基礎データ
各言語版での名称と由来
言語 | 名称 | 由来 |
---|---|---|
日本語 | ゼラオラ | Zeus(ゼウス)+زر(zarra、アラビア語で輝く、眩しい)+トラ |
英語・ドイツ語・スペイン語・フランス語・イタリア語 | Zeraora | 日本語名に同じ |
韓国語 | 제라오라 | 日本語名の音写 |
中国語(簡体字) | 捷拉奥拉 | 日本語名の音写 |
中国語(繁体字) | 捷拉奧拉 | 日本語名の音写 |
ヘブライ語 | זראורה | 英語名の音写 |
ロシア語 | Зераора | 英語名の音写 |
タイ語 | เซราโอรา | 日本語名の音写 |
ピカチュウなどと同じく、世界的に読みが統一されたポケモンの一種である。
中国語の「老虎」やフランス語の「orage(雷雨)」あたりから音だけ借用しているという説があるほか、後述する戦闘スタイルからこんなネタ考察も…
概要
2018年4月9日に公開され、同年夏より『ポケモンUSUM』(第7世代)に配信されたポケモン。
どことなくルカリオやゾロアークを彷彿とさせる、二足歩行の猫のような姿をしている。後述するように、彼らと同様に映画にも登場している。
もっとも、彼らが次世代ポケモンの先行登場かつ、あくまで希少なだけの一般ポケモンという立ち位置であったのに対し、こちらは世代後期の追加で、明確に幻のポケモンと区分されたという違いがある。
なお、幻のポケモンとしては初のでんきタイプで、第7世代では3種類目にあたる。
体色は黄色をベースに稲妻のような黒色の模様が入るという、いかにもなもの。
所々にある水色の器官は放電時に強い光を放ち、特にフルパワーで戦う際は額にあるものが逆立ち角のように見えるという。
色違いは黄色部分が白色に、水色部分が黄色に、それぞれ変化する。
後頭部からは一昔前の武人キャラのような、極端に細長い一本結びのようなものが伸びている。
反面、尾にあたるものは確認できない。これらの点については今の所言及が無く、詳細不明。
でんきタイプとしては珍しく、自前の発電器官は持たず、外部から取り込んだ電気を溜め込み自らのエネルギーとして用いている。
帯電させた爪でのスピード殺法が得意技で、躱されても放電で追撃するという中々のテクニシャン。図鑑ではやたらと「八つ裂き」が強調されているという特徴がある。
また、両手両足の肉球から大電流を放って強力な磁場を作り出し、リニアモーターカーの如く落雷に匹敵するスピードで空中移動する事も可能。
こうした生態から、モチーフに「雷獣」が含まれているのではないかという説がある。
対戦での評価
HP | こうげき | ぼうぎょ | とくこう | とくぼう | すばやさ | 合計 |
---|---|---|---|---|---|---|
88 | 112 | 75 | 102 | 80 | 143 | 600 |
ステータス的には全体でもかなり上位に位置する「すばやさ」が光る。登場時点ででんきタイプ4位、幻のポケモンでは堂々の首位を誇った。
「143」がどれほど速いかと言うと、出場可能ルールに高確率で現れる要対策ポケモン「準速(ひかえめ)スカーフカイオーガ」を素で抜かせるほど。
他方で、それ以外は一般ポケモンレベルの平凡な値である。いわゆる「両刀」型の配分なので効率も良いとは言えない。とくせいも防御的な効果なので火力に繋がらず、先手を取ったところであっさり耐えられて返り討ちなんて事態にもなりかねない。
専用技として「プラズマフィスト」を持つ。「プラズマシャワー」付きの攻撃技といった性質で、「ちくでん」とも良相性。有効対象が全体の場なので味方の技もでんきタイプに変更でき、「ばくおんぱ」「だいばくはつ」等と合わせれば自身の回復もできる。
これが物理技という事もあり、「こうげき」を伸ばす型が優勢である。
サブウェポンもなかなかに優秀で、でんきタイプ初の「インファイト」持ちとなった事は特筆される。ドラゴンタイプの「げきりん」や「ダブルチョップ」を覚える点も珍しい。
他にも「はたきおとす」「ほのおのパンチ」「アクロバット」「とびはねる」など、軽量級のかくとうタイプのような技を多く習得する。
猫型だけあって「ねこだまし」も持つ。これの使い手としても最速である。更に上からひるみを狙われる可能性がほぼ無いので、相手の行動を安全に止める事ができる。
ただし、弱点のじめんタイプ対策になる「れいとうパンチ」だけは覚えてくれない。
先述したステータスから、抜群を取れないとまず一撃では落とせず、「インファイト」をもってしても紙防御で有名なダグトリオ(原種)すら確定にできない。
ガブリアスクラスになると「げきりん」で抜群を取っても確定2発になり、ランドロスなんて来た日には泣いて逃げるしかなくなる。じめんタイプに限らず、得手不得手の差は激しい方である。
一方特殊技は、「ほうでん」「ボルトチェンジ」「はどうだん」「バークアウト」「くさむすび」と、選択肢は多くないが面白い技が揃う。
ギミックの類に組み込みやすく、幸か不幸か火力もそこそこ出せるので、「ねこだまし」の存在と併せてダブルバトル適性の方が高いと言える(ダブルバトルは「いかく」持ちが多いので、単純な物理型は腐りやすい)。
第8世代
2020年2月より『剣盾』にも送れるようになった。
ただし、技体系見直しの影響で「はたきおとす」「どくどく」「がむしゃら」等の技が第7世代限定とされているので注意。
トップメタを張っていた新ポケモン・ドラパルトより1だけ高い「すばやさ」は相変わらず有用であったが、それもDLCで200もあるレジエレキが登場してくると一気に過去のものになってしまった。
当然、ゼラオラ以上にそれ以外のステータスへの皺寄せが酷い事になっていたものの、レジエレキはとくせいの効果ででんき技だけは狂った火力にもできたので、嫌が応にも意識せざるを得なくなった。
一方、DLCにて「ブレイズキック」「じゃれつく」「ライジングボルト」「コーチング」などの技を新たに習得している。
幻のポケモンの出場が解禁されたランクバトルシリーズ13では、特に「コーチング」と「ねこだまし」を主体にしたサポーターとしてダブルバトルで一定の地位を確保した。
第9世代
『SV』には登場ならず。
しかも、正式にかくとうを複合したパーモットの登場や、シビルドンが「インファイト」を覚えるようになる、「じんらい」の申し子のような存在が出現するなど、いないところで勝手に相対的な弱体化が進んでいる。
マックスレイドバトル
『剣盾』DLC第1弾「鎧の孤島」の配信を記念して、2020年6月18日~29日まで色違いを含むゼラオラが登場していた。
覚えている技は「プラズマフィスト」「インファイト」「ブレイズキック」「げきりん」。
直接の捕獲はできないが、クリア人数が100万人に到達すると全ユーザーに色違い個体がプレゼントされるという企画になっていた。
レイドレベルは3~5に設定されており、通常色の場合は若干耐久面が底上げされている程度で、レベル3~4であれば楽にソロクリアも可能。色違いの場合は攻撃力が大幅に底上げされ、専用の準備をしないと4人構成でもクリアするのが難しかった。
企画は無事成立し、Lv100・5V・最速かつ性格も「せっかち」固定というガチ仕様の個体が配布された。簡単に言えば、ゼラオラの特徴である「すばやさ」と「両刀」を最大限活用できる補正が乗っていた形である。流石に「努力値」までは振られていなかったが。
なお、受け取りにはポケモンホームとの連携が必須であった。
余談
色違い幻ポケモンの配布という一見魅力的なコンセプトで実施されたこの企画であるが、実際の参加者からの評判は散々なものであった。
と言うのも、一回一回のレイド自体には大して旨味のある報酬も無く、回りくどいだけで特にゼラオラに興味の無い人にとっては挑戦するメリットが無いに等しかったからである。
開催期間が「鎧の孤島」配信直後で、キョダイマックス個体の復刻ともバッティングしていた事も、新アイテムの収集や取り逃がしたポケモンの捕獲の邪魔になると鬱陶しがられた。
本記事を含む各所に憎しみの篭った批判が溢れ返り、その一部はゼラオラ自体にも向けられたほどである。それが原因かは不明であるが、以後同様の企画は行われなくなった。
逆に言うと、当時を知らない人にはなんのことやら全く分からない話であり、サジェストには「ゼラオラ 嫌われる理由」なんてものが現れたりもしている。第9世代現在でもまだ見る事があるあたりに、遺恨の大きさが窺える。
使用トレーナー
アニメ版
- ディア(SM100・101話)
番外作品
『Newポケモンスナップ』
2021年8月4日に行われた無料アップデートにて追加登場。
新たに追加された荒野エリアに出現するが、基本的には見つけ難い場所で昼夜問わず眠っている。
ふわりんごを当てると目を覚まし、「じんらいポケモン」の名の通り素早い動きで動き回る。
夜になると同エリアに生息するバンギラスと激しい戦闘を繰り広げ、雷を帯びた攻撃をくり出す様子を観察できる。…いやお前本当に幻のポケモンか?
『ポケモンユナイト』
諸元
ロール | スピード |
---|---|
タイプ | 攻撃 |
攻撃範囲 | 近接 |
進化 | なし |
わざ1 | こうそくいどう→ボルトチェンジ/スパーク(レベル6(→5)) |
わざ2 | きりさく→ほうでん/ワイルドボルト(レベル8(→7)) |
ユナイトわざ | 疾風迅雷撃(レベル10(→9)) |
とくせい | ちくでん※1 |
価格 | なし※2 |
※1:本作にはタイプ相性の概念が無い事もあり、「被ダメージの一部を与ダメージに上乗せする」という攻撃的な効果になっている。
※2:当初は早期ダウンロード特典。その後は合計32回の勝利でライセンスが付与される。
- ボルトチェンジ
- 攻撃しながら高速で移動する。もう一度使用すると元いた場所に戻る。使用後しばらく、通常攻撃の攻撃速度が上がるバフが掛かる。
- レベル12(→11)以降は威力とバフの持続時間が伸びる。
- スパーク
- 指定した相手に飛びかかって攻撃する。三段攻撃だが、一段ごとに入力をし直す必要があり、一定時間以内に再発動できないと失効する。発動時に自身のデバフを無効化する追加効果がある。
- 付近に別のポケモンがおり、かつ飛んでいる間に通常攻撃を入力した場合、そちらにターゲットを変更する。いなかった場合でも、入力すると軌道が変わる。レベル12(→11)以降は入力時に自身のHPを回復する追加効果も付くようになる。
- ほうでん
- ワイルドボルト
- 指定した場所に飛び込み、大振りな連続攻撃を行う。この攻撃は自動的に所定の段数を出し切る。段数は使用前の一定時間内にわざ1や強化攻撃を命中させた回数に応じて決定される。ただし一段ごとに自身にも反動ダメージが発生する。
- レベル14(→13)以降は攻撃モーションにもダメージ判定が発生するようになる。
- 疾風迅雷撃
稼働時唯一の幻のポケモンとして参戦。そのレアリティを再現してか、使用条件が特殊なものになっている。
他のスピード型と同様に耐久力が低く火力が高く設定される一方、ある程度の被弾を前提とした設計になっているという特徴がある。回避にも使えるわざ1の使い方は勝敗を大きく左右する。
それ以外にも条件によって挙動が変わるわざが多く、追加効果の類も多種多様であるため、仕様を熟知して勝ちパターンを確立しておかないと、使っても使われても厳しいポケモンになる。
ちなみに運営すらも把握しきれていなかった節があり、不具合修正目的の調整を何度も受けていたりする。
無進化ながらわざの出揃いがかなり遅めで結果的に晩成型になるという特徴もあったが、ユナイトわざが2022年7月、それ以外が2023年7月に()内のように繰り上げられ、多少は改善された。
2023年7月の調整時に難易度表記も「上級者向け→中級者向け」と変更されている。
とは言え基本的な性質が変わったわけではないので、付け焼刃で触れられる存在ではない事には変わりが無い。
ホロウェアは編集時点で西部劇のような「フロンティアスタイル」や、近代ヨーロッパの少年のような「おめかしスタイル」など、6種類が実装されている。
このうち「フロンティアスタイル」はバトルパスシーズン5最終報酬で、特殊ムービーとトレーナー向けの衣装・アイコンフレームが同時に制作された。
また、「バンドスタイル」はピカチュウ向けの同スタイルと共に、リアルのポケモンセンターが実施していた企画をベースとしている(参考)。これにもアイコンフレームが付属する。
それらとは別に、素のゼラオラをモチーフにしたトレーナー向けの衣装「ゼラオラセット」も実装されている。一本結び状の部分をまんま髪型として解釈し、かつ水色の器官をアシンメトリーなメッシュとして表現するデザインが特徴。
アニメ版
『アニポケ・サトシの旅シリーズ』
- 劇場版21作品目『みんなの物語』
- 声優:山寺宏一(オリバー市長との兼役の為ノンクレジット)。
- 本作ではある出来事で死んだポケモンとされ、住んでいた山に近づくと不幸が起きるという「ゼラオラの呪い」で人々から恐れられているが…
関連イラスト
ルカリオやゾロアークの系譜という事は、そっち系の人気も高いという事である。
幸い(?)♂っぽく見えるという声が多く不自然に肉が盛られる例は少ないが、代わりに立派なモノを生やしたり彼ら同士を絡ませたりしている作品はまぁ多い。性的な意味で。必然的にR-18指定も多くなってくるので、イラストを検索する際は注意が必要である。
関連タグ
図鑑番号順
0806.ズガドーン→0807.ゼラオラ→0808.メルタン
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