「え〜っと……ふつ〜のウマ娘です!どこにでもいる感じの〜」
プロフィール
キャッチコピー | まったりウマ娘。今日もふつ~に平常運転 |
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誕生日 | 3月31日 |
身長 | 156cm |
体重 | 普通 |
スリーサイズ | B85・W62・H88 |
靴のサイズ | 左右ともに22.0cm |
学年 | 高等部 |
所属寮 | 栗東寮 |
得意なこと | 森林浴スポット探し、授業中の指名回避 |
苦手なこと | 泳ぎが………… |
耳のこと | 寝起きから、ピンと立つまで時間がかかる |
尻尾のこと | 染めてみるか…と思ったことだけはある |
家族のこと | 学園の願書は、親に先に出されてしまった |
マイルール | - |
スマホ壁紙 | - |
出走前は… | - |
得意科目 | - |
密かな自慢 | - |
よく買う物 | - |
ヒミツ | ①電車は絶対各駅派(座れるから)/ ②輪っか型のスナックが指から抜けなくて困ったことがある |
自己紹介 | はい、ヒシミラクルです。そこはかとなく?いい感じで、がんばっていけたらいいなぁ、と思うので、よろしくお願いします~ |
CV | 春日さくら |
できる範囲でふつ〜には頑張りつつ、なんとなくハッピーになれたらな〜……な、ウマ娘。
よせられる期待には精一杯応えたいと思ってはいるが、ふつ〜にサボりたくなってしまう時だってあるのだ。
そんな彼女だから、いつか“ミラクル”を起こす時がくる……かも?
(公式ポータルサイトより)
概要
ヒシミラクルは、メディアミックスプロジェクト『ウマ娘プリティーダービー』に登場するウマ娘。2023年2月22日の「ぱかライブTV」でカツラギエース、ジャングルポケット、ネオユニヴァース、タップダンスシチー、三女神と共に追加が発表されたが、この中では唯一2周年キービジュアルに姿が見えない。
モチーフ馬は02世代の“ミラクルステイヤー”「ヒシミラクル」号。ヒシアケボノ・ヒシアマゾンと同じく「ヒシ」冠名に属するウマ娘であり、これによって「ヒシ」冠名のGⅠ馬は全てウマ娘化されることとなった。
のんびりかつおっとりとした性格の持ち主で、マチカネタンホイザやアグネスデジタルのようないわゆる自称「普通」勢。史実では未勝利戦脱出までは普通と言えなくもないもののそこからGⅠ3勝を挙げたので「普通」に当てはまるのかは疑問だが、そこには突っ込まないのがお約束である…まぁ戦績は兎も角、性格そのものは個性派ぞろいの02世代では普通ではある。
加えてウマ娘なら誰しもが多かれ少なかれ持っているとされる競争意識にも乏しく、追い立てられたり煽てられたりしないとやる気を出すことも無い「ウマ娘」として見るとかなり異様な精神性をしており、トレセン学園へもスポーツ系の大学進学や企業就職への足掛かりにするために入学しておりレースに本腰を入れるという考えを持ち合わせていなかった(ただ、劇中での姿を見る限り特別成績優秀というわけでもないらしく、特に数学は大の苦手科目とのこと)。
ナリタトップロード、シンボリクリスエス、タニノギムレットらとは同級生であり、普段から会話をする程度には交流はあるものの、上記の考えから彼女らは「あくまでも別世界にいるウマ娘たちである」と認識し、劣等感を抱いている。
後述の史実ネタに関連してか、かなりのカナヅチであり、何としてもサボりを試みようとするほどプールが大の苦手。このため、バンブーメモリーやヤエノムテキに追い回された挙句プールに引きずり回されたこともある。(何故この二人なのかは解らないが、『ウマ娘シンデレラグレイ』繋がりで彼女の代わりだろうか?)
ちなみにゲーム版では、史実通りにしてしまうと、スタミナトレーニングに支障が出てしまうので、失敗率は他のウマ娘と統一している。
普段は標準語だが、時折関西弁が入る。好物はお好み焼きで作るのはセミプロ級。
友人からは「ミラ子」、両親からは「クーちゃん」と呼ばれている。
寮での同室はダンツフレーム。ヒシミラクルの一つ上(01世代(ウマ娘))の宝塚記念覇者で、どちらも1着時に2着が同じ馬だったりする。
「ダンツちゃん」「ミラ子先輩」と呼び合う仲で、どちらも緩い雰囲気が漂う。なお、学年ではヒシミラクルが先輩にあたるが、先述した通りレースに先にデビューしたのはダンツフレームであり、身長面でも彼女の方が高いため「大柄な後輩に慕われるヒシミラクル」という図ができる。
同じトレセン学園高等部生徒の同名のウマ娘ケイエスミラクルとは、ケイエスが「ヒシミラクル」、ミラ子が「ミラクルちゃん」と呼び合う仲。ケイエスは「ケイちゃん」とも呼ばれており、棲み分けはできている模様(ただし英語の発音が良すぎるタイキシャトルがどちらも「ミラコー」呼びなので若干の混乱はある)。
二人とも身長が156㎝だが体型が異なる(ウエストだけでも11㎝差)ため、二次創作ではヒシミラクルを「太い方のミラクル」、ケイエスミラクルを「細い方のミラクル」とイジる作品が多い。
容姿・デザイン
髪は芦毛のミディアムボブ、右耳に黄色のリボン、両耳に白字に青輪の耳カバーを付けており、モチーフ馬のズブさを反映させたようなおっとりとした顔つきをしている。
瞳の上に線が掛かっておらず一重に見えるが、目を閉じると線が確認できる。奥二重なのだろうか。
ちなみに同じようなデザインのウマ娘としては、同じくモチーフ馬がズブいステイヤーだったメジロブライトがいる。
また、スリーサイズでも分かる通りアスリート体型ではなく標準体型というのもアスリートらしさが薄いことを示している。(ウエスト値は全体で"2番目"に大きい……が、筆頭は身長180cmのヒシアケボノであり、身長比で考えればヒシミラクルの「標準体型」ぶりが目立つのがわかるだろう)
元ネタのヒシミラクル号は「痩せ型」だったらしいが…。
ゲーム版での呼称は「みらくるめーくあっぷ!」。
馬主である阿部雅一郎氏の勝負服「白、青二輪本」を反映しており、ミラ子らしいゆるっとした感じが表現されている。ちなみに、ベルトはゴム素材らしい。
- 私服(ゲーム版)
- チャンバラ陣取り合戦衣装
イベントストーリー第35弾『下剋上、兵どもが鬨の声』にて初登場した新衣装。見た目はややくノ一にも似た衣装となっている。本作のミラクルは「歩兵」という立ち位置のため厳密にはジャージ姿…なのだが、一応(CG的な都合で)1枚目のみの登場に終わっている。一応本物の忍者枠であったクリークと異なり一応あくまでも歩兵という役割のためか、こちらでは青い刀身の刀を使って戦っていた。
マンガ版
うまむすめし
第31話にて助っ人役でトップロードらと協力してボロボロになりながらも草サッカーの試合に勝利し、彼女には「ドリブルもパスも華麗」と高評価を受けていた。その後次からは助っ人を断ろうとしたものの、焼き芋を奢られ「一緒に頑張ったからより美味しくなった」という言葉に少し感化されたのか、これからもサッカーの助っ人となることを決めた。
アニメ版
新時代の扉
ミラ子がアニメーション作品に登場するのは本作が初。劇中ではほぼゲストキャラ扱いであるのだが登場するごとに何かしら食べていた。
本作ではダンツやエアシャカールとよくつるんでいるらしく、オープニングやポッケの練習場面にも2人と登場している。
ゲーム版
「もし、なにか意外なことが起きるといいなって思った人は……。わたしに掛けてみてください。夢をちょっとだけ!」
2023年4月19日に育成ウマ娘として実装されたネオユニヴァースの育成ストーリー内で初登場。そして同年5月10日に育成ウマ娘として実装された。ビジュアル発表から育成実装までの期間は、ネオユニヴァースの57日に次いで早い77日である。
サポートカードとしては2024年4月30日よりR・SSRが初めて実装されている。
担当トレーナー(プレイヤー)はミラクルの素質を早い段階から見抜いてスカウトし指導している。あまりやる気がないミラクルに頭を悩ませることも多いが割と厳しく指導している。
育成ウマ娘
- ☆3[みらくるめーくあっぷ!]ヒシミラクル
2023年5月に実装された育成ウマ娘。
詳細は当該項目を参照。
固有二つ名
のんびり癒しウマ娘
菊花賞、天皇賞(春)、宝塚記念(シニア級)を勝利し、7回以上お休みし、「夜ふかし気味」を持たない状態で育成を完了する
- レース面は全て目標に入っているが菊花賞のみ3着以内なので注意が必要。
- お休みに関しては、7回以上と指定回数が少し多い。安全主義ならばそんなことはないと思うが、夜更かし気味を持たない状態で育成を終了なので、イベント「寝不足で…」や安心沢刺々美の強いウマ娘になれる秘孔で夜更かし気味がついてしまった場合はすぐに解除しよう。あと見落としがちだが、グループや友人カードのお出かけは回数に含めないので注意が必要。
サポートカード
- SSR[わーく・あ・みらくる!]ヒシミラクル
ストーリーイベント「下剋上、兵どもが鬨の声」の開催と同時に追加されたSSRサポート。タイプはスタミナ。
競走馬『ヒシミラクル』
【“奇跡”は、ロングスパートから。】
3コーナー手前から加速にかかり、息の長い末脚でライバルたちを競り落としていく。
リプレイのように戴冠劇を繰り返しながら、最強の座に君臨したヒシミラクル。
定石よりもはるかに早く、常識よりもはるかに長く、
ヒシミラクルの繰り出すロングスパートが奇跡を現実にかえていく。
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【奇跡ではなく】
強情な人々は ありえないことだと 顔をしかめるだろう。
だが幸運を生かせずに 消えていく者が多い中で 君は確かにやり遂げた。
さあ、ここからの仕事は 彼らを黙らせることだ。
君が見せたその輝きを 奇跡とは呼ばせるな。
──JRA「名馬の肖像」2019年「宝塚記念」ヒシミラクル
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1999年3月31日生まれの芦毛の牡馬(02世代)。父は"弾丸シュート”の異名を持つサッカーボーイ(ファイントップ系)。血統的にはステイヤーの血が濃いものの気性難からマイラーとしての活躍に留まったが、種牡馬としては血統通りステイヤーの産駒が多かった。ウマ娘のモチーフ馬では、99世代の菊花賞馬・ナリタトップロードが彼の産駒である。
母シュンサクヨシコは菊花賞馬アカネテンリュウの母ミチアサに連なる、日本の基礎輸入牝馬ヘレンサーフ牝系の1頭。母父は英国馬シェイディハイツ(ミルリーフ系)。1988年のジャパンカップで柴田政人騎手が騎乗(JC史上初のカク外日本人騎乗)し、その後日本で種牡馬入りしている。
競走馬としてはズブさとスタミナを併せ持ち、ロングスパートを得意としたステイヤー(長距離馬)。主な勝鞍は02年菊花賞、03年天皇賞(春)、03年宝塚記念。重賞勝利はこの3レースのみで、GⅠしか勝てない馬と言われることもある。
ちなみにファンやネット民からの愛称は「ミラコー」。
ヒシミラクルを産んだ大塚牧場は120年以上の歴史ある老舗生産牧場だったが、89世代の宝塚記念馬オサイチジョージを最後にGⅠ馬を輩出できていなかった。
また、生まれた当時はあまり評価はよろしくなく、なかなか買い手が見つからず、2歳時のセリでようやく650万円で落札された。
競り落とした馬主は「ヒシ」冠の阿部雅一郎で、勝負服は「白+青二本輪」。
購入した阿部オーナーも買ったは良いものの、その評価はイマイチで「1〜2勝出来れば御の字。それ以上ならそれこそミラクルだ。」と評し、そこからヒシミラクルと命名された。
管理調教師は阿部オーナーの馬を度々預かっていた佐山優。佐山にとってはヒシアケボノ以来、そして最後のGⅠ馬となる。
ヒシミラクルはとにかくズブい(※1)馬で、押して(※2)も押しても中々前に行こうとしない。レースでは中盤からひたすら押して押して押し続けて終盤にようやくエンジンがかかるという有様。
その為、角田騎手はレースが終わる度に滝のような汗をかいてヘトヘトになっていた。
(※1)騎手の指示への反応が鈍い馬のこと。指示への反応が鈍いとスパートの切れ味も鈍る事が多く、スパートが鈍い馬は「ズブい」と評されやすい。
(※2)馬に前進、ペースアップを促す指示動作を「押す」という。馬は走る際に首を前後に動かすため、その動きに合わせて両腕で馬の首を前におっつけ、前進を補助する。
そのズブさが伝染したわけではないだろうが、勝ち味の遅さも相当なもの。
2001年8月の小倉競馬場の新馬戦でデビューするが6着。以後は未勝利戦へと挑むが全く勝てず、やっと未勝利を脱出したのはタニノギムレットが栄光を掴んだ日本ダービー当日の中京競馬場の未勝利戦。この間なんと10戦と勝ち上がりにかなり時間を要していた。
ミラクル尽くしの菊花賞
未勝利戦へ挑む中で「距離が長い方がいい」とされ、その後は菊花賞を目指して条件戦へ挑み、順調に500万下、1000万下クラスを勝ち抜く。そして優先出走権を獲得すべく、神戸新聞杯に挑んだが、6着に敗れてしまい、優先出走権を逃してしまう。
菊花賞へ挑むのはもう絶望的と思われたが、なんとしても菊花賞に出したい佐山優調教師は馬主に無断で追加登録料の200万を支払い、菊花賞への登録を決行。登録馬はフルゲート18頭を超過しており、ミラクルの収得賞金はボーダーラインギリギリ。同じ境遇の8頭からわずか3頭の出走枠に当たる事を祈るしか無かったが、見事に8分の3の抽籤を勝ちぬくミラクルを起こし、出走が確定した。
迎えた菊花賞ではダービー馬タニノギムレットは屈腱炎で既に引退、ダービー2着のシンボリクリスエスは距離不安で天皇賞(秋)へ向かうなど、有力馬の回避で混戦模様となっていた。
そんな中で1番人気となっていたのは唯一のクラシック勝ち馬である皐月賞馬のノーリーズン。2番人気にセントライト記念2着馬のアドマイヤマックス。3番人気はダービー4着のメガスターダムが続いた。そんな中でヒシミラクルは全くと言っていいほど期待されておらず、オッズは単勝36.6倍の10番人気であった。
ゲート入りが終わり、いざ出走。しかし、いきなり1番人気のノーリーズンが躓き、鞍上の武豊が落馬。開始直後に1番人気が消える波乱の中、ヒシミラクルは中団後方で待機。逃げ2頭が引っ張るハイペースで進むレース展開の中、ヒシミラクルは向正面から進出を開始。淀の坂に苦しむ先行勢をかわし、最終直線でメガスターダムを捉えてトップへ抜け出した。
「今年も大波乱になるぞ!ヒシミラクル!そして、ファストタテヤマーッ!」
(実況:関西テレビ・馬場鉄志アナ)
直線では大外からファストタテヤマが猛追してくるが、すんでのところでかわしきって見事に1着。初のGⅠ勝利を飾った。
なお、1番人気のノーリーズンは落馬で競走中止、2番人気のアドマイヤマックスは11着に沈むなどの波乱で馬券も大荒れで、3番人気のメガスターダムこそ3着だったものの、1着ヒシミラクルは10番人気、2着ファストタテヤマは16番人気で、最終的な配当は馬連96070円、三連複34万4630円、ワイドも万馬券が2通り出るなど超大荒れの結果となった。
超ミラクルを果たしたヒシミラクルは一転してGⅠ馬となった。…しかし、暮れの有馬記念で11着。翌2003年の阪神大賞典で12着、中1週で挑んだ産経大阪杯で7着と再び凡走が続いた。「あの菊花賞はフロックだったのか?」と思われる中、陣営は天皇賞(春)へと出走を決めた。
ミラクル再び!天皇賞(春)
迎えた天皇賞(春)ではメンバーの層が薄く、1番人気の阪神大賞典勝ち馬ダイタクバートラムこそ2.0倍だが、2番人気の金鯱賞勝ち馬ツルマルボーイは6.9倍、3番人気の中山記念優勝馬トーホウシデンは10倍とダイタクバートラム1強のムードが漂い、ヒシミラクルは前走までの凡走が響き、16.1倍の7番人気に落ち着いた。
しかし、本番ではヒシミラクルは菊花賞を再現するかの如く「淀の坂」から追い上げを図り、大まくりで優勝。低評価を見事に払拭した。
なお、3着は1番人気のダイタクバートラムだったが、2着には8番人気のサンライズジェガーが入り込み、菊花賞ほどではないものの、馬連1万6490円、馬単3万1770円、三連複1万3330円の荒れ模様となった。
その後は持続力のある末脚を活かすには府中が良いと考えて、安田記念を予定していたが、疲労の面から最終的に宝塚記念を目指すこととなった。
史上最高のメンバーの中でのミラクル!!宝塚記念
迎えた宝塚記念には豪華なメンバーが揃っていた。
年度代表馬・シンボリクリスエス、芝ダート問わずのGⅠ級6勝の器用万能・アグネスデジタル、前年の優勝馬ダンツフレーム、他にもタップダンスシチー、ツルマルボーイなどの古馬が揃い、さらにこの年の春のクラシック二冠馬・ネオユニヴァースが出走を表明。
当日の阪神競馬場には前年比35%増となる7万6944人が来場、前年比49%増の270億2万3900円が馬券に投じられるなど注目が集まり、「宝塚記念史上、最高のメンバー」とも言われた。
そんな中でもヒシミラクルは”とある理由”で前日販売の段階では1.7倍の1番人気となっていたものの、最終的にはステイヤー傾向が嫌われて6番人気と、数多くのスターホースらに埋もれてしまう形となってしまっていた。
本番、ヒシミラクルはスタートから中団馬群の後方に位置をつける。向こう正面から角田晃一騎手が盛んに押して押して押し続け、第3コーナーでようやく外から進出。先頭が数馬身前にいる8番手で最終コーナーを通過した。
「またまたミラクルだ阪神競馬場!天皇賞も菊花賞も伊達ではない!」
(実況:関西テレビ・杉本清アナ)
直線では、先に抜け出したシンボリクリスエスやタップダンスシチーが先頭を争う中、その数馬身後ろのヒシミラクルはその外から追い込み、脚が鈍る先頭2頭を末脚で以てかわし、抜け出した。直後に大外からツルマルボーイが迫ってきたが、クビ差を凌ぎきって1着。GⅠ3勝目を飾った。
大塚牧場生産馬の宝塚記念制覇は1966年エイトクラウン(牝馬の宝塚初制覇)、75年ナオキ、90年オサイチジョージ以来4頭目。
ミラクルは続かず…
宝塚記念を終えたヒシミラクルは夏休みを経て、京都大賞典から再始動するがタップダンスシチーに逃げ切られて2着となる。しかし、直後に繋靭帯炎を発症し、その後丸々1年を療養へ費やした。
復帰は翌年の天皇賞(秋)だったが結果は16着、ジャパンカップも9着、有馬記念も14着と再び凡走が続き、ゼンノロブロイの秋古馬三冠達成を見届ける形となってしまう。
更に翌年は京都記念から始動し、3着に入り込んで復活の兆しを見せたものの、次走の天皇賞(春)では16着に惨敗。その直後に繋靭帯炎が再発し、とうとうリタイア。競走馬登録を抹消し、現役を引退した。
引退後はレックススタッドで種牡馬となるが、なかなか結果が伴わず2011年に種牡馬を引退。
2024年5月現在も存命で、功労馬としてのんびり過ごしている。また、存命中の菊花賞馬としては最高齢となっている。ちなみに同期で牡馬クラシック三冠を分け合ったノーリーズンは2024年5月に死去、タニノギムレットはヒシミラクルと共に存命である。
史実で対戦経験のあるウマ娘
強調はヒシミラクルが先着したレース。◎は勝鞍。☆は勝ち馬。
・タップダンスシチー……02年有馬記念、03年宝塚記念◎、京都大賞典☆、04年有馬記念
- 02世代(同期)
・シンボリクリスエス……02年神戸新聞杯☆、03年宝塚記念◎、有馬記念☆
(★)ノーリーズン落馬により競走中止。
※タニノギムレットとは対戦経験は無し。
・ゼンノロブロイ……04年天皇賞(秋)☆、ジャパンカップ☆、有馬記念☆
余談
謎の「ミラクルおじさん」…?
(※イラスト1~2枚目)
前述の宝塚記念にて、「前日販売の段階で1番人気になった」と書いたが、そのカラクリはある一人の男性が新橋のウインズ(JRAの場外馬券発売所。有料会員製の「エクセル」などと共に全国に開設されている)にてヒシミラクルの単勝馬券に1222万円をつぎ込んだ事によるものであった。
購入資金の元手は少し前の安田記念で購入したアグネスデジタルの単勝(9.4倍)に130万円を投じた払戻金。いわゆる「馬券転がし」だった。
男性はNHKマイルカップのウインクリューガー単勝5万円(26.0倍)を的中させたか、あるいは日本ダービーでネオユニヴァースの単勝(2.6倍)に50万円をつぎ込んで的中させたかのいずれかで払戻金130万円をゲット。安田記念ではその全額をアグネスデジタルの単勝にぶっこみ、更にその払戻金1222万円全額をヒシミラクルの単勝にぶち込むという、おおよそ正気では考えられないレベルの勝負を仕掛けてその全てに勝つという、まさにミラクルを起こしたのである。
何せネオユニヴァースとアグネスデジタルは共にこの宝塚記念に参戦しており、最初がネオユニヴァースからの場合は府中2400を勝っている為距離適性は全く問題ないネオユニヴァースを蹴ってオープン戦以上勝利が3000と3200、阪神重賞は2000mを2回と3000mを1回走っているが全部着外なのでプラス材料が前年の阪神2200m条件戦でその年の宝塚より速いタイムで勝っているぐらいしかないヒシミラクルにぶっこんだのである。
最終的にその男性は宝塚記念の1着賞金以上の1億9918万6000円の億馬券を掴み取ったことになり、マスコミなどからは「ミラクルおじさん(ヒシミラクルおじさん)」と呼称され話題となった。なお、男性が払戻金を受け取ったかどうかは知られていなかったが、2024年4月10日FNN系で放送された「奇跡体験!アンビリバボー UFO&未来から来た男!?&英国最大のえん罪事件SP」において分割で受け取り済であるとの当時の報道に触れられている
ヒシミラクルに騎乗していた角田騎手もこの大口購入の話を耳に挟んでおり、レース後のインタビューにてその払い戻しの金額を聞いた際は「僕より余程の勝負師ですね…」と驚嘆の言葉を口にしていた。
ウマ娘においては、ヒシミラクルからのメールがおじさん構文だったり、ヒシミラクルにイレ混んでいるおじさんのファンが居たりなど、様々な部分に散りばめられている。
泳ぎが下手
史実のヒシミラクル号は京都大賞典後に繋靭帯炎を発症した後、福島県いわき市の「競走馬リハビリテーションセンター」でリハビリに入っていた。
通常、故障を発生した馬は負荷をかけずに体を動かせるプール調教がメインとなるのだが、ヒシミラクル号は泳ぎがド下手だった。
どのくらい下手なのかというと…
こんな感じである。(プール調教を知らない人にはわかりづらいと思うが)もはや溺れていると言っても過言ではないレベルなのである。
動画でも分かると思うが、頭の後ろで空き缶を鳴らしたり、棒で水面を叩いたりする工夫がなされたが、あまりに下手すぎて(通常の馬と比較して)全く前に進まない。というか始まる前から目が死んでいるように見える。
競馬雑誌『優駿』の記者が調べた結果によると、通常の馬が34、35秒、上手い馬が20秒台で泳ぐところを、ヒシミラクルは48秒かかっていたそうである。とはいえ水が嫌いかというとそうでもなく、温泉では気持ち良くあくびをしていたそうな。
このエピソードから、ウマ娘ではビート板勢になるのではないかとの見方が強く、いざ実装されたら案の定ビート板勢だった。のみならず、夏合宿では空き缶を鳴らして泳がせるシーンがあるなど徹底したエピソード再現が試みられている。
キャラ発表当初から、このネタに絡んだイラストがちょくちょく投稿されている。
誰が呼んだか必死ミラクル…と。
ある意味これもミラクル
ヒシミラクルが制した2003年の宝塚記念は、毎週日曜日に競馬中継を行っていたフジテレビ系列が「FNS27時間テレビ」を放送。宝塚記念の中継はその番組内で行われた。
そうした事情もあって、普段はメインレースを中継しない(※3)京都ローカル局「KBS京都」でも特別に宝塚記念の中継を行うことになり、梶原誠アナウンサーは滅多にないGⅠレースの実況で大ハッスル。
「来る!!来る!!ヒシミラクル!!来る!!来る!!来た!!」
という名実況はフジ系列やラジオNIKKEIの実況よりもインパクトが強く、ヒシミラクルの走りとともに競馬ファンに愛され続けている。
(※3)KBSは当時、西日本ローカルの競馬中継「KEIBAワンダーランド」を昼から夕方までぶっ通しで放送していたが、関西テレビが競馬中継を行う15:00~16:00は別番組を放送していた。
お好み焼きが好きな理由
ウマ娘のヒシミラクルはお好み焼きが好物だが、実は、2014年放送のJRAの宝塚記念のCM(The_GⅠ_story)が元ネタ。
2003年の宝塚記念に出走した豪華メンバーを「エビイカホタテズワイガニの全部乗せ」のお好み焼きにたとえており、これは育成シナリオや1コマ漫画でもネタにされている。ウマ息子の竹野内豊もいたりして、ウマ娘の原型はもしかしたらここから…?
実装発表直後の悲喜交々
ヒシミラクルの育成ウマ娘としての実装が発表されたのは短編アニメ「Road_to_the_Top」の完結直後。
この頃は、新規の育成ウマ娘の発表が近かった事もあって、SNSなどのネット上では主人公のナリタトップロードの実装の期待が強かったのだが、まさかのヒシミラクルが発表された事でトレーナー達からは「トプロじゃ無いんかい!?」「サッカーボーイ産駒違いかよ!」「いや、確かに菊花賞勝ちの馬がモチーフだけどさ!?」など、様々な反応が見られた。
また、中には「シービーやターボで散々焦らしたんだから、なんか一捻りあるに違いない」「前例からして最近は発表直後のウマ娘を実装する傾向がある」「史実からしてこういう本命1本被りの空気のときに来るのがヒシミラクル」など、本物の競馬さながらに大穴を予想するトレーナーも存在し、「ミラクルおじさん」さながらに見事に1点で予想を的中させた者も居たとか…
関連項目
同室
- ダンツフレーム(ウマ娘):史実では2戦2勝。こちらが先輩だが世代ではダンツフレームが先輩。
同期(02世代)
血統繋がり
[ファイントップ系]
- ナリタトップロード(ウマ娘):同じサッカーボーイ産駒の菊花賞馬
- ディクタストライカ(ウマ娘):モチーフ馬が父サッカーボーイ
- イクノディクタス(ウマ娘):サッカーボーイと同じディクタス産駒
[その他]
- シャーリースカイ:母父のシェイディハイツがモチーフ馬。漫画『ウマ娘シンデレラグレイ』に登場
ヒシ冠(同馬主)繋がり
- ヒシアマゾン(ウマ娘)
- ヒシアケボノ(ウマ娘):主戦騎手・角田晃一および佐山優厩舎繋がり
主戦騎手・角田晃一繋がり
- フジキセキ(ウマ娘)
- ジャングルポケット(ウマ娘)
- スイープトウショウ(ウマ娘):鶴留明雄厩舎転厩前の主戦が角田騎手
上がり馬の菊花賞勝利馬モチーフ繋がり
※条件戦が主戦場で制覇時重賞未勝利の馬
「ミラクルおじさん」つながり
名前繋がり
ズブいと評された馬繋がり
- メジロブライト(ウマ娘):春天勝利馬繋がりでもある
GⅠしか勝てない馬
- イナリワン(ウマ娘):中央の勝鞍全3勝が89年春天、宝塚、有馬
- ヴィブロス(ウマ娘):16年秋華賞と17年ドバイターフを勝利
勝鞍が同じ馬
- ビワハヤヒデ(ウマ娘):勝鞍が同じく菊、春天、宝塚で、その上同じ芦毛