概要
日本での旧作トランスフォーマー(G1シリーズ)における悪のトランスフォーマーの組織名。原語版でのディセプティコンにあたる。「デストロン軍団」と主に呼ばれている。
シリーズによって構成や設定が異なるが、正義のトランスフォーマー「サイバトロン(オートボット)」との覇権を巡り長きに渡り抗争を繰り広げていることは共通している。
日本国内におけるネット等での通称は「デ軍」。
日本での放映にあたって、日本人に馴染みやすいように原語版から改変された単語の一つ。
デストロンの名前の由来は定かではないが、綴り(Destron)を見るに死の方の「Death」ではなく破壊する方の「Destroy」が語源となっている模様。
主に軍事用の乗り物や兵器に変形するトランスフォーマー達で構成されている。
初代では主に航空機に変形するメンバーが多く、車輛主体の「陸のサイバトロン」との対比が強調されていた。
組織自体も力によって統率されている独裁体制なためか、シリーズを通して下克上を企む部下も多い。
(ニューリーダー病)
初代
クインテッサ星人に生み出された戦闘用ロボットがその前身で、元々はサイバトロンより知能を低めにプログラムされていた。
悪の軍団であるはずだが、その実、比較的まともな部類の軍事組織である。
独裁体制といっても言論統制などは皆無で、暴力的に統制されているわけでもない。
とはいえメガトロンによる恐怖政治自体は行われているようで、圧力をかける台詞は多い。そしてメガトロンの機嫌の悪い時に失言を吐けば普通に攻撃的な制裁が下る。
比較的自由な気風のサイバトロンと比べる、到底伸び伸びとした軍隊とは言い難い。
地球人と友好関係を結んでいることから、遊ぶ余裕すらあるサイバトロンに比べて、レクリエーションなどの描写は殆んどない。例外は地球人との友好関係を偽った時などくらい。
部下は必要以上にコキ使われているわけでもなく、非常に優良な軍隊である。ただし人間などを奴隷にしたり、インセクトロンなど厳密には仲間ではないという相手への対応は明らかに悪い。
メガトロンのワンマン運営なので、彼が不在の折には烏合の衆と化してしまう。
また、当のメガトロンが判断を誤った際には、部下の進言を聞かずに悪い方向性に進むことも多い。
このように上も下も個々を見れば優秀な人材が多いのだが、全体的に連携がとてつもなく悪い。
メガトロンは軍の敗因は「主にスタースクリームのミスが悪い」と言っているものの、メガトロンの判断ミスも十分多い。結局全体で見れば統率力はあるが、勝てないのは「連携力が著しく低いため」とも言える。
構成員
初期からのメンバー
インセクトロン(シャープネル、ボンブシェル)、キックバック)
後期からの追加メンバー
ザ・ムービーから2010まで
『ザ・ムービー』(ユニクロン戦争)後、頭脳回路に異常をきたしたことから、我侭意のままなガルバトロンと、忠義者のサイクロナス、ニューリーダ病初期症状のスカージといった新たな中核メンバーによって再編された。
ガルバトロンが破壊衝動に取り憑かれて暴走したため、以前あった統率力すら皆無となってしまっており、部下の忠誠心も全体的に下がっている。実際鞍替えしたり離脱した者も多い。
それをなんとか支えているのはサイクロナスであるが、彼はガルバトロンに忠誠を誓う余り、作戦の善悪の区別がつかなかったり、ガルバトロンに抗弁できず悪政を押し切られたりすることも増えてしまった。
一時はセイバートロン星を抑えていたデストロンだが、2010では地球や故郷をも追われて、やむを得ず拠点を別の惑星に移している。
またクインテッサ星人が、セイバートロン星奪還のために本格的に動き出し彼らに唆される形でサイバトロンを攻めることも増えてきたため、アニマトロンやテラートロンが合流した。
ユニクロンによってリフォーマットされた者
また初期案では、サイクロナスと同型で小型のアルマダというキャラも出るはずだったもよう。
追加メンバー
玩具では、クインテッサの作り出したシャークトロンも該当する。
ザ☆ヘッドマスターズ
中盤まではガルバトロンが引き続きリーダーを務めていたが、棚からぼた餅を狙ったメガザラックに交代。
地球爆破計画など惑星の爆破が多く、悪の軍団の印象がより強くなった。
超神マスターフォース
ヘッドマスターJr.とゴッドマスターで構成されている為、サイバトロン同様人間が多い珍しい組織。かつてのメガトロンのような理想の上司によって構成されていたが…
メンバーは戦車&ジェット戦闘機夫婦、全然似てないトーネード&F-16の双子、悪ガキ三人組ヘッドマスターズJr、かませ犬モンスタープリテンダー、やられ役シーコンズ。
V
メンバーは悪役ドラゴン、ニューリーダー病ライオンF-14、クール鷹Mig-29、ゴマすりコウモリラファール、真面目ジャガーバギー、破壊バッファローゲパルト、劇団恐竜軍団など。
Z
事実上の暗黒期。そしてダイアトラスの被害者一同。ただし、宇宙創造に匹敵する力であるゾディアックが無ければダイアトラス達は負けていた程の桁違いな強さを誇る。三面相の大帝バイオレンジャイガーに率いられたデバスター、メナゾール、ブルーティカス、プレダキング、ダイナザウラー等歴代の合体兵士、巨大兵士達が登場。
ビーストウォーズ
原語名は「プレダコンズ(Predacons)」で変身の時の掛け声はテラライズ。
デストロンそのものではなく、現状に不満を抱いた内部の過激派分子である。恐竜や昆虫、爬虫類等に変身する。
サイバトロン同様の芸人集団。
団長はギャグが大得意の千葉トロンことメガトロン(ビーストメガトロン)。
『ビーストウォーズ』の作品をアドリブの嵐にした諸悪の根源でもある。
元含む部下全員、口癖を聞けば一発で分かるほど、特徴がはっきりしている。
メガトロンのみ明確な口癖は無かったが、『メタルス』でドラゴンメガトロンにパワーアップしてからは「アチョー!」と連呼するようになった。(『燃えよドラゴン』繋がりと思われる)
・おらー→スコルポス
・かー、ざんす→テラザウラー
・うひゃひゃー、~っす→タランス
・ぶーん→ワスピーター
・しゃー→ブラックウィドー
・ごっつんこ→インフェルノ
・ぎっちょんちょん、ブラー→クイックストライク
・ちょっきんなー→ランページ
・ダー→ダイノボット
また、リーダーが人間不信ということもあってかやたらと部下の裏切りが多い。
ダイノボットはエネルゴア不時着早々彼に謀反を起こしており、ブラックウィドーも彼を出し抜こうと目論んだこともある(後に両名ともそれぞれの理由でサイバトロンに寝返ってしまう)。
他にもテラザウラーやタランスは、普段は媚びへつらいつつ腹の中ではニューリーダーの座を狙っており、彼に内緒でアジトを作り兵器の開発などに勤しんでいた。
また、後者は第3勢力の尖兵でもあり、常にメガトロンと腹の探り合いをしていた。
メガトロン本人も部下を部下とも思わないぞんざいな扱いが多く、物語の進行と共に次々と部下が死亡し、最終的に生き残ったのはやられ役のワスピーターだけになってしまう。
後にメガトロンは『リターンズ』にて、感情を一切持たないロボット兵・ドローンで構成された軍団「ヴィーコン」を組織し、セイバートロン星を完全に掌握する。「リターンズ」ではこのヴィーコン軍団がデストロン(プレダゴンズ)の役としてサイバトロン(マクシマルズ)と戦うことになる。
ビーストウォーズⅡ
リーダーはガルバトロン。
動物に変身するサイバトロンとは対照的に、戦闘機や戦車等の軍用兵器に変形する。
スタースクリームはいるが、今回の彼は裏表のない忠義者である。ただしガルバトロンの弟・メガストームのことは軽視している。
メンバーは居眠り破壊大帝のドラゴン、他人の空似ニューリーダー病戦車、男前オネェジェット機、忠実B-2、漫才コンビのラファールとF-22。アニメでは明らかにサイバトロンより作画が優遇されていた(バンクシーンがサイバトロンより多い、戦闘シーンが使いまわしでなく描き下ろし等)。
他に傭兵としてダンプカー・ホイルローダー・F/A-18・装甲車で構成されたオートローラーズがいる。
因みにオートローラーズを除いたほぼ全員が後にビースト化し、パワーアップを果たしている(一部を除き全てのデストロンは飛行可能になった)。
仲間とのいざこざ(特にガルバトロンとメガストームのトラブル)があるが、関係はそれなりにうまく行っておりチームワークもよく、歴代の中でも特に仲が良く、部下をかわいがったり、上司を慕うシーンが多く見られる。
サイバトロンと一緒に踊ってたり、手を組んだりすることもあった。
野心を持つキャラはいたが、それは愛情の裏返しだったり、後に心酔して忠誠を誓ったり結果的に裏切者がゼロだった。
ビーストウォーズネオ
リーダーはマグマトロン、構成員はジュラシックパークに出そうな恐竜ばかり。
メンバーはキメラ恐竜大帝、忠実トリケラトプス、ナルシストステゴサウルス、戦闘狂アンモナイト、馬鹿ディメトロドン。後にニューリーダー病もどきの始祖鳥が入る。
こちらは未熟な生徒が多いサイバトロンよりも戦闘力が高く、チームワークも良好だが喧嘩が絶えない。むしろ喧嘩がコミュニケーション。
しかしある出来事がきっかけにチームワーク崩壊とマグマトロンへの裏切りに発展することに…
珍しいことに、こちらのデストロン軍団は結果的に死者がゼロである。しかし漫画版は全員死亡もしくは行方不明だけでなく、恐竜がアンゴルモアカプセルの力でトランスフォーマーに生まれ変わるという独自の設定がある。
こちらもサイバトロンと同じくゲスト共々キャラが濃い面子(寒いギャグ大好きプテラノドン、人の話を聞かない某ダーダー恐竜そっくりなパキケファロサウルス、嘘つきエリマキトカゲと腐れ縁なアンキロサウルス、デタラメ情報屋スティラコサウルス)で構成されている。
カーロボット(デストロンガー)
『ビーストウォーズⅡ』から逆転し、サイバトロンは働く車やスポーツカー等の乗り物に、デストロンガーは動物に変身するメンバーで構成されている。
因みに軍団名の「デストロンガー」は、デストロン内のエリート部隊の呼称である。
海外ではサイバトロンがオートボットなのに対して、こちらは動物に変形する者が多いためかプレダコンズ、変形コードもテラライズとなっている。
メンバーは多重人格ドラゴン、お人良し鮫、オカマスカンク、忍者ムササビ、関西弁カエル。後にニューリーダー病タンクローリーと銭湯プロフェッショナル軍団が加わる。
ギガトロンはファイヤーコンボイと幼馴染であり、出自も結構いい、らしい。
因みに『ビーストウォーズネオ』同様、死者はいない(最終回で鮫以外連行されているシーンがある)。
マイクロン三部作
海外版では各々の世界観が共通なので一部のキャラは同一設定だが、日本語版では異なっている(『マイクロン伝説』と『スーパーリンク』は繋がりを見せているものの、『ギャラクシーフォース』は繋がりがない)。
因みにマイ伝・GFスタースクリームとナイトスクリームは三者共に剣使いという共通設定がある。
マイクロン伝説
破壊大帝クワガタンク、苦労人自走対空砲、男前航空参謀、ラリホーな戦闘狂ヘリが初期メンバー。後にイカトンボ、片言で喋る剛腕提督、元サイバトロン戦士が加わる。どこからとも無く現れた謎のバイクも更に加わるが中盤で裏切り、イカトンボも後に裏切る。喧嘩や内輪揉めは結構多いが、それなりに纏まっている。
ユニクロン襲来時には航空参謀の命がけの説得でサイバトロンと同盟を組んだ。
スーパーリンク
前作のキャラほぼ全員続投したが、姿は変わっている(ただしナイトスクリームは明確にされていない)。追加メンバーはサソリ、サイバトロンに捕まっていた光波とその弟だが、ガルバトロンに楯突いたため兄弟共に粛清された。
破壊大帝は声や見た目も若返っているだけでなく、性格もかなり狂暴になっているが自分を慕う部下の事は何だかんだで大切にしている(怒ることも多いが)。
ギャラクシーフォース
破壊大帝、唇航空参謀、ハイテンション戦闘機が初期メンバー。
追加メンバーは鼻つまみコンビ、地球でくすぶっていたクレーン車、地球で封印されていた日和見主義な工作艇女、若本コンボイなど。航空参謀の離反を境に離脱者が続出し、破壊大帝が部下を捨て駒扱いしたのがきっかけで最終的には全員離反してしまったため、自然壊滅。
少数ながらも破壊大帝と航空参謀が強すぎて、サイバトロン側は苦戦する事が多かった。
破壊大帝の死後は鼻つまみコンビ、工作艇女、正義に目覚めたハイテンション戦闘機の4人で新生デストロン軍を結成し、あてのない旅へ。
『ビーストウォーズⅡ』以来となるデストロンでの死亡者が破壊大帝のみの作品。
オートボルトによって封印されていた地球出身のデストロンも多数存在いるが、「悪さをするが自由を求める」ので、それを害するなら例えデストロンでも容赦しない。
アニマトロスでデストロン寄りとされているキャラは『ビーストウォーズ』同様、恐竜ないしはドラゴンに変身していた。