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ジェネシス(ガンダムSEED)の編集履歴

2023-12-15 03:07:32 バージョン

ジェネシス(ガンダムSEED)

かくえねるぎーをしようしたがんませんれーざーほう

ジェネシス(ガンダムSEED)とは、TVアニメ「機動戦士ガンダムSEED」に登場する戦略兵器の一つ。

「思い知るがいい、ナチュラル共!この一撃が、我らコーディネイターの創世の光とならん事を!!」

概要

ザフト開発した最終兵器である、エネルギーを使用したガンマ線レーザー砲。


名前

正式名称は「Gamma Emission by Nuclear Explosion Stimulate Inducing System」であり、「ジェネシス(GENESIS)」はその頭文字を取ったコードネームである。バクロニムとしての側面もあり、パトリックはこの兵器から放たれるガンマ線レーザーのを「コーディネイター創世の光」と称している。


開発経緯

元々はプラントにて、ジョージ・グレンによるエヴィデンス01の発見以降進められてきた恒星間探査計画の一環として建造開始された。シーゲル・クライン宇宙開発熱心だったこともあり、彼の最高評議会議長在任時にザフトにおけるソーラーセイル研究の過程で作り出されたものであり、外宇宙探索のための宇宙船加速装置(レーザー推進)として開発が進められていた。基礎建造物の着工は戦前(C.E.70年4月1日以前)になされていたが戦争激化に伴い、地球連合軍およびナチュラルへの憎悪に燃えるパトリック・ザラその派閥により(もう一つの大派閥には内密で)原爆起爆設備とガンマ線の収束機器の追加といった相応の改修が行われ、戦略兵器として転用される運びとなった。兵器への改修についても、前述の理由から開戦後の急速な竣工を可能としており、コロニーサイズの設備ながらC.E.71年9月26日には実戦投入された。また、前述の通り内密な改修だったことに加え、ニュートロンジャマーキャンセラーを使用した兵器ということもあり、建造中は最高機密として扱われていた。


そのサイズからプラントのあるラグランジュ点L5の宙域にて建造され、プラント最終防衛ラインであるザフトの宇宙要塞「ヤキン・ドゥーエ」の近隣に配備されている。


構造・原理

コロニーサイズの本体ユニット円錐状のミラーブロック(一次反射ミラー)により構成されている。

発射の際は本体内チェンバー(中枢部にある反応炉)においてニュートロンジャマーキャンセラーによって使用可能になった原子爆弾(ニュークリアカートリッジ)を爆発させることによりガンマ線の線源とし、それをコヒーレント波に変換してレーザー光を得る。それを一次反射ミラーに照射して焦点を調整、本体に設置された二次反射ミラー(一次、二次ともにミラーに発生させた力場が物質では不可能なガンマ線の反射を実現している)に反射してエネルギーを集中させ、目標に向けて照射する。照射終了後は一次反射ミラーがガンマ線レーザーにさらされて赤熱・破損するため、次の照射には一次反射ミラーを交換する必要がある。そのため、発射可能な回数は一次反射ミラーの数までとなる(第二次ヤキン・ドゥーエ攻防戦にて運用された際には計4基の一次反射ミラーが用意されていた)。

ガンマ線は非常に透過性の高い放射線かつ非常に高エネルギーの電磁波なため、直撃した物体の分子構造さえ容易に破壊する。MS戦艦軍事施設はこのレーザーの照射を数秒間浴びるだけで完全に破壊され、その内部にいた人間サイクロプスのように体内水分沸騰して身体膨張破裂して死体も残さずに即死する。さらに、光速にて照射されるため事前に射線上から退避しない限りは回避防御困難となる(被弾しても範囲外へ即離脱すれば破壊を免れることはできる)。また、ガンマ線は不可視な光線であるためレーザーそのものを目視することはできず、レーザーのエネルギーによって高温加熱された星間ガススペースデブリ発光することにより赤白い「光の渦」としてレーザーが可視化される。

ジェネシスの光


60%の出力でも宇宙艦の艦隊を消滅させるほどの破壊力を持つが、100%の出力にて地表へ照射した場合は目標地点が1平方メートルあたり毎分数万kWの不可視レーザーにさらされ瞬時に焼失、さらに加熱膨張した大気超音速衝撃波を発生させ、その加熱大気のに照射された二次反射レーザーがさらなる被害を発生させる。その破壊力について、パトリックの側近をしていたFAITHレイ・ユウキは「撃てば、地球上の生物の半数が死滅します」、モルゲンレーテ社主任設計技師であるエリカ・シモンズは「地球に向けられれば強烈なエネルギー輻射は地表全土を焼き払い、あらゆる生物を一掃してしまうでしょう」と述べている。

また、射程距離も非常に長く、L5宙域から月(プトレマイオス・クレーター)はおろか地球(40万km先)まで砲撃できる。

副次効果として、レーザーの通過した空間とその周囲の電子機器通信異常を発生させる。


本体ユニットとミラーブロックの外装にはミラージュコロイドフェイズシフト装甲といった、C.E.71年1月25日鹵獲した初期GAT-Xシリーズから入手した技術導入されている。普段ミラージュコロイドにより隠匿されており、そのサイズにもかかわらず探知は困難を極める。起動時にはミラージュコロイドを解除してフェイズシフト装甲を展開することにより外装の強度向上させる。大規模施設故の莫大な電力供給量により、その強度は戦艦のビーム砲はおろかクサナギ陽電子砲ですら破壊不可能なほどに高い


後継

大量破壊兵器として転用されたが、戦後も元のソーラーセイル加速装置やその応用技術の研究継続され、デュートリオンビーム送電システムの礎となっている。なお、デュートリオンビーム送電システムも兵器用技術である


総評

コズミック・イラ科学を最も邪悪に結集した集大成とも呼べる存在であり、その殺傷力はガンダムシリーズ全体を見ても月光蝶やソレスタルビーイング号に次ぐレベルと言える。


劇中での活躍

C.E.71年7月1日(PHASE-42)

実物登場しないが、パトリック・ザラが本兵器の設計データ閲覧している。


C.E.71年9月26日(PHASE-47~48)

C.E.71年9月23日のボアズ攻防戦にて、[地球連合軍]]がザフト軍事拠点「ボアズ」への侵攻した際に[[[Mk5核弾頭ミサイル]]を使用したことを受け、パトリックの意向によりに使用が決定し、同年9月26日に始まった第二次ヤキン・ドゥーエ攻防戦にてプラントへの攻撃未遂報復として発射された。

1射目によりヤキン・ドゥーエに押し寄せた地球連合艦隊の40%旗艦ワシントンごと焼き払って全軍の撤退を余儀なくさせる。この時、その破壊力を目の当たりにした者たちはザフト関係者も含めてほぼ全員が驚愕していた


C.E.71年9月26日(PHASE-49~FINAL-PHASE)

2射目により補給を兼ねた第2陣の攻撃隊半数を月面のプトレマイオス基地諸共消滅させた。作中描写では、プトレマイオス基地内部にいた女性オペレーター風船のごとく膨張破裂爆死していった

抑止が崩壊した現状においてはその破壊力の矛先地球に向く可能性は極めて高いと判断した三隻同盟により破壊が試みられるが、その強固フェイズシフト装甲をもってこれを退ける。

ナチュラルへの憎悪怒りに駆られたパトリックが静止するレイ・ユウキ銃撃し、3射目の照準地球大西洋連邦首都であるワシントンD.C.に定める。また、この時、射線上にはザフトの艦隊が存在しており、地球上にもコーディネイターの住民がいるにもかかわらず、「討たねばならんのだ!討たれる前に!敵は滅ぼさねばならん。何故それが解らん!!」「勝つために戦っているのだ!皆!覚悟はあろう!」と発射を強行しようとする。そんなパトリックを瀕死のユウキが最後の力を振り絞って銃撃することにより発射を阻止しようとするも、既にヤキンの自爆シークエンスが起動され、その自爆に本兵器の発射を連動させていたため阻止することはできなかった。しかし、射線上にキラ・ヤマトに討たれたラウ・ル・クルーゼプロヴィデンスがおり、レーザーの直撃によりプロヴィデンスの核エンジンが誘爆(核爆発)して一次反射ミラーが破壊されたため焦点を調整できなくなり破壊力と射程距離が低下する。さらに、間髪入れずにアスラン・ザラが本兵器の中枢部にてジャスティスを自爆(核爆発)させたことにより即座に照射が終了したため、レーザーが地球へ届くことはなかった。


余談

スーパーロボット大戦W』では、2発目のチャージが完成してしまったことでどこか別の方向に向けてぶっ放さないと地球に当たってしまうという原作以上に危機的な状況に陥り、その際にホシノ・ルリからの献策でラダム母艦狙撃することとなり、アスランが射線を変更しラダム母艦を吹き飛ばして地球の危機は去った。この際にジェネシスの真ん前にいたキラとクルーゼに加え、ラダム母艦で戦っていたテッカマンブレードも爆発に巻き込まれたが、すんでの所で脱出に成功している。クルーゼに至っては版権作品最後の敵として登場するほどである。


系列兵器

ジェネシスα

ASTRAY」に登場した本兵器のプロトタイプ

リジェネレイトの外部加速装置として運用されており、「外宇宙探索船用の加速装置」というジェネシス本来の運用方法に近い形で使われている。

パイロットであるアッシュ・グレイロウ・ギュールに敗北したあと、ジャンク屋組合に接収された。


劇中での活躍

DESTINY ASTRAY」では、ブレイク・ザ・ワールドの際にザフト脱走兵とアメノミハシラの軍勢がジェネシスαを巡って戦闘が発生しており、次にジャンク屋組合が落下中のユニウスセブンの破壊に用いようとするが、テスタメントの介入で失敗。テスタメントの再戦時ではテスタメントのパイロットによって暴走させられてしまい、秘匿されていた連合基地が壊滅してしまった。更には連合基地壊滅の報復に来た連合の襲撃に遭い、予め細かいパーツに分解していたジェネシスαを完全にパージさせられた。残骸は新本部となるジャンクαに生まれ変わり、ジェネシスαにいたジャンク屋組合の構成員も、飛散したパーツに紛れて脱出しアメノミハシラへ避難した。


こちらもジェネシス同様に施設全体をPS装甲で覆い尽くし防御を固めていたが、後に全て剥がされて自動車の素材になってしまっている。


ネオ・ジェネシス

DESTINY」に登場した本兵器の改良

宇宙要塞メサイア切り札として搭載されており、小型化されているため威力は減少したが、最大の弱点である一次反射ミラーの交換が不要となったため、次発の再チャージに時間がかかるものの取り回しが改善されている。


劇中での活躍

1射目で歌姫の騎士団と共同戦線を張るオーブ艦隊と地球軍艦隊に大打撃を与えるが、2射目ではオーブへレクイエムを撃って早急に戦争を終わらせることを優先して敵味方問わずレクイエムの砲門前を一掃したため自軍の艦隊も巻き添えになっている(アーサーの台詞では、マルベースとブルトンが巻き込まれて轟沈している)。なお、オーブ艦隊はイザークからの発射リークにより回避している。

3射目を前にミーティアを装着したストライクフリーダムによってメサイア諸共破壊された。


余談

ガンマ線バーストとの関係性

やっていること自体はガンマ線バーストに限りなく近い。

ガンマ線バーストとは、ガンマ線が短時間に大量に放出される天文現象である。その際に放出されたガンマ線はレーザービームのようにある程度狭い範囲から一直線に放たれる。

地球に直撃した場合、ジェネシスのようにエネルギー輻射(ガンマ線を地球大気吸収した際に変換されるエネルギー)で地球全土を焼き払うほどのエネルギーが無かったとしても、大気中の酸素窒素分子で大量の窒素酸化物を合成させオゾン層25〜35%(場所によっては75%)を破壊する。さらには光化学スモッグ酸性雨まで引き起こすとされている。また、副次的影響としてオゾン層が破壊されたことにより紫外線レベルが上昇し、大抵の生物DNA損傷通常の16倍になるという被害を受ける。そのため、ガンマ線バーストは長期的影響の方が危険とされている。


つまり、ジェネシスが地球に対して発射されていた場合、オゾン層は壊滅大気の組成も大きく変化(酸素と窒素の割合が大きく減少)し、空は光化学スモッグに覆われ、地表には大量の紫外線と酸性雨が降り注ぎ続け、生物も熱エネルギーで焼き尽くされるか遺伝子異常で正常に子孫を作れなくなるという、文字通りの「死の星」が誕生していた。

そのため、地球の生命と環境に与える不可逆的被害はコロニー落としの比ではない。パトリックの命令にその場の全員が困惑し、ユウキが命懸けで静止したのは至極当然と言える。


関連タグ

機動戦士ガンダムSEED ザフト 全部乗せ

みんなのトラウマ土曜日18時人間が破裂して死ぬシーンが流れているため、一部の人からはサイクロプスと同じトラウマ要素の一つとして挙げられている(ただし、「DESTINY」ではそれらの描写が無い)。

ソーラ・レイ コロニーレーザー宇宙世紀における似たような破壊兵器。原理が近いのは「DESTINY」の「レクイエム」であり、光線を曲げることで事実上どこにでも当てられるという恐るべき仕様になっている。


ブレイク・ザ・ワールド

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