さそり男
さそりおとこ
「早瀬五郎とは昔の名だ。今の俺の名は、ショッカーの幹部さそり男!」
概要
『仮面ライダー』
登場作品:『仮面ライダー』
第3話『怪人さそり男』/第13話『トカゲロンと怪人大軍団』/劇場映画『仮面ライダー対ショッカー』
CV:池水通洋(第3話)/水島晋(第13話)/梶哲也(劇場映画『仮面ライダー対ショッカー』)
「早瀬五郎とは昔の名だ。今の俺の名は、ショッカーの幹部さそり男!」
ショッカーに所属する蠍の改造人間で、人間体は早瀬五郎という人物。
早瀬は元々本郷猛の親友だったのだが、完璧すぎる本郷に嫉妬心・対抗意識を持っていた為、自ら進んでショッカーの改造人間になってしまった(ある意味シャドームーンの先駆けともいえる)。
針から溶解液を噴射する小型の人喰いサソリを操ってショッカーの奴隷人間を虐殺し、生き延びた伊藤老人を使って本郷を基地に招き入れた。
武器は左腕の電磁バサミで、配下の戦闘員との連帯プレーや大量の人喰いサソリにより敵を攪乱する戦法を得意としている。一方で、ハサミの付け根が弱点になっている。
設定では、頭にある蠍の尾から溶解液を噴射し、右手の指先から毒針を発射するとされるが、どちらも未使用。
緑川ルリ子を拉致し、基地の中で仮面ライダー1号と戦うが、自身が本郷を騙す際に天井に空けた穴から逃げられてしまう。
その後ライダーをショッカー基地の敷地内にあると思われる砂地に誘い込み、戦闘員共々砂の中に隠れて機を窺うが、Oシグナルで探知したのか戦闘員一人一人を狙いすました攻撃により各個撃破される。
そして最期はライダーシザースで止めを刺され、死体は赤い液体と化し、泡となって消滅した。
平成・令和仮面ライダーシリーズにおける活躍
『スーパーヒーロー大戦』
大ショッカーの幹部として登場。
最終決戦では仮面ライダーバース・プロトバースの射撃で崖から落っこちた所を仮面ライダーオーズのメダジャリバー斬撃でイソギンジャガー・ゴースター・冥府神ダゴンと共に倒された。
『スーパーヒーロー大戦Z』
スペースショッカーのメンバーとして登場。
蜘蛛男の最新モデルであるスペース蜘蛛男配下の怪人として行動した。
最後は仮面ライダー響鬼と戦ったが、音激打で全身火だるまになった。サソリに似た魔化魍ノツゴに仮面ライダー斬鬼が止めを刺したことの意趣返しだろうか?
『仮面ライダー大戦』
バダン配下の怪人として地獄の底から蘇り、ギリザメス、サボテグロンなどと共にメガ・リバース計画に参加する。
バダン怪人と聞くと「魂の無い抜け殻」を想像するが、そもそも初代ライダーの13話の時点で人間としての記憶が薄れている為、抜け殻状態でもあまり変わらないと思われる。
『仮面ライダービヨンド・ジェネレーションズ』
百瀬龍之介が作った改造人間の一体。被験者の拉致を行った。
漫画作品における活躍
『新・仮面ライダーSPIRITS』
「この毒と鋏が俺の全てだ!!」
TV版をもとに描かれた『新・仮面ライダーSPIRITS』では、さそり男戦後の本郷の心情などにフォローがなされた。
この旧1号編はTV版4話の直後からスタートしており、この時点で本郷は「自分は強くない」と吐露している。TV版5話後にはさそり男含む怪人達との戦いを「地獄」と評して隠し切れない程の疲労を滲ませ、TV版12話後にはそれを見抜いた立花藤兵衛から「ショッカーの怪人は犠牲者ばかりではなく、早瀬の様に自ら望んで悪へと走る者もいる」と諭される(奇しくも、この直前に戦った怪人は早瀬同様進んでショッカーに協力した人物を素体にしていた)など、本郷に深い影を落とす要因となっていた。
また、同マンガ内において死神博士の要請を受け、ゲバコンドルによるFBI捜査官襲撃作戦と並行で、第二期強化改造人間(ショッカーライダーのプロトタイプ制作)の資材として他の再生怪人たちと共に、ショッカーの被害者たちの訴えを聴いて独自の調査を行っていた一文字隼人の拉致に貢献していたことや、度重なる改造により、もはや人間・早瀬五郎としての記憶が薄れていき、改造された体に馴染み始め、既に本郷に対する憎しみしか残っていないような描写が付け加えられている。
そしてTV版第13話における再生怪人軍団との対決中に早瀬へ再度説得を試みた本郷は、「人間だった頃の記憶などなんの意味がある!」と言い返されたことで既に彼は怪人なのだと悟り、迷いを振り切ってショッカーと戦う決意を新たにするシーンが描かれた。
島本版『スカルマン』
「蠍男」名義で登場。原典と比べてより蠍らしい外見になっており、十字状の窪みに首を出し入れ可能。
主な武器は尻尾の毒針で、小型の蠍を複数体従えて暗殺に利用する。さらに巨大化した蠍そのものともいうべき第二形態への変身能力を備えている。
その正体は、スカルマンこと千里竜生にライバル心を燃やす綾瀬五郎が改造人間になった姿だが、黒幕の正体について勝ったら教えてやると言いつつもうっかりバラすあたり、どこか抜けている。
最期はスカルマンの電撃で焼き尽くされて敗北した。
アニメにおける活躍
リメイク作品において
余談
原作者石ノ森章太郎氏による、蠍の尾が生えた姿(あえて例えると親父顔のサソリブラウンのような姿)のコンセプトデザインと最も違う姿で登場した怪人である。
造形を担当したエキスプロの美術スタッフ高橋章氏によって、頭部に意匠が集中したスタイリッシュな怪人としてアレンジされ、特に口腔を排水溝の蓋のよう(*)と称される処理の評価が高い。
後に平成ライダーの怪人デザインを担当した造形作家の韮沢靖氏は、オマージュした造形作品においても口腔のデザインを踏襲し、解説で言及した。またゲーム『真・女神転生Ⅲ』のデザイナー金子一馬氏によると、妖鬼スイキのデザインはオマージュであるという。
関連イラスト
関連タグ
怪人さそり男:登場エピソード。
池水通洋、水島晋、梶哲也、渚健二、江川央生、大塚明夫、長澤まさみ:歴代さそり男(女)を演じた人々。
*:口の形として揶揄される。
クモ、コウモリ、サソリ:当記事の怪人をふくむ第1作の3体が原点となった、ライダーシリーズ序盤の定番怪人。
さそり怪人
太字表記は幹部怪人