概要
『サン・ムーン』『ウルトラサン・ウルトラムーン』をベースにしたポケモンアニメ第6シリーズの略称。
舞台はアローラ地方。
『XY&Z』編の放送終了後、放送されていたシリーズ。
2016年11月17日(木)から2019年11日3日まで。全146話。
初回と第二回が1時間スペシャルであり、1~2話、3~4話と2話ずつ放送された。
18年10月の番組改編に伴い『BORUTO』と共に日曜午後5時半、6時台に移動改編され『笑点』および『ちびまる子ちゃん』の裏対抗番になる。ポケモンショック以降20年以上不動だった初のゴールデン移動だが、これは子供の環境の変化に伴い家族でTVを見る機会を増やすためだという。
本作ではサトシがスクールライフを送る学園もの仕立てとなっており、従来のシリーズと異なり町から町へ、海へ山へと旅をしない。
要所ではゲーム本編に登場した施設やアイテム、台詞が飛び出している。
本シリーズでは、サトシは先生でもあるククイ博士の家に下宿しており、そこから通うポケモンスクールで物語が展開される。一部を除き、建物の配置図はゲームに準じている。
前作ではゲーム版の女主人公をモデルとしたセレナが登場したが、本作は『ベストウイッシュ』と同様にゲーム版の女主人公をモデルにしたキャラクターは登場しない。
クラスメートとしてゲーム版におけるキャプテンが登場するが、ゲーム版と異なりキャプテンとしての役職には就いていない。本作においては試練を取り仕切るのは島キング・島クイーンの役目となっているため、キャプテンという役職そのものが存在しないと思われる。
メインキャラクターは過去最多の人数であり、中でもヒロインが3人もいる。
このうちサトシ含むクラスメート6人がアローラスクール組として分類されている。
歴代シリーズの中でもギャグや日常描写に振り切っており、明るい印象も強いが、ストーリーが進むにつれて家族の絆や(直接的な描写は無いが)ポケモンの死の描写等これまでのアニポケでは見られなかったタイプのシリアスなストーリーも観られるようになった(ポケモンの死の描写自体は水の都の護神 ラティアスとラティオスやミュウと波導の勇者 ルカリオでもあったが、TVシリーズで描かれたのは今作が初)。
今作では主要スタッフ陣に大きな変更があり、監督が前作『XY』の矢嶋哲生氏から冨安大貴氏に、シリーズ構成が『DP』~『XY&Z』を務めた冨岡淳広氏から松井亜弥氏になっている。また、ゲスト声優に『ポケモンの家くる?』のレギュラーメンバーが出演する。
3話よりdボタンを介したデータ放送が開始され、そのサービスであるポケゲージを貯めると、ポケモンSM及びUSUMで連動可能なQRコードが表示される。
ポイントに関しては通常よりも10p多い20pである。アイキャッチの四分割シルエットで9割予測できる訳ではないが、例え的中して姿は同じでも性別は異なる場合がある(例外は27話のルガルガン(まよなかのすがた)と28話のカビゴンだったが、39話以降は挿話の中心ポケモンに改められた)。 ポケモンはゲージの蓄積表示中でも閲覧可能。
プレゼント応募用のゲーム『ポケもんだい』も3話から行われている。こちらはメインメンバーだけでなく、ロトム、ジョーイ、ハラ、バーネット博士(ムコニャ含む)も適用されており、各話に因んだものが出題される。
放送開始冒頭に問題を出題、本編終了後のCパートに答えの発表とその後のちょっとした後日談が入る。その為、映画情報やプレゼントがある時期では他のシリーズと同じ様にポケもんだいは休止となる為、話のオチが無くなる事がある(ニャビーVSアローラペルシアン回やスナバァ回など) 。劇場版でも扱うが、ゲージ速度は途中小休止もあって遅い。96話は何故かdボタンで出題が出されていない。
尚、休止になるのは地上波本放送のみであり、休止になったポケもんだいは一部の動画配信で見る事が出来る。
問題とプレゼントは145話で終了。
イオンでは6/17~ポケモンフェア2017として、マオのアママイコ、カキのバクガメス、リーリエのシロンを週がわりでサン・ムーンへ配布する。
店頭でのソフトの購入か、ゲーム画面を見せるかでコード付きのチラシを配布するが、数量も限定で配布期間と有効期限も各々異なる。
2017年11月9日でシリーズ通算1000回を迎えた。
そして、2019年9月1日放送回において、令和初にして次回作であるアニポケ新シリーズ「ポケットモンスター」が放送決定と発表され、9月29日より詳細が随時公開。本作は11月3日放送回をもって全146話で完結。
本作は『ダイヤモンド&パール』以来、全話が無事予定通りに放送されたシリーズとなった。また、同一シリーズ中にタイトルを変更しなかったのも同作以来となる。
『サン&ムーン』としての劇場版は制作されていない。というのも、本作はテレビシリーズが20周年を迎える時期に放送されていたのだが、劇場版ではこれを機に原点回帰を図る事になり、無印編のリメイクや無印編ベースのオリジナルストーリーとして制作されたからである。
あらすじ
バリヤードのバリちゃんが商店街の福引きで特賞を当てて、サトシはピカチュウ、ハナコ、バリちゃんと自然豊かなアローラ地方に旅行へ出掛けていた。
観光を楽しむ中でサトシは新しいポケモンや他の地方と違う独自の文化や姿を持つポケモン達に出会っていく。
オーキド博士からのおつかいで博士の親戚であるナリヤ・オーキドにポケモンの卵を届けたことがきっかけで、ナリヤが校長を務めるポケモンスクールの存在を知る。
やがてカプ・コケコとの出会いやZワザの存在を知ったこともあり、ポケモンスクールへ通うことを決意するのだった。
登場人物
主人公&メインキャラ
(アローラスクール組も参照。)
- サトシ(CV:松本梨香)
- ピカチュウ(CV:大谷育江)
- ロトム図鑑(CV:浪川大輔)
- リーリエ(CV:真堂圭)
- カキ(CV:石川界人)
- マオ(CV:上田麗奈)
- スイレン(CV:菊地瞳)
- マーマネ(CV:武隈史子)
- ククイ博士/ロイヤルマスク(CV:中川慶一)
- ナリヤ・オーキド(CV:石塚運昇→堀内賢雄)
ロケット団
上層部
しまキング・しまクイーン
スカル団
エーテル財団
ゲーム共通キャラ
- グラジオ(CV:岡本信彦)
- バーネット博士(CV:國立幸)
- イリマ(CV:千葉雄大)
- アセロラ(CV:諸星すみれ)
- マーレイン(CV:桑野晃輔)
- マツリカ(CV:戸松遥)
- ハウ(CV:福山潤)
- カヒリ(CV:優希知冴)
- リュウキ(CV:古島清孝)
メインキャラの関係者(アニメオリジナルキャラ含む)
(アローラゲストも参照。)
サトシの関係者
カキの家族
マオの家族
スイレンの家族
マーマネの家族
- マーマネの父(CV:うえだゆうじ)
- マーマネの母(CV:?)
その他
主な登場ポケモン
サトシのポケモン
- イワンコ→ルガルガン(たそがれのすがた)(CV:林原めぐみ→中川慶一)
- ニャビー→ニャヒート→ガオガエン(CV:西村ちなみ→?)
- モクロー(CV:林原めぐみ)
- ベベノム→アーゴヨン(CV:愛河里花子)
- メルタン→メルメタル(CV:三宅健太)
リーリエのポケモン
カキのポケモン
マオのポケモン
スイレンのポケモン
マーマネのポケモン
ロケット団側のポケモン
ポケモンセンターのポケモン
ジュンサーのポケモン
- デカグース(CV:石川界人)
カプ神
グラジオのポケモン
ハウのポケモン
その他
ライドポケモン
- ラプラス
- サメハダー
- ケンタロス
- リザードン
- ムーランド
- バンバドロ
- ホエルコ(アニメオリジナル)
- ペリッパー(アニメオリジナル)
- ジバコイル(アニメオリジナル)
- ガブリアス(アニメオリジナル)
- ハクリュー(アニメオリジナル)
- チルタリス(アニメオリジナル)
- メタング(アニメオリジナル)
- フライゴン(アニメオリジナル)
- オンバーン(アニメオリジナル)
ゲスト
詳しくはアローラゲスト参照。
主題歌
OPテーマ
1.『アローラ!!』 (1~29、44~59)
歌:サトシWithピカチュウ
2.『めざせポケモンマスター-20th Anniversary-』 (30~43)
歌:松本梨香
3.『未来コネクション』(61~90)
歌:ЯeaL
4.『キミの冒険』(91~145)
歌:岡崎体育
EDテーマ
1.『ポーズ(サン&ムーン)』 (1~ )
2.『ジャリボーイ・ジャリガール』(61~81 86~102)
歌:岡崎体育
3.『ブレス』 (82~86)
4.『心のノート』 (103~128)
歌:日野市七生緑小学校合唱団
5.『タイプ:ワイルド』(129~146)
歌:中川翔子
スタッフ
原案:田尻智、増田純一、杉林建
スーパーバイザー:石原恒和
企画:宮原俊雄、岡本順哉
アソシエイトプロデューサー:折方崇志
アニメーションコーディネイター、ポケもんだい出題者:吉川兆二
総監督:湯山邦彦
監督:冨安大貴
シリーズ構成:松井亜弥
キャラクターデザイン:中野悟史、安田周平
美術監督:武藤正敏
色彩設計:吉野記通
音楽:宮崎慎二
音響監督:三間雅文
音楽プロデューサー:佐野弘明
音楽協力:テレビ東京ミュージック
協力:ジェイアール東日本企画
アニメーションプロデューサー:加藤浩幸
アニメーション製作:OLM
プロデューサー:松山進(テレビ東京) 田中茂裕 村椿拓郎
製作:テレビ東京 MEDIANET Shopro
余談
変更点・継続点について
上記の概要にある通り、新シリーズに伴ってスタッフ陣も大幅に刷新され、再びキャラクターデザインおよび全体的なカラーリングの趣向が大幅に変更された。
普遍的な色調や人物はゲームフリークやオリジンに近いが、オリジンのスタッフも参加している影響だろうか。
人物とポケモンの作画がこれまでとは大きく変わり、特にサトシ、ムコニャのデザインの変化はこれまでと比較にならないレベルであり、『ベストウイッシュ』開始時のきれいなサトシ以上の大きな話題となった。
しかも、今回は一部のファンの間で「イケサトシ」と呼ばれ評価されていた直後であり、反動が凄まじいのだろう。
キャラクターデザインのみならず、作画における線の減少や影塗りの簡略化等、それによって実現したと思われるバトルシーンに限らないキャラクターの活き活きとした表情と動きによって、映像の雰囲気も従来のアニポケから大幅に変わっている。
また、ベストウイッシュ以降技エフェクトやメカなどに多用されていた3DCGによる作画も大幅に少なくなっている。
そうした作画の変化に伴い、サトシの頭身が縮み非常に表情豊かになり、また『XY』シリーズで明記されなくなっていた10歳という設定が改めて明言された。
これらの大きな変更に伴い、下記の様に公式側からいくつかのコメントがあった。
- 松本梨香氏:「サン&ムーンのサトシは、マサラタウンを旅立って数ヶ所の町に寄ったあとアローラの学校に行ったイメージで演じている」(2016年10月26日ラゾーナ川崎で行われたイベントにて)「絵の表現は少しづつ変化していても、サトシの魂は変わらない。いろんなサトシを楽しんでほしい。サトシへの愛はかわらない。これからもみんなに愛されるサトシを演じる」とフォローをいれた程であった。(ご本人のTwitterより)
- 音響監督三間雅文氏:「「新しい」をキーワードに色々なチャレンジをしている」「『ポケットモンスター XY&Z』の続きではない、全く新しいサトシとピカチュウのアローラでの発見、冒険、友情を皆さんに感じて貰え……」(ご本人のTwitterより。リンク先より三つ連続のツイートにて)
- 冨安監督:「(今作では)10歳の少年らしさを押し出したい」「楽しいシーンは楽しく、シリアスや熱いシーンはかっこよくと、メリハリをつけるためにキャラクターデザインを一新した」「アローラ地方らしいおおらかさを出したかったので、これまで以上に表情を崩したり、表情をつけたりしている」(月刊アニメージュ2016年12月号のインタビューにて)
過去作・次回作との繋がり
2017年7月発売の『アニメディア』にて、冨安氏が「見た目こそ違えど、今までの冒険を経験している体で描いている」と発信した(参照)。
また、第42話にはタケシとカスミが登場し、サトシと再会した。2人はその後第102話でアローラ地方を訪れている。
次回作の新無印では、サトシの部屋に今までに訪れた全ての地方で手に入れたジムバッジを始めアローラリーグのトロフィーやZパワーリングなどが飾られており、これまでの全てのシリーズの世界観を受け継いだ続編であることが明確に描写されている。
また、第37話ではサトシがゴウを連れてアローラ地方に帰り、ククイ博士やポケモンスクールの面々と再会した。
その他
アニメポケットモンスターとしては、久しぶりにディズニーXDでの海外放送が行われている。Zワザの発動時に、日本版にあるワザ名の文字が海外版では見られない。
注意事項
作画、キャラデザの大幅変更により、批判的な内容も散見される。
関連動画
- 【公式】アニメ「ポケットモンスター サン&ムーン」プロモーション映像第1弾(大好評放送中版)
関連イラスト
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