聖闘士星矢Ω
せいんとせいやおめが
概要
TVシリーズとしては23年ぶりとなる完全新作オリジナル作品であり、2012年4月より開始、2014年3月いっぱいまでオンエアされた。
主人公はペガサス星矢に替えて新たな青銅聖闘士・光牙(こうが)が登場するが、
旧作の十数年後くらいの設定らしく、旧作メインキャラの実子が1人登場する。
また、随所の回想シーンにアニメ版デザインの聖衣が登場したり、アニメオリジナルのキャラクターが登場するなど、原作ではなくアニメ版星矢(所謂無印)の続編であるということがうかがえる。
日曜日の朝6:30〜からという時間帯上や時代的な自主規制の変化などからバイオレンス描写などは旧作より直接的な表現は控えられているものの、1期2期それぞれに実験的な要素も様々に取り入れられた。(初代アニメ版と同じゴールデンタイムに編成されたとしても、特番休止多発でマトモに放送されなかった可能性もあり、昨今のTVアニメ事情を痛感)
内容はアニメオリジナルであるが、原作者の車田正美もある程度のネタ提供や要望はしており、そのうち公式に判明しているのは「女性レギュラーキャラの導入」である。
設定
旧作から多くの変更点が取り入れられている。
・聖衣は聖衣石(クロストーン)と呼ばれる宝石状のアイテムから召還する(2期ではこの設定を踏まえた上で旧作と同じように変更されている)。各聖闘士に「光」「闇」「水」「風」「火」「土」「雷」などの7属性のうちいずれかが存在する。詳細は聖衣石の項目を参照の事。
・若手聖闘士の養成学校、パライストラが存在する。
・旧作のメインキャラが戦闘不能となり、聖闘士の組織が本編開始の数年前から既に敵に乗っ取られているという状況下となっており、そのため白銀聖闘士や黄金聖闘士は大半以上が敵として登場する(但し黄金聖闘士には後に味方になった者もいる)。
・本作が旧作から何年後かの設定は不明確であるが、旧作ハーデス編の十数年後以上経過した時間であり、そのため旧作の黄金聖闘士達は全員既に死亡した後である。旧作レギュラーの子である龍峰の年齢が13歳である(大規模戦中に中国に帰って子作りはしないだろう…)ことから、最低でも14年は経過していることになる。
・小宇宙の新たな境地として、「オメガ」と呼ばれるものが設定されている。この境地に達した聖闘士の例はないと明言されており、エイトセンシズともまた異なるものであることが伺える。
なお、これらの実験的な設定が取り入れられた理由は、当初無印に近い初期案を原作者に持って行った所「もっと自由にやっていい」という表現で却下されたのも理由の1つであることも主要スタッフの公式発言で明らかになっている。
第一期
2012年4月よりスタートし翌年3月までの展開(通称:一期)はキャラクターデザイン及び総作画監督が馬越嘉彦、SDが畑野森生、メインライターが吉田玲子、プロデューサーが若林豪の布陣。
ストーリー
神話の時代から現代まで地上に邪悪が迫る時、必ず現れるという希望の闘士、聖闘士(セイント)。彼等は聖衣(クロス)と呼ばれる武具を纏い、地上を司る女神アテナを守り戦った。
中でも最下級の青銅聖闘士でありながら幾度となくアテナを救ったペガサスの聖闘士、星矢、そして彼と友情を分かち合った仲間達の闘いは伝説として語り継がれた。
時は流れ、かつて星矢によって封印された闘いの神にして火星の守護者、マルスの復活が迫っていた。
一方、星矢によって命を救われた少年、光牙はアテナこと城戸沙織によって育てられ、来る危機に備え聖闘士となる為の修行の日々を送っていた…自らの宿命を知らぬ光牙が己に秘められた力、小宇宙(コスモ)に目覚める時、新たなる聖闘士の伝説が幕を開ける!
第二期
2013年4月より、メインスタッフなどを一新し、『新生聖衣(ニュークロス)編』が開始される。
こちらのキャラクターデザインは市川慶一となり、一期の基本デザインや設定を踏まえつつ二期独自の聖衣のデザインや設定も新たに起こされている。SDは長峯達也に途中から暮田公平が加わり2人体制、メインライターは成田良美、東映側のプロデューサーは1期から続投の若林に加えて梅澤淳稔が加わり2人体制となった。キャスト及び音楽担当の佐橋俊彦は両期ともの登板となっている。2期3クールからは『Ω覚醒編』と称される。
追加設定
一期の特徴である聖衣石を一部廃止、そして聖衣箱及び星座をモチーフとしたオブジェ形態の聖衣の復活、聖衣も原作のような金属・鎧の印象が強まっており、聖域・十二宮は無事に復活、その他随所に原点回帰的なテコ入れが見て取れる。
更に旧アニメの黒歴史扱いを受けがちな鋼鉄聖闘士の起用(これについては、旧作で鋼鉄聖闘士の扱いがおざなりに終わってしまったことへのアニメ制作サイドの拘りが伺える部分がある)などまたも斜め上の予測がつかない展開も。
なお一期終了の時点で未登場のフェニックス一輝も中盤より登場、及び魔傷が消えた青銅一軍や一期で生存し味方となった黄金聖闘士達の出番も増えている。
ストーリー
女神アテナこと城戸沙織は、連日の不吉な予知夢に胸を痛めていた。
その夢とは…ペガサスの青銅聖闘士・光牙や射手座の黄金聖闘士・星矢ら聖闘士たちと、彼らの抹殺を目論む者たちの戦いの様子だった!
また新たな戦いが始まる――そう確信したアテナは、星矢を敵のもとへ派遣。
しかし、星矢が目の当たりにした敵とは一人の少女…その少女の正体こそ、女神パラス!
アテナの抹殺を目的とする新たな強敵だった…。
そのころ、光牙は、闘志むき出しの少年・昴から不意の攻撃を受ける。
そんな光牙に、パラスの戦士であるパラサイトからの攻撃までもが襲い掛かり…!
アテナが恐れていた新たなる戦いの幕開け――光牙たち聖闘士とアテナの運命や、いかに…!?
登場人物
パラス軍(サターン軍)
パライストラ関係者
主題歌
「ペガサス幻想」
言わずと知れた元祖聖闘士星矢OPアレンジバージョン。MAKE-UP feat.中川翔子が担当。中川翔子は女神アテナの声優も担当している。
「新星Ω神話(ネクストジェネレーション)」
10月14日からスタートした黄金十二宮編のOP。歌は√5が担当。
「未来聖闘士Ω~セイントエボリューション~」
2期のオープニングテーマ。歌は流田Projectが担当。
「閃光ストリングス」
11月3日からスタートしたΩ覚醒編からのOP。歌は本作のファンを
公言するCyntiaが担当。彼女らが詩を番組制作サイドに送ったことで、急遽採用が決定したとの逸話あり。
ゲーム
2012年11月29日に、PSP3用ゲーム「アルティメットコスモ」がリリースされた。
基本設定は星矢のΩに沿ったものだが、ポセイドン(ジュリアン・ソロ)とソレントが新たにデザインされて登場するオリジナルストーリーのアクションゲーム。
関連動画
余談
- 同時期に同じニチアサで放映されていた、スマイルプリキュア(さらに強化フォームがペガサスでその強化技にフェニックスの力を使う)も「属性」の概念を使った作品であり、また同年9月からは、同じく属性の概念を使った作品仮面ライダーウィザードがオンエアされ、東映作品の属性ネタ連発となっている。
- プリキュアシリーズの制作スタッフが一期キャラデザの馬越の他にプロデューサーの若林豪・佐橋俊彦、二期SDの長峯達也など多数加わっており、そのためpixivでは発表当初からちらほらプリキュアを絡ませたネタ作品が登場している。また、男性版プリキュアとも呼ばれている。
- Ω製作開始を受け初代星矢役の古谷徹が関係者に頭を下げ再起用が実現。キャストテロップが
声の出演 星矢 古谷徹(特別出演)
となっているのはその為であり、古谷自身本作の製作にかなり関与している模様。
- 本作ではハービンジャーにジュドー・アーシタ役の矢尾一樹が、前期ではカミーユ・ビダン役だった飛田展男がアプスの声を担当しており、アムロ、カミーユ、ジュドーの昭和ガンダムシリーズの主役が一堂に共演した事になる。
- 更に、光牙にヒイロ・ユイ役の緑川光が、玄武にシロー・アマダ役の檜山修之が、フドウにドモン・カッシュ役の関智一がそれぞれ起用され、平成ガンダムシリーズの主役声優も共演しているだけでなく、三代目キグナス氷河役(初代は無印、二代目はOVA冥王ハーデス編後半)に宮野真守が起用され、古谷と00二期前半には矢尾が出演していた事からガンダム00に出演していた声優も再び集まった。
- また、ある意味本作は種運命の問題点だった「当代主人公と先代主人公との共演」を改善しており、出しゃばり過ぎてキラ・ヤマトに喰われたシン・アスカに対し、光牙達は最後まで主役を通し、星矢が光牙を喰わない程度に、半ば脇役に徹してした。
- 旧作では割を喰ったシャイナを始め、ライオット、ウルフ(特に先代ライオット蛮は影が薄かった)と先代が不運だった青銅聖闘士がレギュラー格上げの上優遇され、旧作を知っているファンは非常に歓喜したに違いない。