🍺概要
2012年10月、オンライン小説投稿サイト「小説家になろう」にて連載開始。
作者は蝉川夏哉。
既刊は、2022年12月時点で単行本16巻、文庫本7巻。公式レシピブックも発売されている。
メディアミックスとしてコミカライズ、アニメ化、実写化もされており、累計発行部数は300万部を突破している。
中世ヨーロッパのような異世界の古都に繋がってしまった小さな居酒屋で繰り広げられるほのぼのグルメファンタジー。
料理は特別な調理法や高級食材を使っているわけではなく、居酒屋では定番のメニューや一般的に知られている料理がメインとなっている。文字が読めないものの言葉は通じるようで、異世界の人は料理名などはカタカナで表記されたり、別の言葉(ビール→トリアエズナマなど)で読んだりしている。所謂、異世界版「孤独のグルメ」のようなものであり、一人メシのシーンも少なくはないが、「居酒屋」らしく複数人でワイワイと賑やかに飲み食いするシーンも多く、活気のある食事シーンは本作の見どころのひとつであろう。
🍺あらすじ
古都・アイテーリアの裏路地に、一風変わった店居酒屋「のぶ」があるという。木の引き戸を開けた先にいるのはノブ・タイショーと呼ばれる主人と、給仕のシノブという女性が出迎えてくれる。
こぢんまりとした店内では、この世界では見たことも聞いたこともない美味い料理とキンキンに冷えたトリアエズナマを出している。噂は広がり、市民や衛兵、役人、貴族、聖職者、王族までもが次々と店に訪れるようになる。これは、異世界に繋がった居酒屋「のぶ」で巻き起こる、小さな物語。
🍺登場人物
🍺居酒屋「のぶ」
居酒屋「のぶ」の店長。愛称は「ノブ・タイショー」。
居酒屋「のぶ」の給仕。店の看板娘。愛称は「シノブちゃん(シノブさん)」。
古都の衛兵の青年。
同僚のニコラウスに連れられて「のぶ」に訪れ、そこで口にしたトリアエズナマとオーディン鍋に感激し、常連となる。後に衛兵を辞めて「のぶ」で料理人として働きながら修行するように。シノブに好意を寄せている。
貧しい身だった素直で心優しい少女。
弟・アードルフ(CV:新井里美)と妹・アンゲリカ(CV:金魚わかな)がいる。偶然見た水が出る鉄の塊を盗もうと店の中に入るも、シノブに見つかってしまう。素直に盗もうとしたことを認め自首しようとするが、シノブの計らいで新しい給仕として雇われる。小動物みたいな可愛らしさがあるが、姉として行儀の悪い客を叱る肝の据わった一面もある。
ベルトホルトの親戚にあたる美しい女性。
烏賊漁師の父親を持ち、烏賊嫌いのベルトホルトとの見合いが危ぶまれたが、ベルトホルトが烏賊嫌いを克服していたため無事に夫婦になる。しかし、とある事情で「のぶ」に預かることになり、給仕として働くことに。ベルトホルトとの子供を身ごもったため産休を取り、無事に子供(男女の双子)を出産する。
リオンティーヌ・デュ・ルーヴ(CV:小松未可子 / 演:早霧せいな)
東王国出身の騎士身分の女傭兵。烏賊の兜飾りを被って戦っていた。かつて戦場でベルトホルトと相見え、彼の強さを目の当たりにして以降、想いを寄せている。彼を探して古都を訪れて出会うも、既にヘルミーナと結婚していることを知り、それを受け止めて東王国に戻って行った。後に枢機卿の護衛の任務で大市が開かれる古都に訪れ、帰郷せずに産休のヘルミーナの代わりに「のぶ」の給仕として働くようになる。
🍺常連客
ニコラウス(CV:森久保祥太郎 / 演:白洲迅)
古都の衛兵。ハンスの一つ年上の同僚。たまたま「のぶ」を訪れて気に入り、ハンスを誘いともに常連となる。サンマの塩焼きの一件からエレオノーラと顔馴染みになり、後に衛兵を辞めエレオノーラの水運ギルド<鳥娘の舟唄>へ転職する事になる。
ベルトホルト(CV:小西克幸 / 演:阿部進之介)
古都を守る衛兵の中隊長。ハンスとニコラウスの上官。
かつては<鬼>と呼ばれるほどの凄腕の傭兵で、戦場でも名が知られていた。鶏肉料理が好物で、カラアゲを食べたことで「のぶ」の常連となる。烏賊が苦手(味が嫌いではなく、幼い頃聞かされた曾祖父の昔話のせいでトラウマを抱いている)だったが「のぶ」で烏賊を食して克服し、ヘルミーナと見合いして見事成功し、結婚して夫婦となる。
片眼鏡を掛けた徴税請負人の役人。
仕事の腕は非常に高く、依頼された額の倍以上の税を徴収することが出来るため、町の人々からは恨まれている。次の標的として「のぶ」に狙いを定めるが、シノブが作ったナポリタンによって初心を思い出して感動し、店を後にした。その後、仕事を辞めて故郷に帰ろうかと考えていたが、辞めずに仕事を続けており、「のぶ」の常連となる(頼む料理は基本的にナポリタンのみ)。
演劇俳優のアウグスト(演:海宝直人)は実弟。
イグナーツ(CV:小野友樹/ 演:草地稜之(円神))
カミル(CV:島﨑信長/ 瀧澤翼(円神))
アイゼンシュミット商会の商人。カミルがイグナーツの妹と結婚するため、義兄弟の間柄。
最近古都の教会に赴任して来た助祭。一見、堅物そうに見えるが、実はお忍びで「のぶ」に訪れて酒の肴とレーシュを頼んで飲んでいる好々爺。「出されたものを断るのも神の意に反する」と建前を言いつつ、聖職者の身でありながら飲酒を楽しむ俗な一面もあるが、基本的には親切な好人物で「のぶ」の困りごとにはたびたび力を貸してくれる頼もしい存在。実は聖王国の上層部にも顔が利く大人物ではあるが、上記にも有るように酒を嗜むような俗な一面があるため、助祭からは出世していないようである。後輩に後に大司教になったロドリーゴ、若き日のロドリーゴの失敗を庇い自ら「魔女になる」と言って教会を辞めて行方を晦まし、古都の近くの森で薬師となった元尼僧のイングリドがいる。
ホルガー(CV:小山剛志 / 演:三宅克幸)
共に古都参事会会員。
2人は腐れ縁で、会えばいつも子供じみた口喧嘩ばかりのケンカ友達。
ラインホルト(CV:星野貴紀 / 演:小越勇輝)
水運ギルド<金柳の小舟>のマスターの青年。古都参事会会員で三大水運ギルドマスターの一人。
古都では最も古く格式があるギルドだったが、先代だった父の急死の影響で跡継ぎとなった。しかし、明らかに威厳も経験も足りておらず、海千山千の他の二人の水運ギルドマスターに比べるといささか頼りない。更に有能な幹部達がエレオノーラの母親などによって引き抜かれたため、ギルドが落ち目になっている。部下がゴドハルトの縄張りで勝手に仕事してしまったため彼と揉め事が起きてしまい、ローレンツの提案で「のぶ」に訪れてエレオノーラを入れた三人で緊急の会議が開かれる。古都では雑魚扱いのウナギが捕れる河の漁業権で手を打ってもらおうとするも相手にされなかったが、ノブが作った蒲焼によってウナギの美味さを知り、ゴドハルトとの揉め事も解決する。
ゴドハルト(CV:置鮎龍太郎 / 演:渡部龍平)
水運ギルド<水竜の鱗>のマスターの強面の男性。
古都参事会会員で三大水運ギルドマスターの一人。古都では最も大きな規模を誇っている。
強面な風貌に似合わず学があり、詩を嗜む文人としての一面もある。
エレオノーラ(CV:植田佳奈 / 演:八木アリサ)
水運ギルド<鳥娘の舟唄>のマスターの妖艶な女性。古都参事会会員で三大水運ギルドマスターの一人。
古都ではもっと財力と権力を有している。サンマの塩焼きの一件からニコラウスと顔馴染みとなり、ニコラウスが<鳥娘の舟唄>に転職するきっかけとなる。
イングリド(演:水野美紀)
古都近郊の森に暮らす薬師の女性。魔女のような風貌としゃべり方をしている。
甘いもの(と酒)が好きで、生の魚が苦手(ただし食わず嫌い)。
実はエトヴィン助祭の後輩の元聖職者で若き日のロドリーゴの失敗を庇い自ら「魔女になる」と言って教会を辞めて行方を晦まし、古都の近くの森で薬師となっていた。
後にロドリーゴとダミアンが絡んだ魔女狩りの一件(ただしロドリーゴは「魔女」を名乗っていたイングリドを探していただけだった。)でロドリーゴと再会した。
薬師としての腕も確かで古都の人達の症状に合わせた薬を調合したり、ロドリーゴの杯に鉛が張り付けてあることを見つけシノブに杯を捨てるように指示したりもした(鉛はワインと化合することでワインの味を甘くする反面、ワインに溶けて体をボロボロにする毒物となる)。
ちなみに「のぶ」で行われたアルヌの侯爵即位の式典で再会するまでイングリドはエドヴィンが古都にいたことも「のぶ」の常連になっていた事も知らなかった。
カミラ(演:三原羽衣)
イングリドの弟子の少女。
捨てられて泣いていたところをイングリドに拾われて弟子入りした経緯を持つ。
年が近いエーファとは仲が良い。
アルヌ・スネッフェルス(演:浅香航大)
吟遊詩人を目指す青年。
数年前はイーサクと共に古都中のゴロツキ達をシメて回った程の腕っぷしの強さを誇るが、エール一杯ですぐ泥酔する酒の弱さで「<酔眼>のアルヌ」という異名を持つ。
詩の出来栄えはあまり良くなく、そのことを悪く言うとキレる。
食の詩人・クローヴィンケルに尊敬の念を抱いている。
実は古都の近隣に領地を持つ貴族の出の放蕩息子で、後にその跡を継ぐことを決める。
イーサク(演:才川コージ)
アルヌの部下で実家の司厨長であり乳母兄弟。
フーゴ(演:平埜生成)
ガラス職人。ローレンツの息子でハンスの異母兄。
フランク(CV:こぶしのぶゆき / 演:小杉竜一(ブラックマヨネーズ))
アイテーリアに精肉店をかまえる肉商人。
🍺その他の来店客
🍺帝国
ヨハン=グスタフ(CV:浪川大輔 / 演:品田誠)
古都近くに領地を持つ貴族で、ヒルデガルドの叔父。バーデンブルク伯。
二か月後にマクシミリアンと結婚して嫁ぐ姪のヒルデガルドのために美味しいものを食べさせようと「のぶ」に訪れる。そして、「のぶ」で出された美味しい料理によってヒルデガルドが笑みを見せるようになったため、結婚式までに一緒に「のぶ」に通うようになる。年若いヒルデガルドの言動に気後れさせられるなど、一見すると穏やかで頼りなげな印象を受けるが、先帝(先代の皇帝。現皇帝は彼の孫)を伯父にもつ、色々と侮れない人物。
ヒルデガルド(CV:南條愛乃 / 演:葉山カナ)
子爵家の令嬢でヨハン=グスタフの姪。
両親が幼い頃に亡くしたため、ヨハンに育てられる。両親の死と過保護に育てられたため、人を試すような少し傲慢で捻くれた性格になっている。無理難題な注文をして料理人を困らせていたが、「のぶ」で食べたアンカケユドーフの美味しさに感激して気に入る。後にあまり年の変わらないマクシミリアンと結婚した。
古都の近くに領地と狩猟用の森を有する男爵。
ヒルデガルドの結婚式に出席した際、彼女からアンカケユドーフの話を聞き、ぜひ食べてみたいと思い、用人のダミアンと共に「のぶ」に訪れる。だが、季節外れだったためアンカケユドーフは諦めざるを得ず、代わりに好物のシュニッツェル(所謂、カツレツ)を要求し、ノブがエトヴィン助祭にシュニッツェルがどんな料理か聞きに行っている間にダミアン達とカードゲームに興じていた。
その際、シノブが賄いで作っていたサンドイッチを食べて興味を示し、お代わりを求めた時に偶然作ったカツサンドを食べて感激し、満足して店を後にした。
「のぶ」を貸切るために傲慢なダミアンを使いに出したり、ガラの悪い荒くれ者達を「のぶ」の前で睨みを利かせて他の客を寄せ付けなかったりしたため、当初のノブ達からの印象は悪かったが、「のぶ」を気に入って以降はバッケスホーフ騒動の際に「のぶ」を潰さないためにラガーの禁制解除の訴えを出すなど友好的に接している。
カルラ
ブランターノ男爵夫人。男爵の家臣の家の出。
ブランターノ男爵に仕える小柄で小太りの用人。典型的な虎の威を借る狐のような男で、傲慢で横柄な性格。
男爵の命令で「のぶ」に使いとして訪れ、「のぶ」を見下しながら一方的に借り切りを要求したためノブやシノブから快く思われていない。その後、「のぶ」を気に入った男爵にクビにされてしまい、その原因が「のぶ」だと思い込んで逆恨みし、店を潰そうとバッケスホーフやロドリーゴ大司教らに取り入って奔走するがいつも返り討ちに遭い、最後には白狐によって千本鳥居の結界に封じ込まれ懲らしめられた後に路地裏に倒れていたところを兵士達に逮捕された(アニメではバッケスホーフと共謀して「のぶ」を潰そうとして逮捕された後、アイテーリアを永久追放された)。
後にダミアン本人が逮捕された後、イングリドの薬師としての知識により鉛を内側に張り付けた杯でロドリーゴを毒殺しようとしたことも判明した。恩赦により牢獄より解放されたあとは古都から離れ 連合王国のナ・ガルマンにある温泉街に湯治に来て愚痴を溢していたところ、醤油職人のヨダ=コーザと出会い、ヨダに対してに居酒屋「のぶ」に対する愚痴を溢し、その愚痴を聞いたヨダから何故かお礼をいわれ感謝されてしまう。現在のところ 書籍版は勿論、web版においてもこの一件以降フェードアウトした形で出番は無くなっている。
豪商である「バッケスホーフ商会」のトップにして、古都参事会の議長を務めるやせ細った男。
強欲で陰険、目的のためならば手段を選ばない下劣極まりない悪徳商人だが、狡猾で奸智に長け、常に相手の先手を打つ計算高い人物でもある。ダミアンに唆される形で「のぶ」を訪れ、金に飽かせて店ごと買い取ろうとしたり、ヘルミーナを妾にしようとするなど下衆な物言いでノブやシノブを激怒させた上、彼らが金で動かないと見るや、今度はトリアエズナマが国内における禁制品である「ラガー」に該当すると指摘(という名の脅迫)し、参事会の調査対象にして「のぶ」を潰そうと画策する。
しかし、店の調査担当として指名したゲーアノートがナポリタンで光堕ちしていたため、「のぶ」の無実を証明したばかりか逆に自分の不祥事(自分こそが禁制品のラガーを密輸入しており、彼がトリアエズナマをラガーと指摘出来たのは自身の商会に納入したラガーを飲んでいたため)を暴かれてしまい、失脚した(アニメでは、ゲーアノートの命令で待機していたベルトホルトによって、ダミアン共々逮捕される姿が描かれた)。逮捕後は、議長職を降ろされたばかりか、商会の後継者を決めていなかったためにバッケスホーフ商会は潰れて全財産を失い、釈放された後に行方不明となった。
クローヴィンケル(演:武田鉄矢)
帝国の男爵にして高名な吟遊詩人。美食家。ブランターノ男爵とは知己。国外にも名が知れた『食の吟遊詩人』でアルヌやゴドハルトは彼のファン。初めてブランターノ男爵と共に来店した時に出された牡蠣のグラタンからノブの迷いを見抜くなど感性も鋭い。その後最も自信のある料理を出して欲しいと頼んで出された出汁巻卵を食べて魔法だと賞賛した。
帝国の先帝。現在は譲位しているが名君として知られる。
元々は沿岸地方の貴族の出で、婿養子でありながら皇帝の地位を確立し、帝国の安定を図るために数々の施策を打ち出した。ヨハン=グスタフは甥、現皇帝とヒルデガルドの夫は孫にあたる。好物は魚料理全般で、特に鮭の皮を炙ったものが好物。
コンラート五世(演:平岡祐太)
帝国皇帝。コンラート四世の孫。
広大な帝国を収める皇帝。奥手で結婚する気はなさそうに見えたのだが、ある時古都で出会いが訪れることになる。
ゼバスティアン・フォン・ホーエンバッハ(演:田中直樹(ココリコ))
先帝・現皇帝と二代にわたって仕える、重臣中の重臣である中務卿。代々の貴族ではなく大学出身の法曹家。普段から近隣諸国の酒を飲みあさっている程の酒好きで、「のぶ」でも店主に無理を言って一瓶譲り受けた。多芸で、昔はクローヴィンケルの詩の偽造を手がけたことがある。
マクシミリアン
カルノー公爵。先帝の孫でヒルデガルドの夫。
🍺東王国
ジャン=フランソワ・モーント・ド・ラ・ヴィニー(CV:木村良平 / 演:忍成修吾)
東王国・オイリアの大陸各地の奇妙な話や珍しい話を集め、それを王族に伝え聞かせるのを生業とする集団・奇譚拾遺使(またの名を御伽衆)の一人。奇譚拾遺使(きたんしゅういし)は旅の僧として各地を巡るが、本当の目的は各地の情勢を探る密偵である。
ジャンは奇譚拾遺使の長官の右腕と呼ばれるほど優秀であり、古都の情勢を探るために訪れ、偶然見かけた「のぶ」に足を運ぶ。街の財力を計るためにサラダを注文するが、そこで出された新鮮な野菜で作った数種類のサラダに驚き、更に貴重な香辛料やクジラの肉を出されたことで(アニメではフルーツサラダに使われた金箔とドラゴンフルーツを、ドラゴンの秘宝と勘違いして)、古都の財力は驚異的だと勘違いして慌てて本国に知らせに戻って大恥をかく(このとき、帰路につくために金を積んで馬車を雇ったことが、間接的にヘルミーナが「のぶ」で働くきっかけとなった)。
その後も変装して何度か「のぶ」に訪れるが、何故か悉くシノブに素性がバレて彼女に慄く。報告書は料理の解説が滅法巧かった事から王女摂政宮の目に留まることに…。
セレスティーヌ・ド・オイリア(演:平祐奈)
東王国王女摂政宮。幼い弟の代わりに東王国の政務全般を代行していた。
公務以外(お忍び)の時は愛用の銀縁眼鏡を掛け、「セレス」と名乗っている。
ジャンの報告書を読んで「のぶ」とクシカツに興味を持って訪れるが…。
後に古都で出会いが訪れることに。
ユーグ
セレスティーヌの弟で「幼王」と呼ばれる東王国の若き国王。
帝国内では 只の御飾りの国王と思われていたが、実際は自らが国王であることを示す為に、姉であるセレスティーヌを追い落とす謀略をも駆使する切れ者である。その一方で姉とは「只の姉弟」として会いたいと思慕の情を持つ年相応の一面も併せ持っている。
シャルロッテ(演:中村里帆)
セレスティーヌ付きの侍女。影武者も務める。
ラ・カタン(演:じろう(シソンヌ))
東王国上級伯。反王女摂政宮派の有力貴族。
🍺聖王国
トマス(演:猪野広樹)
古都の聖堂に奉職する若い聖職者で司祭。神学と天文学に精通する。
好物は秋茄子。
エンリコ・ベラルディーノ
大司教の腹心で占いの専門家。
ロドリーゴ(演:松尾諭)
帝国北方の管区大司教。
魔女に関心が強く、職権を使ってまで各地で魔女を名乗る人物を探していた。
ロドリーゴが探していた魔女とは実は神学徒時代の先輩だったイングリドで、再会したときは魔女は殺せと騒いでいたダミアンを押しのけイングリドとの再会を喜んでいた。因みに若い時は当時の友人達からは「ちびのロドリーゴ」と呼ばれていたくらい背が小さかったが、年月が立って背が伸び恰幅も良くなっていたため再会した当初のイングリドには最初分からなかったようであった。
エドヴィン助祭の後輩でもあり、イングリドやエドヴィンの三人で乾杯を交わしていた。
当初は教会内の派閥争いに勝ち残り、枢機卿となることを望んでいたが、ダミアンに毒殺されそうになっていたことが判明したことと、イングリドの忠告により諦めた。
ヒュルヒテゴット
聖王国教導聖省の枢機卿。
聖王国<改革派>の領袖。エトヴィンとは古い友人。
🍺その他の国
ヨダ=コーザ
連合王国のナ・ガルマンで醤油職人をしている人物で、実は天狗の抜け穴を通って異世界転移してきた日本人・「依田康三郎(よだ こうざぶろう)」がその正体である。
日本にいた時 実家の醤油工場に出来た天狗の抜け穴を行き来してその時に妻と結婚したが、妻が子供を妊娠したときにヨダが日本に帰ってしまうことを恐れ日本に通ずる扉に放火。既に両親がいなく身内がいなくなっていたヨダは日本に帰ることを諦め異世界の住人として暮らすことになった。
ある日古都アイテーリアから逃亡し、たまたま湯治に来ていたダミアンから「のぶ」の事を聞き出し、ナ・ガルマンから古都アイテーリアにある「のぶ」へ訪れ 「のぶ」で日本でしか食べられない卵かけご飯(「異世界」では生卵の保存技術が日本と比べてかなり遅れているため卵に細菌が発生しやすく食中毒を起こす危険がある。)や和食を食べたり「のぶ」の裏口から一時的に日本へ帰って両親の墓参りやナ・ガルマンにいる家族へのお土産を探したりしていた。
そして娘のリサの夫である娘婿のコルムから扉を放火した後の事実と謝罪を聞かされたが、それでも妻を恨んでおらず、「のぶ」に醤油と大豆を卸す事を約束し家族の待つ地へ帰宅した。
ちなみに天狗の抜け穴を使えなくなった本当の理由は「代々抜け穴を使える資格を持つのは一人だけ」という条件にあり、ヨダが使えなくなったのはその資格が娘のリサに受け継がれてしまったためであり リサが妊娠したときはお腹の子にその資格が移動したためリサもまた抜け穴が使えなくなっていた。
ナ・ガルマンに帰る最後の日のメニューとして「醤油をかけて食べるカレーライス」をタイショーにリクエストしたが、タイショーが作ったカレーに対しては「このカレーは醤油をかけるには美味し過ぎる」と感想を漏らしていた。
コルム
ヨダ=コーザの娘・リサの夫でリサの幼馴染でもある。
実はリサが天狗の抜け穴を使って日本に行き来していた事を知っていた。
🍺日本
塔原(とうはら)(演:木村祐一)
信之の師匠で、料亭「ゆきつな」の板長。
🍺人外
「のぶ」の近所にある稲荷神社に祀られている神の使いで「倉稲魂命のお力で向こうの土地(アイテーリア)につなげた」張本人。
エーファが出会ったときは白い狐の姿で、「のぶ」に客として訪れたときは美女の姿で現れた。
野良犬亭の店主
『異世界居酒屋「のぶ」 しのぶと大将の古都ごはん』10皿目に登場した野良犬亭の店主。
店自体は酒を含むほとんどのメニューをセルフサービスや配給スタイルで提供している。名物は新鮮なエールと特製の豆スープで豆スープはほとんど味付けはしてないが本職の料理人であるタイショーも満足させるものだった。しかしもう一度タイショーが野良犬亭に行こうとしてもたどり着くことは出来なかった。後に店のみんなにも話してその事が話題になったが、イングリドが「魔女の店」と言って からかってしまいシノブが怯えてしまう。
本当の正体については不明だがコミックにおいての店主の風貌は、世間一般でいうところの魔女に近いものであった………。
赤鞘&アンバレス
異世界の更に異世界《海原と中原》の最高神と、元日本人の元日本神で現《海原と中原》の訳ありすぎ地域《見直された土地》の土地神。つまりは神様。《海原と中原》の神&天使はウルトラ超絶ハード激務に追われているが、時空管理システムのチェック作業により、該当する神&天使以外は休暇が取れたので、二神は次元を超えて「のぶ」に飲みに来た。『神様は異世界にお引越ししました』とのコラボレーション企画として登場。あちらでは神と書いて『じん・り』と翻訳してる為、上記の『元日本神・二神』という表記は間違っていません。
🍺メディアミックス
🍺コミカライズ
本編のコミカライズが1作、スピンオフのコミカライズが3作ある。
日本の他に、英語・中国語・韓国語・タイ語にも翻訳されており、電子書籍がシンガポールとマレーシアを除く世界中の国と地域で出版されている。
正当な本編のコミカライズは、ヤングエース版のものとなる。
作画担当はヴァージニア二等兵。
既刊は18巻。
後述のアニメ化の際には、「異世界居酒屋「のぶ」【ヤングエースUP支店】」としてヤングエースUPにて該当エピソードが1週間限定で配信された。
スピンオフは現段階で3作ともこのマンガがすごい!WEBにて配信されている。
本編のイラストを担当した転(くるり名義)による外伝漫画は、
『異世界居酒屋「のぶ」 しのぶと大将の古都ごはん』のタイトルで不定期連載中である。
(コミック第1巻、第2巻共に掲載分迄で休載。現在、第1話と第15話のみ閲覧可能)
本作は、完全新作の書き下ろしストーリーによる、描き下ろしコミックになっている。
既刊は2巻。
因みにアニメ版にも本作のエピソードが使用された回があり、その週はヤングエースUPの配信は休載された。
2017年11月からは『異世界居酒屋のぶ~エーファとまかないおやつ~』が連載中。
エーファとしのぶをメインとしたショートストーリー。
作画担当はノブヨシ侍。
既刊は6巻。
2018年3月からは『異世界居酒屋「げん」』が連載中。
「帝国」の古都アイテーリアに出現した「のぶ」とは別に、東王国の王都パリシィアに出現した居酒屋「げん」の物語となる。
作画担当は碓井ツカサ。
既刊は2024年8月現在11巻。ノベライズも進行中で既刊は1巻。
🍺アニメ
2016年11月にアニメ化企画が進行されていることが明らかにされた。
長らく詳細が発表されなかったが、2018年3月に正式な放送時期が2018年4月開始であることとTV放送ではなく、動画配信サイトで世界同時先行配信であることが明らかとなった。
バンダイチャンネル、ニコニコ動画、Amazon Prime Videoを含む23のサイトにて、2018年4月~9月まで全24話が配信された。
同年10月からはBS11、J:COMテレビにて、CS放送では翌11月からキッズステーションでTV版が放映開始された。
Youtubeのバンダイチャンネルアカウントにて、第1話・第2話が無料配信中である。
アニメのタイトルは『異世界居酒屋~古都アイテーリアの居酒屋のぶ』となっている。
因みになろう作品で「異世界+グルメ(飯テロ)」もののジャンルを切り開いたのは本作と『異世界食堂』だが、アニメ化の発表自体はこちらが先になり、放送時期はあちらが先になった。
放送(配信)時間もAパートとBパートで違う話の構成での30分アニメだった『異世界食堂』と違い、
本編となる「アニメパート」は約10分で、
アニメ本編終了後は『のぶ+(PLUS)』として、人気料理研究家きじまりゅうたによる作品に登場するオリジナルレシピの紹介『きじまりゅうたの「創作のぶ料理』やなぎら健壱による居酒屋放浪記となる『なぎら健壱の「のぶ居酒屋」をさがして』という「実写パート」の2部構成で制作されている点が異なる。
実写パートは1週毎交互に配信される。実写パートのナレーターは一龍斎貞友。
また、1話15分のものの他に、2話分をまとめた30分版も配信された。
通常のアニメとは違った珍しい点として、
アニメ制作委員会にグルメ情報サイトのぐるなびが初参加した点、
→ぐるなびがアニメに初出資!世界同時配信アニメ「異世界居酒屋」の記者発表をレポート
映像ソフトに関するプロジェクトが立ち上げられた点が挙げられる。
→「異世界居酒屋~古都アイテーリアの居酒屋のぶ~」映像商品プロジェクト
一般的な商業ルートやレンタルはなく、完全受注生産で注文が300本達成することで発売が正式決定するクラウドファンディング方式を採っている。
受注数に応じて、特典・仕様が豪華になる企画で、最終目標である1000本を達成。
それにより、当初は本編ディスク1枚(ノンテロップ版アニメ全24話)+特典だったのが、未収録の予定だった「のぶ+」を別ディスクで同梱という形で収録し、本編ディスクと特典ディスクの2枚組BDに変更され、2019年4月以降に発送された。
🍺制作スタッフ
監督 | 小野勝巳 |
---|---|
シリーズ構成 | 吉田伸 |
キャラクターデザイン | いとうまりこ |
サブキャラクターデザイン | むらせまいこ |
料理デザイン・料理総作画監督 | 石井久美 |
美術監督 | 河野次郎 |
色彩設計 | 鈴木依里 |
特殊効果 | 谷口久美子 |
撮影監督 | 貞松寿幸 |
編集 | 武宮むつみ |
音響監督 | 岩浪美和 |
音楽 | ミト(クラムボン) |
音楽制作 | サンライズ音楽出版 |
アニメーション制作 | サンライズ |
制作 | 古都アイテーリア市参事会 |
🍺主題歌
『Prosit!』
作詞・作曲・編曲 - ミト(クラムボン)
🍺ドラマ
2020年1月末になろうの作者マイページの活動報告にて実写化決定を報告。
その後、2020年2月発売のヤングエース3月号にて、実写ドラマ化が発表された。
WOWOWプライムにて2020年5月15日より全10話が放送。第1話は無料放送になるとのこと。
監督・脚本は品川ヒロシ。彼自身、レシピ本を出版するなど料理にも精通しているため、それを活かしたは話作りが出来るのではないかと思われる。
(出演者の中にも、元パティシエでもある小林豊、木村祐一も料理にも精通している。)
上述のキャストの他にも、秋山竜次(ロバート)が神様役として出演。
品川祐公式ブログより
→異世界居酒屋のぶ。個性豊かな異世界の登場人物を演じる 豪華メインキャスト15名 ついに発表!
撮影は2019年11月から都内を中心に行われ、12月末にクランクアップ済みである。
因みに、なろうの実写化作品は『君の膵臓をたべたい』『居酒屋ぼったくり』に続き3例目となる。前者については同作と同じく、実写化とアニメ化の両方がされた作品でもある。
youtubeのWOWOW公式アカウントでは、5月8から7月31日の期間限定で第1話が配信されており、本放送より一足先に視聴することが出来る。
また、2022年5月に同じ監督・出演者で第2シリーズ「Season2~魔女と大司教編~」が制作・放送された(出演者の相次ぐ不祥事で放送を危ぶむ声もあったが)。
さらに第3シリーズ「Season3~皇帝とオイリアの王女編~」も続けて製作、2023年1月から放送予定。
🍺制作スタッフ
監督・脚本 | 品川ヒロシ |
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音楽 | YHANAEL |
撮影 | Yohei Tateishi |
美術 | 相馬直樹 |
照明 | 斗舛武史 |
録音 | 渡辺丈彦 |
編集 | 須永弘志 |
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