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ドウデュースの編集履歴

2024-12-20 22:07:38 バージョン

ドウデュース

どうでゅーす

2019年生まれの日本の元競走馬。主な勝鞍は2021年の朝日杯フューチュリティステークス、2022年の東京優駿、2023年の有馬記念、2024年の天皇賞(秋)及びジャパンカップ(以上GⅠ)で、その他に2023年の京都記念(GⅡ)を制している。

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「ともに、見る夢。」

歴戦の名手悲願の朝日杯、大歓声を蘇らせた日本ダービー

不運と挫折を乗り越え、真の力を証明した有馬記念

最高の絆を結ぶ人馬はともに、挑み続ける、走り続ける。

未来へ、世界へ、歓声を背負って、夢をめざして。


プロフィール

生年月日2019年5月7日
英字表記Do Deuce
馬名由来する+テニス用語(「勝利目前」の意味)
性別
毛色鹿毛
ハーツクライ
ダストアンドダイヤモンズ
母の父ヴィンディケーション
競走成績16戦8勝(内海外2戦0勝。2024年11月24日時点)
管理調教師友道康夫 (栗東)
馬主キーファーズ
生産者ノーザンファーム

概要

2019年5月7日、北海道安平町のノーザンファーム生まれの日本の現役競走馬(22世代)。

父は日本で唯一ディープインパクトに土を付けたことで有名なハーツクライ、母ダストアンドダイヤモンズは現役時代アメリカの重賞2勝、GⅠブリーダーズカップフィリー&メアスプリント2着の実績を持つ2014年から供用されている米国産繁殖牝馬で、ドウデュースは4番目の仔に当たる。母の父ヴィンディケーションはアメリカ三冠馬シアトルスルー晩年の産駒で、4戦4勝という完璧な成績でアメリカ2歳王者に輝くも怪我により引退。種牡馬入りするも僅か8歳の若さで早逝している。


馬主であるキーファーズは、実業家(自動車ディーラー業)の松島正昭が代表を務める馬主法人。松島オーナーは2021年の凱旋門賞ジャパンカップに出走したブルーム(2021年サンクルー大賞優勝馬)も個人名義でクールモアスタッドと共同所有するなど、世界各地で活躍している馬主である。


ちなみに、松島オーナーは武豊と20年来の親交があり「武豊が凱旋門賞を勝つ」ことを目標に掲げて馬主を営むほどの筋金入りの大ファン。その他にも2016年には武豊プロデュースのトータルボディーコンディショニング施設を作ったりしている。

雑誌「Number」のインタビューで武騎手が語ったところによると、松島オーナーが馬主になったきっかけは、松島オーナーが馬券で苦労している話を聞かされた武騎手がそれなら馬主になった方がいいですよと薦めたこと。

その後、松島オーナーは無事馬主デビューしたのだが武騎手の想像の何倍もの金額を馬主業に投資し続けてしまい、武騎手は俺、マズいことを言っちゃったのかなと思っていたという。


経歴

2歳(2021年)

栗東・友道康夫厩舎に入厩。2021年9月5日の新馬戦(小倉競馬場芝1800m)で武豊を背にデビューし初勝利を挙げる。(2着馬ガイアフォースと3着馬フェーングロッテンは後に重賞勝ち馬になるレベルの高い新馬戦だった)

続く10月23日のアイビーステークス東京競馬場リステッド競走芝1800m)も勝利する。(3着馬アスクビクターモアとは翌年クラシック戦線で鎬を削ることとなる)


朝日杯フューチュリティステークス

そして無敗のまま乗り込んだ12月19日第73回朝日杯フューチュリティステークスは重賞勝ち馬2頭に次ぐ3番人気に。中団待機から最後の直線でスパートすると1番人気セリフォスを競り落としてGⅠ初勝利。

鞍上の武豊は騎手生活35年目・朝日杯22回目の挑戦で遂に悲願の初勝利を挙げた。

また、ドウデュースは令和元年に生まれたため令和生まれのGⅠホース第1号となった(同年の阪神ジュベナイルフィリーズを制したサークルオブライフは2019年3月24日生まれで、その元号は平成である)。(ちなみに、令和生まれ初の重賞勝利馬は同じく武豊でGⅢファンタジーステークスを勝利したウォーターナビレラである)


3戦3勝の成績が評価され、2021年のJRA賞では最優秀2歳牡馬を受賞した。

なお、朝日杯勝ち馬の最優秀2歳牡馬受賞は2018年アドマイヤマーズ以来3年ぶりである。



3歳(2022年)

惜敗の弥生賞・皐月賞

その後、少しの休養を経て弥生賞ディープインパクト記念皐月賞のローテーションで臨み1番人気に支持される。弥生賞では3~4コーナーにかけての不利、皐月賞では逃げ馬の出遅れによる展開の不向きに苦しみながらもそれぞれアスクビクターモアの2着、ジオグリフの3着と馬券圏内を外さない力走を見せた。

弥生賞

皐月賞


逆襲の日本ダービー

日本ダービーはそれぞれ無敗で共同通信杯東京スポーツ杯2歳ステークスを制したダノンベルーガ(ドウデュースと同じハーツクライ産駒)およびイクイノックス(父ハーツクライの主戦であったクリストフ・ルメールが騎乗)に次ぐ朝日杯と同じ3番人気で迎える。

皐月賞と同じく序盤は後方に控えたが、直線で大外からダノンベルーガを含む馬群を一気に抜き去り、さらに後方から追い込んできたイクイノックスとの一騎打ちを制してダービー馬の栄冠を勝ち取った。


勝ちタイムは2分21秒9のレースレコード。朝日杯を制した2歳王者がダービーを制するのは1994年のナリタブライアン以来となる実に28年ぶりの快挙であった(阪神ジュベナイルフィリーズを制した2歳女王のダービー制覇を含めても17年ぶりである。ただし、こちらは牝馬がダービーを制したことの方が功績として大きいのであまりクローズアップはされない)。

鞍上の武豊にとっては平成令和の2元号を股にかけたダービー6勝目であり、史上初めて50代でのダービー制覇も達成した(...が、「最高齢でのダービー制覇」記録はなぜか2年後に破られることになる)。

また、担当する友道康夫調教師も2016年マカヒキ2018年ワグネリアンに続くダービー3勝目を挙げ、2023年時点での現役調教師では最多(歴代調教師では単独2位)となるダービー制覇を成し遂げた。


なお、この時点で22世代が出走できる2歳・3歳限定GⅠで2勝以上した競走馬は同馬と、同期の二冠牝馬スターズオンアースの二頭のみとなった(同期の2歳GⅠ馬であるサークルオブライフキラーアビリティはそれぞれ秋華賞と菊花賞への出走を見送り、皐月賞馬ジオグリフも菊花賞ではなく天皇賞(秋)に出走することを早い段階で決めたため)。


すでに凱旋門賞への登録を済ませており、松島オーナーはダービーの結果を受け「行きます」と宣言。

アイルランドのGⅠレースアイリッシュチャンピオンステークスへの登録もしていたが、友道調教師は後述する理由もあり前哨戦を使わず日本である程度調整してからぶっつけ本番で挑むことを表明した。

が、その後予定を変更してコースを経験させるためにフランスGⅡのニエル賞を叩きとして使うことになった。


フランス遠征

2022年9月2日9時7分、ドウデュースと帯同馬のマイラプソディはエアフランス6725便で成田国際空港から出国。

16時間46分のフライトの後、シャルル・ドゴール空港を経由しフランスでの滞在先となるシャンティイ調教場のパスカル・バリー厩舎に入厩した。

帯同した大江調教助手は「長旅でしたが、フレッシュな状態で元気に馬運車から降りてきました。特に大きな問題はなく、明日から馬の状況を見て調整を行っていきます」とコメント。


しかしながら前哨戦であるニエル賞は直線で追い上げるも最後に差し脚が鈍り4着、本番の凱旋門賞では大雨による歴史的不良馬場の中まったく走らず19着(ブービー)に沈んだ。


帰国後

当初、国内復帰戦としてジャパンカップに向けた調整が行われる予定だったが、友道調教師の判断で見送りとなり翌年のドバイターフを目標とすることが明かされた。


4歳(2023年)

京都記念

ドバイ遠征の前に国内での叩きとして京都記念(京都競馬場改修工事により阪神競馬場での開催)に出走する。2021年の年度代表馬エフフォーリア、同期のホープフルステークス勝ち馬キラーアビリティなど出走13頭中GⅠ馬3頭・重賞勝ち馬10頭の豪華メンバーの中1番人気の支持を受ける。

まずまずのスタートを切り、いつも通りゆったりとゲートを出して後方3番手で折り合う。最初散らばり加減だった馬群が向こう正面で凝縮、3コーナーやや手前付近からがっちり抑えられたままながら弾けんばかりの手応えでどんどんと位置を上げていく。直線入り口ではもう先団の外に接近、追い出されるとただ1頭桁違いの末脚で後続を千切り捨て2着のマテンロウレオに3.1/2差を付けて圧勝した。


ダービー馬が京都記念を勝利するのは1948年の京都記念(春)※(勝ち馬マツミドリ)以来75年ぶり。

※当時は天皇賞のような春と秋の年2回開催だった。


ドバイターフ

ドバイターフに参戦するためドバイの地へと降り立つ。前売りオッズでも1番人気に推されていたが、現地での調教後に左前肢跛行を発症し、レース前日に無念の出走取消となった。


天皇賞(秋)

陣営は秋は国内に専念し、天皇賞(秋)ジャパンカップ有馬記念秋古馬三冠挑戦を表明する。当初は同期の二冠牝馬スターズオンアースとの初対決が話題になった。

しかしそこに待ったをかけるかのように春の天皇賞馬ジャスティンパレス、ダノンベルーガ、ガイアフォースと同期の強豪馬が次々と出走を表明し、最大のライバルである2022年の年度代表馬イクイノックスの参戦も決定した。


一方で出走馬に関しては、23世代はクラシック戦線に集中し全頭回避、21世代は主力馬が軒並みアメリカ遠征と香港遠征を優先するローテへ集中、牝馬路線もエリザベス女王杯に集中し、それでもスターズオンアースが出走を表明していたが、挫石により回避したことで最終的に歴代最少タイの11頭。枠の不利が少ない実力勝負の様相を呈していた。


さらに、2023年の天皇賞(秋)には今上天皇徳仁陛下および皇后雅子様の行幸が決定し、2012年以来11年ぶりの天覧競馬となることが決まった。


レース当日の時点で全11頭中イクイノックスに次ぐ2番人気に支持されるも、同日の第5Rにて武豊が騎乗馬に右太ももを蹴られ負傷するというアクシデントが発生。天皇賞(秋)を含めた以降のレースも全て乗り替わりとなり、ドウデュースの鞍上は戸崎圭太が急遽務めることとなった。レースはジャックドールがハイペースの逃げを打つ中、まさかの好スタートを決めて3番手イクイノックスの直後4番手グループでの競馬となるが、左右から挟まれる形となった影響か終始力みっぱなしの追走となってしまう。これでは余力が残っておらず、直線で次々と後続馬に交わされて日本国内にて初めて掲示板を外す7着に終わった。


これまでのドウデュースの勝ちパターンは「現役トップクラスとも言える加速力を生かすべくスタートはあえて遅く出て馬群を避け、道中は中団後ろに張り付き脚を溜め、直線残り400m~300m付近で一気に爆発させて馬群をごぼう抜き」という展開が殆どだった。

今回の天皇賞(秋)は急遽の乗り替わりで仕方なかったとはいえ普段のドウデュースとは真逆のレースとなってしまったことも敗因に繋がったのかもしれない。


ジャパンカップ

秋二戦目となるジャパンカップ

前走まさかの大敗を期したドウデュースだったが、持ち前のタフさでレース後すぐに調教を再開。一度レースを使ったことで復調気配を見せる。武豊騎手もジャパンカップでの復帰のため療養に専念し、陣営一丸となり逆襲を誓う。


ドウデュース自身は8kgの減量に成功し素軽さを取り戻したが、肝心の武豊騎手の怪我の治りが悪く手綱は再び戸崎騎手に託された。戸崎騎手は地方競馬出身というバックボーンもあり追って追っての競馬やコーナリングにも強い。前回は本番二時間前に呼び出されコンタクトもクソもなかった。しかし今回は


  • 武豊騎手と念入りに打ち合わせを行った上での出走
  • 友道厩舎が2400mのGⅠに強いこと(ダービー3勝・JC1勝、全て別々の馬での勝利。しかもJCは同じハーツクライ産駒のシュヴァルグラン
  • 人気上位馬の得意なレースがはっきりしているためレースの展開を予想しやすいこと

もありプラスの要素も多い中、レースは3枠5番での出走となった。

スタート直後にパンサラッサが大逃げを打ち、大きく離れて2番手タイトルホルダーと3番手イクイノックスが先行。前2頭を見るような形で4番手リバティアイランドが付いて行き、ドウデュースはその真後ろに付けてレースを運ぶ。

前走の天皇賞(秋)よりは脚を溜めることができたものの、戸崎騎手や友道調教師によるとやはり道中は前回ほどではないが力んでおり、3~4コーナーでもハミを噛んでしまったそう。そんな中でも直線で追い上げてリバティアイランド、スターズオンアースに次ぐ4着。5着タイトルホルダーも含めて上位人気5頭の決着となった。


最後の上がり3ハロン33.7はイクイノックスに次ぐ当レース中2位であり、斤量差で優位を持っていたリバティアイランドやスターズオンアースとの着差を考えると意地と力を示した内容となった。


有馬記念

手応えを掴んだ陣営はオーナーと相談して有馬記念を視野に入れての調整を発表。当のドウデュースはJCの激闘後すぐに飼い葉を完食し相変わらずの頑丈ぶりを示す。


JCで先着された3頭中、イクイノックスはJCをラストランとして引退・種牡馬入りすることが発表され、リバティアイランドは年内休養となり回避。しかし、天皇賞(秋)回避の頓挫がありながらもJC3着と奮闘したスターズオンアースとの再戦、さらにはラストランとなるタイトルホルダーとウインマリリン、同期の春の天皇賞馬ジャスティンパレス、香港での出走不可から急遽参戦の1歳上のダービー馬シャフリヤール、宝塚記念でイクイノックスの2着・凱旋門賞4着と健闘した牝馬スルーセブンシーズ、下の世代からは皐月賞馬ソールオリエンスとダービー馬タスティエーラが参戦。絶対王者こそ不在でも、骨のあるメンバーが揃うこととなった。


そんな中、ドウデュースにとってまず2500mが過去最長距離でここ最近折り合いが難しい、しかも一度も勝ち星がなく直線が短い中山競馬場での開催となるためレース運びが難しくなる……と不安要素は少なくなかったが、武豊が療養を終え、遂に鞍上に復帰するのは吉報であった。武騎手はドウデュースを心の支えとしてリハビリに努め、有馬記念の1週前追い切りで久々に騎乗。素晴らしい動きを人馬共に披露し、武騎手は有馬記念1週前の16日から戦線に復帰(翌日にはいきなりエコロヴァルツで朝日杯FS2着と健闘)した。


そして迎えた本番では予定通り武豊(この日、武騎手はこのレース1鞍だけの騎乗であった)を背に出走。実績十分のスターズオンアースが魔の16番枠を引かされるなど、各馬が決め手を欠き単勝オッズも割れに割れる混戦模様となる中、ドウデュースは単勝5.2倍の2番人気に推される。

ゲートをゆっくりと出して道中は後方に控え、行きたがるドウデュースを武豊は長手綱でしっかりと抑える。3コーナー手前から抜群の手応えで少しずつペースを上げると、4コーナーで一気に捲り上げる。直線では逃げるタイトルホルダーを差し切り、スターズオンアースの追撃を振り切って見事「逆襲の末脚」を炸裂させ人馬共に復活の勝利となった。


2月の京都記念以来の勝利、ダービー馬による有馬記念制覇は2013年オルフェーヴル以来10年振り。また、朝日杯を制したダービー馬による有馬記念制覇は1995年ナリタブライアン以来28年振り。さらに言えば、朝日杯を制したダービー馬による古馬での有馬記念制覇はなんと史上初の快挙である。

これだけには留まらない。ドウデュースが入った5番は1972年イシノヒカル以降、実に50年以上勝ち馬が現れていない鬼門の馬番であった。要はグレード制導入以降初の快挙である。ちなみに、ファン投票7位による有馬記念制覇は1975年イシノアラシ以来史上2頭目とこちらも快挙と言える。

なお、鞍上の武豊はこの勝利により有馬記念どころかJRAのGⅠにおける最年長勝利記録を更新(54歳9カ月10日)。なお、有馬記念の史上最年少勝利記録も武が保持しており(21歳9カ月9日。1990年オグリキャップ)一人で有馬記念の最年長勝利と最年少勝利記録を独占したことになる。

何から何まで快挙尽くしとなった第68回有馬記念であった。


5歳(2024年)

ドバイターフ

5歳期の初戦は前年ドクターストップにより参戦の叶わなかったドバイターフ


陣営は去年とはうって変わって直行を選択。最大の懸案事項だった獣医師のチェックも無事通過し、準備は整った。

パドックで馬っ気を出すという珍事が起きたが、何とか治まりレースが始まった。


レースではドウデュースは大きく出遅れてしまい、後方かつ内側からの競馬を強いられる。武豊騎手はドウデュースを外に持ち出すタイミングをうかがっていたが、外側を走っていた馬達が大外一気はさせないぞと言わんばかりに馬群を形成。最内に閉じ込められてしまった。

最終直線では逃げていたマテンロウスカイが減速したことで、スペースが出来て馬群から抜け出すことに成功。がしかし、既にゴールまで200mを切っており、勝負に参加出来ず5着。中東遠征は不完全燃焼に終わってしまう。


宝塚記念

帰国後は秋春グランプリ連覇を狙い、宝塚記念への出走を表明。事前に凱旋門賞への登録を済ましており、ステップレースとしてこのレースへ挑むこととなった。

グランプリ連覇に待ったをかけようと、大阪杯で古馬を破り勢いを加速させた4歳のベラジオオペラや同レース2着で同世代のローシャムパーク、末脚一閃で天皇賞(春)をテーオーロイヤルの2着と奮闘したブローザホーン、共に有馬記念を走ったソールオリエンス、ジャスティンパレスなどが参戦。なお、この年の同レースは13頭立てと少頭数となった。


ファン投票では、共にしのぎを削りあったライバル・イクイノックスが前年獲得した21万6379票を超える23万8367票を得て、宝塚記念のファン投票で歴代最多の得票数を更新。


調教では、特に主戦の武豊騎手が背に乗った1週間前の追い切りにおいて6ハロン79秒8―10秒8、中でも最後の2ハロンを10秒9―10秒8というとんでもない時計を叩き出し、武騎手自身も「調教だけでお金が取れる」「何も言うことがないね」と絶賛するコメントを残し絶好調ぶりを窺わせた。


ただ不安要素となったのは、初めて経験する京都競馬場と馬場状態であった。

この年の宝塚記念は、これまでドウデュース自身が2戦2勝している阪神競馬場が改修のため2025年春まで使えず、代替で18年ぶりに京都開催となっていた。

またレース当日は雨で重馬場。渋った馬場は大敗した一昨年の凱旋門賞以来であるうえ、日本では良馬場のレースだけを経験してきたことに加え、当日行われた芝の5レースでは内の芝が伸びず外からの競馬で決着する傾向にあった。ドウデュースは外から捲って勝つのが王道ということもあり、徹底マークされることが予想された。

とはいえ前述した調教での状態や鞍上が競馬場の中で最も京都を勝っていること、フランスと日本の馬場の違いから、「勝てる」という声も少なくなかった。


レースは単勝2.5倍の1番人気で4枠4番から出走。まずまずのスタートを決めて後方まで下げ、外に出そうと試みたものの、内枠の影響からか1~2コーナーではローシャムパーク鞍上の戸崎圭太騎手とヤマニンサンパ鞍上の団野大成騎手、さらに近年の宝塚記念で勝率が高い大外枠の8枠かつ道悪が得意という利点があるブローザホーン鞍上の菅原明良騎手に蓋をされて動くことができず、向こう正面でも菅原騎手のマークに遭ったこともあり、最後方となってしまう。

3コーナー地点でもまだシンガリという状況、しかも内は荒れ放題なせいでどの馬も外を回る状況であり、ドウデュースが得意な外からのほぼ不可能な展開となった。

ここで武豊騎手は敢えて荒れたインコースに入るという賭けに出て直線でギリギリ伸びていた内に入れた事で進路の確保を狙い、武騎手のゴーサインにドウデュースも反応したが時すでに遅し。上がり3ハロンは34秒6で当レース2番目のタイムだったものの、6着に終わった。


その後の予定については未定だったが、7月に『凱旋門賞へは出走せず国内に専念、そして年内で引退』ということが発表された。

重馬場となった宝塚でも上がり3ハロンのタイムは決して悪いものではなく敗因は展開によるものが大きかったとはいえ、凱旋門に挑むならコレで勝つぐらいでなければ、という事だろう。


下半期は去年同様に秋古馬三冠路線を皆勤、三連勝で有終の美を飾ることを目標とした。


リベンジの天皇賞(秋)

予定通り最後の秋の初戦は前年7着だった秋天。今回はかつて武豊騎手がキタサンブラック制覇した時と同じ4枠7番に収まった。また、この7番枠は昨年、一昨年に最強のライバルであるイクイノックスが収まっていた枠であり、武豊騎手とドウデュースにとっては中々に縁のある枠に収まる事となった。

また、ドウデュースには朝日杯以降2連敗した次のレースは全て勝利しているというジンクスが存在し(ファン達からは連敗分を『逆襲ゲージ』として溜めて3戦目で解放すると解釈されている)、この天皇賞・秋も2連敗後に挑んだレースであった。

これらの事から枠順確定後にはSNSにて勝利を確信する声も見受けられたが、GII競走の京都記念以外では休み明けのレースで勝っていない事、直前のトラブルがあったとは言え昨年の天皇賞・秋では7着に敗れた事等から当日のオッズは単勝3.8倍の2番人気(1番人気 リバティアイランド 単勝2.3倍)に留まった。


今年はホウオウビスケッツが先陣を切り、1000m59.9秒という普通のペースで、淡々とした展開となる。逃げ・先行勢が崩れることもなく、追込み馬には不利な展開に思えたが、中盤は後方2番手で冷静に控える。そして最終直線で外に持ち出すと、武豊騎手の檄に答えて猛追。逃げるホウオウビスケッツを差し切り、先行から追いすがってきた後輩ダービー馬タスティエーラも1馬身1/4離し1着でゴール。見事前年の雪辱を果たした。



その末脚は上り3ハロン32.5秒

これはJRA史上、G1レース勝利馬中最速の上りであり、正に「逆襲の末脚」の名に相応しいトップスピードを見せつけた。

参考までに2022年秋天のイクイノックスがパンサラッサを差し切った時の上り3Fが32.7秒。勝ち馬以外も含めても今回のドウデュースを上回ったのはアーモンドアイが安田記念3着になった際の32.4秒くらい、という凄まじい記録である。


ダービー馬による秋天制覇は2018年レイデオロ以来6年振り。これに加え、ゴールドシップ以来、史上7頭目の4年連続GI制覇も達成(2歳~5歳での記録に限ればブエナビスタ以来4頭目、牡馬では初)。

さらに二冠馬・三冠馬を除くダービー馬が古馬GIを複数勝利するのはスペシャルウィークウオッカに続く3頭目である。

さらにさらにこの勝利によりドウデュースは1600m、2000m、2400m、2500mのGIを制した事になる。これは今までにナリタブライアンジェンティルドンナの2頭しか達成していない大記録である。

そして鞍上の武豊は、保田隆芳の記録に並ぶ秋天7勝を達成し、春秋合わせると天皇賞15勝目となった。

なお、友道調教師は秋天初制覇である。


なお、武豊騎手のヘルメットにはジョッキーカメラがセットされていたのだが、泥をモロに被ってしまったためすぐに何も見えない状態となってしまった。

そのためJRA公式のYoutubeチャンネルでは、リバティアイランドとレーベンスティールのジョッキーカメラが先に投稿された後、ドウデュースのカメラ動画にTV中継画像をワイプで追加、さらにレース後も中継映像にカメラの音声を合わせる、という形で地下馬道での武豊騎手の会話音声なども追加する、という編集が行われている。


迎え撃て、ジャパンカップ

次走は前年同様にジャパンカップ

今回のジャパンカップは秋天からソールオリエンスとジャスティンパレスの続投に加え、



……と、国内外から強豪が集い、ドウデュースは1番人気を背負い日本総大将として迎え撃つことになる。

本番では好スタートを決めるや否やシンエンペラーと(何故か2番手についた)ソールオリエンスが引っ張る中後方2〜3番手を追走。

1000m通過62秒台というかなりのスローペースをしっかり我慢を利かせ、直線を向くと外から上がり3ハロン32.7秒の剛脚でゴール板を駆け抜け優勝し、GⅠ5勝。

奇しくもタイムは2.25.5。25年前の日本総大将、スペシャルウィークと全く同じタイムであった。

友道調教師はシュヴァルグラン以来となるジャパンカップ2勝目である。

これでテイエムオペラオーゼンノロブロイに次ぐ史上3頭目の秋古馬三冠達成に王手、及び世界最強の同期のライバルと肩を並べるGⅠ6勝まであと1歩という所まで来た。


尚、このレース自体の上がり3ハロンは33.4秒と、それまでは最速であった2013年のジャパンカップ(勝ち馬 ジェンティルドンナ)の34.1秒を大きく更新。更にドウデュースの上がり3ハロン32.7秒は府中2400のGIでは最速タイの記録となり、ジャパンカップ勝ち馬としては単独1位となる。





最後の逆襲、有馬記念

秋古馬三冠に王手をかけたドウデュース、次はラストランにして連覇のかかる有馬記念

立ち塞がるは



といった面々。また、ジャパンカップからジャスティンパレス、スターズオンアース、ブローザホーン、ダノンベルーガ、シュトルーヴェが続投、天皇賞(秋)からベラジオオペラも参戦。

勝利すればゼンノロブロイ以来20年ぶり史上3頭目の秋古馬三冠、2002-03年連覇のシンボリクリスエス以来21年ぶり史上5頭目の有馬記念連覇となる一戦。有終の美を飾ることが出来るか期待したいところである。

その期待の現れか、ファン投票はなんと歴代トップの47万8415票と2位以下に大差をつけて堂々の1位。

枠順抽選会では名古屋大賞典ヤマニンウルスに騎乗するため前年同様に武豊欠席であったが、奇しくもキタサンブラックの花道を飾った7年前と同じ1枠2番を引き当てたが…


競馬の神による残酷な結末

しかしその翌朝、右前肢に跛行が見られ、出走取消になってしまう。既に種牡馬入りの予定がある以上、現役続行するわけにもいかず引退することに。








余談

愛称

名前の最初の二文字を取って友道厩舎の担当である前川和也調教助手やファンからは「おドウ(おどう)」、「おどう君」などと呼ばれている。


性格について

友道調教師によると、ドウデュースは大人しい性格でON/OFFの切り替えができる馬である一方、寂しがり屋で甘えん坊でもあるという。厩舎で隣の馬房に馬が居ないと寂しがったり、牡馬牝馬の区別なく目の前を馬が通ると鳴き、付いて行こうとする時もあるらしい。

また、のんびりした性格で環境の変化にも動じないらしく2戦目となったアイビーステークスでは初の関東遠征ということで輸送減りを考慮して余裕を持たせて仕上げたところ、レース当日全く減らず(前走比+12kg)に慌てる羽目になった。先述した通り一時凱旋門賞には直行するプランになっていたのも「長くフランスにいると放牧と勘違いするかもしれない」という理由だった。

ダービーにおいても、奇数馬番でゲートに先入れとなったがゲート内であまりにも落ち着いていたため、鞍上の武豊が出遅れを心配したほど。

また、しばしば友道厩舎での取材で「頑丈」というコメントが出る通り非常にタフ。勝利した日本ダービーはレースレコードが叩き出される程の超高速決着となったが、レース後に出走したライバルたちの故障が次々と判明してしまった(この動きから、ネットの一部では同じようにレースレコードを叩き出した超高速決着となった一方、レース後に勝ち馬キングカメハメハも含め故障馬が続出するという、父ハーツクライも出走した死のダービー」の再来とする意見も出た)。が、当の勝ち馬であるドウデュースはレース翌日も平然と調教メニューをこなしていたという。


また、先述の凱旋門賞においてもただでさえ不慣れなフランスの芝に加え、視界すらも不良になるほどの豪雨の中で完走した日本馬4頭の安否が心配された(※)中、彼だけが何事もなかったかのように食事に勤しんでいる姿を報じられ、改めて本馬の頑丈さを見せつけることとなった。

(※)実際、ディープボンドは後日飼い葉を残すなど体調を崩している様が報じられた他、タイトルホルダーとディープボンドは帰国初戦の有馬記念で大敗を喫し、ステイフーリッシュも帰国後に左前繋靭帯炎が見つかったことで引退に追い込まれる結果となった。


また、跛行によって出走取消となったドバイターフもJRAの獣医からは「大丈夫」との見解だった。しかし、主催者側から許可が降りなかったために出走取消となった事が後に判明した。

友道調教師や前川調教助手は「馬は全然大丈夫です」と話していた。


2023年の秋古馬三冠への出走では、中3週が続くタイトなスケジュールゆえ、イクイノックスがジャパンカップ後のレースの疲れが抜けず、有馬記念を前に引退するなど、実力ある古馬勢が3レースのうちどれか1レースは回避したなか、ドウデュースは唯一秋古馬三冠を完走し、かつ3走目の有馬記念で勝利した。


これらの頑丈さに加えて戦績からも連投で勝負根性を高めていくタイプと考えられており、近年の有力馬が間隔を開けてゆっくり休ませる事が多いのに対してドウデュース陣営は秋古馬三冠などの連投ローテを強気に選んでいるのも特徴。


大食い

ドウデュースは結構な大食い馬としても知られる(ちなみに、大食いで有名な競走馬としてはオグリキャップなどがいる)。大食いに関するエピソードを以下に列挙する。


一方で太りやすい体質らしく、しょっちゅうプール調教送りにされているとか(もちろん飼い葉を大量に食べていたダービー後にも早速プール調教に送り込まれた)。

  • なお、ドウデュース自身はプール好きらしい。かのオグリキャップは泳ぎが苦手だったことで知られているので対照的である。ちなみに、あまりにプール送りされすぎて慣れたのか、最近は流れるプールに流されながら浮かんで遊ぶ事を覚えたらしい。

そんなドウデュースだが、実は唯一苦手なものがある。それは

なぜか塩だけが苦手であり、そのために電解質を溶かした水を与えることでミネラル補給を行っているという。



距離適性と体質

2023年天皇賞(秋)で思わぬ大敗を喫したドウデュース。

本来こなせる距離にもかかわらず大敗してしまった(実際に翌年の天皇賞(秋)では後方一気で快勝している)のは、血統・馬体・レース展開と様々な要素が複雑に絡み合ったため大敗に繋がってしまったと思われる。


元々血統面でも「母系がスピード色の強いダート短距離の米国血統」だったため「2000mはともかく2400mは距離が長いのでは?」「馬体や実績からして本質的にはマイラーなのでは?」という声があった。

今思えば1800mで先行したりマイルでも勝てるドウデュースが距離延長の際に後方一気の戦法に切り替えたのは


「京都記念のように相手との力量差が大きく開いている場合は多少掛かって前に行きたがっても地力の高さで押し切れるが、中・長距離の国内外の一線級の相手に勝つには少しでもスタミナを温存するために鞍上との息を合わせることが必要不可欠になる」


という前述の不安要素をカバーするための作戦だったと考えると辻褄が合ってしまう。


また、圧倒的筋肉量を誇り毎度とてつもない馬体で走る本馬だが、2023年の天皇賞(秋)ではそれが裏目に。つまり鍛えすぎという説も浮上する。

(ただ陣営の話によると実際には「休養明けからなんとか間に合わせた状態だった」と後に語っていたため真偽は不明である)


プール調教による水中での有酸素運動は地上での有酸素運動より多く運動効果が得られる。そして筋肉の維持・修復・成長を促すには栄養と量のある食事も欠かせない。そして元々の体質が強いのでより数をこなせる。これを2歳から続けるとなると、同世代の馬達と比較しても運動量・食事量共に多いことになるので筋肉量も必然的に増える。当然体重も増える。


日本ダービーの時は本格化前だったので運動効果こそあったが今ほどではなく、筋肉量も控えめでスピード・パワー共にバランスが取れた状態だった。

だが4歳となり馬体の本格化が始まったことで運動効果がより顕著に表れ筋肉が爆増し、血統も相まってパワー重視のマイラー馬体に近づいていった。自身の馬体を全力で動かすためのスタミナ消費がさらに激しくなる。


加えてレース間隔が空いたことによる気持ちの昂ぶりと突然の鞍上交代が発生。結果論だが、出遅れ気味になったジャスティンパレスやプログノーシスのような後方待機で脚を溜めて末脚勝負を仕掛ける展開であれば7着より上の順位で終われたかもしれないが、実際にはまさかの好スタートにより道中イクイノックスを追走するようなペースで走ったうえ、同じようなペースで走る馬群の中に押し固められ力んでしまい脚を溜めることができなかった。その状態で自身にとって分が悪いスタミナ勝負に持ちこまれたため、ドウデュース自身の感覚に肉体が付いてこれない状況に陥ったのではないだろうか。


しかし、ある程度絞れていたジャパンカップではイクイノックスに次ぐ上がりを記録した上、有馬記念では武騎手の完璧なエスコートが功を奏して末脚を上手く貯めることができ、豪快なまくりを決めて勝利を手にしている。


確かに馬体や血統はマイラーに近いものを持っているが、適切なペース配分で脚をためることができれば、2500mのG1すら勝てるということも4歳の秋に判明した。つまりもしも本当にマイラー仕様の馬体である場合、距離適性を覆せるほど純粋なポテンシャルが高い馬と言い換える事もできるだろう。



スペシャルウィークとの共通点

かつて武豊が主戦を務め、彼にダービージョッキーの称号をプレゼントしたスペシャルウィークとどこか共通点が多く、実際この2頭には共通のキーワードがあると武豊も感じているようである(外部リンク)。


以下、これまでに判明している共通点を挙げる。

  • 人懐っこく、寂しがり屋な性格
  • ライバルが怪我や病気に悩まされる中、熾烈なレース翌日でさえも調教に応じられる異常なタフさ
  • 隙あらば何か食べているような旺盛な食欲
  • 主戦騎手の『◯◯(GⅠ名)だけは勝てない』というジンクスをブチ破る(ドウデュースは『朝日杯FS』、スペシャルウィークは『日本ダービー』。また、ドウデュースは上述の通り武豊にダービー6勝目という大快挙ももたらした)。
  • 皐月賞1番人気で3着に敗れた。
  • かと思えば、次走では巻き返しダービー制覇を成し遂げた。
  • 前走京都競馬場で着外(ドウデュースは2024年宝塚記念6着、スペシャルウィークは1999年京都大賞典7着)からの次走天皇賞(秋)優勝。
  • 武豊以外が鞍上を務めたことがある(ドウデュースは上述の通り負傷により2023年の天皇賞(秋)とジャパンカップにて戸崎圭太が、スペシャルウィークは1998年のジャパンカップにて当時武が騎乗停止処分を受けていたため岡部幸雄が、翌年のアメリカジョッキークラブカップにてオリビエ・ペリエが鞍上を務めた)。
  • 4ヶ国のダービー馬が集ったジャパンカップにて、日本総大将的扱いをされ海外の強豪たち相手に勝利。しかも勝ちタイムは同じ2:25.5。(スペシャルウィークは日本馬の中では1番人気だった。)

ちなみに、武豊騎手も凱旋門賞前に行われた雑誌「Number」のインタビューにて「ダービーの最後の直線で抜け出すって、これ以上ない最高の気分。スペシャルウィークが馬群を切り裂いたときに見た素晴らしい景色を、今年はドウデュースに見せてもらいましたと語っている。


YouTubeにおけるレース動画の再生回数

カンテレ競馬のYouTubeに投稿されているドウデュースのダービー(前掲)は異例とも言える再生数の伸びを見せている。2023年現在の再生数は約370万回であり、同チャンネルのレース動画(複数レースのまとめを除いたもの)としてはゴールドシップの皐月賞・天皇賞(春)とディープインパクトの有馬記念に次いで4番目。特にレース直後に投稿されたものとしては最も再生された動画である。また、JRA公式版も同チャンネル投稿のレース動画としてはイクイノックスのドバイシーマクラシックに次いで2番目に再生されている。

実際、ドウデュースの爽快な末脚や武豊騎手の手綱捌きだけでなく上位馬の各騎手が乗り馬の持ち味を引き出した好騎乗であったことから人気の高いレースではあるのだが、例によってオーナーの熱狂ぶりが凄まじいことから「松島オーナーが1人で150万回以上再生している」「キーファーズの社員達は毎日の朝礼でこのダービーを見せられている」などとネタにされている。

また、同じくカンテレ競馬のYouTubeに投稿されているドウデュースの京都記念もGⅡながら100万回再生を突破している。


不運?

そんな様々なエピソードを持つドウデュースだが、大一番になると思うように勝てない日々が続いてるのも悩み所。『最も運のいい馬が勝つ』とされるダービーを制したのに…

単純に同期のイクイノックスを筆頭に強敵が多かったのもあるが、


  • 凱旋門賞に挑んだ2022年は、日本の芝馬にとって最悪な不良馬場に遭遇し惨敗。特に2023年は馬場としては稍重扱いであったが、天候は晴れの良馬場となりスルーセブンシーズが掲示板入りを果たしたことも不運と呼ばれる一因となっている。
  • 2023年のドバイターフは現地医師によるドクターストップで出走できず、そのまま上半期は休養に当てる事となり半年以上の間戦線から遠ざかった。
  • 同年の秋古馬戦線では主戦騎手の武豊騎手が負傷し乗り代わりが発生。これによりイクイノックスとはフルコンディションでの再戦がかなわなかった。
  • 2024年ドバイターフではパドックでイレ込んだ上での出遅れで敗北。
  • 2024年宝塚記念は得意とする展開が全くできなかったこともあるが、京都競馬場でのレースは未経験だった。
    • 阪神競馬場なら朝日杯FSで出走・勝利している。阪神競馬場の改修は2023年秋から2025年春までの予定となっており、これが2025年上半期の阪神競馬場の開催がないという意味の場合、結果的にドウデュースが出走した年だけ京都競馬場に代替された年と被る。

と、本来の実力を活かし切れない戦いが多い。

その一方で日本ダービーではイクイノックス、2023年有馬記念ではスターズオンアース、タイトルホルダー、タスティエーラといったJRA賞最優秀何歳馬を受賞している世代代表格の馬を死闘の末に退ける、という偉業も成し遂げ、ダービーのレースレコードに加えて秋天ではJRA史上最速の末脚という記録を叩き出している。

上記の敗因も裏を返せばドウデュースの実力不足と断じられるようなレースは限られている。条件が整った真っ向勝負に持ち込めた時の爆発力は世代トップクラスとって差し支えない、ダービー馬の称号に恥じぬ馬と言えるだろう。

特に2連敗後に印象的な勝利を挙げている戦績ついて、ファンからは「逆襲ゲージを溜めている」と表現される事もある。


関連タグ

競馬 競走馬 22世代

ダービー馬:シャフリヤール(2021)→ドウデュース(2022)→タスティエーラ(2023)

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