愛さえ知らずに育ったモンスター 叫びはおまえの涙なのか
概要
Pixivのタグとしては『ウルトラマンガイア』における怪獣のイラストか、幼少期から誰からも愛されぬまま育って悪の道に堕ちたキャラクター・人物のイラストに付けるのが妥当だろう。
しかし地球怪獣はともかく、根源的破滅招来体の行動に愛情の有無が関係しているかは怪しいが。
現実・架空における愛さえ知らずに育ったモンスター
非常に嘆かわしい事だが、現実・フィクションを問わず虐待やネグレクト、間違った英才教育等の悲惨な扱いを受けた結果、愛を知らぬまま心が醜く捻じ曲がって育ってしまい、間違った道に進んで法律を貶めたり、犯罪を犯す人間はいつの時代、どんな社会や国でも存在している。価値観や作品によっては無い方が明らかにおかしいと疑ったり、断じる事例も。
その最たる例が殺人鬼であり、彼らの殆どが親族から虐待される等して愛されずに育ってしまった故にと、悲惨な生い立ちをしている。
フィクションにおける愛さえ知らずに育ったモンスター達
以下に列挙するキャラクター達には、どうしようもない外道に堕ちた者もいれば、根っからの悪人ではなく最終的に改心した者もいる。
あ行
人物名 | 生い立ち |
---|---|
《金》のオランピア | 『古代遺物』である天使像・イシュタンティを崇める隠れ里の出身だが、里の子供がイシュタンティの生贄にされ、ついに自身の番となったときにそれに抵抗した両親が里の者に殺され、防衛的に感情が暴走。影響を受けたイシュタンティはオランピアの願いを受け取って、里の者達を皆殺しにした。その後イシュタンティを連れて里を出たが、イシュタンティに感情を段々に吸収されていき、その間各地を放浪。暴行・略奪を迫った男達を殺して回る内に庭園に入り、さらにはカルバード共和国のマフィア・アルマータに出向して殺戮を繰り返していき、感情も無表情に近くなっていった。 |
蒼沼キリハ | 父親に「弱い者は無価値である」と言われ、それ以降、彼は「弱者は無価値」という考えになってしまった。 |
浅倉威 | 小説版では無責任に生み出した母親によってトイレに産み落とされた為に、愛というものを理解できず、自分の周りにある「悪臭」を拭い去るために殺人を続けている。本編では弟と比べられて虐待されており、家族を殺すために家に放火してしまう。 |
アギレラ | 両親をヒーローサイドの人体実験で失い、満足な親の愛を知らずに育った挙句、悪の組織のリーダーになってしまった。 |
朝霧要 | 父親からテストで満点をとれないだけで暴力を振るわれるなどの虐待を受けており、性格が歪んでしまった。ある意味では彼は虐待の被害者でもある。 |
アポカリモン | 進化の過程で消えてしまったデジモンたちの無念の集合体である文字通りのモンスター。愛や友情を求め、自らの力を世界に役立てようとしたかったと語っている。しかし、そのあり方故に、もはや倒さなければならない敵でしかない悲しき存在である。 |
天津垓 | 小学生時代、テストで100点を取っても父は褒めるどころか「1000点を目指せ」と無理難題を押し付け、一問間違えただけで激しく叱責されただけでなく友達の存在まで否定されてしまう。それが原因で誰も信じられなくなり、目的のためなら手段を選ばないワンマン経営者となってしまった。 |
アリオス・オーランド、リーン | どちらも幼い頃、両親をはじめとする周囲から『高い能力を身に着ける事だけに重きを置き、善悪や愛(優しさ、思いやり)といった人として大切なことをないがしろにした英才教育』を受け続けた結果、高い能力を身に着けることには成功したものの、『自分がどんな発言や行動、決断をしても許される』という自己中心的で性根の腐った思考の持ち主になってしまった。そういった理由からサポート要員として貢献していた主人公に恩を仇で返すような酷い仕打ちをして追放した結果、因果応報な末路を辿る事になる。 |
安藤仁一 | 幼少期に病気を患いながらも両親から虐待やネグレクトを受け、町の子供にまで迫害された挙句、他者の大切な物を徹底的に踏み躙ると言う、文字通り心も顔も醜悪な怪物に育ってしまった哀しき悪役。 |
一郎彦 | 赤ん坊の頃、実の親から捨てられてしまい孤児となっていたところから猪王山に引き取られ養子として育てられたがバケモノ界では自分が人間のため住人達から蔑まれたことが多く青年期においては自身と家族とも姿が違うことを知ったことで人間界のみならず同じ人間に対して激しい恨みの念を募らせていた。 |
インドミナス・レックス | 様々な恐竜と現生動物のDNAを組み合わせる形で人為的に誕生したキメラ生物。幼少時に「妹」を食い殺したこと、外界から隔離された環境で育ったこと、生きた他者との交流を十分に図れず生き餌を与えられなかったこと等が要因で「自分以外の存在」と「仲間意識」を知らずに成長。施設から脱走後、多くの生物を虐殺して楽しむ蛮行を働いた。 |
ウォルター・サリバン | あるアパートの『302号室』で望まれぬ生を受け、へその緒が付いたまま両親に捨てられたが、後に教団の孤児院『希望の家』に引き取られ、そこで司祭に神を復活させる儀式『21の秘跡』の『術者』として育成される。その後、聖女派の司祭によって「302号室が母親である」と吹き込まれ『302号室』そのものを母親だと思い込むようになる。時が経つにつれ両親に捨てられた過去や孤児院の監視員による虐待から世の中に対する恐怖や憎しみを抱く様になり、この汚れた世界から母親である『302号室』を救いたいと思うようになりやがて儀式の為なら殺人すら厭わない危険人物へと変貌してしまった。殺人の動機もただ純粋に「母親に会いたい」という思いから来ており、実の両親に愛情を注がれず教団の人間たちに人生を滅茶苦茶にされたという点では、最大の被害者であるとも言える。しかし大勢の人間を殺害した連続殺人鬼である事もまた事実であり、彼の所業が全て許される訳ではない。 |
エヴリン | とある組織によって生物兵器として生み出され、愛とは無縁の長い隔離生活を送っていった末に「自分を愛してくれる家族が欲しい」という歪んだ願望を抱き始める。やがてその願望が暴走し彼女を匿ってくれたベイカー家を感染、洗脳させ彼らを自分の家族にしてしまうという惨劇を引き起こしてしまった。 |
A21(フルメタル・パニック!) | 元々は傭兵の武知征爾が設立した非行少年を更生させるための組織で彼が買い取った無人島で戦闘訓練やサバイバルを行わせていたが潜入してたマスコミが爆発物を勝手にいじったことにより爆発事故が起こりそのことで社会に避難され武知は獄中で自殺してしまう。彼を慕うメンバーたちは社会に対する復讐のため死の商人の支援を受け巨大AS・ベヘモス(フルメタル・パニック!)で破壊活動を行ってしまう…。 |
オルテカ | 高度な数学すら理解出来る程の天才的な頭脳の持ち主ゆえ、幼少期から父親から「化け物」呼ばわりされて日常的に暴力を振るわれる等、幼少期から学校にも家庭にも居場所の無い孤立した人生を送っていた。それ以降、「世界が俺を理解しないのなら、俺が世界を創り変える」と言う野心から悪の組織に入り、宗教の仲間を集めて悪魔の始祖の復活を画策。自身の独り善がりな目的の為、仲間の幹部を利用したり多くの人間を怪物に変えて駒として使い潰すと言う悪逆の限りを尽くした末、世界が自分の物では無かった事を悟りながら、始祖であるギフの最後の生贄として捕食された。劇中で行った悪魔の所業の数々は、まさしく愛を知らずに育った怪物と呼ぶに相応しい。 |
か行
人物名 | 生い立ち |
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海馬瀬人 | 両親を亡くして施設で育つ中で、弟と共に剛三郎に養子として引き取られるが虐待じみた英才教育を受けた影響で卑劣なやり方はおろか他者を自殺に追いやってまでレアカードを欲するような危険人物と化した。だが後の宿敵及びライバルとなる主人公に敗北して罰ゲームを受けたことで一度は廃人になるも、再起して気高きデュエリストとして生まれ変わった。 |
カリス・ノウマン | 女性を嗜虐の対象と見なしている卑劣漢で幼少時代に母親からの虐待を受けており、それがきっかけで女性に対してあのような態度を取るようになった。最終的に女体化させられて暴漢にやられる末路を辿った |
神崎士郎 | ネグレクトにより妹を失い、自分たちを守ってくれる存在としてミラーモンスターを、妹を蘇らせるための手段としてライダーシステムを生み出し、ライダーバトルを開催した。これにより無関係の人々がミラーモンスターに捕食されるなど多くの人間の運命を捻じ曲げた。 |
希望の戦士 | メンバーは親から何らかの虐待を受けた事が原因で大人を信じられなくなった者達である。 |
妓夫太郎、堕姫 | 2人揃って毒親や周囲の人間から虐げられ、愛を知らず育った挙句に鬼となってしまった悲劇の兄妹。 |
くらら | 魔法少女の運命に振り回された結果、撲滅という過激な行動を引き起こした悪女。経緯を見れば彼女もまた被害者ではあるが、魔法少女達が抱える苦しみを理解しようともせず、救いを求める彼女達を「クズ」と愚弄したり、過酷な運命を背負ってまで自分の命を救ってくれた相方に感謝するどころか逆に「身勝手」だと一方的になじるなど、その性格は外道極まりない。 |
グルメッポーイ | 裕福な家庭でありながら、子供の頃から食事の作法等から厳しく育てられ、ソースの健が作る焼きそばを見て、感銘を受けるも父親が「汚らわしいもの」と呼び捨てた事により、その焼きそばを食べる事は叶わなかったことがきっかけでB級グルメ壊滅を企むきっかけになる。 |
紅晴結菜 | とある悪の組織の横暴によって餌を失い、仲間同士で殺し合いをさせられた魔法少女。その原因が主人公達が住む街にあると知って憎悪に駆られ、報復のために戦争を巻き起こした。最終的には和解したものの、主人公達からすれば彼女の憎悪は明らかに「逆恨み」であり、その結果3人の尊い命が失われただけでなく、本来なら争いを好まない仲間に人殺しの罪を背負わせ、更には主人公の仲間達にも亀裂を生ませるなどして、大きな傷跡を残した。 |
郡千景 | 問題ある性格の父と不倫した母の両方が自分の引き取りを拒んで離婚しないほど家庭環境が冷え切っていた上、それが原因で周囲からも陰湿ないじめを受けて孤立した結果、承認欲求(=愛される事)に飢えるようになった勇者。それがさまざまな不幸が重なった末に爆発し、敵との戦いを無視してまで疎んでいた仲間を手にかけようとするという、勇者としてあるまじき行為に走ってしまう。 |
さ行
人物名 | 生い立ち |
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ザムザ | 父親に道具として利用されたが、ゴミ呼ばわりされ、息子が亡くなって以降、父が悲しむこともせず喜んでしまった。 |
潮田広海 | 両親に勉強ばかり強制され、髪型も短髪しか許されないなどまさに虐待同然の管理教育に晒された結果正しい家族の在り方や家族愛を知らずに育つ。それが理由で息子にかつて自身が成し遂げられなかった夢を叶えさせるため進路や容姿を押し付け、反発しようものなら怒り狂い、暴力を振るう等虐待を行うという自身も両親と同類の毒親になるという負の道筋を辿ってしまう。 |
更紗帆奈 | 親から暴力を受け、更にはクラスメイトからも陰険な虐めを受けたために、全てを憎む悪女となり果てた魔法少女。クルーゼと同様、何もかも滅茶苦茶にするために暗示の魔法を使って、ある時は華道の名門を潰したり、大切なお店を燃やしたり、覚えのない免罪をかけて周囲の者から疑惑を向けさせたり、更には魔女を操って何の罪もない少女を殺害するなどの悪行の限りを尽くし、最終的には被害者達を散々フルボッコにして自害するという、勝ち逃げ同然の後味の悪さを残した。 |
紫乃宮天音 | 幼い頃から、強力な幸運を引き寄せる能力で子供や教師達の間で疎んじられ、何をしても能力のおかげと邪推されていた。母だけは愛してくれていると思っていたが、その母も能力目当てで愛していたのを思い知らされ、引き取った父も同様であった。これにより、内面が酷く歪んで嗜虐的になってしまう。 |
志磨珠義 | 幼少期の頃から虐待を受け、彼はそれ以降、冷酷な性格に歪んでしまい、息子と娘達に人間扱いしなくなる。 |
ゼオン・ベル | 3歳という幼い頃から遊びに行くことも許されず、魔界の王となるための王族の厳しい英才教育を強制的に受け続ける日々を送る。そして『自分には生き別れになった双子の弟』がいること偶然知り、父である王にその事を問いただすもはぐらかされた挙句、雷による折檻を受ける。そしてそれから3年後に開かれた『魔界の王を決める戦い』に参加する100人の中に自分と同じくその弟が候補として選ばれたことを知ると、『(父から継承された最強の魔法を除いて)大した取り柄もなく安穏と暮らしてきた弟が辛く苦しい訓練を受け続けた自分と同等の扱いをされる』という事で弟を憎悪するようになってしまった。だが、本編終盤直前に事の真相を知り弟との激戦の果てに敗れると自らの過ちを詫びて和解した。ちなみにアニメ版では和解していない |
瀬奈みこと | 更紗帆奈と同様、家族や周囲の環境に恵まれず、世界そのものを憎んだ魔法少女。自身の死後も次々と宿主を変えて寄生しては悪事を働き、最終的には「希望」や「救済」そのものを否定し続けながら世界の滅亡を目論むんだ。しかも主人公はそんな彼女から「救われるのなら、その奇跡を見せてみろ」というワガママを叶えるために仲間と別れる事になり、その仲間達から一方的にバッシングされるという何とも腑に落ちない扱いを受ける羽目になってしまった。 |
た行
人物名 | 生い立ち |
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高杉晋助 | 武家の出身だが、同世代の大半や家族とも険悪な関係で、幼少期に唯一、心を開いた大人を定々に処刑されてからは幕府の殲滅を目論む鬼兵隊の首領となった。 |
デシル・ガレット | とある魔王によって僅か7歳という歳で戦争の道具として叩き込まれ、人の命を玩具同然に弄ぶ子どもとなってしまった魔少年。その結果、主人公の恋人を目の前で殺害し、彼の怒りを買った。その後も戦争中に身勝手極まりない行動を度々起こしては敵味方双方に迷惑をかけ、戦争の長期化の一因を作ってしまった。なお、デシルに恋人を殺された主人公は皮肉にも、自分の息子や孫を復讐の為に戦争の道具として駆り出すなど、デシルと同じ過ちを犯してしまっている。 |
藤堂武史 | グルメッポーイやポーキーと同様、裕福な家に生まれながら、両親に恵まれなかったせいで悪の道に進んだと言う共通点がある。 |
ドクター・ギバ | 偶然の突然変異で産まれたバイオモンスター。自分を生み出してしまった科学者や施設は、彼を一つの生命としての権利も与えず、殺処分することもなく無責任に放置されたことで、生命や文化に価値を抱くことが出来なくなり、犯罪組織バイオロンを作り上げてしまった。 |
は行
人物名 | 生い立ち |
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ハムスターを殺した不良学生 | 全員親から完全に見放されており、学校荒らしを繰り返していた息子達が幼稚園に侵入してハムスターを惨殺した事件も「息子にはあまり関心持たない事にしてるから」と警察からの協力も頑なに拒否していた。また、学校側も彼らのことを見放していたため、警察には頑として協力しようとしなかった。 |
林蘭丸 | 貧困だった家庭に加え、売春婦だった母親の虐待を受けながら育ち、一家心中で自分以外の家族が死亡という悲惨な少年時代が原因で自分を虐げていた親と大差無い人物に成り果ててしまった。 |
東山浩太 | 大企業東山グループ会長の妾の子。母の愛人解任後は嘲笑といじめの狙い撃ちにされ、母からも自身の失ったアイデンティティーを求められ、愛に飢えた空っぽな人間になってしまう。父の後継者に指名された途端にいじめの主犯格の山田アキは『浩太が得る富と名声』目当てで愛人候補になり、母性を求めた幾島実憂も同候補で想い人の斑鳩渚の父との実家を巡る不倫兼スパイ疑惑で見せかけの愛に騙されたと絶望し、渚からも独占欲を向けられる。これらは『誰も自分を本当に愛してくれない』と愛に飢えた浩太の心を崩壊させ、『打算だけ』の愛人候補と退廃的な肉体関係を結ばせる。しかし、周囲の手心で復帰した実憂は元々の善良さから愛に飢えた浩太を本当に愛して任務を放棄、純潔を捧げて不倫疑惑も解消。初めて本当に愛してくれて、愛し合える女性を得た。が、長年のトラウマによる支配欲と復讐心は実憂にさえ向けている。 |
ビブリー | 親から愛されずに孤独に生きて来た結果、闇の化身にその心の隙間を付け入られて100年にも亘ってその手下として悪事を働く事となってしまった。こちらは後にヒーローサイドによって呪縛から解放されている。 |
フリット・アスノ | ガンダム史上、最も過酷な人生を歩んだ主人公。敵によって家族や恩人、そして恋人を次々と殺された恨みや、「救世主」という重圧にとらわれ過ぎた結果、ただ敵を殲滅する事だけしか考えず、更には自分の息子や孫を悉く復讐の道具として駆り出すなど、主人公とは思えぬ非情の限りを尽くした。しかも最期はあれだけ敵の殲滅を貫いてきたにもかかわらず、愛人の亡霊の言葉だけであっさりと手の平を返し、子供達を戦争に巻き込んだ責任すら取らないという身勝手ぶりである。もっとも、小説版では「最期の言動」は改善され、「相応の責任」を果たしている。 |
ポーキー・ミンチ | 藤堂武史やグルメッポーイと同じく、裕福な家庭ではあったが親の愛に恵まれずに育った為に歪み切った性格へと変貌した。 |
マクギリス・ファリド | 戦災孤児でイズナリオに引き取られるが、彼から虐待を受け、人間性が屈折し革命を画策。本人にとっては『組織の腐敗を正す』つもりだが多くの仲間を犠牲を革命を起こすも失敗しており、結果、彼の仲間はほぼ無駄死にと化し、最終的には自身も滅んだ。 |
ま行
人物名 | 生い立ち |
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マティ | ペット目的で日本に輸入されたが、欠陥品扱いされて捨てられてしまう。ペット目的で輸入されたはずなのに誰からも必要とされず、その怒りを人間ではなくカブトムシにぶつけ、そのカブトムシに倒された後は復讐の矛先はカブトムシに向けられる事となり、自然には存在しない生物(実際に「自然には存在しない怪物になった」と言われる。)になってしまう。最初は生存しか考えていなかった(実際に「俺たちヨソモノが生き残るには在来種を押しのけるしかない」と言っていた)が、最後に生存本能すらなくなってしまったのである。 |
モードレッド | 野心に燃えるモルガンによって駒として作られた。アーサー王の息子である事を誇りに思っていたが、不義の息子である為に認知すらして貰えず、王位継承権もない事を知り、国を滅ぼす原因となった。しかしながらアーサー王そのものは父としても尊敬しており、ある種のファザコンと呼べる状態になっている。 |
ら行
人物名 | 生い立ち |
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ラウ・ル・クルーゼ | 人間の悪意とエゴの究極と言うべき存在。息子が気に入らないアル・ダ・フラガが後継者として作らせたクローンがラウ。が、テロメアが短い=オリジナルの残りと同じ程度の寿命しかないラウはすぐに捨てられてしまった。経緯は不明だが、自分が出来損ないのクローンであることに絶望したラウはオリジナルを焼き殺すが、それだけでは飽き足らず安直な発想で自分のような者を作れる世界惹いては人類全てに裁きを下そうとする。オリジナルの身勝手で作られたかと思えば、失敗作だったために捨てるという人間の悪意とエゴの極みをまともに受けた上に後継者という名の道具でしかなかったラウはそれ以外の用途など求められなかった。それ故に、愛などの概念は知っていても理解できず、存在が醜悪な欲望そのものでそればかりを見て生きてきたラウの憎悪は極めて正当且つ、真っ当な憎悪と復讐心はある種の正しささえ醸し出していた。それ故、遺伝子上の息子のムウ・ラ・フラガと同じく悪意の究極でありながら普通の子供として育ったキラ・ヤマトも否定することができなかった。 |
ロベルト・ハイドン | いくつかの里親や施設を転々とし、人外故に人並み外れた能力によって周囲からは恐れられて、迫害を受けていた。 欲を出して盗みをした友人に責任転嫁を受け、泥棒扱いされて、院長にも恐れられて見捨てられた。一応、父親には心を許していたが、彼は黒幕に身体乗っ取られており、ロベルトに人間への憎悪を植え付けるために迫害されるように仕込んでいた。 |
劇中(作中)ではまさしく邪悪な怪物の如く、同情の余地のない悪逆の限りを尽くすこれ等のキャラクターだが、上記の安藤仁一がそうだった様に、彼らはきっと自分では気づいていないだけで、心の何処かでは愛を求めていたのかも知れない。
最後に
言うまでもないが本項目に自らの意思で他者に害を為す存在を擁護する意図が無い事は留意されたし。親や何等かのせいにすれば何でも許される、なんてのはフィクションだけ(フィクションですら許されない事も多いが)である。
上記のキャラクターや現実の犯罪者達の所業で決して癒えぬ傷を負った被害者達がいる事も、どうか忘れないで欲しい。
後述のポップや善吉のセリフの通り、「家族や親族に酷い目に遭わされたから悪事や凶行に手を染めても良い」「自分は愛を知らずに育ったから何をしても許される」なんて理屈がまかり通るわけがないのは当然である。
自分が不幸だからと言って他者を不幸にしていい道理はどんな世界にも無いのである
一旦行動を止めて振り返り、自分の愚かさや過ちに気付いて反省していく事が絶対に必要なのだ。
それでも自分の不幸を他人のせいにするならば、もはや恥を捨てた行動をとるか、愛を求めるかしかないのである。
だが、それでも教育や生い立ちによる影響は無視できないものがあるのも、被害者救済の壁となっているのもまた事実なのだが。
関連タグ
卑劣漢(悪漢)、悪女 、美形悪役 :愛さえ知らずに育った者が備える場合のある特徴。
哀しき悪役、吐き気を催す邪悪、サイコパス、井上キャラ:愛を知らず育ち、魂が醜く歪み切った者達の末路。
愛などいらぬ!、ああ、心に愛がなければ…:愛の是非を問う言葉達。
毒親(毒母、毒父):自分の子供を『愛さえ知らずに育ったモンスター』にしてしまう諸悪の根源もとい元凶の元凶とも言える存在。
愛を知らない哀しい暴魔:別作品の類義語。
毒親の被害者:こちらは作品を問わず用いられる類義語。
関連キャラクター・人物
シャア・アズナブル:モンスターとは呼べないが、愛…とくに母のものに飢えていた乾きは成人してから、そして母を求めた女性の死からずっと引きずることとなる。
ルルーシュ・ランペルージ:一部の姉弟達と基本良好な仲だったが、皇室では庶民の母を持つ事を皇妃達に疎んじられていた。母の暗殺とそれに伴う暗殺に怯え、その母からの愛も上っ面に過ぎなかったため、愛することは知っていても愛されることは知らない(より正確には数人の女性から愛されていたが気付かないまた気付いたときには失うか、突き放していたが主)。
ポップ:主人公の相棒とも言えるキャラクターで、「いくら酷い目に遭ったからって悪いことをしていいわけがねえ……!」「悪いことはやっぱり悪いんだよ!!」と本記事で記述されている『愛さえ知らずに育ったモンスター』達の悪事を真っ向から否定するセリフを言っている。ちなみにポップ自身の家庭環境は良好(両親が健在で、愛情を受けて育ってきた)である。
長谷川善吉:こちらも「どんな過去があろうと、何をしてもいいってことにはならねえ」と本記事で記述されている『愛さえ知らずに育ったモンスター』達の悪事を真っ向から否定するセリフを言っている。
ヴァイオレット・エヴァーガーデン:かつての彼女も「愛さえ知らずに育ったモンスター」という言葉が相応しい、無慈悲に命を奪う少女兵であった。しかし「愛を教えてくれた者」に出会って以降、次第に「人間らしい心」を育み、理解し、多くの人々の心を救う自動手記人形となる。上記のキャラ達も、ヴァイオレットのように「愛を教えてくれた者」に出会っていれば、その後の運命も大きく変わっていたかもしれない・・・。