データ
概要
南太平洋に浮上した超古代都市ルルイエに現れた闇の邪神。
ユザレ曰く「大いなる闇」とされ、3000万年前の超古代文明を滅ぼした元凶である。
巨大なアンモナイト状の体から触手が生え、顔は下顎に目が付いているという極めて奇怪な姿をしている。
また、海に浸かった体からは鋏状の巨大な腕が伸びており、実は甲殻類のように下半身には8本の足が生えている。
名称こそクトゥルフ神話に登場する旧支配者・カタノトソーアで由来だが、モチーフはクトゥルフであり、“ルルイエに現れる”などの設定はクトゥルフの持つ要素である。
ちなみに、ティガのアナザー・ストーリーの1つである短編『深淵を歩くもの』では思いっきりクトゥルフ神話の旧支配者の様な扱いになっている(クトゥルフを讃える歌が鳴り響いたり、使者を使わせて自身の復活を予告したり、しまいにはリュウグウノツカイを使役して人を襲わせるなどの能力を持っていたりなど…)。これを反映してTCGバトルスピリッツでは系統がクトゥルフ神話系を総括する「異合」になっている。
出身地は一応は覚醒した場所である「ルルイエ」ということになっているが、元ネタが元ネタなので正確な出身地は現在でも謎のまま。
また、見た目は怪獣ながらもダイブハンガーをシャドウミストで襲撃して人類の戦力を削ぐなどの策略を実行している事から人間とそう大差ない知性を持っていると思われる。
これらの著者である小中千昭氏によれば、「ギジェラという麻薬的な植物が蔓延して人類が生命力を失い、光の巨人は去ったので、かつての光の巨人とは戦っていない最強の怪獣」であるとのこと。
戦闘能力
口から吐く電流と闇、そしてマルチタイプの攻撃はおろかパワータイプのデラシウム光流やパワータイプ版ゼペリオン光線すら寄せ付けない頑丈な表皮を持ち、ティガを苦しめた。
特に闇の力「シャドウミスト」は極めて強力。質量反応がないため、通常攻撃や物理的な力では止められず飲み込んだ人間を一瞬で即死させ、ティガの皮膚ですら傷を負わせる。
また、GUTS基地のサブシステムや各種通信設備が使用不能になってしまった。
小説版では「闇を見たものは希望の灯を消され、闇に触れた者はその肉体を姿なきものに変えられる」とある。
地球全てを闇で覆いつくし、全世界に絶望を与えた。
なお、実際に地球が暗闇に覆われた場合、太陽光が地面に届かないので光合成が行われず、やがて酸素は無くなり、太陽光から発生する熱も存在しないので寒冷化待った無しである(恐竜が絶滅したのも太陽光を遮られた事による寒冷化が原因だという説もあるくらいだ)。
おまけに上述の性能ゆえに宇宙に逃げる手段も敵わず、暖を取ろうにもいずれはエネルギーの枯渇が来てしまう(そもそも先述するように酸素が無くなる為、物体を燃焼させることもできなくなる)…つまり、ガタノゾーアが何もしなくても、ほっとくだけで人類は滅んでしまうのだ。
この点、宇宙に事態の収拾の手がかりを探しに行けるだけ、ムルロアの方がまだ有情だと言える。
戦歴
上記の身体的特徴や圧倒的な戦闘力を駆使してティガの攻撃を全く寄せ付けず、ティガのエネルギーが完全に尽きかけたところで鋏と触手によってティガの動きを封じ、紫色の光線でカラータイマーを打ち抜き、再び石像化させて海中に没せしめた。
そして、世界を闇で覆い尽くし、ティガ復活オペレーションまで妨害して失敗に追い込み、全人類を絶望させる。
だが、最後まで希望を捨てなかった世界中の子供達の“光”で蘇ったグリッターティガの回し蹴りを受けて吹き飛び、グリッターゼペリオン光線で大ダメージを受け、最後はタイマーフラッシュスペシャルで消滅した。
戦いが終わった後、闇は晴れ、全ての人々の希望となったティガは光になって消えていった。
英雄、マドカ・ダイゴを残して。
だが、倒されてもその怨念はルルイエ周辺に残留しており、後にデモンゾーアとして復活することになる。
最強の怪獣
平成シリーズはおろか、昭和シリーズも含めたウルトラ怪獣の中で史上最強と謳われる1体。
最大の理由として、歴代怪獣で初めて劇中で人類と地球を滅亡寸前まで追いやったという驚異的な実力が挙げられる(既に一つの文明を滅ぼしたという前歴まで持っている)。
宇宙人も含めれば『セブン』のゴース星人が世界中の主要都市を地底ミサイルで破壊して人類を滅亡の淵に追いやってるが、単体の怪獣で全世界規模(ウルトラシリーズで怪獣被害に遭うのは大抵日本国内規模である)の凄まじい被害を出したのは実はガタノゾーアが最初である。
ファンからの間では次回作の『ダイナ』と比べて地球侵略の危機に晒されていないのは、このガタノゾーアが抑止力になっていたからではないかと考察されることも。
確かに侵略目的で来訪した宇宙人もいるにはいたが、ティガ時点で来訪する悪意を持つ宇宙人の多くは侵略とは別の目的(地球人の拉致やゲーム、侵略した星の生き残りの抹殺、エネルギーの摂取)で来訪するものもかなりの数が存在している。仮に地球を掌握しても今度はガタノゾーアとの決戦が待っているので、せっかくの地球侵略が水の泡と化してしまうリスクが出てくる以上、ティガの時代に地球侵略をするメリットは薄い。しかし、ティガがガタノゾーアを倒してくれた上に人類が宇宙開発する時代となった以上、地球という惑星の存在が認知されやすくなった背景もあってスフィアや侵略宇宙人などの宇宙からの脅威に晒されやすくなっている。
幻の第2形態
実はガタノゾーアには大人の事情(具体的に言うと予算や時間的余裕がなかったらしい)で企画段階で没となった幻の第2形態が存在している。
企画段階で没になった関係上、本来はデザイン画はおろか、ラフ画すらも存在しなかったが、「ウルトラマン55周年記念 TSUBURAYA EXHIBITION 2021」に向けてガタノゾーアのデザイナーの丸山浩氏によってデザインが描き起され日の目を見る事となった。
ちなみにその容姿は直立不動に立ち上がり、首の部分が長く伸びた感じとなっている。
ちなみに同氏がクトゥルー神話展に出展した光の巨人たちが戦いに敗れたIFの世界の地球に君臨する邪神カタノトーアの姿が、どことなくガタノゾーアの第2形態に似ている。
そしてティガの要素を強く持つ新作ウルトラマントリガーが中心となって開催されたイベント、「ウルトラヒーローズEXPO2022 ニューイヤーフェスティバル」では、バトルステージにおいてガタノゾーア第二形態がボスキャラクターとして登場することになった。
こちらではカルミラによって召喚された強力な怪獣として登場し、当初は通常のガタノゾーアのように振舞っていたが、突如として全身を現し首が伸びた第二形態となってウルトラヒーローたちに襲い掛かっている。
スーツはショーによく登場する他の大型怪獣と同様に、全身がバルーン製となっている。
重みも少ないためか、ステージ上ではウルトラヒーロー達に突進を仕掛けるなどして大暴れをしていた。
闇ノ魔王獣マガタノゾーア
『ウルトラマンオーブ』第4話にてその存在が明かされた、ガタノゾーアの亜種にして、魔王獣の一体。
かつてティガの手によって封印されたとされる。
登場時は既に怪獣カードとなってジャグラスジャグラーの手に渡っており(このことから、何らかの原因で復活を遂げた後、オーブオリジンによって倒されたものと思われる)、マガタノゾーア自身は本編では直接登場することはなかった(一応、超大魔王獣マガタノオロチがマガタノゾーアの能力であるマガ触手を使用する描写はあるが)。
しかし2017年春、データカードダス「ウルトラマンフュージョンファイト!」第6弾に参戦することが決定し、ゲームではあるものの初めてその全貌を現した。
また超全集に収録された『ウルトラマンオーブクロニクル』において、5000年前の地球のイシュタール文明でのオーブとの戦いの様子が描かれた。
外伝作品での活躍
大怪獣バトル
南極で眠っていたところ突然復活し、主人公たちに襲い掛かる。
闇の力でバトルナイザーの怪獣達をものともせず、駆けつけたティガをも苦戦させたが主人公、カネゴン、キール星人ヴィットリオの心の光の力で誕生したグリッターティガのグリッターゼペリオン光線で倒された。
後にキリエロイドが操る怪獣としても登場する。
漫画『大怪獣バトルウルトラアドベンチャー』ではかつてアサマ・アイの世界を闇で包もうとしたが、ティガに倒されたことになっている。(アイのいる世界はティガのパラレルの世界で、ティガはガタノゾーアを倒した後も消滅しなかった)
だが突如として復活を遂げ、アギラを一撃で石化し、レッドキングや助けに来たティガを圧倒するがアイ、カネゴン、ヴィットリオの心の光で復活したグリッターティガとレッドキングの同時攻撃により滅び去った。
『大怪獣バトルウルトラコロシアム』ではメフィラス星人が復活させた怪獣として登場。主人公からも強敵として認識されているが、実際の所は育成をしっかりしておけばそれほど苦戦する相手ではない。
ウルトラ銀河伝説
ベリュドラの胴体を構成する怪獣として登場。
ウルトラマンギンガ
すでにダークルギエルの手によってスパークドールズに変えられており、ルギエルの部屋に置かれていた。
ウルトラかいじゅう絵本
おおきなかぶを題材とした「なにがぬけるかな?」に登場。
ただでさえ元ネタがトラウマ要素の塊なだけに他の出演者の人選もあいまってなにかがおかしい。
この作品に出演した怪獣は他にゼットン、ゴモラ、エレキング、ブラックキング、タイラント、バードン、恐竜戦車、レッドキング、ガッツ星人とウルトラヒーローを苦しめた強豪ぞろいである。
ウルトラ怪獣擬人化計画
円谷プロ公認(!)の擬人化企画により美少女化されたガタノゾーア。
デザイン担当は娘太丸氏
どういうわけか幼い少女のような姿になっており、邪神としての面影はまったくない。また、原作で海中から姿を現したためか、スク水を着ている。スク水には先輩がいるのだが…。
特徴的なアンモナイトのような貝殻からは蛇の頭が顔を覗かせている(劇中でティガを石化したことからメデューサを意識したのかもしれない)。『怪獣大図鑑 Vol.1』では、「ヒマな時は顔を出してる蛇さんとお喋り」という一文があることから、本体とは別に意思を持っている模様。一部の触手は独自の意思を持つという小説版の設定を反映したのだろうか?
デザインを担当した娘太丸氏によると、頭が重すぎてすぐに転ぶという致命的な弱点があるそうだ(これにより、お馴染みの上下逆の顔になるという解釈らしい)。
漫画版
本作ではそこまで強大な存在としては描かれておらず(ただし、シャドウミストを生成・散布する能力は持っている)、ピグモンやメカギラス、カプセル怪獣といった並の怪獣と同列の扱いとなっている。性格も臆病かつ控えめで、勝手に写真を撮られて大慌てしたり、湖に潜んでいた正体不明の存在にビビッて逃げ出したりする始末(邪神らしくないという点に関しては第24話でウインダムからもツッコまれている)。
本人もそのことを気にしているのか、日々「邪神らしさを磨くための練習」をしている模様。
上記の「頭が重すぎてよく転ぶ」という部分もネタにされており、空を見上げていて転んでしまい、起き上がれなくなって困っているところをペガッサとガッツに助けてもらった他、教室に入ろうとした際に、頭がつっかえてひっくり返ってしまうという一幕もあった。第24話では「重心が上手く取れなくて(水中から)いつも逆さまに出ちゃう」とも話しており、「どうしたら上手くできると思います?」とウインダムに相談していた。
怪獣娘(黒)〜ウルトラ怪獣擬人化計画〜
「…食べ、たい……」
キービジュアル第2弾の背後に小さくではあるが描かれており、なんとまさかの登場が決定してしまった(擬人化された姿ではあるものの、『ティガ』劇場版の回想シーン以来、実に18年ぶりの映像作品登場となる)。
抜擢の経緯について本作の脚本を担当した下山健人は、平成のウルトラ怪獣の中で一番強いということや、「かわいい女の子が、実は…」というギャップがいけるかもしれないという判断から、いろいろ提案された中からガタノゾーアを選んだと語っている。
劇中では、終盤で登場。
ペガッサ星人こと平賀サツキが発生させたダークゾーンの中にいたところをブラック指令に発見され、救出される(この時は、髪が途中で触手に代わらずに普通のロングヘアーになっている他、最大の特徴であった頭の殻の大きさもだいぶ縮小され、殻から顔をのぞかせていた蛇の頭のような部位もオミットされている等、元のデザインと比べてかなり簡略化された姿をしていた)。
なお、ブラック指令はサツキが闇の世界から召喚させたと推測していたが、実際には冒頭でサツキが力を暴走させてダークゾーンを発生させた際に、運悪く飲み込まれてしまっただけである模様。
そのままアジトに連れ帰ってソウルライザーで解析した結果、かつて世界を滅ぼそうとした闇の邪神:ガタノゾーアの力を宿した怪獣娘であることが判明したため、対GIRLS引いては世界征服のための切り札としてブラック指令からは多大な期待を寄せられ、手始めに池袋の街中で(ブラック指令のリア充達への個人的な憂さ晴らしもかねて)ひと騒ぎ起こしてやろうと画策される。
しかし、そんな期待をよそにガタノゾーアは一向に目を覚ます気配がなかったため、業を煮やしたブラック指令が無理やりたたき起こしたところ、お腹をすかせていることを訴える。試しにシルバーブルーメの持っていたチョコを上げたところ、体が肥大化して、そこから蛇の頭のようなものを覗かせたお馴染みの姿に変貌、邪神としての片鱗を見せ始める。
チョコを食べさせれば力を取り戻していくと睨んだブラック指令は、部下たちに命じてありったけのチョコを買い集めてガタノゾーアに食べさせ、結果、指令の推測通り、ガタノゾーアは本来の姿と見紛うほどの巨大で禍々しい姿へと変貌を遂げる(これがキービジュアル第2弾に描かれていた謎の黒い怪獣の正体である)。
ところが、購入したチョコの中にうっかりブランデー入りのものが入っており、このせいで酔っ払って意識が朦朧とし、力を制御することができなくなり、指令の命令を無視して破壊活動を始めてしまう。
あのガタノゾーアの力を受け継いでいるだけあってその戦闘力は圧倒的であり、かけつけたGIRLSの面々やブルーメ・ノーバですらも全く歯が立たず、最早打つ手はないかに思われたが、ブラック指令のとある一言がきっかけでサツキは異空間にガタノゾーアを放逐することを思いつき、ダークゾーンを発生させる。
目論見通り、ガタノゾーアは異空間に吸い込まれるが、最後の悪あがきとしてサツキを触手に絡めとってそのまま自分もろとも引きずり込もうとする。しかし、ブラック指令の催眠術による妨害を受けて失敗し、尚も抵抗を続けたものの、最後はサツキがソウルライザーでガタノゾーアの変身を強引に解除させたことで完全に活動を停止、そのままダークゾーンの中へと消えていったなお、サツキとブラック指令はダークゾーンが消滅する直前に辛くも脱出に成功している。
以上のことからわかるように、本作のガタノゾーアは(あくまで母体が人間の少女であるということもあってか)自分から率先して悪事を働こうとしたわけではない。
寧ろ、街中でわけもわからないまま異空間に突然吸い込まれ、ようやく目を覚ましたと思えば無理やり力を引き出されて暴れさせられ、挙句の果てには手違いで力を制御できなくなったために再び異空間に封印されるという踏んだり蹴ったりな目に遭っており、ある意味でこの作品最大の被害者であると言っても過言ではない。
また、ダークゾーンの異空間内の時間の流れは不明だが、最初に取り込まれてからブラック指令の救出まで外の世界では数日が経過している。この時は怪獣娘に変身していたから命の危機に陥らなかったと強引に理由付け出来なくはないが、ラストでは変身を解除されて異空間内に放置されている。不憫。
ただ、本作はゼットンがガタノゾーアの消息を不審がるという何かのフラグのような意味深なシーンで幕を閉じており、今後続編が制作された際には、また再び登場してくれる…かもしれない。
演じる小倉は、ガタノゾーアについて、「怪獣の時の怖い姿と怪獣娘の可愛い姿のギャップが好き」と語っており、オーディションを受けた時から「絶対に演じたい」と思っていたとのこと。また、「寝息の演技を頑張ったので聴いてほしい」とも語っている。
また、小倉は同作でノーバを演じる石原夏織と以前ユニット「ゆいかおり」を組んで活動しており、解散後に共演するのは今作が初めてとなることから、ファンの間では非常に大きな注目を集めることとなった。
なお、アニメ作品への初出は劇場版だが、映画の公開に先駆けて行われたボートレースまるがめとのコラボ企画では、アニメ本編仕様のデフォルメされたデザインも発表されている。
ゴシックは魔法乙女
『怪獣娘(黒)』とのコラボイベント限定のキャラとして登場。
声優は劇場版と同じく小倉が担当している。
ロストヒーローズ2
袖付きのシナンジュによって再生させられ、ダークネビュラを展開中のサジタリウス・ノヴァの護衛を務めていた。
サジタリウスを発見した仮面ライダーメイジを追ってヒーローたちと遭遇し、ティガを石像に変えヒーローたちを気絶させると撤退する。
その後はイーヴィルティガの力でティガが復活しそうになったため再び現れ、光遺伝子コンバーターを破壊する。しかしヒーローたちの思いの力でグリッターティガが誕生するとタイマーフラッシュスペシャルを受け爆発した。
しかしその先のステージで改めて戦闘となる。
後にヒーローに敗れた者たちの怨念を集めてデモンゾーアに変貌し、リジェスを守る最後の敵として襲ってくる。
大怪獣ラッシュ
原作では非常に強大な存在だとされているのだが、プラズマギャラクシーにおいては水の惑星に出現するただのプラズマ怪獣として複数個体生息している。しかも場合によっては多量のプラズマソウルを取り込んだ油獣かミサイル超獣にかませとして出オチさせられている…ラスボスってなんだっけ…?
仮にも旧支配者である彼を狩ろうとするハンター達は命知らずという他ない。
深淵を歩くもの
『ウルトラマンティガ』のアナザーストーリーとなる本作では、内原戸哲夫(ないはらとてっぷ)と名乗る浅黒い肌の男がとある研究者に依頼して海底に不規則に並んだ不気味な穴の中(おそらくガタノゾーアの殻)から引き揚げさせた70cmほどの円形のタブレットに復活に関する予言が刻まれていた。
名前事態は登場しないが空を飛ぶ眷属を引き連れ、穴の空いた巻き貝の殻をもつ口蓋の下に眼がある邪神と描写されており、「進化する光を喰らうもの」「旧支配者」と呼ばれている。一部の触手には意思が宿っており、眠らずに時折海面に現れては果てしない間人類が文明を築いていく様子を確認し、それを破滅させる時を待ちわびているという。また吐き出す闇にも意思が宿っており、見るだけで希望を失い、触れると肉体を形なきものに変えると言われている(眠っている場所は太平洋であることには違いないのだが、南太平洋ではなく、小笠原湾で眠っているという設定になっている)。
内原戸自身はガタノゾーアとは何ら関係はないが、星が闇に閉ざされ人類が絶望の末に滅びれば面白いと思っており、自らガタノゾーアの預言者を自称して復活の予言を広めるべく暗躍している。(ティガの世界における預言者と言えばキリエル人がいるが、彼らはガタノゾーアと敵対してるのでおそらく内原戸はキリエル人とは別の存在である。カンの良い方ならお察しの通り、正体は間違いなくアイツである。)
なおタブレットを引き上げた研究者は夢とも現実ともつかない奇怪な経験をした結果、無数のリュウグウノツカイに貪り食われ深海に横たわるマネキンの首のように首だけになり、身動きが取れないまま深海で永遠に生き続けるという悲惨な末路を迎えてしまった。
本編のノベライズである『輝けるものたちへ』でもこの事件のことが言及されており、研究者は行方不明扱いとなってることが判明した。
また、内原戸自体は光の巨人達に倒されてはおらず、ネオフロンティアスペースの脅威がまだ去っていない事を窺わせている。
なお、TCG『バトルスピリッツ』にXレアとして収録された時のイラストの構図は本作の挿絵と構図が酷似している(イラストはどちらも丸山氏が担当)。
ウルトラマンフェスティバル1998
チャリジャたちの起こした騒動とは無関係に復活。チャリジャ達が召喚したニセウルトラマンダイナを触手で撃破し、ティガとダイナを苦戦させたが、観客の応援でエネルギーが回復した二人のTDスペシャルを浴びて爆散した。
ULTRAMAN
外伝小説『ULTRAMAN SUIT ANOTHER UNIVERSE EPISODE:TIGA』に登場。
宇宙のいくつかの文明に痕跡を残す遥かな超古代に君臨した異質な生命体で、全ての怪物の頂点に君臨する絶対的な闇の支配者。旧支配者の異名を持つ。巻貝を思わせる巨大な外骨格から1000メートルを超える長大な触手を生やすイカやタコのような外見となっているなどよりクトゥルフらしさが強調されている。
3000万年前に地球を支配し、気候変動を巻き起こして生物の大絶滅を引き起こしている。元ネタ同様ガタノゾーアという名前は正式な名前ではなく、地球人には正しい発音が不可能。その姿を肉眼で見たものは正気を失い狂い死にする。実際科特隊のスタッフ一名が狂い死にし、イデの命令で肉眼での補足が禁止された。
外骨格の無数の穴から大量の闇を分泌する他、多様な時空にまたがって存在している為、地理的に隣接した空間を接続して、異界獣と呼ばれる眷属を複数の場所へ同時に送り込むことができる。復活のためには五芒星の位置で5人の生贄を捧げることで巨大な黒いピラミッドのような構造物が出現する異界の門が必要となる。門の開封には目に象徴される大きな力が〈鍵〉として必要となり、ピラミッドの内部、中央にある人骨の祭壇に捧げられる。
ダイゴのもといた世界ではカミーラ達が異界の門を開いたことで呼び出され、世界を闇でのみこみ破滅させたが、ユザレが門を封印したことで消滅した。
進次郎の世界では岩坪香奈恵をはじめとした心に闇を抱えた人間を異界獣へと変えていき生贄とし、中国在住の異星人で全身目玉のルボイア星人を鍵として上海に発生した異界の門から出現。
最終的にはULTRSMANSUITとEVILTIGAの繰り出したスペシウムとゼペリオンの干渉によってとんでもない規模の大爆発が発生。カミーラたちもろとも爆炎に飲み込まれ消滅した。
かくして倒すことはできたものの、上海は事実上消滅。死者行方不明者推定2000万人以上、経済的損失計測不可能と中国に壊滅的な打撃を与えた。
その後上海は調査と検疫の名目で封鎖地域となり、海路空路問わず接近禁止となった。
『Episode:ZERO』では跡地に科特隊の施設ダイブハンガーが作られている。
余談
- スーツは2着あり、ドラマパートで使うセット同然の超巨大なものと撮影に使うアクション用がある。第51話では前者、第52話では後者が使われている。スーツアクターを担当した北岡龍貴氏曰く、自身の身長に合わせたアクション用ですら相当な大きさと重さであったらしく、それに加えてプール撮影の為スーツが水を吸ってより重くなるなど、「立っているだけでパワーリフティング」との事。巨大スーツに至っては最早「軽トラ(軽バン?)かと思いました。」と述べている。
- 脚本を担当した小中千昭はウルトラマンが怪獣を倒し、地球を去るという展開にするうえでゼットンやパンドンのような弱い怪獣では力不足と考え、日本でもありふれていたキリスト教の悪魔をモチーフとした怪物よりも太古から地球に根付くクトゥルフ由来の怪物の方がふさわしいと語っている。またウルトラマンの世界観と逸脱した世界観と繋げることで最終回のイベント感をメタ的に盛り上げる意図もあったらしい。あくまで強いカタルシスが得られる、強大な存在としての起用であり、最終的にティガに負けたことがクトゥルーは弱いと言う風潮に利用されることには怒りを顕にしている。
- デザインモチーフはクトゥルー、オウムガイで、クトゥルーの図鑑に載っていたタコや貝の要素を反映させている。
- 製作にあたり小中千昭は世界中の様々なアーティストが描いたクトゥルーの画像を丸山浩に提供している。「人類を見下す存在」というイメージから、巨体でも下を見下ろせるように頭部は逆さにデザインされた。最近まで頭部が逆さ向きのデザインと認知されていたが、後にデザインを担当した丸山浩の2016年4月4日のTwitterにて頭部が逆さにデザインされているのではなく、正式には下顎に目が付いているデザインである事が判明する。これは一部フィギュアや実際のスーツでも舌の位置は他と怪獣と同じであることから、初めからそういう意図でデザインされたことが窺える。また、初稿では巨大な体が貝の下にあった。
- 鳴き声はデスギドラのものも使用しており、後に『ウルトラマンコスモス』に登場したカオスパラスタンS、カオスヘッダー・メビュート及びアレンジして使用された。ちなみに後者はどちらも一度はウルトラマンを倒し、後にパワーアップしたウルトラマンに倒されるという共通点がある。
- 当初、第51話のタイトルは「暗黒の旧支配者」と設定されていた。
- 直接の登場は無いが、ウルトラマンF最終章でブルトンが開けた超空間微小経路を通ってM78スペースに押し寄せようとする侵略者たちの一人として初代ウルトラマンが名前を上げている。
- 海中のプール撮影は『ウルトラマン80』第34話のアンゴーラス戦以来17年ぶりである。
関連タグ
邪神 クトゥルフ神話 旧支配者 ルルイエ ラスボス ラスボス(ウルトラシリーズ) 最強
ムルロア:先駆者
エンペラ星人:太陽そのものに手を出して似たようなことをやった宇宙人
グタタン:同じガタノトーアをモデルとしたキャラ・・・のはずなのだが、貝みたいな巻き毛など当キャラをモデルにしている箇所がみられる。
おねがいマイメロディ:すっきり♪:女児向きとしながらもカオスなアニメ。第19話「夏休みですっきり!?」に登場した没落した王であるぞうさんが魚介類から作り出した怪物が類似している。
エリシオ:地球全体を支配したラスボス。
ルーゴサイト:平成ウルトラマンシリーズ最後のラスボス。