーヴァント全員と戦え。ただし相手は倒さず戦った相手からは必ず生還しろ」と令呪で命じられていたためである。強敵とのガチバトルこそが望みである彼にしてみれば度し難い屈辱であった事は想像に難くない(ランサーの非常に高いサバイバル能力を考えれば戦略的には最適解であるため、本人もそのあたりは割り切っていたと思われるが)。
セイバーとの緒戦以降は展開が分岐し、3つの運命が待ち受けている。
Fateルート
終盤で再登場。言峰の命令でギルガメッシュと共に士郎とセイバーを襲撃するも、自身を欺き続けた言峰に怒り心頭だった事、ギルガメッシュと組む気などなかった事から共闘を拒否し、「俺の信条に肩入れしているだけ」と言いつつも士郎とセイバーを逃がすため単身ギルガメッシュに挑む。
結果として敗北したものの、戦いは半日以上にも及び、ギルガメッシュにもある程度ダメージを負わせた。ちなみにあちら側も「聖杯の起動にはあと1人サーヴァントに死んでもらわなければならない」と言う理由で最初からランサーと組む気はなくどの道2人が共闘する可能性はほぼなかった。
この時のギルガメッシュとの戦闘は原作ではあらましでしか語られていないが、TVアニメ版第1作では戦闘シーンが直接描写されいる。狭い屋内で矢避けの加護を活用できなかったため「王の財宝」による絨毯爆撃を捌き切れずに圧倒され、最期は神性が高い者に効果を発揮する天の鎖で縛り上げられて動きを封じられた後、叔父フェルグスの愛剣カラドボルグで貫かれて敗北した。
ギルガメッシュがカラドボルグを取り出した際はさすがに驚いていたが、身内の武器で引導を渡される事に対してはえも言われぬ運命を感じたのか、不敵な笑みを浮かべていた。
UBWルート
中盤、サーヴァントをキャスターに奪われた士郎と凛の前に現れる。そして言峰からの命令で2人に共闘を申し込み、キャスターを倒すまでの間、彼らとしばしの同盟関係となる。
キャスターが根城にしている教会の前庭にて、アーチャーと最初で最後の全力の一騎討ちを演じるが、最終的には彼が寝返った意図を察して中断した。そしてキャスターがアーチャーに倒された後は凛がアーチャーに攫われたため、士郎との同盟関係を延長することになる。
アインツベルン城に士郎やセイバーと共に乗り込み、一足早く凛の救出に向かうが、そこへ現れた言峰の「教え子を助けたい」という言葉が単に目的のための達成目標に過ぎなかったことを知り、彼女を殺害する命令を拒否。「俺にやらせたかったら令呪でも使うんだな」と反抗するも、既にギルガメッシュという切り札があり、令呪もすでに1画しか残っていなかった事から用済みと見なされ、自らの槍で心臓を刺し貫く形で自害させられてしまう。しかし、最高ランクの戦闘続行スキルにより即死には至らず、隙をついて言峰を刺殺。凛にちょっかいを出そうとした慎二を追い払い、彼女を解放した後、短いながらも言葉を交わし、僅かに心を通わせた。そして彼女がその場を離れたタイミングを見計らってルーンを刻み、城に火を放って言峰を道連れに消滅した。
このルートにおいては途中からは完全に主人公側の味方として動く上に、凛と士郎の関係をからかったりと素の気さくな一面や面倒見の良さが明らかになっており、その最期も決して遺恨を残さない天晴れなものであったために多くのプレイヤーの心を鷲掴みにし、後のシリーズにおいても往々にして「兄貴」と呼び親しまれ、愛されるきっかけとなった。本作において彼が一番輝くのはこのルートと言っても差し支えないだろう(というより他のルートでの出番自体が少ないのだが)。
彼自身は凛を救助に向かう直前には士郎に「請け負った仕事を気に入るなんてのは俺にとっちゃ珍しい。なんで、最後まで面倒見させろ。それでお前たちとはきれいさっぱり敵同士だ。」と言っており悲しい形ではあるものの、再び敵に回る前に綺麗に脱落したのはある意味両者にとっても救いだったかもしれない。また、彼との会話は結果的に士凛の進展の1つとなっている。
Heaven's Feelルート
アサシンの霊基を媒介に現界した真アサシンと交戦。本来は一撃で仕留められるくらいに実力差は圧倒的だったが、令呪のせいでトドメを刺せない状況であり、その上アサシンに痛覚がなかったために隙が生じ、池まで逃走を許してしまう。そして水底から突如現れた黒い影に捕まり、脱出を試みた隙を突かれて宝具を叩き込まれ、心臓を潰されて敗北。消滅する間も無く黒い影に飲み込まれてしまった。なお、影に飲み込まれる直前にアサシンに心臓を奪われ捕食されており、これによりアサシンは不完全だった霊基を安定させ、失われていた理性を取り戻している。キャスターとアサシンにも言える事だが、このルートでは士郎達と再会せず、真っ向から叩き潰せるはずの相手に事実上の敗北を喫するなど、前ルートで人気を稼いだ皺寄せが来たかのような不遇な扱いである。
劇場版では少し改変が加えられ、街中で真アサシンと打ち合いながら柳洞寺に向かう流れになっており、結果として柳洞寺まで追い詰めたつもりが逆に誘い込まれた形になった。
(ああ、こいつは…最悪の展開だな……)
上述の劇場版において初めて映像化されたアサシンとのバトルは、ufotableのスタッフ陣による変態的なまでのクオリティを誇り、年末特番でもこの場面のメイキング映像が取り上げられているため、出番は10分程度と短いながらも充分に印象に残る活躍を魅せたと言える。
また、アサシンを追う際の陸上選手じみたランニングフォームのインパクトがあまりにも強すぎたため、他の重要な要素を差し置いて一躍話題を掻っ攫い、ランサーならぬランナーなるあだ名を頂く事になった。『FGO』の2017年夏イベントでも背景の一部としてこの時の姿が描かれている。
他作品での活躍
Fate/EXTRAシリーズ
遠坂凛のサーヴァントとして登場。
衣装は原作と違いサイバーテイストなデザインになっており、槍にはいくつもトゲが付いている。
実体化しての登場は少ないが、その良コンビぶりは全マスター随一と言っても過言ではなく、平時はお互いに軽口を叩きつつ、戦闘になれば抜群のコンビネーションを見せる。
ちなみにきのこ曰くシリーズにおいて一番動かしやすいキャラは凛とクー・フーリンであるため、この2人を組ませたという。比較的差異が多いため、詳細は関連記事を参照。
カーニバル・ファンタズム
出番は多いがとにかく不憫な目に遭って死ぬ。
「ランサーが死んだ!」→「この人でなし!」というやり取りももはやお約束である。他のサーヴァント(主にバーサーカー)にシバかれて逝くのが大半だが、時には自爆で死ぬこともある。
11話「FINAL DEAD LANCER」ではそんな死の運命から逃れるべく奮闘する。
Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤ
バゼットによって本編開始以前に撃破されており、本編ではほぼ未登場。
一応『ツヴァイ!』でバゼットが紹介された際に、回想シーンでやられ姿が1コマ描かれている。
ゲーム版にて正式な設定が登場。ちなみにデザインは原作者ひろやまひろし氏によるもの。
一方で、槍の方は使い勝手の良さから美遊の必殺武器として活躍している。
なお、命中率は本編よりも高く、ほぼ百発百中である。これも、なにもかもクソ神父が悪い。
Fate/Prototype
玲瓏館美沙夜のサーヴァントとして登場。
元々は原型としての設定のみの存在であったが『旧Fate』の映像化により新たに設定が組み直された。『stay night』の彼とは同一人物だが別人とされている。詳しくは関連記事を参照。
衛宮さんちの今日のごはん
喫茶店や魚屋、花屋など様々な所でバイトをしている他、アロハシャツで港で釣りを楽しんだり、藤村組主催のイノシシ狩りに参加したりと第二の人生を満喫している。特に魚屋でのバイトはかなり板についており客の1人の老婆を「お嬢さん」と呼んで金目鯛を売ったり、大河とは良き飲み仲間だったり、美綴綾子に対し「そんなに怒ってちゃ美人が台無しだぜ?」と声をかけたりと女性との絡みもわりかし多い。士郎の作る料理に興味を持っており、度々相伴に与っている。
Fate/unlimited codes
キャッチコピーは「疾風の蒼き槍兵」。
ランサー使用時のストーリーは言峰に殺害されたバゼットの元へ駆け付けるところから始まり、言峰のサーヴァントとして聖杯戦争を勝ち進めていく。キャスターを撃破した後、マスターである葛木を見逃すという条件でルールブレイカーで言峰との契約を破棄することに成功。マスター不在という状況ではあったが「自分の力を見込んで召喚してくれた女の信頼に応えたい」という理由で最後まで戦い続け、聖杯戦争に勝利する。儀式の終了後、言峰が異変に気付いて駆け付けてきたときには現界を保つのも危うく、残り数分で消えるという状況であったが、バゼットの仇討ちのため柳洞寺にて言峰と戦い、際どい戦いであったが辛くも討ち果たす。マスターと共に戦えなかった事は無念だったが、再び生を得て存分に戦場を駆けた事に満足し、聖杯には何も願う事なく消滅した。
「よう、バゼット。見ていたか?お前の喚んだサーヴァントは強かっただろ?オレを選んだお前は、間違っちゃいなかったってワケだ」
ゲーム上での性能
同ゲーム中における最強格の1人。通常技はセイバー並みの高火力にバーサーカーに匹敵するリーチ、ライダーに比肩する発生速度を兼ね、必殺技ゲージの上昇も早く、足も速い、超高性能キャラ。あらゆる性能がトップクラスで、ほとんど非の打ち所がない。リーチを活かした中距離の牽制から、攻撃が引っ掛かった瞬間に高火力のコンボ叩き込むというのが常套戦術。
Fate/Grand Order
初期から実装されているサーヴァントのひとり。レアリティは☆3。
その幅広い適性からキャスター・バーサーカーとしての参戦も実現しており、ストーリー本編でもたびたび重要な役回りで登場する。ただしランサーの方はイベントに時々登場するのみである。
第2再臨では、スカサハの元へ修行に向かった頃のものと思われる、赤い刺青の刻まれた上半身を露わにした短髪姿になっており、カルデアの日常では主にこの格好で過ごしている模様である。
第3再臨では、戦闘服の全体像が第1再臨時を踏襲しつつも色味が深くなり、肩当て等の銀色の金属パーツも青く染まると同時に一部分省かれたり体のラインに合わせてサイズダウンされてコンパクトに纏まったデザインに変わる。この姿だと第1再臨と同じく長い後ろ髪を一本にまとめている。
ゲーム上での性能
最大HP | 9593(LV70) |
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最大ATK | 7239(LV70) |
コマンドカード | Arts:1/Quick:2/Buster:2 |
宝具カード | Quick |
スキル1 | 戦闘続行(A) / 自身にガッツ状態を付与(1回・5T) |
スキル1(強化後) | 四枝の浅瀬(A) / 同上&自身にHPが少ないほど攻撃力がアップする状態を付与(3T) |
スキル2 | 矢避けの加護(B) / 自身に回避状態を付与(3回)+自身の防御力をアップ(3T) |
スキル3 | 仕切り直し(C) / 自身の弱体状態を解除+自身のHPを回復 |
宝具 | 自身に必中付与(1T、強化後に追加)+敵単体に超強力な攻撃+防御力ダウン(3T)+中確率で即死効果 |
原作や伝承の通り「生き残る」事に特化したスキル構成によるしぶとさが特徴的なユニット。
具体的には「戦闘続行」で死の淵から蘇り、「矢避けの加護」で敵の攻撃を掻い潜り、「仕切り直し」で回復しつつデバフを解除するという、まさにサバイバル仕様の耐久型。窮地であってもしぶとく生き残り、その原作再現ばりの生命力はいい意味でのレアリティ詐欺と称えられるほど。
ただしカード性能はお世辞にも良いとは言えず、スキル構成も合わさってNPやスターの稼ぎ辛さ、耐久に特化した性能故に攻撃力不足は否めないため、概念礼装やパーティ構成で上手く補いたい。
それさえ何とかできれば活躍の余地があり、特攻礼装で大幅に強化できる『ネロ祭』などではギミックとの相性がいいクエストに限るものの、低レアながらアタッカーを張る事もできる。
「レアリティ詐欺」と言われ出したきっかけは☆3の中で強いという意味合いではなく、文字通り☆5並の強さというニュアンスで『FGO』サービス開始初期に称されたものである。これは、本作が始動したばかりの頃はカード性能が全員横並びで悪く、カード性能が重要視されることがなかったことと、スキル構成がめちゃくちゃなユニットで溢れていたことが原因であり、レア度に関係なく3つのスキルの方向性が噛み合っているユニットほど評価されていた。今でこそ耐久極振りとされるスキル構成だが、当時はそれが環境にうまく噛み合い、また回避・無敵持ちがまだ少なかった当時としては「矢避けの加護」のターン数制限無しの3回分の回避はオーバースペックであったこともあり、多くのプレイヤーに主力として重宝されていた。リヨ絵クー・フーリンの説明に「☆3にあるまじき性能を持つと言われる」と記述されているのはこの最初期の評価の名残である。
長らく強化がなかったものの、2018年の3周年記念強化クエストでようやく宝具が強化される。
攻撃前に必中状態が付与されるため、自前のカードでコンボを組めば後続の攻撃も必中扱いになる。相性で有利なアーチャーのサーヴァントには回避スキル持ちが多いため、利便性は高い。
即死確率も補強され、ザコ相手ではあるがこれまで以上に即死が刺さるようになった。
さらに2020年の5周年記念強化クエストではスキル「戦闘続行(A)」が「四枝の浅瀬(A)」へランクアップ。HP残量に応じた攻撃力アップ効果は類似したパッションリップとは異なり常時発揮される上、最大値状態でも「カリスマ」程度の効力を発揮する。同時にCTも1ターン短縮されているため、序盤で使っても再使用可能になるまで耐えられる可能性も高い。これらの強力な能力が長期戦に向く上に礼装で更にガッツを付けられるという利点から、サーヴァントの継続的な運用が要求される聖杯戦線では引っ張りだこになっている。☆3なのでコストが安く済むのも旨みのひとつ。
先んじて2017年2月1日に戦闘モーションもTV版『UBW』準拠に改修され、よりダイナミックかつ俊敏なアクションを拝めるようになった。宝具とスキルの演出だけは『Fate/unlimited codes』のオマージュと思われるが、HIT数的に攻撃モーションの再現は無理があった模様。
Fate/Grand Order Arcade
アプリ版から一定準拠した性能はいずれのバージョンでも言わずもがな。そして、2021年1月末に『Arcade』オリジナルサーヴァントとして少年時代の彼が参戦。そちらの項目は該当記事を参照。
Fate/Samurai Remnant
「逸れのランサー」として増上寺に紐付き、一度刃を交えた伊織を気に入り力を貸すようになる。
逸れのルーラーとは案の定反りが合わず、顔を合わせればお決まりのように罵り合う。
伊織にも「誰と連もうが勝手だが、コイツはやめておけ。己の愉しみのためなら平気でお前の命を奪っていくタマだぜ」と、かつての経験混じりのなんとも実感の籠もった忠告をしている。
関連人物
生前
実の父親にして、ケルト神話の太陽の神。
クー・フーリン本人は両親について一度も言及していないため関係性は不明。
生前に関係を持ったという4人の女性の1人で、クー・フーリンの本妻。
彼女を娶るために影の国の修行に赴いた。彼からは姫さんと呼ばれている。
なお、義理の息子のコンラとの戦いの際は涙ながらに引き止めてきたという。
生前の師匠であり影の国の女王。
4人の女の1人と語られているが、男女の仲ではなくあくまで師弟関係。しかし、クー・フーリンの方はスカサハに気があったようで、彼女についての話は主に『hollow』で語られている。
カルデアで再会するが、相変わらずのスパルタぶりに周囲共々振り回されている。
4人の女の1人。ケルト神話の戦争の女神。原典ではクー・フーリンに恋をしたモリガンが彼に付きまとった結果、倒されたと言った話である。型月時空では彼女については語られておらず、元ネタと同じなのかは不明。しかし『Fate』シリーズではケルト神話のモリガンがブリテンのモルガンと同一視されてることから、『FGO』のモルガンのマテリアルにクー・フーリン宛のマイルームボイスがあり、彼の反応的に2人は似ているのが窺える(尤も、あちらは特に知らない反応だったが)。
4人の女の1人で、スカサハの双子の妹と語られている影の国の隣国の領主。彼女との戦いに勝利し、間に子を成した。その事を知ったスカサハにキツくお灸を据えられたらしい。
アイフェとの間に生まれた実の息子。
ゲイ・ボルクこそ継承できなかったものの、生まれて間もない頃からスカサハの元で鍛えられ、父をも超えうる武勇を身に着けており、実に7歳という若さでクー・フーリンと互角に戦えるレベルの紛う事なき天才であった。しかし、ゲッシュによって名前を明かせず、クー・フーリンと相対した際に自身の息子であると気付かなかった彼のゲイ・ボルクを食らい、命を落とした。
実の叔父にして、育て親でもあり剣の師匠。
戦士として非常に尊敬しており「フェルグスのオジキ」と呼び慕っている。
カルデアでは、スカサハのスパルタ修行やメイヴの執着に振り回される仲である。
メイヴの配下でコノート側最強の騎士。クー・フーリンと同年代であり、共にスカサハの下で修行した兄貴分たる存在。四日間に渡る死闘を繰り広げた末、致命傷を負わされて劣勢に追い込まれる。追い詰められたクー・フーリンは、ゲイ・ボルクによる起死回生の一撃で彼を破った。
敵国コノートの女王で自身をハメ殺した相手。
様々なゲッシュを負わせ死のきっかけを作った人物で、女好きの彼ですら苦手意識を持つ。
彼女からは一方的に好意を向けられており、第五特異点で自身の理想のクー・フーリンにする為にオルタ化した彼を召喚して自身のものとしていた。生前より面倒臭い女になっている模様。
義理の祖父にあたる海神であり「マナナンのじいさま」と呼んでいる。
女性関係で彼の怒りを買った過去もあり、出来れば会いたくないらしい……が、数年後に人類の危機に出会うことになる。
Fate/stay night
令呪により鞍替えを強制させられたマスター。
彼の命じる方針のため、ある一戦を除いて死力を尽くしたバトルを行うことができなかった。
ルートによっては令呪で自害させられるが「戦闘続行」のスキルによって諸共引導を渡すことに。
令呪で言い放った「自害せよ、ランサー」は余りにも有名。必中であるはずの槍が悉く外れるのは、彼の令呪による命令のせいで、シリーズを超えて当たらないのはもう呪いの域である。
セイバーのマスター。一度殺害し、息を吹き返した後も二度三度と襲撃する。
そのため一度殺された士郎の方は苦手意識を持っているが、彼の方はあくまで仕事と割り切っており、個人的には彼を気に入っているため、ルートによっては共闘する。また『衛宮さんちの今日のごはん』などのギャグ作品などでは良き兄貴分のように接していることも多い。
ルートによっては共闘し心を通わせるアーチャーのマスター。初見からその人柄を気に入っていたらしく「UBWルート」では仲間になったり士郎との仲をからかったり言峰に捕まった凛を助けるなどしてささやかながら確かな友情を築く。そしてとある平行世界ではパートナーになる。
初戦の相手であり、宝具を防がれたことに怒りを向ける。
戦いにおいて騎士としての誇りを重んじる者同士だが、方針の違いからか、何かと反りが合わず反発している。ただし「Fateルート」ではセイバーと士郎をツンデレ気味に助けたり『FGO』では水着イベントにてセイバーに水鉄砲を貸してもらったりと、少なくとも険悪な仲ではない様子。
本編中に出会う場面はなかったが「HFルート」で一度戦っており、上手く水場に誘い込まれた上に心臓を握りつぶされて倒された事に思う所があるのか、出来れば一対一でもやりたくはないという。
どこまでもソリが合わない犬猿の仲で、座に刻まれる程の因縁。
どこにどんな形で召喚されても、必ず同じ戦場で顔を合わせる事になるという筋金入りの腐れ縁である。加えて『FGO』でも一緒になった時は悪い意味での「運命」と悟っており、相当ウンザリしている様子。マテリアルでも「そろそろ白黒つけたい」とこぼしており、決着がつかないイザコザを何度も繰り返しているらしい。服装のせいで下の金ピカと合わせて信号機トリオ扱いされ『衛宮さんちの今日のごはん』でも3人並んで釣りをしている。『FGO』の概念礼装でも三人一緒に描かれてるカードがざっと3枚くらいある(そのうち1枚は子ギル)。もう絶対仲良いだろお前ら。
アーチャーと同様に腐れ縁の金ピカサーヴァント。
終始自分を「狗」呼ばわりしてバカにしてくる天敵であり『stay night』や『hollow』ではマスターを同じくする。あちらからは実力に関しては評価されているが、お互いに組む気は一切ない。
それこそ現在の在り方を「欲の皮の突っ張った怨霊」と吐き捨てるほど気に入らない男。
ただし、性格が大分マシになっている幼年期の彼とは、後述の通り割と仲が良い。
本編では関わりはないが、外伝作品では意気投合する仲。
釣り場で物々交換したり、酒の席で盛り上がったりとかなり波長が合う様子。
Fate/hollow ataraxia
第五次聖杯戦争での本来のマスター。
しかし、本編開始前に既に言峰に殺されており、強制的に鞍替えさせられた。
一方、ギャグ時空においてはアイドルユニット「YARIO」の仲間になったりと仲良くやっている。
『FGO』では自分と似た全身タイツの格好(第2再臨時)で実装されており、カルデアで再会した際に「その格好俺を意識してる?」と問いかけるも、知らん顔で誤魔化されていた。彼女はクー・フーリンを覚えているが、彼の側は「どこかで縁があったのか?」と気になる程度である。
2023年バレンタインイベントで、カルデア食堂にて再会し、中の人がよりにもよってマナナンのじいさまだった事にびっくり仰天して取り乱していた。
繰り返す四日間でのマスター。散々コキ使われた悪魔。
派生作品でも記憶こそ引き継いでいないものの、彼女への恐怖を霊基が覚えている。ギャグ世界では札束でぶん殴られたり、バゼットとイチャイチャしたために嫉妬されて札束を口に突っ込まれてお仕置きされたりしている。札束がトラウマになってそう
ギルガメッシュの幼年期の姿。
聖杯戦争へのやる気を無くしたことで、自ら若返りの薬を使って蝶よ花よと民達に愛でられていた頃の比較的に性格がマシな時分の姿に戻った。上記の通り、こちらの英雄王とは割と仲が良く、派生作品においてはかつてのマスターだったカレンに彼共々振り回されるのがお約束となっている。
Fate/Grand Order
この世界で契約したマスター。
ある意味では数千年ぶりに出来た弟/妹弟子と言えなくもない。
また、スカサハやカレンに振り回されるもの同士として同情している。
ケルト神話における後輩英雄で、ランサー仲間。ゲーム『unlimited codes』では勝利した際にその武勇を讃えつつも、私怨で彼を見殺しにしたフィンを若干遠回しながらも批判するセリフを吐いている。また『FGO』では自身の幕間で彼について語っているが、その内容は上記の一件とも関わる笑えないジョークになっている。セイバーの彼からは「光の御子」と呼ばれ敬愛されている。
同じく蛮族気質の槍使い。彼もランサーとライダー、バーサーカーに適性がある。
イベント『ぐだぐだファイナル本能寺』では彼と殺し合った後に意気投合し、「目ん玉ガンぎまりじゃねえか」と非常に気に入っていた。
上記の士郎を依代とした擬似サーヴァントで、言峰が嫌いな者仲間。
依代の影響か「ランサー」と呼ばれ、バレンタインイベントの描写では時々会話をする仲。
余談
戦闘力の描写について
きのこ曰く、バーサーカーを相手取ってもルーンと宝具の組み合わせで一時的にAランクに届くため、かなり不利な戦いになるが“いくらか勝ち目のある”戦いを展開できる=「十二の試練」を突破できると言う。あくまで勝ち目を見出せるだけで不利な状況は覆せないのがつらいところである。
ただし、Aランクの攻撃手段があっても勝機がないとされている者が複数いるように(1~2回倒しても意味がないので勝てないのと一緒とされている)、この勝機というのは12回削る手段があるという意味ではなく、バーサーカーの戦闘力も加味して12回倒せるという意味合いではある。
初登場の『stay night』では戦闘での活躍もそこまで無いうえに、ストーリー中では基本的に強さを低く評価されることが多々あるなど、噛ませと言われても仕方ないところがある。主にセイバールートでは終始「セイバー>ランサー」という扱いであり(一応、諜報目的で扱われていたことが判明したことで、凛から「六人全員に引き分けなんて、ある意味とんでもないヤツ」と評価されているところもあるが、それ以前はセイバーなら勝ったも同然とめちゃくちゃ過小評価されている。大英雄なのに……)、セイバーにすらランサーの「刺し穿つ死棘の槍」は初見でさえなければ攻撃が飛んでくる方向が決まっているため対処できる、対してアサシンの燕返しは一度見てもどこから斬撃が飛んできてるのか分からないため、刺しボルクより厄介とまで言われてしまっている。
実はセイバー組の交戦前にギルガメッシュを消耗させていたというきのこの話を聞いた武内社長も「たぶん、ゲームをやった人もそんなに強いイメージは持ってないと思う」と述べている。
ただ、物語での扱いの割に原作者からのフォローが多くなされており「ゲイ・ボルクは相手HP分のダメージを与える」という説明なども、原作内や設定資料の宝具説明では一切記述されておらず、キャラクター別対談できのこが説明して判明する具合。武内社長が「設定は兎も角、物語的には残念ながら噛ませ犬で、投げボルクもアイアスの引き立て役だった。そんな境遇も含めて、色々ついてないキャラ。だからこそ雲のような印象なのかもしれない。」という旨を話しているように、きのこの頭の中の設定と、物語の活躍や公式設定の能力とでだいぶ齟齬が生じている。
きのこの説明によると、「バーサーカーの話と矛盾しますけど、圧倒的な能力はなかったとしても、機転と経験とスピードで必ず生き延びる。サバイバル能力が抜きん出たキャラがランサーです」ということで、理性を失っても体に染みついた圧倒的なパワーと戦闘勘で敵を蹂躙するヘラクレスとは真逆のコンセプトで作られているらしく、そういう要因も絡んでるのかもしれない。
ちなみに「矢避けの加護」の守備範囲外にある「超遠距離からの直接攻撃」「広範囲の全体攻撃」についてだが、『complete material』では、前者は「ただ単にリーチが長い武器での直接攻撃」、後者は「武器の攻撃範囲が着弾時に爆発する広範囲タイプの攻撃」と具体的に説明されている。「攻撃対象を目で確認した状態であるならば、いかなる遠距離攻撃をも避ける事が可能だとされる。また対象が黙視出来ない状況であっても大抵の飛び道具に対応できる」との事だそうな。
勘違いされやすいが、これは飛び道具に対する対応力の話であって、自動(オート)で飛び道具を弾くものではない。あくまで本人が飛んでくるブツを認識しなければ始まらないのだ。
実際、真アサシンの投げナイフは槍で弾いて対処している。劇場版HFでは突風のような波動を発して、前や後ろから迫りくるアサシンのナイフ投擲を吹き飛ばしており、直後に「生まれつきでね。飛び道具は効かねェんだよ」と発言している(この描写についてだが、突風は前からのナイフを弾くために起こしたもので、後ろのナイフはそれに巻き込まれただけ、と捉えられなくもない。ただし、たとえ後ろからだろうと、跳弾以外の指向性を持った攻撃である以上は相手を傷つけようとする「殺意」が乗っており、それを読み取る感覚に長けた戦士である彼がそれを視覚のみに頼るとは考えにくいため、後ろから飛んでくるブツも気配で認識していたと考えるべきかもしれない)。
クラス適性について
もともと、原作者からは「ランサークラス以外にバーサーカーとキャスターの適性がある」としか言われていない。現在では、これら以外にも本人の発言と描写等からセイバー・ライダーのクラスについての言及があり、「鏖殺戦馬(セングレン)」という騎乗馬というか戦車の宝具も持っているらしい。クー・フーリンの愛馬と言えばマッハの方が有名であり、伝承でもセングレンは名前が出るのみで大して活躍していないのだが、戦車も持ってくる場合はセングレンも一緒に付いてくるので、マッハ単体の場合と区別するためにセングレンの名前が当てられているのかもしれない。
日本ではマイナーだが、もし知名度が高い欧州が舞台ならヘラクレスやアーサー王に並ぶ存在になり、特に地元においてはアーサー王をも凌駕する大英雄とされている。あちらでは銅像が立てられていたり絵本になっていたりと、日本で言う桃太郎のようなご当地ヒーロー的存在である。
召喚地が地元のアイルランドであれば「新たな戦力の追加」もあり得るとされ、前述の宝具項目で紹介した戦車や城の宝具に加えて「不眠の加護」が付いてくると言う(設定資料では新たな宝具追加もあり得る、としか言われておらず、不眠の加護が宝具なのかスキルなのかは不明)。その強さもアーサー王を凌ぐとされ、逆に彼女の地元であるイングランドならばこの関係は逆転する。『カプさば』でのランサーの発言およびこの設定が記述されているのがクラス適性の項目ではなく知名度による強化についての項目に書かれている事から、ランサークラスとしての追加項目であると思われる(知名度が高い程、伝説通りの強さと武装に近づくため。地元で召喚され、ライダーでなくとも馬を持ってこれた一例として『SR]』にて共演した逸れのセイバーが挙げられる)。
実は原典では、魔槍「ドゥヴシェフ」なる武器で敵の心臓を貫いた逸話があるものの、ランサーで召喚された際には持ってきておらず、恐らくこの逸話はゲイ・ボルクに統一されたものと思われる。あるいは伝説上では数多の刀剣を持っているはずのアーサー王が剣士のクラスで召喚されたにもかかわらず、エクスカリバーしか持ってこれないのと同じ理屈かもしれない。
また、公式で名言はないものの姿を隠す蓑やスリングショット、盾を使って戦った逸話があるため、アーチャー、アサシン、シールダーの適性があってもおかしくはないと言える。
特にパチンコの腕前は父神ルーの直伝であり、息子コンラにも引き継がれたお家芸である。伝承では他にも遠距離武器としてダーツを使ったこともある。意外にも弓を扱った場面は無いが『hollow』において扱える武器のひとつに挙がっている。スカサハ師匠の教えは偉大である。
テーマ曲
彼にはこれと言って決まったテーマ曲は存在しないが、序盤で穂群原学園にてアーチャーと交戦した際の『激突する魂』が印象的である。このフレーズは後に『Fate/EXTRA CCC』にて別のランサーのテーマ曲となった『Over the top』としてアレンジされている(制作を担当したライナーノーツによるとかなり難産だったようで、いちバトルシーンとしてパンチに欠けるため、試しに『激突する魂』のフレーズを入れてみたところ存外悪くなかったため、このまま通したようである)。
一応、『FGO』で登場したキャスター版にはアニメ版で専用テーマが作られているが。
ちなみに、DEEN版放送当時に販売されたキャラソン集には喋れないバーサーカーはともかくとして、何故かランサーのキャラソンが存在しない(これはアサシンにも言える事だが)。
3に纏わるジンクス
『Fate』シリーズにおいては、ランサークラスのサーヴァントは3番目に話題に挙げられる傾向があり、また『FGO』でのクー・フーリンのレア度も☆3となっているなど、何かと3に縁がある。
アイルランドに限らずケルト人全体において「3」という数(及びその倍数)は特別な数でありケルト人には「3」という数字によってその人物が強められる、という思想がある。ケルト神話原典では3兄弟として出てくるにもかかわらず、実際には1人のように行動する人物などが登場する。
夏至の日
太陽神ルーを父に持つ事と「光の御子」の通り名から、型月世界におけるクー・フーリンは昼間が長い=太陽が指す時刻が最も多い夏至の日に生まれたというイメージが強く持たれており、毎年夏至の日にはSNS上などで「クー・フーリン生誕祭」のタグによる、誕生をお祝いするファンアートがたくさん投稿されている。しかし、原典でクー・フーリンがいつ生まれたかについての明確な記載は今のところ見つかっておらず、あくまでも憶測でしかないことには注意が必要である。
他にも異説として、英雄としての短い生涯から逆に昼間が短い冬至の日生まれという推測もある。