概要
ウマ娘のメジロマックイーンはメディアミックス作品『ウマ娘プリティーダービー』における主要キャラクターの一人であり、アニメ第2期ではトウカイテイオーと共に主人公を務めたり、ゲームのメインストーリー第一章では主役を務めたりするなど、いたって真面目で優等生なお嬢様である。基本的には。
ところが、ゲームのロード画面で自分の「かっとばせー!」の寝言で起きることがあるという珍妙な秘密が明かされており、他にも公式四コマ漫画『うまよん』やゲームのキャライベントでプロ野球観戦に熱が出ていると思えるシーンがあり、その少々暴走気味ともとれる行動の数々から徐々にネタにされ始めるようになった。
彼女が応援しているチームはうまよんでは応援時に着ていたユニフォームが縦縞模様の入った「TAKES」、ゲームでは「ヴィクトリーズ」となっている。応援チームのモデルは、史実で栗東所属の関西馬で京都・阪神競馬場を得意にしていたことや、応援している選手の名前が「ユタカ(おそらく武豊と和田豊のダブルネーミング)」であったことから、猛虎魂溢れる阪神タイガースと推測される。ちなみに阪神タイガースOBの金本知憲とも誕生日が一緒だったりする。
加えてマックイーンのお嬢様口調(所謂「~ですわ」口調)は文字表記だけで見ると関西弁にも見えてしまうというネット上のネタとも相性が良く、二次創作でしばしば野球関係で暴走するイラストや怪文書が登場する事になってしまった。
上記の金本と合わせてどちらの台詞か当てるクイズまで作られたり、スーパーのとあるPOPネタも実質マックイーン専用タグとして使われ始めている。
なお、本人はこの野球好きを「スポーツ観戦」が趣味という事にしてできる限り隠しているようだが、野球に詳しい事は他のウマ娘にも知れ渡っているらしく、トウカイテイオーから野球の(審判として)お誘いがあったりする(特にアイネスフウジンには、アイネスがアルバイトしている球場でも何度となく観戦に足を運んでいる為モロバレしているが、当のアイネスはそれをマックイーンが恥ずかしがって周囲に隠そうとしていることを察しており、見て見ぬふりをしてくれている)。
そして2023年9月14日、ついに阪神タイガースがリーグ優勝、11月5日に38年ぶり2回目の日本一を達成すると、マックイーンが優勝を祝う二次創作イラストが数多く投稿された。
一方、ゲーム版では2023年11月9日にマックイーンのSSRサポートカードが実装されたのだが、そのイラストはというと…(後述)。
公式が病気?
その名も「マックイーンジャパン」
「野球と聞いて黙ってはいられませんわ!」
2023年3月6日配信の「ぱかチューブっ!」にて、ゴールドシップが野球のベストナインを発表しようとした時、突如マックイーンが乱入。
マックイーンが考案した打線とポジションは以下の通り。
打順 | 守備位置 | 名前 |
---|---|---|
1番 | 左翼手 | メジロパーマー |
2番 | 右翼手 | ダイタクヘリオス |
3番 | 捕手 | アイネスフウジン |
4番 | 遊撃手 | トウカイテイオー |
5番 | 二塁手 | ナイスネイチャ |
6番 | 一塁手 | メジロマックイーン |
7番 | 三塁手 | ライスシャワー |
8番 | 中堅手 | イクノディクタス |
9番 | 投手 | メジロライアン |
※指名打者はなし
ラインナップを見て気付く人もいるだろうが、元馬のメジロマックイーン号と近しい世代の馬達で固まっている。
ちなみにマックイーン自身の6番という打順は、クリーンナップほど目立たないが上位打線の支援や下位打線の起点作りとして万能な活躍を求められる位置にあたり、マックイーンの野球通と謙虚さを感じることが出来るなかなか玄人な配置である。4番遊撃手は走攻守全てにおいて優れているという意味でもあり、それだけトウカイテイオーを信頼しているという証拠だろう。
自分より下位にいるウマ娘が本人の活躍より味方へ献身的なプレーを重視しそうなウマ娘を選択している点もポイント。
そしてゴルシは売り子で稼いでもらうという名目で事実上メンバーから外された。
なお、配信された日である2023年3月6日、侍ジャパンは3日後の3月9日より開催される第5回WBCに向けて阪神と強化試合を行ったが、その内容は大谷翔平が3ラン本塁打を2本放ち1人で6打点を荒稼ぎするという内容だった。
サポカ実装
そして2023年11月、阪神タイガースが日本シリーズを制して日本一に輝いた数日後にゲーム版では新たなサポートカードが実装されたのだが、なんとSSRサポートが「野球観戦でヴィクトリーズのユニフォームを着て全力で応援してるマックイーン」と言う内容であった。
これによりゲーム公式にて初めてヴィクトリーズのチームカラーが判明した。
一見青と白でこの球団を思わせるカラーリングだが、ユニフォームカラーのみを反転させることで見事に黄と黒となり、球場の形も関西の球場で球児たちの聖地とよく似ている。ついでに言うとマックイーンのいる一塁側の外野席は一般的にホームチームの用の席とされる位置である。
新規で取得できるスキル名も野球を彷彿とさせるもの(しかも現役阪神選手の応援歌のフレーズと一致するものあり)が揃った上でトドメに「阪神レース場◯」のヒント獲得イベントまである。だからなんですって?単にわt…マックイーンは宝塚記念で勝ったことがあるだけですから何も関係ありませんわ?
実はこの当時、アニメ版『ウマ娘Season3』が放送中で、前々回の新規サポカが第3話登場のゴールドシップSSRとナイスネイチャSRだったように、その週の回に登場したウマ娘ということで第6話登場のマックイーンSSRとマチカネタンホイザSRが新規サポカに選ばれた…はずだったのだが。「日本シリーズ決着直後に合わせて野球ネタのカードを追加しよう」というぐらいの軽い理由だったと思われるが、よりにもよってその年がタイガース日本一と被った事でX(Twitter)トレンドには「阪神マック」などマックイーンと阪神タイガースを繋げるワードが浮上するのであった。
現在もこのサポカは「阪神マック」「アレマック」の通称で親しまれている。
アニメ3期と合わせた産駒の活躍もするし、やっぱりCygamesに未来人がいるのでは…?
ネタの扱いについて
ウマ娘のガイドラインに「競走馬またはキャラクターのイメージを著しく損なう表現は行わないように」という注意があるように、マックイーンの野球ネタも多少の注意は必要である。
スポーツファンの中には熱狂的になり過ぎて、相手を酷く貶めるような言動や時に法律で罰せられる行為をしてしまう者もいるが、そういった行動をメジロマックイーンにさせることは絶対に控えなければならない(選手に対する文句や、やや荒れた言動で応援する位はまだ許容範囲内か)。
また、「メジロマックイーン=阪神ファン」というのも公式の断片的な情報から推測しているに過ぎず、これを他者へ押し付ける行為はトラブルになりかねない為、二次設定という事だけは常に意識しておく必要がある。
メジロマックイーン自身もスポーツマンシップに則って正々堂々戦うアスリートである。その事を踏まえて見れば野球ネタを楽しむことができるだろう。
公式コラボ決定
2024年5月31日、多くのウマ娘の出生地でもある北海道に拠点を構える北海道日本ハムファイターズとウマ娘のコラボイベントが開催されることが発表された。
マックイーン以外の“やきうのお馬さん”
- メジロライアン:モチーフ馬の名前の由来が元メジャーリーガーのノーラン・ライアン。そのためか根っからの野球好きで、勝負服も野球ユニフォーム風のデザインとなっている。マックイーンをプロ野球観戦の趣味に目覚めさせた張本人。
- ヴ姉妹:モチーフ馬3頭の馬主が元プロ野球選手の「ハマの大魔神」こと佐々木主浩氏。そのためか、アプリ内の端々で野球要素が盛り込まれている。ちなみに、彼女たちの父親は現役のプロ野球選手である。専用タグ→ウマの大魔神
- ヴィルシーナ:アニメ3期第8話ではバッティングセンターでストラックアウトに挑戦し、父親宛らのフォークボールで1球で縦3枚を射抜いた。
- シュヴァルグラン:プロフィール欄の得意なことに野球を挙げており、ホーム画面にてキャッチボールをしたいというセリフがある。ヴィブロスのサポカイベントでは、打撃と盗塁の技術を評価されて先頭バッターを任されている。
- ヴィブロス:シュヴァルグランの実装と同時に実装されたSSRサポカイベントにて、3姉妹+秋華賞ウマ娘のチームで芸能人との野球対決企画に参加しており、試合では満塁ホームランを決めている。
やきうでお馬さん
- プロ野球でも競馬と関わりを持つ選手は多く、馬券を買うだけでなく現役引退後馬主として競走馬を所有しているOBも存在している。例えば馬主では、ヴィルシーナ・シュヴァルグラン・ヴィブロス所有の佐々木主浩、「リーゼント」冠名持ちの三浦大輔、吉井理人、アルアイン・シャフリヤールの一口馬主の山本昌がいる。また、山本昌はアニメ「ROAD TO THE TOP」、第三期で解説役として出演している(クレジットでは本名の山本昌広名義)。柳田悠岐のように選手として現役であるうちから馬主になる(なお、最初の所有馬のうちアクアプローヴァは父母エアグルーヴ・母父父グラスワンダーで、セイフウサツキは父サトノクラウン・母母母父マルゼンスキーである)ケースもある。MLBでも2024年のベルモントステークス勝ち馬ドーノック所有のジェイソン・ワースのように馬主となっているOBが存在している。
2023年11月8日ぱかチューブっ!にアップされた動画で、なんと山本昌がキタサトのクイズのMC役でナレーション出演まで果たした。
- 騎手の親戚としては西武ライオンズなどで活躍した柴田博之が父(柴田利秋)・叔父(ウイニングチケットでダービーを勝利した柴田政人と柴田政見)・いとこ(ヤマニンゼファーやマチカネタンホイザ・キングヘイロー・ナカヤマフェスタなどの鞍上の柴田善臣)を騎手に持つ競馬一家出身であった。
- 名古屋軍(中日ドラゴンズの前身)や阪急ブレーブス(オリックス・バファローズの前身)で活躍した古川清蔵は、中央競馬の調教師である伊藤勝吉(調教師としてスーパークリークなどを手掛けた伊藤修司の父)の娘婿となった縁から野球選手引退後は競馬評論家として活動していた。
- 馬産との関わりを持つ選手もおり、西武ライオンズで活躍していた戸川大輔は実家の戸川牧場がGⅠ馬・モーリス(グラスワンダーの孫)などを送り出したことで知られるサラブレッドの生産牧場である。自身もモーリスの出生時に立ち会っている他、初めてGⅠを制した安田記念や国内最後のレースとなった秋の天皇賞にも応援に駆けつけている。
- 塩見泰隆や上本崇司のように、打席に入る時のテーマ曲が「関東のGⅠファンファーレ」という選手もいる。また太田賢吾は一時的に出囃子を「関西のGⅠファンファーレ」にしたことがあった。
- ゲーム版『ウマ娘』は球界でも密かに流行っているようで、田中将大が自身のX(Twitter)で一流トレーナー顔負けの育成ぶりを披露したり、落合博満が「故障率60%超えていても練習させていく」と現役選手も真っ青なハードトレーニングを課しているらしい(本人曰く『落合の練習に耐えたのは井端、荒木、森野、マヤノトップガンぐらい』との事。ちなみに推しはマルゼンスキー)。なお落合の息子である落合福嗣は声優であり、ウマ娘役を演じた声優との共演経験も持つ。
- かつて平成の怪物と恐れられた名投手松坂大輔も引退後ひそかにハマっているらしく、『踊る!さんま御殿』でナイスネイチャ役の前田佳織里と共演したときには目の前で彼女のあいさつ「おいっすー」を披露してもらい、ご満悦の笑みを浮かべていた。
- 東北楽天ゴールデンイーグルスの2021年ファン感謝祭では、ルーキー選手たちがトレセン学園の制服を着てパフォーマンスをするというド直球な催しも行われた。
- サトノダイヤモンドの馬主である里見治氏が社長を務めるセガサミーとサイレンススズカの馬主である永井啓弐氏が系列販売会社の会長を務めるトヨタ自動車はそれぞれ硬式野球部を運営している。いずれもプロで大成したOBがいる強豪で、トヨタ自動車硬式野球部は都市対抗と日本選手権でも優勝した経験を持つ。
- 特に野球と競馬の関わりで大きいのは、戦前東京セネターズ(現在は埼玉西武ライオンズと北海道日本ハムファイターズが後継を主張)のオーナーであった有馬頼寧氏であろう。彼は戦後JRAの2代目会長として就任した際、『有馬特例法』という法律によって売上金の国庫への納付が免除された臨時競馬の売上金を競馬場などのハード面の設備に充てる事で、中央競馬の発展に寄与。ラジオ放送による競馬中継を始めたのも彼である。
- 中でも一番の功績として語られるのは、野球のオールスターゲームより着想を得た、ファン投票によって出走馬を選んで開催する中山グランプリを開催した事であろう。このレースは彼の死後、戦後の日本競馬の再建と発展に寄与した事を記念して改称。現在の有馬記念となる。また頼寧氏の息子で作家の有馬頼義氏も野球好きとして知られ野球を題材にした小説を残している。
- ウマ娘を展開しているCygamesは横浜DeNAベイスターズの親会社であるDeNAの関連会社(株式の20%をDeNAが保有)であり、2012年から資本業務提携をしている。
- 福岡ソフトバンクホークスのギータこと柳田悠岐は業界でも実競馬のファンとして知られ、上述のように23年のシーズン中に競走馬を購入した。また、チームメイトでプロ野球屈指の俊足として知られる周東佑京を「アーモンドアイより速い」と評していた。
- 栗山英樹は、北海道日本ハムファイターズ監督在任中の2016年からシーズン開始前にディープインパクトのいた社台スタリオンステーションへ訪問することを恒例行事としており、侍ジャパンの代表監督に選ばれたWBC第5回大会の直前でもゲン担ぎとしてディープインパクトのお墓参りをしていた。
- 大谷翔平もファイターズ在籍時代にシンザンの故郷谷川牧場を訪問したことがある。その時知っている競走馬の名前としてディープインパクト、キズナ、ハルウララ、サトノノブレス、オグリキャップの名を挙げていた。
- 大谷のプレースタイルを指す二刀流は、後に競馬でも「芝とダート両方で活躍できる」という意味合いで使用されている。
- 同じくファイターズOBで野球の上手い芸人こと杉谷拳士が引退翌年の2023年に起業した「ZENSHIN CONNECT」のパートナー企業にはホッカイドウ競馬がおり、杉谷もホッカイドウ競馬の公式アンバサダーに選ばれている。
- 2023年のジャパンカップでは、同年からメジャーに挑戦していた藤浪晋太郎が競馬番組のゲストとして出演。単勝でリバティアイランドに30万賭けるというメジャーリーガーらしい直球勝負を仕掛けたが、結果はイクイノックス1着と暴投してしまったことが話題となった。
- 1983年4月30日には福本豊選手が競走馬「ジンクピアレス」と競走したこともあった(この日は土曜日であり新潟で行われたOP戦ではライスシャワーの母ライラックポイントが勝利している)また、2024年にはフィリーズレビューが開催される阪神競馬場へと招待され、予想にて大波乱だったレースを的中させ驚かせている。
- 2023年には阪神競馬場にて鳥谷敬選手のトークショーが行われた(その数日前には武豊騎手が甲子園で始球式を行なっている)鳥谷選手が阪神競馬場に来たのは初だった模様。
- ライスシャワー・ナリタブライアン・マヤノトップガンらの父系祖先として日本競馬に大きな影響を及ぼしている種牡馬ロベルトの馬名は馬主が所有するMLB球団ピッツバーグ・パイレーツに当時所属していたロベルト・クレメンテに由来する。
- 1934年から5シーズンMLBでプレーし、日米野球で来日した経験を持つジョー・カスカレラは引退後にローレルパーク競馬場の副代表職を務めていた。同競馬場で1994年まで開催されていたワシントンDCインターナショナルにはスピードシンボリをはじめ、日本馬が9回出走しているため、日本と縁がある人物でもある。
余談
- なお、ウイニングチケットも中の人ネタでそう言われる事も。ただやはり中の人ネタが通りそうなヒシアケボノは今のところ…余談だが、両者を演じた中の人は女子野球を題材とした作品にも出演している。
- メジロライアンはSSRのサポートカード(爽快!ウイニングショット!)で野球のボールを投げているイラストがある。先述の通りライアンの名前の由来が野球選手であること、勝負服も野球のユニフォームであること、そしてスポーティな筋肉キャラであることからライアンもこう呼ばれそうなものだが、同じメジロ家のマックイーンのインパクトが勝る。
- カサマツ出身で故郷を大事にしているオグリキャップは東海地方の球団のファンに当てはまると言える。実際、岐阜県では長良川球場でプロ野球公式戦が開催されている。
- タマモクロスも時々ネタにされる。こちらの場合はパ・リーグのこの球団がネタにされやすい。
- 武豊も阪神ファンとして有名で、甲子園球場で始球式に参加したこともある。2023年に阪神が優勝する直前、一足先に「ゴールデンジョッキーC」で優勝時には「『アレ※』することができてうれしい」とコメントした。なお、この年の阪神の独走ぶりについてはサイレンススズカに例えたコメントをしていた。
- etc…
関連イラスト
野球場でバイトするお馬さん