榛名日和
はるなびより
「久彦」氏が描く、その名の通り榛名が主役の艦隊これくしょん二次創作漫画の同人誌タイトルである。
出撃していたり、台詞の中に深海棲艦と戦っているような表現もあるが、(演習名目での実弾使用の艦娘同士のケンカ含め)戦闘シーンは殆どなく(※1)基本的に日常系ハートフルコメディ作品である。
特に中盤以降は深海棲艦との敵味方を超えた交流がメインとなっている。
また、アニメ版は所謂劇中劇という扱いになっているようで、放映後に榛名達が一喜一憂する姿が描かれた。しかしあの1件だけはギャグ補正こそ入っているものの、実際に起きた事として扱われている。
pixivに上がっている作品の一部には本タグが付いていないのもあるので注意。
なお、『「榛名日和」のタイトルが付くものが時系列で続いているお話』であるとのコメントが23話にてなされている。
また、本編とは別に謎の深海棲艦との死闘を描いた『海戦編』が前後編+後日談「海戦編 フィナーレ!」の全3巻で出ている。本編とは違いシリアスな内容となっており、ある登場人物の轟沈シーンもあり、本編への影響を危惧する声もあったが、後に生存が確認され、敵対した相手が和解して本編に登場したりしている。
※1:「葛城の出会い」では北方棲姫と後述の『敵意のあるイ級』との(深海棲艦同士の)交戦場面、【艦×パン!】で連合艦隊と深海棲艦の会戦場面が描かれている。
なお、本作に限らず久彦氏の描く艦娘は、いわゆる「1/1艦娘」的な巨大娘として描かれている。『艦これ』のキャラ同士では普通に見えるが、『艦×パン!』などの他作品とのコラボ、クロスオーバー作品では、他作品のゲストキャラが、久彦氏曰く「妖精さんサイズ」で登場している。
(同じ艦船擬人化ゲームの『アズールレーン』のキャラクターだけは、艦娘達と同スケールである)
一方で、『艦×パン!』では「妖精さんサイズ」で登場していたウマ娘のキャラと、別シリーズでは同スケールで共演している場面があったり、鳥さん一家などの艦娘以外の生物のサイズなどに関する説明場面が無いなど、矛盾していたり、仔細が不鮮明な描写も少なくない。
同一世界観かどうかは不明だが、同氏のもう一つの二次創作漫画【艦×パン!】の要素も記載。
艦娘
主要人物
※2回以上話のサブタイトルを飾る主役となった艦娘達。
本作品の主人公。瞳の中に星がある(シーンによっては星が無かったり、ハートマークに変わっていることもある)。
原作同様に心優しく献身的な性格であるが、(良い意味で)原作よりもやや大袈裟に描写され、非常に純粋無垢。
深海棲艦であろうと分け隔てなく接するが、これは嘗てレ級の住んでいた前線基地を壊滅させた戦いに参戦していた際、激戦だったがゆえに勝利したはずなのに誰も喜ぶどころか悲しい顔しかしていなかったことから、深海棲艦を倒すことが幸せというわけではないと考えたことが切っ掛けとなっている。
誰にでも(虫や猫、鳥にも)「~さん」(ヲ級等には「~ちゃん」)を付けて、常に丁寧語で話す(ただし、双子の妹の霧島は呼び捨て)。
他の戦艦や正規空母と比べると小柄(駆逐艦たちよりやや大柄程度)な体ではあるが、ご飯を6杯も平らげたり、自分の頭程もあるおにぎりを一気に食べる等大食艦として十分な実力がある。第六駆逐隊や葛城等の年少組のまとめ役であり、彼女達と行動を共にすることも多い。
赤城に作ってもらったおにぎりクッションがお気に入りで、出撃時以外は常に持っている。劇中では2度おにぎりクッションを他人に譲渡しており、現在持っているのは3つ目である。
一部では「おにぎり榛名」という通称もある。
ご飯を作ったり裁縫したりする、鎮守府のお母さん的存在。海戦編の描写を見る限り、提督代行も兼ねている模様。
常に細目で描かれており、壱巻から七巻まででも数えるほどしかない瞳が見れない。
基本的に温厚な人柄だが、資材(食事)消費量の件で長門や加賀にキレる場面も多々ある。一方で自身もまた大食艦であり、ボーキサイト(お菓子)を食い尽くしてしまうことも。
また「三段腹」という単語を聞くと、話の前後に関係なく問答無用でブチ切れ、ゲームに実装されていない主砲をぶっ放す(史実には装備されていた)。
趣味は読書のようで、空いた時間には縁側で1人黙々と読書に勤しむ描写があるが、その本の内容は「漫画でわかる『我が闘争』」「UFOは実在する」「UMAの全て」「クッシー写真」など、やや突っ込みどころの多いものとなっている。
「赤城と鳳翔さん」に出てきた回想を見ると、幼少時代は大の甘えん坊だったようである。
当初は深海棲艦は敵と信じ切っていたが、榛名の影響を徐々に受けていったことと、ヲ級が命がけで榛名の見舞いに来た件から深海棲艦たちのことも信じるようになっていった(大井をはじめとする他の艦娘たちも大なり小なり同様)。
鎮守府の主戦力的存在で海戦の際には陣頭指揮を担当。何故かどこぞのパンダや宇宙生物みたくプラカードで会話しており、本編では自ら発した台詞が一言も無かったが、海戦編にて皆に檄を飛ばすためにとうとう自ら言葉を発した(参巻冒頭の長門が見てた夢でもしゃべっていると思しきシーンはあれど直接的な描写は無い)。落ち込む電に檄を飛ばした後、元のプラカードでの会話に戻っているため、シリアスな場面では喋る(逆に言えばプラカードで会話している間は比較的平和な状態)ようである。海戦編フィナーレでは地声が大きく駆逐艦達が驚くためという理由が語られている。
艤装の後ろには「とがな(右から読むと「ながと」)」と書かれており、搭載されている41㎝砲は垂直に撃てば嵐の雲をも吹っ飛ばす威力を持っている。主戦力とあって、鎮守府最強の攻撃力を誇るが、海戦編ではそれでも巨大深海棲艦には足りなかったため、鎮守府に死蔵されていた46㎝砲に一時的に換装している。
主に燃費や食絡みのトラブルメーカーで、加賀とつるんでは話を良からぬ方向へ持っていくことも多々ある。
その一方、榛名や第六駆逐隊の面倒を良く見ていたり、不意打ち同然に攻撃してきたあんこうチームを学園艦まで送り届けたり、病気の榛名のお見舞いに来たヲ級が丸腰である事を瞬時に見抜いて、攻撃しようとした大井を制止する、後述の敵対巨大深海棲艦に対し味方を左右に展開させ、自分は一人で正面に留まるなど、判断力に優れ頼りになる一面も描写されている。
子供好きだが、いわゆる“ながもん”的な「ちょっと度の過ぎた可愛い物好き」の描写は少なく、雷が好物のじゃがバターを食べられるようにさりげなく(?)先に焼き上がっていた焼き芋を全部食べてあげるなど、素っ気なくも思いやりを覗かせる「いいお姉さん」である。北方棲姫、棲妹にも「ナガナガ」と呼ばれ懐かれているが、角に似た頭飾りから仲間と勘違いされている。
アニメ版同様こちらも辛い物が苦手だが、こっちは一航戦が原因。
好物は甘いものと牡蠣で、一時期赤城に対しカキ鍋やカキフライ等の牡蠣料理を要望していた。榛名のものより一回り大きいおにぎりクッションを所有している。
長門以上に燃費や食料関連のトラブルメーカーで、よく長門と共に赤城から叱責されたり制裁を加えられたりしている。
また、二航戦に余計なことを吹き込んだり、15話でお皿を割った五航戦に「せっかん せっかん」と(本来の意味での)海軍精神注入棒を持ってきたりと火に油を注ぐことも平然とやらかす。
しかし、9話では眠気のあまり自分を赤城と間違えた(イタズラで赤城の袴を穿いていたのも一因だが)榛名を膝枕して、「嬉しい」と発言するなど満更でもない様子を見せたり、27話では演習に出掛けた瑞鶴に会いたがる葛城のために、彼女をおぶって瑞鶴を迎えに行くなど、長門と同じく年少者に対しては優しさや面倒見の良さを見せることもある。また、瑞鶴がケガを隠して無理をしていることを誰よりも早く見抜くなど洞察力も高く、瑞鶴のことも本心では憎からず思っているようである。
艦×パン!では、生命の危険とは無縁なスポーツ・部活レベルの戦場(戦車道)しか知らないにも拘らず、艦娘との演習を求めて迷惑な暴走を続けていたあんこうチームを敢えて作戦に連れて行き、艦娘が戦っている本物の戦場の過酷さを説くなど、締めるべき所はしっかりと締めている(それまで艦娘たちの言葉はおろか、自身の失態や失言についても一切気にすることがなかった西住も、加賀の言葉には閉口している)。
最近は落とし穴を掘ることに生き甲斐を感じたのか、瑞鶴向けに偽の看板や不発弾を仕込んだ落とし穴を大量に仕掛けている。
長門の牡蠣と同様、名前の由来となった加賀国(現・石川県)の名物料理が好きなようで、6、7話では赤城にかぶら寿司や治部煮をリクエストしていた。
困ったときは踊って誤魔化す癖がある。
初期の頃はモブキャラで、北上と一緒に出撃する毎に、何故かそろって大破して戻ってきていた。二次創作にありがちなレズ、ヤンデレ要素はなりを潜め、(純粋な意味合いでの)上品な女学生といった雰囲気を漂わせている。
『ヲ級の恩返し』において、ヲ級が鎮守府に来る切っ掛けを作り、当初は敵対心全開だったが、最後には安全なところまでの護衛を買って出たり、他のヲ級との見分けのために赤いリボンを付けてあげている。
その後はヲ級を良き友人と認めたのか、榛名と共にヲ級を出迎えたり、甘味をご馳走したりと何かとヲ級を気にかけており、『大井とヲ級』においてヲ級の家に泊めてもらったことを機に、ヲ級の言いたいことが理解できるようになり、今では榛名を除く鎮守府の艦娘の中では唯一、ヲ級の言葉(ヲ級語)を完全に理解できる存在である。
基本的に大井とセットで登場している。百合要素はほとんど確認できないが、大井と周囲との仲裁役やフォローに入ったり、彼女の動向を暖かく見守り、協力する事も惜しまないなど、仲の良さを窺わせる場面も少なくない。
最初は深海棲艦に対して過剰に敵対心のあった大井と違い、鎮守府にやってきたヲ級を救出しようと乗り込んできたイ級と初対面した時も、その愛らしい容姿から嬉々と抱き上げるなど気に入っている。それ以来、イ級からも懐かれるようになり、『北上とイ級』では些細な誤解からヲ級と喧嘩して家出をしてきたイ級を快く歓迎し、専用の寝床まで用意。曰く「イ級のような(優しい)深海棲艦と一緒に暮らす事」が夢だったらしい。翌日誤解が解けて迎えに来たヲ級に対し、自身の想いを打ち明けると、一度はイ級を託されて喜ぶも、本当はヲ級の下へ帰りたがっているイ級に「ヲ級とイ級は家族だから、家族の帰る家に帰らないと」と諭して帰した。
その後、外海で出会った野良深海棲艦のはぐれものだったワルイ級を発見し、前述した夢から保護するも、心を開かないワルイ級の扱いに難儀し、最終的にワルイ級が長門と一触即発になった事から、元の海に返す事になったが、他の野良深海棲艦に襲われそうになったところを加勢した事で、ようやく気を許してくれるようになったワルイ級を改めて鎮守府に迎え入れた。
ある『修行』の為に特定の鎮守府に留まらずに自由に行動していて、なんとヲ級の隣に住んでいた(金剛は中央にいると思っていた。また前の話には謎のシャッターや砲弾(三式弾、九一式徹甲弾)も描かれており、そこに住んでいると思われる)。主要人物の中では唯一、鎮守府所属の艦娘ではない。
ヲ級が榛名の見舞いで鎮守府に向かったと聞いて飛んで来た。
隣に住んでるせいか、ヲ級の言葉が分かる。ただ、他の艦娘と異なり肌が褐色のせいかヲ級は艦娘だとは知らなかったらしい。修行に行っているのか不在であることが多い。
種族の違いこそあるが、ヲ級の事は大切な家族と思っており、上記のように彼女の危機に駆けつけた他に、改二になった時も「家族と過ごしたい」と、鎮守府の皆が用意した盛大なパーティを断り、ヲ級と榛名がヲ級の家で用意した祝いの席で過ごした。
※なお、この時の鎮守府のパーティの食材は元々榛名とヲ級が各地から集めていたもので、途中で積んでいた船ごと流された(そのため、ヲ級達は残った食材で祝いの料理を作った)のを赤城から食材探しを頼まれていた長門&加賀が見つけて着服したものであり、後できっちりバレてお仕置きされている。
実は46㎝砲を使いこなせておらず、まともな艦砲が撃てなかった(前述の「修行」も46㎝砲を使いこなす為の修行だった)のだが、ヲ級が風邪で倒れ鎮守府に運ぼうとした際に敵深海棲艦に囲まれた時に初めて使用に成功した。
「ヲ級と武蔵の出会いの話」でヲ級との出会いが語られており、数年前に起こった大規模戦闘を上記の理由から戦えないことを歯がゆく思いながら遠巻きに見ていたところ、瀕死のヲ級を見つけ助けたのが始まりで、ヲ級に釣りを教えたり、彼女の家を一緒に作ったりしていた。
実は、当時戦えないことで自暴自棄になりかけており、ヲ級を助けたのも「このまま戦えないままでいるよりは回復したヲ級と戦い沈められた方がいい」という半ば自殺や心中目的だったが、自分に懐いたヲ級との穏やかな日々に徐々に癒されていった。
どういうわけか原作に比べて非常に幼い(それも第六駆逐隊や北方棲姫よりも)。
鎮守府の…………というか、本作のマスコット的存在。
詳細は個別記事参照。
鎮守府の艦娘達
※総集編の追加エピソ-ドで、舞台となる鎮守府は放棄されたものを再建したことが判明しており、提督もいない。
榛名の良きお姉さん。
おおむね原作通りだが、全体的に片言で台詞に平仮名が全くない。
やや短気なところがあり、特に怒ると「演習」と称した大喧嘩をする悪癖を持つ。1度目の演習では赤城共々大破しドック入り、2度目の演習では蒼龍とボコり合い、3度目の演習では鎮守府の港半分が無くなるほどの損害を出した。
ちなみに、榛名たちと比べるとやや大柄な体格(彼女に限った話ではないが)。
「艦×パン!」ではダージリンとは喧嘩した後でも、ティータイムですぐ仲直りする友人同士。
榛名の良き妹。容姿は明らかにこちらの方が年上だが妹である。鎮守府の作戦考案要員の一人。
こちらもおおむね原作通りだが、「榛名姉さまに呼び捨てで呼んで貰えるのは世界で私1人だけである」と思っていたり、榛名と一緒になって大食らいをしていたりとはっちゃけた面も時折覗かせる。
ちなみに、「メガネは顔の一部」とのこと。
真昼間から酒を煽る典型的な飲んだくれ。常に日本酒を片手に抱えて酔っ払っている事が多いばかりか、人前で平然と放屁するなど、その様は赤城を母親と例えるなら親父といったところ。
他の艦に尽く改二実装の先を越された事や、本人の改二実装が決まるも必要練度が非常に高いことを知って途方に暮れる、肝心の改二実装を周囲からは総スルーされるなど、某不幸姉妹を超越した幸薄いキャラクターが定着している。
特に最近では周囲の喧嘩に巻き込まれては重傷を負う事が多い割に、気にかけてくれた人が殆どいない(運び出した飛鷹と神通くらい)など、本編では散々な目に遭っており、一時期かなりいじけていた。「隼鷹 なにもなし!」
しかしながら、燃費にいらつく赤城をなだめる、赤城と金剛の度の過ぎた演習を叱る、加賀や蒼龍&飛龍が赤城と金剛&霧島の演習に対し早々と傍観を決め込んだ中、彼女1人だけが無駄な演習を止めさせようとする(※2)など、彼女なりに仲間を思う気持ちはあるようだ。
海戦編では巨大深海棲艦から皆を逃がすため、比叡と共にしんがりを務め、轟沈した。
‥‥‥と思われていたが、ギリギリで正気を取り戻した巨大深海棲艦こと南方棲戦姫が砲撃の照準をずらした為に無事で済み、その後は比叡共々、南方棲戦姫の下で捕虜にされていたが、二度目の海戦で、南方棲戦姫が敗れた直後に吹雪、神通に救出され、南方棲戦姫が話の分かる深海棲艦であると擁護した。
※2:案の定返り討ちに遭い、飛鷹と神通に担ぎ出されていた。
隼鷹絡みで登場する事が多い。
赤城と金剛&霧島の「演習」を止めようとして半殺しにされた隼鷹を神通と共に救出したり、改二をスルーされかけた彼女の代わりに唯一お祝いを持ってきてくれた榛名に礼を言う等、なんだかんだいって隼鷹を気に掛けている。
恐らく作中では良くも悪くも最も常識人と思われる2人だが、如何せん騒動が多いためほとんどツッコミ要員。
吹雪はアニメ版で主人公を務めていたが、終盤の展開のせいで榛名が酷く落ち込んでいたため、気が気でなかった模様。基本的に原作同様真面目な努力家であるが、環境が環境なため「壊れる」ことも。
また、神通は3分間に限り「改二変身の術」が使え、赤城と金剛&霧島の演習を無傷で切り抜けた。
遠征や榛名の改二パーティ等で顔を出したり、榛名や葛城、北方棲姫たちとよく一緒に遊んでいる。
原作に比べて体格と言動がやや幼く、観覧車や滑り台に喜ぶ描写が見受けられる。
榛名の良き姉……の筈なのだが、一枚絵時代から登場する描写が殆どなく、金剛や霧島よりも大幅に遅れて一枚絵で登場した。参巻にて(長門の見ていた夢の中とはいえ)ようやく本編でも登場し、最前線で戦う勇姿を見せた。26話で、葛城、鳳翔と共に異動してくる形で正式登場。ずっと中央で政務に追われていたという。
着任早々に榛名を1時間ハグし、霧島もハグしようとするが威嚇され(眼鏡に指紋が付くのを嫌って)、金剛からは砲弾の嵐を浴びせられている(榛名曰く「本気でじゃれているだけ」「幼い自分や霧島と違い本気で遊べているので羨ましい」)。
そして(二次創作上のお約束というのか)比叡カレーを振る舞って鎮守府を(たまたま遊びに来ていた武蔵も巻き込んで)壊滅させてしまった(確認できる範囲で無事だったのは、早々に退避した比叡以外の金剛型、第六駆逐隊、雪風だが、直後の様子から見て吹雪や隼鷹、葛城、鳳翔も無事だった模様)。
原作にはないオリジナル設定として酒好きであるらしく、長門・隼鷹・飛龍と月見酒に興じたり、隼鷹とは柏餅を肴(それも葉っぱごと)に、仲良くサシ飲みしたりもしている。
一方で、海戦編では長門、金剛が指揮不能の状態になった際に陣頭指揮を代行する描写がある。
海戦編では隼鷹と共に轟沈した。
…………と思われていたが、彼女も正気を取り戻した南方棲戦姫によって、無事であり、隼鷹と同様の経緯で無事に鎮守府の仲間達や姉妹達と再会した。
帰還後、金剛からは頬を叩かれながら、「二度とあんな事するんじゃないわよ!」と窘められた。
空母の中では加賀に次ぐ悪戯っ子で、加賀の落とし穴ごっこの相手をしているが、最近では余計な言動や行動のために(比喩であろうが)サッカー観ながら美味しいコーヒーを飲みに行かされたり、ウサギと餅つきさせられに行かされたり、果てはイトカワの石を拾いに行かされたりしている。
自身の改二化が決定した後は度々加賀を煽る(そして逆襲される)が、一方で早く強くなってみんなのために頑張りたいという思いから、改装資材を集めるための出撃にケガ(火傷)を押してまで参加しようする健気な一面も持つ(資材集め目的とはいえ戦闘は発生するらしく、この時点で翔鶴は2回入渠している)。その辺りの努力は加賀も認めているようで、瑞鶴のために一肌脱ぐこととなる。
葛城に対しては後輩というより(外見もあってか)自分の娘と見ているようで、初めて練習用偽装を付けて演習に向かう姿を見て、終始(加賀の袖で涙をぬぐいながら)泣きっぱなしであった。
吹雪、神通と並ぶ良識派。真面目な努力家で、赤城を尊敬している。
この鎮守府では珍しく、改二仕様(日の丸無しの赤鉢巻)登場後は其方に標準スタイルを切り替えている(他の艦娘は必要時のみ改二等の姿になる)。
瑞鶴が加賀&長門と一緒になって吹雪をからかっていた際には、悪戯の種を見抜いて窘めた。
化粧を特技とする正規空母。しかし本気で化粧をした際には、隼鷹が窓から飛び出し逃亡、加賀が震えながら現金を差し出し、翔鶴と瑞鶴が抱き合いながら泣き出すなど、空母寮を阿鼻叫喚に陥れた(騒動に巻き込まれなかったのは偶々席を外していた飛鷹と金剛の髪の結い直しをしていた赤城)。
双眼鏡による索敵係のようだが、大量のお土産を持った榛名を戦艦棲姫と勘違いしたり、至近距離で後ろから声をかけたのに双眼鏡を覗いてやっと空母ヲ級だと認識したり、駆逐イ級たちが迫っていることを報告してる間に上陸を許したりと、(いずれも敵ではなかったものの)ちゃんとその役目が果たせているか疑問が浮かんでしまう。
「レ級の場所」の話にて久しぶりに索敵係としての役割を果たしている様子を見せたものの、ヲ級が初めて鎮守府にやってきた時と全く同じ事を繰り返しており、(既にレ級に敵愾心がない事がわかっていたとはいえ)良くも悪くもその索敵係としての能力は相変わらずである。
潜水艦の魚雷で連続撤退を強いられた事に逆上して全裸で出撃しようとしたり、比叡カレーによるダウンから真っ先に復活したりと、ゲーム中での打たれ弱さと修理コストの低さが強調されている。
技術屋キャラで、対比叡用の炸裂弾等の特殊装備も製造している。
『艦×パン!』ではあんこうチームの戦車を事ある毎に水陸両用戦車に改造しようとしており(それから一年後に特二式内火艇が実際のゲームに実装された)、西住みほが唯一苦手意識を抱く艦娘の位置にある。
26話の最後の一コマに葛城たちと共に異動してきた形で初登場(その時に一緒にいるのが隼鷹と葛城のため、両親と幼い娘にも見える)。赤城同様に開いた瞳は見れない。
作中の描写を見る限り、現在は前線からは退いている模様で、配属後は、鎮守府の御意見番兼寮母的な存在として、赤城と共に鎮守府の家事や葛城の子守、教導を担当し、その光景はまるで大家族の娘、孫娘達を温かく見守るおばあちゃ…おや、誰か来たようだ。
以前の配属先については詳細は不明であるが、幼少期の赤城、加賀と同じ鎮守府だった模様で、「赤城と鳳翔さん」では幼児時代の赤城と加賀のお守をしていた過去を懐かしんでいる。ちなみにその頃から容姿は全く変わっていない。
「スズカゼ駆ける」ではトレセン学園の学食の調理師も兼業しており、鎮守府の大食艦達に負けず劣らぬ大食らいのウマ娘達相手に熟れた様子で、新米を使った大盛りメニューを振る舞っている。
中央に呼び出された金剛と比叡の代行要員として鎮守府に一時配属された戦艦。
鎮守府配属前の赤城と同僚だったらしく「戦いでは頼りになる」と評されているが、長距離移動すると嵐にぶつかる、瑞鶴用の落とし穴に落ちる、演習中では主砲の暴発事故を起こし、回避運動中に激突する、料理をすれば椎茸を爆発させると不運&不注意さが際立っている。
ただし、性格自体は(原典では扶桑以外の者にはドライに接する山城も含め)優しい人柄であり、少しでも幸運が有ると自分が利益を得る前に周囲に振る舞ってしまうなど、根暗な印象はあまりない。
本編では物語の主幹に関わった事はなく、台詞もないが表紙やコマの端などにモブとして登場している。
「艦×パン!」では第4回戦&6回戦であんこうチームと対決。
第4回戦では戦車の有効射程外の海中に潜行してしまった為、引き分けとなる。
第6回戦では潜水装備をしたあんこうチームを観光案内気分で海中に引き摺りこみ、日本海溝の真上で落してしまう(あんこうチームは圧壊寸前の処を北方棲姫に救われ、一命を取り留めた)。
中央配属の艦娘
一応は本編でも鎮守府に所属している&鎮守府最強の攻撃力を有するとの描写が有るが、初登場は「海戦編 フィナーレ!」の中央からの巨大深海棲艦討伐艦隊の一角としてであり、通常は鎮守府にはいない模様。
また、海戦編で長門が使用した46㎝砲は元は彼女の物であるかのように描写されている。
「艦×パン!」では第2回戦で妹・武蔵と組んであんこうチームと対決。
後に主砲を冷泉麻子の寝台代わりに使われている事を認識せずに隼鷹や吹雪と共に出撃。辛うじて初弾発砲直前に麻子に気付いて、表情を凍りつかせた。
「海戦編 フィナーレ!」で中央からの巨大深海棲艦討伐艦隊のリーダー格として登場。
本編初登場は「海戦編 フィナーレ!」の中央からの討伐艦隊に参加している場面であるが、「艦×パン!」ではそれ以前から登場。
「艦×パン!」第5回戦でカモさんチームと対決。
みほには「戦艦や空母と比べれば弱っちい相手」と評されるが、その巨体故に戦車の攻撃では怯ませる程度(長門は怯みすらしなかった)が限界だった。
しかし、そのバストに砲弾が直撃したインパクトで、同行していた龍驤が轟沈(しかも愛宕の救助を断って沈没)、大鳳&瑞鳳が大破した為、戦術的敗北を喫してしまった。しかしながら愛宕本人は敗因をあまり理解していなかった。
同人誌掲載の長門の悪夢にも損傷した二航戦を逃がす為の殿として登場しているが、初登場は「海戦編 フィナーレ!」。
「艦×パン!」では「艦娘と組んで演習に勝つ」と言う新たな目標を立てたみほが瑞鶴、隼鷹に続いて勧誘した航空戦艦。
当初は穏やかに応対していたが、みほが飛行甲板と格納庫を「役立たず」と大声で喚き立てた為、飛行甲板で地面を打って追い払ってしまった。みほは「航空戦艦は気性が荒い」と自分の無礼を棚に上げていた。
尚、史実では伊勢型戦艦と長門型戦艦は25t艦載艇を甲板に載せられるように作られており、同重量の4号戦車程度なら楽に載せられる。
同人誌掲載の長門の悪夢にも損傷した二航戦を逃がす為の殿として登場しているが、初登場は「海戦編 フィナーレ!」。
伊勢の妹で、「艦×パン!」では伊勢を仲間に勧誘しようとして却って暴言を吐いたみほに対して、応対していた伊勢をも超える程激怒した(その迫力は横で見ていた扶桑と山城が怯えるほど)。
12話の海戦には連合艦隊の一員として参加。
先のみほの非礼を根に持っている様子を見せていたが、迂回していたイ級が加賀に襲い掛かった際にあんこうチームがその主砲を損傷させた場面を間近で見た為(尚、そのイ級は日向に投げ飛ばされた処を金剛と榛名の主砲で爆砕された)、最終的には和解した。
番外編初話で登場。
鶴姫しずかの「行き遅れの売れ残りOL」との挑発で逆上し、20.3cm連装砲で爆砕しようとするも、背後から放たれた長門の主砲によって一撃で倒されてしまった。
その後、「海戦編 フィナーレ!」で中央からの巨大深海棲艦討伐艦隊に参加する形で本編にも登場を果たした。
番外編初話で登場。
足柄と行動を共にしており、しずかの挑発で逆上した足柄を放置したせいで、長門に足柄諸共砲撃されて倒されてしまった。
その後、「海戦編 フィナーレ!」で中央からの巨大深海棲艦討伐艦隊に参加する形で本編にも登場を果たした。
深海棲艦
前述通り深海棲艦と敵対、戦ってると思しき表現はあるが、(少なくとも鎮守府近くでは)戦闘どころか遭遇そのものが稀になっていると思わしき描写がある。作中に出てきても艦娘たちと仲良くやってることが多く「深海棲艦は一枚岩ではなく(※3)、漫画に出てくるのは一部の友好的な深海棲艦」との設定が固まりつつある。
当初は赤城や大井や霧島、榛名と初対面したヲ級の反応のように、敵同士との認識の方が強かったが、後述のヲ級が榛名の見舞いに来た一件から態度が軟化していき、現在では北方棲姫が鎮守府に遊びに来たり、逆に葛城や第六駆逐隊が赤城や瑞鶴同伴で北方棲姫や港湾棲姫の住む島に遊びにいったりと、良好なご近所付き合いのようになっている。
海戦編では「迷惑をかけられない」という理由で巨大深海棲艦との戦いは彼女たちに内緒にされていたが……(後述を参照)。
ちなみに本作では如月を救出したのもヲ級や北方棲姫達であり、睦月達が悲しみに暮れている事を知らず、如月と仲良くババ抜きをしていた。
なお、セリフは原点同様カタカナ表記だったが、レ級登場以降は艦娘たち同様ひらがな表記に改編されている。
※3:「葛城の出会い(原題 葛城のお昼寝)」で後述の『敵意のあるイ級』が北方棲姫に撃退されている。
海戦編では「正気を失った深海棲艦は理性を残している同族をも敵と見做して襲い掛かる」「理性を保っている個体も縄張り意識が強く、自分のテリトリーで暴れる者を敵と見做して激しく迎え討つ」等の深海棲艦側の事情が描かれている。
鎮守府近海に住む深海棲艦
※鎮守府から然程遠くはない孤島(鳥さん一家の巣がある)に住んでいる温厚派な深海棲艦達。
いずれも榛名達との交流で親交を結び、今ではすっかり良きご近所さんとしてそれぞれ頻繁に遊びに訪れている。
榛名と一緒に描かれることが多い敵艦隊のアイドルであり、深海側の主人公ともとれる深海棲艦。身体のサイズも榛名とほぼ同じ。基本的に「ヲッ」「ヲキュ」としか喋らない(一度だけ「ハルナ」と言ったこともある)が表情豊かで、艦娘との意思疎通も出来ている。ただし、海戦編や『大井とヲ級』での描写から、彼女の言葉がわかるようになる為には一定以上心を通わせる必要がある模様で、最新話の段階でヲ級の言葉を完全に理解できる艦娘は、榛名と武蔵、大井だけである。後に南方棲戦姫から、「ヲ級の『ヲ級語』は深海棲艦でも最初はわからないが、お互いに深い信頼が築ければ離れていても自分の危機を相手に伝えられるようにまでなる」事が語られ、『ヲ級語』が一種のテレパシーであることが判明している。
主食は魚介類であるらしく、本編でも食料調達の為に釣りに勤しむ(但しあまりにも釣れない事に業を煮やし、海上を爆撃して浮いた魚を回収するという禁止漁めいた荒っぽい方法を取ることもある)姿が描かれている他、一枚絵では焼き魚を食べている姿が描かれている。大井と北上を家に泊めた時はかなり手の込んだ夕食を出しており、料理も得意な模様。
一枚絵では以前から描かれていたが、漫画では自分の住んでいる島に巣を作った鳥さん一家の世話を(榛名達から身を隠しながら)していたところ、島が嵐の直撃を受け、体を張って鳥さん一家と巣を守った。その時に落とした艦載機を拾った榛名が事情を察し、会いに来たことから榛名と仲良くなり、友情の証として榛名のおにぎりクッションを譲り受ける。
その後、遠征中の大井と北上が島の近くを通りかかった際、「榛名が風邪をひいた」と話しているのを聞いて、自分の主砲と艦載機を外しお見舞いの品とおにぎりクッションを持ち、イ級の護衛も断って命がけで鎮守府に向かう。他の艦娘たちに見つかり砲塔を向けられるも、持ってきたおにぎりクッションのおかげで榛名の友達だと分かってもらい、榛名に会わせてもらった上に、認識用の赤いリボンに帰り道の護衛までしてもらっていた。以降は普通に鎮守府に出入りしている。
頭部パーツは取り外し可能。劇中でも就寝時や(代わりに頭部パーツに似たナイトキャップをつける)、艦載機を降ろす際に自ら外していた他、驚いた衝撃で頭部が外れる描写等があるが、頭部パーツ側に意志や自我は無く、所謂帽子が本体という訳ではない。
また、明石や夕張の見識によると、この帽子部分が艦娘における艤装にあたるらしい。
深海棲艦の正体については公式では明言されていないが、本作オリジナル設定として、彼女はアメリカ海軍の空母エンタープライズであると思わしき描写がある。また自衛艦これネタにあやかって加賀がふざけた際には艤装部分をNCC-1701へ換装していた。
ヲ級の家のペットみたいな存在。
アニメでの描写とは違い小動物のような体格、仕草をしており台詞はない。
このため、榛名からも「自分たちが戦ってる駆逐イ級とは全然違う」と言われている(後に下
記イラスト3ページ目で描かれた『敵意のあるイ級』との対比では、パッと見でも1/4程度の大きさであった)。
体重も軽いらしくヲ級の頭部に乗ってもヲ級が重たがる様子がないどころか、雷巡の北上&大井、更には駆逐艦体格の電&雷ですら軽々と抱えられてしまう重さである模様。
初登場回や『ヲ級と武蔵の出会いの話』ではヲ級が鳥さん一家や武蔵の為に用意していた食事をつまみ食いしようとしてお仕置きされる等のやんちゃな一面(そんな一面が仇となって『北上とイ級』ではヲ級から榛名とのピクニック用に用意していたお弁当を台無しにした犯人と誤解される原因になってしまった)を見せる一方、単身鎮守府に向かったヲ級を心配し、他の駆逐艦(ロ級、ハ級、ニ級)と武蔵を呼んで乗り込んでいくなど、その体格に反して勇気のある一面も見せる。
榛名との初対面した際には榛名から携帯口糧を譲り受けており、寝る時も大切に抱えていた。
葛城に餌付けされて以降は、葛城にもなついており、彼女からポッキーゲームを求められた際には赤面しながら動揺したり、キスの日(5月23日)にキスされた際には文字通り真っ赤に茹で上がって失神してしまうなど初心な一面を見せている。また、近年は表紙や一枚絵、『大井とヲ級』『北上とイ級』などから北上に懐いている描写が多い。
初登場時では最初は原作同様「クルナ……」と言っていたが、自分の艤装で遊びだした第六駆逐隊と島風の世話をしたり、次来た時のためにブランコやボールプール、滑り台用の手すり等を艤装に取り付けて遊具に改造したり(しかも、艤装の方もまんざらではなかった様子)、第六駆逐隊からのプレゼントに嬉し泣きしている。
以後は面倒見のよい穏やかな女性といった人物像が定着し、原作でやたら人と絡むことを嫌がっていた面影は微塵もない。しまいには「新しい遊具」と称して観覧車を作っていた。
ケーキやクッキー、シュークリームなどのお菓子作りが得意らしく、よく手作りのお菓子をふるまっている。
ヲ級や北方棲姫たちの保護者的存在。
総集編での追加エピソードで第六駆逐隊との出会いが語られており、嵐で遭難した彼女達を自分の家に匿った。その際、「この子たちがあの子(北方棲姫)の友達になってくれたら」と思ったが、この時は自分達と艦娘とは相容れないと思っていたためそれを口に出すことはなかった。
自分達を種族など関係なしに接してくれる榛名達には深い感謝を抱いており、「海戦編 フィナーレ!」で榛名達が自分達に内緒で南方棲戦姫と戦っていたと知ると、
「同族だとしても、あなた達に危害を加えるなら私たちも戦います!」
と、ヲ級と共に榛名達を叱った。
レ級登場以降はセリフがひらがな表記に改編されている他、頭身が高くなり、顔つきが精緻になるなど原典に近いデザインに改められている。艦娘への敵意を捨てきれないレ級に「榛名たちに会ってほしい」と諭す。
港湾棲姫を「お姉ちゃん」と慕う幼女型深海棲艦。
初登場時には港湾棲姫に懐いた第六駆逐隊達に嫉妬して大泣きしてしまうが、港湾棲姫に「皆で遊びましょう」と諭された事と、雷と電にブランコでの遊び方を教えて貰った事で和解。
以降は第六駆逐隊と親友になる。
原作同様の幼さで、子供らしく和洋を問わずお菓子好きだが、やはり菱餅だけはトラウマになっているらしく菱餅をプレゼントされて顔を青ざめたり、「美味しいものを食べたい」という願い事の中にも菱餅だけは外すようにしている。その反面本来敵対している相手でも弱いものいじめを許さない姿勢を見せており、迷子になった葛城の保護を担う、宝物を壊してしまった電をあえて許す、そして唯一自分より幼い容姿である葛城から「ほっぽおねーちゃ」と呼んでもらった事に地球崩壊レベルの衝撃を受け、それ以降、彼女を「ラギスケ」と呼んで妹分として大変可愛がっており、ただ馴れ合うだけでなく、葛城が自分の宝物を壊した時に電の様にちゃんと謝らなかった際には、宝物を壊された事ではなく「他人の物を壊して謝らない事」が良くない事であると叱るなど、一歩大人びた面も見せている。最近では、ヲ級と並ぶ深海サイドの主役的立場を務め、同じく榛名に並んでメインを張る機会が増えた葛城と共に話の中心に立つ機会も多い。
ヲ級と異なり港湾棲姫と北方棲姫は片仮名表記ながらもきちんと喋っている。
ただ、北方棲姫は漢字が読めず、長門の仮名文字の部分だけ読んでいた(以後、長門は北方棲姫とのコミュニケーションをとる際には、全て仮名文字だけの意思疎通用看板を用いている)。
レ級登場以降はセリフがひらがな表記に改編されている。また、彼女にとって艦娘は肌に色がある深海棲艦とのこと。
なかなか素直になれないレ級を気づかい、鎮守府に謝罪に行く彼女の背中を押している。
艦×パン!にも登場。行動圏が日本海溝と重なっていた為、伊-19のミスで海溝に落ちて圧壊寸前のあんこうチームを発見して間一髪で救助した。
原典では北方棲姫(と思われる誰か)を「アネキ」と呼んでいたが、このマンガでは「おねえちゃん」と呼んでいる。
一枚絵を経て「葛城とモッポ」の回で正式に登場。それまでどこで過ごしてきたのか、いつ北方棲姫達と合流したのかは不明。
姿がよく似ているため、葛城から北方棲姫に間違えられ、その際に同じく北方棲姫の妹分である葛城に対して「(北方棲姫は)お前のお姉ちゃんじゃないぞ」と言い放った事をきっかけに、「ほっぽお姉ちゃんはわたしのお姉ちゃん!」とお互い張り合い出すが、ケンカに疲れて最後には二人仲良くお昼寝していた。
その後も姉たちが葛城をはじめとする艦娘と仲良くしているのをなかなか理解できなかったが、転んだ自分を葛城が助けてくれたことで打ち解けるようになった。
その後は北方棲姫、港湾棲姫達と一緒に暮らしている模様で、姉と共に鎮守府に遊びに訪れたりしている。
北方棲姫同様に、桜餅をきっかけに長門を「ナガナガ」と呼んで懐くようになる。
鎮守府に住む深海棲艦
ワルイ級
元々は後述の野良深海棲艦の一体。他のイ級よりも小さく、上記のヲ級のところのイ級と同程度(または一回り程大きい程度)の大きさだが、葛城を背中に乗せたまま高速且つ高機動で航行できる程の馬力を有している。目つきが鋭く、額に傷跡があるのが特徴で、名前の由来もそこから来ている(名前の由来は「悪いイ級」ではなく「(顔が)悪そうなイ級」)。
他のイ級たちとケンカになり、ボコボコにされたところを北上に助けられ、鎮守府で生活することになるが、当初は誰に対しても屈する事を嫌う一匹狼な上に、獰猛なまでに警戒心が強かった故、北上に懐かず問題を起こしまくっていた。
見かねた長門と一触即発となった結果、止むを得ず北上の手で元居た海に戻されるが、以前ケンカになったイ級たちに袋叩きにされかけまたもや北上に助けられ、今度は自らの意志で鎮守府に戻ってきた。
北上の懇願もあって改めて鎮守府の一員となり、以降は一匹狼な性分は変わらずとも、少しずつ皆と打ち解けている。
鎮守府に馴染んでからは葛城と行動を共にする事が多く、彼女の事は妹分の様に思っているのか、葛城の初めてのお使いに護衛として同行した際には、寄り道をしかけた葛城の袖を引っ張って窘めたり、遠征に同行した時に艦隊から逸れて迷子になった葛城を放っておけず、皆と合流できるまで世話を焼き、自分と寝たがって駄々を捏ねた葛城の意を汲んで一緒に寝てあげている。
あまり態度には出さないが恩人である北上や鎮守府の艦娘達には彼なりに恩義や思い入れを感じている他、葛城に対しては上述の世話焼きな一面を見せる他、意外に甘い一面も覗かせる。そんな一見するとハードボイルドな無頼漢ながら、その実、真面目で面倒見の良い一面や侠気溢れる優しさ、義理堅さも併せ持った男前な性格の為、一部の読者からは「ワルイ(ケメン)級」と賛美を込めたあだ名で呼ばれる。
上述の一件以後は、葛城のお守りor保護者的な立ち位置に定着しており、「ワルイ級とシャチ」ではシャチを見たがる葛城の為に沖合からシャチを連れてきて遊ばせたり(その際、シャチを砲撃で脅して無理矢理連れてくるという少々荒っぽい方法をとるが、事が終わった後にシャチに対して謝礼代わりに大きな魚をプレゼントしている)、葛城がレ級に食事を差し入れながら見守っていた際には、この時はまだレ級が艦娘に強い敵意を抱いていた事を懸念してか、一度は制止しようとするも、一人ぼっちなレ級を放っておけない葛城の強い意志を受け、一緒に見守ったりしている。
「レ級襲来!」の回から登場。これまでの深海棲艦と違い、セリフはカタカナ表記ではない。
一人称は「オレ」で男っぽい口調。これでも武蔵に「私と互角はあるいは……」と言わせるほどのかなりの実力者。
ヲ級や南方棲戦姫の家事の手伝いを積極的に行ったりと悪い子ではないのだが、かつての戦いで拠点としていた前線基地を破壊され仲間を滅ぼされたことから、艦娘は敵という思想に凝り固まっている。……のだが、実は艦娘のことをよく知らないため、葛城や武蔵、雷&電たちが艦娘であることに気付かないなどちょっとアホの子っぽいところがある。野菜が嫌い。
艦娘殲滅という目標のために仲間を探して放浪していたところヲ級を発見。勧誘のために接触し、武蔵にご飯をごちそうしてもらったり、ヲ級の家に泊めてもらったりともてなしを受ける。
続いて紹介してもらった南方棲戦姫のところに行き、彼女と一緒にいた雷&電と饅頭作りを手伝う。南方棲戦姫にやんわりと説得されるが聞き入れず、それならばと北方棲姫を紹介された。
道中で何度も食事を差し入れてくれた葛城&ワルイ級と仲良くなりながら北方棲姫たちの元にたどり着くが、そこで北方棲姫に指摘されたことでようやく葛城や武蔵たちが艦娘であることを知る。皆が優しい人であることを理解しながらも艦娘への敵意を捨てきれず、ちょうどその場に来た榛名たちと出会うが、その時、榛名が基地を滅ぼした艦娘の一人であることを思い出す。話し合おうとする榛名の言葉も聞かず激高して襲い掛かって来たため榛名たちも撤退を余儀なくされる。しかし、攻撃を当てようとしなかったり、自分の投げた魚雷に当たりそうになった榛名をとっさに制止するなど、心のどこかでは割り切れていない様子を見せた。この時、榛名が落としたおにぎりクッションを拾っている。
回想によると、本能で「艦娘は敵」ということは理解していたが、艦娘にはそれほど敵意を持っておらず、基地では自分のように知性のある深海棲艦はシッポ以外にいないことから浮いた存在であり、基地から離れて生活していた。基地が壊滅した戦いでは、囲まれた榛名たちをとっさに助けてしまっている。基地が壊滅し生きる目的を失った彼女にシッポが仲間を集めて仇を撃とうと提案したのが一連の行動の始まりであり、いわば艦娘は敵と思い込もうとしていただけであり、榛名やヲ級たちも根は良い子であることを見抜いていた。
榛名たちから話を聞いた赤城と対峙した際に彼女の胸の内を聞かされたことで、「悪かったと思っている」と、ようやく自分の思いに素直になり、おにぎりクッションを自分の手で榛名に返すことを決意。攻撃した後ろめたさがあったためか若干尻込みしながらも、ヲ級や北方棲姫に背中を押されて鎮守府に赴き、改めて榛名と対面する。
榛名の想いを聞かされ、「お友達になってください!」と言われたことで自分が居場所を求めていたことに気付く。
榛名たちから鎮守府で共に暮らそうと提案され、念願の居場所が見つかったことで号泣した。その後は鎮守府の目の前の小島に陣地(子供が作る秘密基地に近い)を作り、昼間はそこで過ごし、食事の時や夜は鎮守府で過ごすスタイルにするとして、陣地作りを始めたが、実はもう一箇所基地(こちらはヲ級や北方棲姫達の家に近い洞窟を改装した様な造り)を造っており、その奥で密かに自分を歓迎してくれた鎮守府の皆へ感謝のサプライズパーティーを計画し、一人で準備を進めていた。
結局パーティー自体は、葛城にバレたのをきっかけに鎮守府の皆や他の親しい深海棲艦達も知る事となって、結局、皆で準備を進める形となって、レ級自身も「何の為のパーティーかわかんなくなっちまった」と苦笑いするが赤城や金剛達からは「レ級ちゃんの感謝の気持ちは届いてますよ」とお礼を述べられ、改めて榛名達と出会えた喜びを実感した。
シッポ(レ級の艤装)
レ級の尻尾に生えている艤装。本体であるレ級とは独立した自我を持ち、会話も可能。
礼儀正しい性格で敬語で話し、レ級を「主殿」と呼ぶ。
ガサツなレ級の補佐役というかお守りor保護者役的存在で、ヲ級の家で食事を馳走になった際にレ級が野菜を残そうとした時や、おにぎりクッションを榛名に返しに鎮守府へ来たものの入るのを躊躇った際には厳しめに窘めていた。
こちらは武蔵が艦娘であることに気付いたりしながらも普通に接していたり、無抵抗な榛名にレ級が攻撃した時は止めようとするなど、あまり敵意を持っていない。艦娘たちの過去や元になった艦の知識も豊富でむしろ敬意を抱いている節もある。
一方でレ級の心境にも理解を示し、案じているが、自暴自棄に陥りかけたレ級に生きる希望を与える為に咄嗟に出た方便とはいえ、結果的に彼女に艦娘への強い敵意を抱かせるきっかけを与えてしまったとも言えなくもなく、当人もそれを自覚していたのか、後に後悔している節を見せていた。
レ級が鎮守府で暮らすことが決まったときに号泣したのを、「やっと泣いていい場所に辿り着いたのです」と喜び、艦娘たちにも深く感謝した。
性別は不明だが、赤城に壊された艤装を修理してくれた明石に(本人視点ではかなり美化されているが)惚れているような様子を見せており、一部読者からは「男性ではないか?」という疑問を持たれている(他に榛名日和の世界観の中で男性の可能性があるのは、他にヲ級と同居しているイ級ら駆逐艦達とワルイ級である)。
その他の深海棲艦
海戦編にて、新たな海域に進軍しようとした榛名達鎮守府の艦娘達の前に現れた深海棲艦。原典とは違いブラを付けている。
嘗ては仲間の深海棲艦とテリトリー(の中にある孤島の神社)を守っていたが、正気を失った仲間が理性を残した同胞にまで襲い掛かった末に全滅してしまい、孤独に耐えているうちにとうとう自らも正気を失い、テリトリーである海域を外敵(艦娘、深海棲艦問わず)から守る事だけしか考えられなくなってしまっていた。
初めて榛名達の前に現れた際には、他の深海棲艦や艦娘の30倍近い全長を誇る「巨大深海棲艦」として登場し、嵐の雲をも吹き飛ばす長門の主砲ですら掠り傷程度で済ませる頑丈さと、速射能力こそ低いものの、長門型ですら直撃1発を耐えるのがやっと、改二になっていない金剛型では至近弾の爆風に曝されただけで大破する程の破壊力を有する主砲や、改二になって回避能力が上昇している翔鶴や神通ですら被弾を強いられる程に弾幕が凄まじい副砲群を有する超強敵として、立ちはだかった。
先述したとおり、初登場時は理性や正気を失っており、「航行の安全さえ保証してくれるなら事を構える心算はない」との赤城の呼びかけにも応じず、連合艦隊に対して問答無用で攻撃を開始。艦隊を敗退に追い込んだ。
だが、その際に命がけでしんがりを務めた比叡と隼鷹を見たことがきっかけで正気に戻る。
それでも、仲間を失った寂寥感から半ば自暴自棄気味になっており、「戦艦として長門達と再び戦いたかった」という理由から正気を取り戻した事を敢えて伏せたまま、(正気を取り戻した後も自由に巨大化できるらしく)再度巨大深海棲艦の姿で榛名達と戦い、戦術を再考し、切り札となる51cm砲を携えた長門と榛名達艦隊の強い団結力を前に敗れ去り、本来の姿を顕にした。
そして潔く負けを認めるとそのまま轟沈される覚悟を決めていたが、一度目の海戦で奇跡的に轟沈を免れ、そのまま捕虜としていた比叡と隼鷹が弁護してくれたことと、榛名にヲ級達の事を教えられ、和解。それをきっかけに完全に本来の性格を取り戻し、ヲ級や港湾棲姫達同様に鎮守府とも頻繁に交流するようになる。
本来はいつも笑顔の陽気な性格であり、捕虜にした比叡と隼鷹とは(牢獄に閉じ込めこそしたが)酒を酌み交わしながら意気投合し、和解後は呑み友達となった。
また、港湾棲姫と同じくお菓子作り(港湾棲姫と対照的にまんじゅう、きんつばなどの和菓子が多い)が得意なのか、自身の元を訪れた榛名達、鎮守府の艦娘達やヲ級、北方棲姫やレ級達に振る舞う場面が多い。
長年孤独だった反動からか、イベントに参加するなどするとはしゃぎ過ぎてしまう癖があり、本編ではヲ級達とともに節分行事に参加した際に、調子の乗って長門を怒らせてしまっている。
鎮守府の艦娘で海戦に参加していなかった葛城からは、和解後も強い警戒心や敵意を抱かれていたが、自身が作った酒蒸しまんじゅうを与えた事をきっかけに「おーまじゅのおねーちゃ」と呼ばれ、無事に心を開いてもらえた。葛城に拒絶されても笑顔を絶やすことはなかったが、内心では気にしていたらしく、なんとか懐いてくれた時は「よかった」と安堵していた。
レ級の仲間探し③で再登場時には、港湾棲姫同様に頭身と顔つきが原典に近くなり、レ級同様セリフがひらがな表記に改編されている。
艦娘殲滅の思想に凝り固まっているレ級をやんわりと説得しようとしたが、一度正気を失っていた手前強く言えなかったため、北方棲姫を紹介している。
榛名達には「戦姫さん」「棲姫さん」と呼ばれている。
一枚絵でも登場したが、本編では「榛名の一日」で登場。ヲ級達同様に艦娘に敵意を持っていないらしく、榛名がヲ級達の島に遊びに行った帰り道でぶつかったが、お互い笑顔で謝罪して別れている。
吹雪とは完全な別個体と推測される。
その他の野良深海棲艦
鎮守府の近くにも出現する深海棲艦。通常サイズの駆逐イ級(通称「悪イ級」)が大半だが、それ以外の種類もたまに登場している。
一番よく登場しているイ級はヲ級の仲間のイ級やワルイ級より大きく、主にハ級やニ級を従えて集団で行動している。
加賀や長門の様な強い相手に対しては一睨みで逃げ出したり、萎縮する程気が弱いが、逆に自分達でも勝てると見た相手には仲間と共に寄ってたかり襲おうとしたり、奇襲をしかける等、卑怯な性質の為、ヲ級や北方棲姫とは仲が悪い。
『葛城の出会い』では海に漂流した葛城をハ級、ニ級と共に襲おうとしたが、割って入ってきた北方棲姫の砲撃で仲間共々撃退された。『大井とヲ級』ではロ級、ハ級、ニ級と共に夜闇に紛れて大井と北上を不意打ちによって追い詰めるが、駆けつけたヲ級の空爆を受け、その隙に形勢を逆転させた大井達に撃退されている。
『北上とワルイ級』では放浪中のワルイ級を自分達の子分にしようとするが、拒否され、攻撃された事で腹を立てて仲間達と共に甚振ろうとするが北上に撃退され、結果的にワルイ級が鎮守府にやってくるきっかけを作る。
ただし、ほとんどの場合は追い払われるだけで済まされており、海戦編などを除けば轟沈した例はほぼなく、劇中では弱い者いじめをする悪ガキのように扱われている。
その他
鳥さん
鎮守府近くの孤島(ヲ級や武蔵の家がある)の海岸林に住んでいる海鳥夫婦とその子供達4羽。
ヲ級が魚を与えている描写からして、魚食性である模様。榛名と同じ第三子にあたる雛鳥は頭に卵の殻を帽子の様に被っており、4羽の中でも代表的な存在となっている。
洗濯物干しを手伝っている隙をついて榛名から初代おにぎりクッションを強奪するが、それは孵化直前だった第三子、第四子を含む子供達の寝台にする為であった。無事に孵化を見届けた榛名、長門、金剛に正式にクッションを譲られただけでなく、巣の屋根を作って貰い(材料は長門が持ち歩いている看板)、彼女達にも懐く。一方、赤城に対しては初対面時におにぎりクッションを取り返そうとした彼女に矢を射られそうになった(寸前のところで赤城自身が思い直した為、未遂に終わった)為、夫婦共に非常に警戒していたが、第三子が懐いた事をきっかけに親鳥も赤城に対して心許す様になる。
その後、巣を発見したヲ級が家族の世話をする様になり、ある日孤島が嵐に見舞われ、鳥さん一家の巣が壊れかけてしまった際にヲ級が身を挺して守った事をきっかけに、ヲ級は榛名と出会い、親友となる。言うなれば榛名達鎮守府の艦娘達とヲ級達温厚派な深海棲艦とを繋ぐ架け橋となった存在である。
その後も島で暮らしており、榛名やヲ級たちが度々様子を見に来ていた。
「渡る鳥と榛名とヲ級」で渡りの時期を迎え、榛名たちと離れたくないのかなかなか旅立たなかったが、榛名とヲ級が赤城達の力も借りて旅立ちを促したことでようやく飛び立った。
榛名たちは空になった巣を手入れしながら鳥さんたちが帰ってくる日を待っている。
鎮守府に流れ着いた他作品の一航戦。最初は動物の死骸が流れ着いたと思われ、長門にゴミとして処分されそうになったが、榛名が生存を確認し、(二人とも狐っぽいからか)きつねうどんで飢餓状態から脱している。自己紹介からすでに所属がレッドアクシズの重桜ではない様子。
榛名からは「狐の赤城さん」と呼ばれている。