解説
『仮面ライダー剣』に登場する不死の生命体。
それぞれが動植物の先祖であり、一万年に一度開催されるバトルファイトで自らの眷属の繁栄を賭けて戦った。
最終的に人類の先祖であるヒューマンアンデッドが勝利し、人類が繁栄するに至る。
そして本編より2年前、多くのアンデッドの封印が解除され、現代においてバトルファイトが始まった。
アンデッド(undead)というと一度死んでから蘇ったゾンビのイメージになるかも知れないが、本作では「不老不死の生命体」という意味である。
共通のデザインとしてレザーの装飾品が取り入れられているのが特徴。個体によっては仮面の意匠があったり様々な武器を装備していたり、さながら仮面をつけ、武装した戦士に見えるデザインが特徴。
そのデザインと眷属の繁栄という目的から、アンデッドは各々の種族にとっての仮面ライダーとも呼べるべき存在である。
アンデッドの総数はトランプの枚数に合わせて53体(+劇場版の一体)。
他にも人造アンデッドのティターンやケルベロス、改造実験体トライアルシリーズなどが存在するが、トライアルシリーズはバトルファイトの参戦権がないと見られる。
不死の為、いかなる手段を使っても殺害出来ない。
ただし、重傷を負うと、腰のアンデッドバックルが開く為、この状態でラウズカードを投げると封印出来る。
また、かつてのバトルファイトで敗北した怪人は統制者のモノリスによって封印されていたようだ。
封印されてカードになったアンデッドは武器であるラウザーにスキャンする事で特殊能力を発動する事が出来る。
また、上級アンデッドと括られるカテゴリーJ・Q・Kや特殊な個体であるアルビノジョーカーは人間態を持つ。
不老不死ではあるものの戦いに使うエネルギーを補給するためか食事を摂る事はあり、特に下級アンデッドの中には人間を捕食する個体が多く存在する他、食事の為でなく人間を殺戮する事そのものを楽しんでいるかのような動きを見せる個体も確認できる。
その理由を示しているのかは定かではないが、一部の上級アンデッドは前回のバトルファイトの勝者であるヒューマンアンデッドの眷族たる人間が繁栄している現在の地球の状態に不満を表す言動を発している。
アンデッド共通の不死身という設定は他の怪人と混ぜる際に色々とややこしくなる為か、客演作品では割と無視される傾向にある。その代表格である「ディケイド」でも確かにアンデッドを封印するシーンがあるものの、「世界の破壊者」と称されるディケイド、そして彼と同等の能力を持つディエンド相手では設定そのものが破壊されたと言わんばかりに爆死する。あろう事かディケイド以外のライダーの必殺技を食らってもお陀仏になるシーンも見られる。
アンデッド語とでも言うべき独自の言語を持ち、序盤では相川始が下級アンデッドと戦う際に使用していたが、後に登場する上級アンデッド達は総じて流暢な日本語をマスターしていたため使われることは無かった。
また劇場版では古代語と呼ばれ、カテゴリーAが日本語字幕付きで使用していた他、大学で学んだ志村純一もそれを使用しアンデッドと会話していた。
アンデッド同士は、自らの種族を代表して他のアンデッドと戦い合うという関係柄、敵対関係にあり、本質的な意味で上下関係はない(彼我の戦力差で、他のアンデッドを従えることはある)。
また固有の名前もなく、他のアンデッドを呼ぶときは「(種族名)のアンデッド」「カテゴリー○」と呼んでいる。上級アンデッドには設定上、人間としての名前があるが、あくまで人間社会の中で活動するためのものであり、アンデッド同士でその名を呼び合うことはない。
そのため、人間社会に関係なく活動していた者は、劇中で名前を呼ばれていない。
決して殺害する事が出来ない不死身の存在で、地球上に棲む生物の始祖。
「アンデッド(undead)」というと一度死んでから蘇ったゾンビのようなイメージになるかも知れないが、本作においては「不老不死の怪物」という意味である。英語のニュアンスとしては「イモータル(immortal)」と呼んだ方がしっくりくるが、日本の子供たちにもわかりやすい単語を考えてこうなったのだろう。
唯一倒す方法は大ダメージを与える事によって一時的に行動を停止させ、それを表す「腹部のベルトにあるバックルの開閉(この時に、♠6や♦8といったマークが現れ、そのアンデッドがどのスートのカテゴリーに属しているかを見る事ができる)」を確認してから、ラウズカードを刺して封印する事である(※ただし、設定の異なる『ディケイド』はこの限りではない)。
彼らの目的は、太古の昔から開かれる地球上の支配者の座を賭けて戦う「バトルファイト」で頂点に立つ事にある。
本作において、トランプカードは古代の人間が彼らの存在を元に考案したものであり、スペード・ダイヤ・ハート・クラブの4つのスートに、AからKまでの13の階級、番外のジョーカーという共通項を持つのはその為である。
怪人デザインは一部を除き主に韮沢靖が担当。
ファンの想像で描かれた劇中未登場の下級アンデッド達。
上から
- スタッグビートルアンデッド(ダイヤのカテゴリーA)
- テイピアアンデッド(クラブのカテゴリー10)
- キャメルアンデッド(ハートのカテゴリー9)
- アルマジロアンデッド(ダイヤのカテゴリー2)
- コブラアンデッド(クラブのカテゴリー5)
- ライノセラスアンデッド(クラブのカテゴリー4)
彼らのバトル
他のアンデッドを倒した場合、天空から神が操るモノリスが現れ、敗者となったアンデッドをラウズカードに封印し、最後に残ったアンデッドが優勝者となる。
本来の参加者は52体+ジョーカーの53体で、本編では新たにワイルドスートのAとしてケルベロスアンデッドと、もう一人のジョーカーが追加された。
また、本編とは異なった未来に到達した劇場版『MISSING_ACE』では全てのアンデッドの封印=優勝者の不在というイレギュラーに対して、アルビノジョーカーと呼ばれるもう一体のジョーカーが新たに生み出されている。
現在、確認されている参加者のアンデッドは本編が55名、劇場版が54名。
カードのみで本編、劇場版、ディケイド、HEROSAGA全てに未登場のアンデッドはアルマジロ、フロッグ、ホエール、ファイアフライ、ハンマーヘッド、ホーク、キャメル、ビー、ライノセラス、コブラ、ポーラーベア、スコーピオン、テイピアとランス、ラルクの変身に使われる個体のケルベロスの計15体。
アンデッド一覧
下級・上級の52体のアンデッドの名前はスート・スペード、スート・ハート、スート・ダイヤ、スート・クラブの順に記載。
下級アンデッド
カテゴリーA
仮面ライダーに変身する能力を与える。
マンティスアンデッド/チェンジ・マンティス(カリス)
スタッグビートルアンデッド/チェンジ・スタッグ(ギャレン)
スパイダーアンデッド/チェンジ・スパイダー(レンゲル)
カテゴリー2
各ライダーの基本武器の性能を強化する(ハートのみ、人間への変身能力)。
ヒューマンアンデッド/スピリット・ヒューマン(擬態)
アルマジロアンデッド/バレット・アルマジロ(弾丸)
カテゴリー3
パンチ力を上げる。
ハンマーヘッドアンデッド/チョップ・ヘッド(チョップ)
モールアンデッド/スクリュー・モール(コークスクリューパンチ)
カテゴリー4
戦闘時の移動を補助する。
ボアアンデッド/タックル・ボア(突進)
ドラゴンフライアンデッド/フロート・ドラゴンフライ(浮遊)
ペッカーアンデッド/ラピッド・ペッカー(連射)
ライノセラスアンデッド/ラッシュ・ライノセラス(ラッシュ)
カテゴリー5
キック力を上げる。
ローカストアンデッド/キック・ローカスト(飛び蹴り)
シェルアンデッド/ドリル・シェル(ドリルキック)
コブラアンデッド/バイト・コブラ(シザースキック)
カテゴリー6
いわゆる属性攻撃。
ファイアフライアンデッド/ファイア・フライ(炎)
ポーラーベアアンデッド/ブリザード・ポーラー(氷)
カテゴリー7
金属などの物質に形態変化する。
トリロバイトアンデッド/メタル・トリロバイト(体を鋼のように硬くする)
ジェリーフィッシュアンデッド/ジェル・ジェリーフィッシュ(ゲル化)
カテゴリー8
敵の動きを抑制する。
バッファローアンデッド/マグネット・バッファロー(磁力)
スコーピオンアンデッド/ポイズン・スコーピオン(毒)
カテゴリー9
戦闘の補助を行う。
ジャガーアンデッド/マッハ・ジャガー(加速)
キャメルアンデッド/リカバー・キャメル(回復)
カテゴリー10
特殊能力の使用。
スカラベアンデッド/タイム・スカラベ(時間操作)
センチピードアンデッド/シャッフル・センチピード(他者と手札を入れ替える)
カメレオンアンデッド/シーフ・カメレオン(透明化)
テイピアアンデッド/リモート・テイピア(封印解除)
上級アンデッド
カテゴリーJ
ピーコックアンデッド/フュージョン・ピーコック/伊坂
エレファントアンデッド/フュージョン・エレファント/大地
カテゴリーQ
カプリコーンアンデッド/アブソーブ・カプリコーン/矢沢
オーキッドアンデッド/アブソーブ・オーキッド/吉永みゆき
サーペントアンデッド/アブソーブ・サーペント/あずみ
カテゴリーK
コーカサスビートルアンデッド/エボリューション・コーカサス/キング
パラドキサアンデッド/エボリューション・パラドキサ/鎌田(仮面ライダーディケイドで登場)
タランチュラアンデッド/エボリューション・タランチュラ/嶋昇
ジョーカー
ローチ
改造実験体トライアルシリーズ
人造アンデッド
ケルベロス- ケルベロスⅡ/チェンジ・ケルベロス
ゲームマスター
アンデッドたちを生み出し、彼らのバトルファイトを管理する存在。セリフのみ確認できる。
破壊者(小説に登場)
万能の力
その他
小説に登場
双頭のアンデッド(剣における物語の真のラスボス)
仮面ライダースーパーライブに登場
- アルカナの四騎士(デビルナイト/バードナイト/ライオンナイト/牡牛型のナイト)
1号/V3/ストロンガー/龍騎/ファイズ/カイザ/カテゴリーAの10ライダーを封印し、10のセフィロトに力を満たしてマリアを破壊神として目覚めさせようと目論む4体のアンデッド。
その正体は人類がバトルファイトを審判する立場にあったマリア直属のアンデッドであり、非力で過ちばかり犯す人類がバトルファイトの勝者になった事を認めず、世界をリセットするべく活動を再開した。
それぞれがラウザーのような武器を持っており、封印したライダーのカードをラウズする事で仮面ライダーに変身するなどの能力を行使できる。彼らを封印できるのはそれぞれの小アルカナの象徴であるカテゴリーAのライダーのみである。
しかし、封印したライダーをカリスが解放した為に作戦は失敗したが、往生際の悪いライオンナイトは自害する事で破壊神を復活させた。
- マリア
歌で他者を癒す能力を能力を持つ女性。
過去の記憶を失っており、天才シンガーとして生活していたが、その正体はアルカナの四騎士の主人である破壊神の化身で、メルカバのカードに自らの力を封印して眠っていた。このメルカバのカードはマリアの命と直結しており、破り捨てる事は彼女の消滅を意味する。
ライオンナイトに重傷を負わされたブレイドを治療すると自らを倒させる為に自ら破壊神となった。
没になってしまったアンデッド
- モールドアンデッド
カビの祖たる不死生物。全身のデザイン画は存在していたが、没になってしまった。
コンセプト自体はファントムイマジンに受け継がれる。
- スネークアンデッド
蛇の祖たる不死生物。蛇が辮髪のようになっている。
- カブトガニのアンデッド
カブトガニの祖たる不死生物。正式名が決まる前に没になった。
余談
同じく生物の始祖とされる怪人に仮面ライダーアギトのアンノウンが存在する。
また、前作のオルフェノクとは様々な面で対になっている。
オルフェノク
- 地球上の生物の特質を備えた人類の進化系
- 死んだ人間が変身し、オルフェノクになっても尚『死』が存在する。
アンデッド
- 地球上の生物の祖先
- 死ぬ事が無い。
メインデザイナーの韮沢靖氏によるとアンデッドの体の黒い部分は、過去のバトルファイトでダメージを受けた部位であり、トリロバイトアンデッドの様な古株は特に面積が広いらしい。
関連イラスト
関連項目
仮面ライダー剣 ラウズカード 下級アンデッド 上級アンデッド
アンデッド:その他の用法
ゾディアーツ、ロイミュード、アマゾン(仮面ライダーアマゾンズ):こちらも数が決まっている。