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「魔物娘」とは
イラストレーターの健康クロス氏が創作したキャラクター群。ファンタジー作品に登場するモンスター(魔物)、日本の妖怪、童話のキャラクターなどを萌え擬人化したもので、いわゆる「モンスター娘」(もんむす)と言われてきたジャンルである。
だが従来のモンスター娘が触手責め(但し触手要素は存在)、寄生(人間の女性に広義の寄生を行う物はいる)、イートミー、欠損などが伴うグロでニッチなジャンルであったのに対し、本作の「魔物娘」は人間に対して友好的な面が強調され、ファンタジー世界を背景にした甘々いちゃラブに舵を切ったものになっている。(但し魔物化に関するいくつかの描写や、後述する公式書籍掲載のサイドストーリーは人によっては一概に甘々オンリーと言い難い物ではある)
そのため登場キャラクターは一般的な「モンスター娘」に比べて人外度が低めで、描かれるプレイ自体も後述の要素こそあれど、ライトでコメディタッチの物が。ただし、そのライトさを徹底するための世界設定は意外なほど緻密に組み立てられており、「図鑑世界」と呼ばれる独自の世界観を築いている。
「図鑑世界」は基本的には一般的な中世ヨーロッパ風RPGのイメージをベースにした世界観であるが、時代劇や日本の昔話に近い社会に日本の妖怪・八百万の神をモチーフにした魔物娘が多く住む国家「ジパング」や、名前からして明らかに某童話をイメージした異世界「不思議の国」等といったように様々な環境を持つ土地の存在が語られている。
なお健康クロス氏は、図鑑世界の設定を必要以上に破壊しない(魔物娘による人間の虐殺、不倫など)という条件つきで、ある程度自由に二次創作を認めている。原典が「図鑑」というストーリー性のないものなので、このジャンルは二次創作から広がってきたと言っても過言ではない。
但し、公式書籍におけるサイドストーリーという物も存在する。
公式書籍は健康クロス氏の同人サークル「クロビネガ」より頒布されている。
「魔物娘」の大まかなキャラクター設定
もともと、「魔物」という種族は、獣じみたものや異形のものなどいわゆる普通のモンスターと呼べるものばかりであり、人間と対立しそれを襲って食らう、天敵とも言える存在であった。しかし、代替わりにより魔王となったサキュバスは人間に対して友好的であり、前述のような意味で襲って喰らうようなことはしないことから、その影響を受ける形ですべての魔物は例外なく(元々雄であっても)人間の女性に近い姿となった。
彼女達はメスしかおらず、単為生殖は原則不可能(ただし種族によっては魔力を注ぎ込む、胞子を植え付けると言った手段で人間の女性を同族や眷属にする事も可能であり、また人間の女性に寄生するという手段が必要な物もある)であり、サキュバスの影響により人間の男性と性交する事によって摂取できる精という生命エネルギーを糧とするようになったものも多い。その為、子孫を残すためや主食の精を手に入れようと、さまざまな手段(時に強姦、洗脳と言った物も含む)で人間の男性に襲い掛かり、そうして手に入れた人間の男性と夫婦になり、子を産む事が本能に刻み込まれている。
また、人間と共に生活しやすくするためか、種族によって程度の違いはあるものの、外見や生殖能力以外の部分でも生物としての生態が人間のそれに近い物へと変化している傾向が強い。例えばハーピーやマーメイドのように卵生の種族であっても有精卵の場合は胎内である程度育てる疑似的な「妊娠」の期間を経て産卵したり、コボルドやワーウルフのような魔物娘でも犬・狼にとっては有害となる玉ねぎ等を人間と同様に食べることができるなど。蜘蛛やカマキリのように種類によっては交尾中にメスがオスを捕食する生物が元になった魔物娘であるアラクネやマンティス等についても、彼女たちの夫になったからといって命を奪われる心配はないのでご安心を。
なお、魔物娘の夫として長い間交わり続けた人間の男性は、やがて「インキュバス」と呼ばれる半人半魔へと変貌する。彼らは基本的には人間と変わらない外見をしているが、いかなる激しい長時間の性行為にも応じることのできる強靭な体力と、そのような状況でも伴侶の魔物娘を満足させ続けることができるほどの旺盛な性欲・精力を持つようになる。そうなれば妻から魔力を得ることもでき、イチャイチャするだけで永遠に若さを保ちながら生きていけるというなんとも羨ましい状態になるのである。
現時点では魔物娘は男子を産むことはできず、生まれる子供は魔物娘のみである。これは図鑑世界を支配する「主神」の力によるものだが、将来魔物娘とその夫が増えることで主神を打ち破ることができると考えられており、現在魔王は夫(元勇者)と交わりながら主神に立ち向かっている。
総じて彼女達はサキュバスである現魔王の影響を強く受け、エッチな事と人間が大好きであり、特に旦那となった人間の男性の事を強く好む。これが最も重要な設定であり、1度意中の相手を見つけた魔物娘が不倫に走ったり寝取られで他の男性に靡くことは絶対になく、害意を持って意図的に人間を殺傷するような事態も発生しない。
他の妻を持つ男性には、ハーレム願望のある一部の魔物や、それを承知または知らずに惚れた魔物を除いて手を出すことはない(そうした男性には妻となった魔物娘のニオイや魔力が染みついていることが示唆されている)。 中には一体で複数の人格を持つ種族も存在するが、その場合も全ての人格が同じ男性に好意を持つという。
ただし当人達が合意した上での一夫多妻に対しては寛容な部分があり、複数の魔物娘が同じ男性を夫とする事自体は珍しい事ではない。同時に近親相姦についても人間と比べると忌避感が非常に薄く、魔物娘となった元人間の女性が近親者を夫としたり、父親に甘やかされて育ったりした娘が母親と共に実の父親を夫にしようとする事例も多いと言われている。
また、相手の男性に人間の伴侶がすでにいた場合、上記の様に魔物娘にしてしまう。やり方は前述のように胞子や魔力を使うほか、死後アンデッド系の魔物に転生させる場合もある。魔力を注ぎ込む場合、広義の強姦を含む同性間での性行為を用いる事もあり、(人間の価値観で見ると)相手の合意や同意を得るか否かは微妙なラインである。
図鑑世界における『魔物娘図鑑』
『魔物娘図鑑』は作中の世界にも存在し、とある放浪の魔物学者が執筆したという設定。項目ごとの魔物娘のイラストは彼と共に旅をするリャナンシーが描いたものという位置づけ。つまり、ある種族のいち個体の肖像であり、そのイラストと異なる容姿や服装の者も普通に居る。
種族ごとの性格や考え方などについても例外が存在するケースもある。
作中世界のいち個人が書いたという背景上、そこに盛り込まれた視点や知識は限界を伴ったものにもなっている。
例えばリリムの項目において原作者が展開上起こさないと規定している「現魔王の死」の可能性について記す等。
現魔王がどのような経緯で魔王になれたのかについて彼は知らず、魔王が死ぬとどうなるかについても仮説を想定するしかできない。
このほかに原作者監修のもと制作され、頒布されている『魔物娘図鑑ワールドガイド』シリーズにも、作中のキャラクターが記した、という形のパートが含まれている。
記事が存在する種族の一覧
五十音順
種族の分類
尚、魔物娘は何らかの「ソート(分類)」に属している。
魔人・妖女 | 人間と変わらない姿を持つ魔物達。元々人間であった種族が多い |
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亜人 | 人間に近い姿の種族。元々亜人種として扱われていた |
獣人・魔獣 | 陸生哺乳類の特徴を持つ獣人や魔獣達 |
鳥人 | ハーピーを始めとした、鳥の特徴を持つ魔物達 |
爬虫類 | ドラゴン、ラミアやリザードマン等の爬虫類、蛙等の両生類、またはそれらの亜種 |
人魚・水棲亜人 | 人魚を始めとした、水の中に住む種族 |
虫 | 虫の特徴を持つ魔物達。昆虫だけではなく蜘蛛やナメクジ等も含まれる |
植物 | 植物の特徴を持つ、草木や花の魔物達。海藻や、きのこ等の菌類もここに入る |
サキュバス・悪魔 | 現在の魔物達の中核をなす淫魔や悪魔達 |
天使 | 天界から来たる神のしもべが魔物化したもの |
スライム | 半液状の身体を持つ、スライム属の魔物達 |
精霊・エレメント | 自然界の元素や魔力から生まれた、精霊に属する種族 |
魔法生物 | 人工的に生み出されたゴーレムや、道具が命を得て魔物になったもの等 |
アンデッド | 死から蘇りし不死の魔物達 |
分類不明 | 以上のいずれにも属しない、不思議な魔物達 |
上記とは別の軸として「原種」「亜種」「上位種」「突然変異種」という分類形式が存在する。
「原種」とはラミアやハーピーのように、複数の種族を包括する分類としての「○○類」「○○属」の「○○」の部分に入る基本形の種族である。
「亜種」とは原種に連なり、原種の名を冠した類や属として分類される近縁の種族。「上位種」は「亜種」のうち、種族の平均として原種より高い能力を持つ種族を指す。ラミアからみたエキドナやメドゥーサがこれに該当する。
「突然変異種」は文字通り突然変異で生まれた個体たちを括る分類。厳密には原種とは同種族であるが、あまりにも大きな性質の違いがあるため便宜的に別種族として記される者たちである。ゴブリンとホブゴブリン、スライムとクイーンスライムがこの関係にある。あくまで名義上のものであり、例えばホブゴブリンからはホブゴブリンが生まれる確率がゴブリンが親である場合より高いものの、ホブゴブリンの母からは多くの場合、通常のゴブリンが生まれる。
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- もんむす・くえすと!:健康クロス氏が参加した作品。全体的なイメージは逆レイプ主体で捕食シーンもあるため真逆のコンセプトのようにも思えるが、最終的にはこちらにもあるようなハッピーエンドを迎えている。