まだ会ったことのない君を、探している
(公開時のキャッチコピー)
この奇跡の物語に日本中が恋をした
概要
二人の高校生の心が距離などを超越して入れ替わる、所謂「入れ替わり」をテーマに描いた作品とされることが多いが、原作者の新海は雑誌インタビューで「さまざまなギミックを取り払えば典型的なボーイミーツガール」と述べている。
小説と映画のどちらが原作かについて新海は「ほぼ同時に制作したもののため、どちらでも微妙」とのコメントを小説版の後書きで寄せている。
新海は『古今和歌集』に掲載されている小野小町の和歌「思ひつつ寝ればや人の見えつらむ 夢と知りせば覚めざらましを」や古典『とりかへばや物語』から本作の着想を得たと語っており、3.11の要素も物語に取り入れられている。
また、本作には日本の固有信仰である『神道』や、最古の歴史書である『古事記』とリンクする要素が数多くあり、実際に伊耶那岐(イザナギ)と伊耶那美(イザナミ)が柱を回って声を掛け合う『国産み』の逸話がモチーフと見られる場面があり、『ムスビ(結び)』などの神道の用語が散りばめられ、小説版では三葉の祖母一葉がムスビについて語る処がある。更に新海監督はTwitterにおいて三葉の名の由来は水の女神である弥都波能売神(ミヅハノメノカミ)から取ったことを語っている。
映画は2016年8月26日公開。配給は東宝によって行われ、新海作品としては初の全国区での大規模上映作品となった。
アニメ制作はコミックス・ウェーブ・フィルム。キャラクターデザインは「クロスロード」で新海と共演した田中将賀が、作画監督はスタジオジブリ出身の安藤雅司がそれぞれ担当。
劇中の音楽は主題歌を含めロックバンドのRADWIMPSが担う。
また、メディアミックスとして琴音らんまるによるコミカライズ版が「月刊コミックアライブ」で連載された他、加納新太による外伝小説「君の名は。AnotherSide:Earthbound」(角川スニーカー文庫)も執筆されている。
物語
1200年ぶりの彗星が一ヵ月後に接近する日本。
岐阜県の山深い田舎町・糸守町で暮らす少女・宮水三葉は選挙中の父・俊樹や実家の神社の風習などを憂鬱に感じ、都会に憧れる日々を過ごしていた。
大都会・東京に暮らす少年・立花瀧は建築や芸術に興味があり、友人たちと高校生活を楽しんだり、バイトの先輩である奥寺ミキに憧れる日々を過ごしていた。
そんな時、三葉は不思議な夢を見る。夢の中で自分は東京で男子高生となって都会暮らしを満喫した。
その頃、瀧も不思議な夢を見る。夢の中で自分は見た事もない田舎町で女子高生となっていた。
出逢ったこともない少年と少女の二人は、夢を通じて互いの身体と心が入れ替わることに気付く。不思議な現象を乗り切るために二人は時に喧嘩したり、相手の人生を楽しむ二重生活を送ることに。
互いに気持ちが打ち解けてきた矢先、突如入れ替わりが途切れてしまい、瀧は三葉に会いに行こうと決意する。
しかし、そこには予想だにしない衝撃的な事実が待ち受けていた――。
登場人物
主人公
父と共に東京で暮らす男子高校生。
イタリアンレストランでアルバイトをしており、先輩の奥寺ミキに密かに恋心を抱く。
建築や美術に興味を持ち、絵を描くのが得意。
山深い田舎町「糸守町」に住む女子高校生。
宮水神社の神主の家系に生まれるが、家を出て町長となった父・俊樹と今も伝統を重んじる祖母・一葉との確執や、地元の風習に嫌気が差しており、東京での生活に強い憧れを抱いている。
三葉の関係者
宮水家
三葉と四葉の祖母。伝統を重んじる宮水神社の現神主。
三葉達の母である二葉が亡くなり、婿養子である俊樹が家を出て行った後は女手一つで孫二人の面倒を見てきた。
三葉の妹。しっかり者でイマドキの小学四年生。姉と一緒に神社の家業を手伝っている。
姉と瀧との入れ替わり生活の中で、三葉と入れ替わった瀧の行動を毎朝目の当たりにする事になる。
実家が奈良の旧家で長男だった上に婚約者まで居たが、仕事で糸守を訪れた際に恋に落ちた二葉と結婚する為に全てを投げ打ち、実家から勘当される形で宮水家の婿養子となった。
だが、二葉の亡き後は神職を捨てて勘当同然で家を出ていき、糸守町の町長に就任。
次期町長選へも出馬しており、勅使河原の父に関連し不正じみた事にも手を染めている様子。
映画と原作だけでは冷たい父親という印象しか持てないが、小説『Another Side』では彼に起こった悲劇、宮水神社を憎む理由の他、子供たちを連れて出て行こうとするも失敗した事が明かされている。
また、説得に来た三葉(中身は瀧)に掴みかかられた際、二人が入れ替わっている事を見破った描写がある事から、二葉との入れ替わりの経験と宮水の勘を目撃したからでは無いかと考えられる。
一葉の娘で俊樹の妻で三葉と四葉の母親。
映画では既に故人であり、回想シーンで少し登場するのみであるが、小説『Another Side』では重要な役回りで登場する。
一葉の話では彼女も誰かとの入れ替わりを体験していた様だが、小説『Another Side』での俊樹の二葉に対する「長いこと探していた大事なものを今見つけたような」という過去の回想から、入れ替わっていた相手は俊樹ではないかと考えられる。
三葉の友人
三葉と同じ高校に通う同級生。オカルトマニアで機械オタク。アダ名はテッシー。
父親は地元で建築業を営んでおり、週末は作業の手伝いを行う事も多い一方、糸守町長で三葉の父でもある俊樹を懇意にしている父親の姿に複雑な感情を抱く。
三葉の同級生。姉は町役場で放送を担当しており、自らも高校の放送部に所属している。アダ名はサヤちん。
おっとりしているが常識人。克彦に想いを寄せている。
その他
- 勅使河原の父親(CV.茶風林)
克彦の父親。本名は不明。
勅使河原建設の社長で町長と懇意にしている。克彦にも休日には仕事を手伝わせて作業を教えている。
- ユキちゃん先生(雪野百香里)(CV.花澤香菜)
前作『言の葉の庭』からのゲストキャラクターだが、新海監督によれば、同一人物かどうかは「観た人の想像に任せる」とのこと。
瀧の関係者
立花家
- 立花和彦(CV.井上和彦)
瀧の父親。
霞ヶ関に勤務している。
瀧とは二人暮しで家事は当番制で、瀧のプライベートにはあまり干渉しない。
エンドロールのスタッフクレジットでは、”瀧の父”と出ている。
本当は名前の設定はされてなかったが、劇場版パンフレットVol.2で掲載された、映画を見た観客から新海監督への質問の回答で、担当声優に由来した名前が明かされた。
演じる井上和彦は、前前作『星を追う子ども』以来、2作品ぶりの新海作品への出演となる。
瀧の友人
瀧のバイト先の先輩。美人でお洒落でゆるキャラ好きな女子大生。
瀧を含めた職場の男子達の憧れの的だが、本人はある事がきっかけで瀧と入れ替わった三葉に好意を寄せる。
瀧の高校の友人。クールに見えて世話好きな眼鏡男子。
瀧と同じく建築業に興味を持ち、勉強は勿論やるべき事はきっちりとやるタイプ。
瀧の学友。大柄な体格とサッパリした性格の持ち主で友達思い。
見た目は体育会系だが、放課後に瀧や司と一緒にカフェ巡りを楽しんでいる。
スタッフ
原作・監督・脚本:新海誠
キャラクターデザイン:田中将賀
作画監督:安藤雅司
音楽・主題歌:RADWIMPS
制作:市川南 川口典孝 大田圭二
共同制作:井上伸一郎 弓矢政法 畠中達郎 善木準二 坂本健
企画・プロデュース:川村元気
エグゼクティブプロデューサー:古澤佳寛
プロデューサー:武井克弘 伊藤耕一郎
制作プロデューサー:酒井雄一
音楽プロデューサー:成川沙世子
音響監督:山田陽
音響効果:森川永子
制作:コミックス・ウェーブ・フィルム
配給:東宝
楽曲
主題歌・挿入歌を担当するRADWIMPSはすべての劇伴も手掛けている。
なお、サウンドトラックに収録されている主題歌は映画向けに構成された“movie ver.”であり、このうち、「前前前世」と「スパークル」の“original ver.”は同年11月23日に発売される、RADWIMPSの新作アルバム『人間開花』に収録されている。また、同アルバムの初回限定版に同梱されるDVDには、RADWIMPSのライブ映像に加えて、新海が映画のシーン(一部新規収録されたシーンあり)を元に制作されたMVが収録されている。
主題歌
OP
作詞・作曲:野田洋次郎
歌:RADWIMPS
ED
作詞・作曲:野田洋次郎
歌:RADWIMPS
作詞・作曲:野田洋次郎
歌:RADWIMPS
作詞・作曲:野田洋次郎
歌:RADWIMPS
興行収入・人気
映画公開前
実はこの映画、公開前はそこまで大々的な宣伝が行われていたわけではなく、お世辞にも注目度が高いとは言えなかった。
理由としては、
- 公開日が書き入れ時である夏休みを外した8月最終週(26日)だったこと
- 製作委員会に社会的影響力の高いテレビ局や、電通をはじめとした三大広告代理店が全く関わっていない(担当したのは『ポケモン・ザ・ムービー』シリーズや『進撃の巨人』に関わった実績のあるJR東日本企画である)こと
- 新海監督は現在まで地上波TVアニメの製作実績を持っていない為、キー局との繋がりが薄かった事や上記の代理店事情もあり、TVCMや番宣も全くと言っていいほどされていなかったこと
- 著名な芸能人やタレントなどのネームバリューも全体的に低かったこと(敢えて言うなら瀧役の神木隆之介やミキ役の長澤まさみ、一葉役の市原悦子ぐらいなものであり、ヒロインの三葉役の上白石萌音も当時はまだデビューして5年の新人女優に過ぎなかった)
- 曲を担当したRADWIMPSもまだ「知る人ぞ知る」ロックバンドで、新海自身も今作が実質的なメジャーデビュー作であり、いずれも業界はともかく世間的な知名度は殆どないに等しかったこと
…などが挙げられる。
こうしたこともあり、東宝の関係者も「15億円稼げれば上出来だろう」という程度の認識だったらしく、ごくありふれた「隠れた名作」で終わる…
…はずだった。
が、事態は誰もが、それこそ新海も予想だにしなかったとんでもない事態となってしまった。
映画公開後
いざ公開されるや、感動的なストーリーと新海得意の安易なCGに頼らない映像美、主演を努めた神木と上白石の本職声優に勝るとも劣らない熱演、ストーリーや演出を引き立てるRADWIMPSの名曲の数々等が高く評価され、SNSや口コミで瞬く間に評判が広がり、リピーターも増加、公開からひと月も経たないうちに人気は急上昇する。
下馬評を大きく覆し、各メディアでも人気ぶりを紹介する報道が増え、人気に拍車をかけることになった(上記でも触れられている三大広告代理店がどこも絡んでいなかったことが幸いし、いわゆる「囲い込み」が行われなかったので、どのメディア・企業でも自由に取り上げることができたのが大きかったと言われている)。
公開3日目の時点で観客動員数は95万人、興行収入は9.3億円をそれぞれ突破し、週末動員・興収ランキングで堂々の1位を獲得。
続く2週目でも週末1位を保持し、公開10日間での動員数は299万4670人、興収は38億7264万円を記録し、わずか10日間で当初の興収目標の2倍以上の額をあっさり突破してしまった。
更に3週目でも週末1位をキープし、累計動員は481万人、興収は62億円を突破。『スーサイド・スクワッド』等の洋画の新作を寄せ付けない圧勝ぶりで、引き続き快進撃を続けた。
4週目でも週末1位をキープし、9月22日までの累計動員数は774万1214人を記録、そしてとうとうジブリ作品以外のアニメ作品では史上初となる興収100億円の大台を突破してしまった。あの『アナと雪の女王』が公開から37日で興収100億に達したのに対し、本作は28日で100億に達するハイペースという勢いになっている。
5週目→8週目でも『聲の形』、『ハドソン川の奇跡』、『アングリーバード』、『ジェイソン・ボーン』等の話題の新作を抑え込んで週末1位をキープし続け、10月4日にはついに累計動員数が1000万人を突破(単純計算で、日本人のおよそ10人に1人がこの映画を観たということになる。これを記念して、第4弾となる新ビジュアルを使った記念広告が10月14日の朝日新聞朝刊に掲載された)、10月31日に『デスノート Light up the NEW world』に首位の座を明け渡すまで、9週連続1位を記録した。この記録は『千と千尋の神隠し』以来となる大記録である。
なお、翌週11月7日付けランキングで首位の座をあっさりと奪還、その後は3週に渡り首位の座をキープし続け、連続ではないもののV12を達成した。11月28日付では『ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅』に首位を譲るが、それでも2週に渡って2位を維持し続けた。
そして興収は2016年12月6日時点で約200億600万円に到達したことが東宝よりアナウンスされ、ついに200億円の大台に到達した。動員数も1500万人を突破。
2017年5月7日付け時点では249億3880万に達した。しかもランキングが18週目が7位だったのが19週目には3位、21週目には2位とどういうわけか急上昇、そして22週目には1位に返り咲いた。さらに公開されてから29週連続でランキング10位以内という『千と千尋の神隠し』の26週を超える記録を作り出している。
そして、2017年7月23日の時点でとうとう250億円を超える事になった。最終興行収入は約250.3億円(こちらを参照)。
この数字は、『崖の上のポニョ』、『アバター』等を抜き去って歴代総合興収ベスト10入りを達成したのはもとより、『ハリー・ポッターと秘密の部屋』、『踊る大捜査線 THE MOVIE 2 レインボーブリッジを封鎖せよ!』、『もののけ姫』、『ハウルの動く城』、『ハリー・ポッターと賢者の石』を抜き去り、『タイタニック』(262億円)や歴代3位の『アナ雪』(254.8億円)に続き、当時の記録としては邦画歴代2位、かつ歴代総合興収4位となった。
なお2016年公開の邦画の中で興行収入は言うまでもなくダントツの1位である。
歴代邦画興行収入第2位(2020年9月時点)、『千と千尋~』等と並び邦画で数少ない200億円台の大台突破と、紛れも無く日本映画史上に残る名作として不動の地位を築いたと言えるだろう。
反響
人気は映画だけに留まらず、小説版も映画の人気に合わせ120万部を超えるベストセラーに。
外伝小説『AnotherSide: Earthbound』も10月2日~10月8日のAmazonの文庫売り上げランキングでトップ(ちなみに、2位も新海自身が執筆した『君の名は。』の小説版であり、実質的に『君の名は。』が1位・2位を独占する形となった)となり、RADWIMPSによるサウンドトラックおよびそこに収録された劇中歌も、オリコンチャートやビルボードランキング等の各種ランキングでトップ10入りを果たすなど、アニメ関連楽曲としては2014年に社会現象にもなった『アナ雪』以来となる快進撃を見せている。
人気を受けて、一般から新海監督への質問を募集し、12月9日には映画パンフレット第2弾が発売され、質問に答える形で監督のインタビューが新たに掲載される。
同年11月23日に発売されたRADWIMPSの新作アルバム『人間開花』は、『君の名は。』の挿入曲である「前前前世」「スパークル」のフルバージョン(および「スパークル」のミュージックビデオ)が収録されたこともあって、発売からわずか2日で13万枚以上を売り上げるというベストセラーとなった。
作品のモデルとなった土地や建物を訪れる聖地巡礼も起こっており、方々で対応に追われている。これに伴い、公式サイトでは巡礼を楽しむ人達に向けて、マナーを求める注意喚起を出した。
またtwitter上で違法アップロードされた本編映像動画(関係者向けのメディアが流出した)へ外部サイトにリンクするTLの拡散が確認され、東宝は注意喚起用のアカウントを作って視聴しないよう異例の対応をしている。
そして、同年11月に発表された、ユーキャン新語・流行語大賞にも「聖地巡礼」と共に『君の名は。』が受賞候補にノミネートされたほか、年末の紅白歌合戦にRADWIMPSが初出場を果たすことが決定するなど、2016年の年度末まで“『君の名は。』旋風”は続くこととなった。
通常の興行ベースでの公開は概ね2017年5月下旬までに終わったものの、ごく少数の上映館は2017年8月25日までの上映となっており(8月24日現在)、封切りから丸々1年上映されることとなった。
日本国外での反響
こうした人気の高まりを受け、合計92の国と地域での配給が決定。
日本国外では世界最初の上映国となった台湾でも爆発的大ヒットとなり、最初は上映館がたったの3館だったにもかかわらず初週興収3位、翌週は上映館を急遽増やされ、ぶっちぎりの1位をキープしている(映画館によっては一日33回も上映している所もある)。
香港やタイ、イギリス、アイルランド、中国でも続々と公開され、各国でも高い評価と人気を受けている。2017年1月には韓国、イタリアで、4月にはアメリカ、カナダでも公開された。
また、スペインで開催される第64回サンセバスチャン国際映画祭での上映、韓国の第21回釜山国際映画祭ガラプレゼンテーション部門やイギリスの第60回ロンドン国際映画祭にも出品された。
また第89回アカデミー賞長編アニメ映画部門の審査対象作品になったが、無念にもノミネートに選ばれず、残念ながらアカデミー賞の舞台は逃した。とはいえ、アカデミー賞はノミネート候補に選ばれただけでも大変名誉なことであるとされており、新海監督自身もノミネート対象に選ばれた際には喜びのコメントを発表している。
受賞歴など
- アニメ作品プロモーションでは世界最高級権威を持つ、スペインのシッチェス・カタロニア国際映画祭アニメ部門で最優秀長編作品賞を受賞。
- 韓国・富川(プチョン)で行われたプチョン国際アニメーション映画祭の長編コンペティション部門にて優秀賞と観客賞をW受賞。
- 第29回東京国際映画祭でARIGATOU賞、第40回山路ふみ子映画祭で山路ふみ子文化賞を受賞。
- 第42回ロサンゼルス映画批評家協会賞にてアニメ映画賞を受賞。ゴールデングローブ賞とともにアカデミー賞の前哨戦と言われる賞である。
- 月刊情報誌日経トレンディの2016年ヒット商品ベスト30で、『ポケモンGO』に次ぐ第2位となった。
- 第40回日本アカデミー賞にて優秀アニメーション賞、優秀監督賞、優秀脚本賞、優秀音楽賞の計4部門を受賞。
DVD / Blu-ray
相当なロングラン公開ということもあってなかなかソフト化の発表が行われなかったが、上映開始から11ヶ月後の翌2017年の7月26日に本作のDVDとBlu-rayがようやくリリースされた。
Blu-rayには特製ディスクを含めた多数の特典が封入された“コレクターズ・エディション”および“スペシャル・エディション”も存在している。また購入先の各店舗によって各々独自の特典が付いていた。
実写版
(※イラストはあくまでイメージです)
2017年9月28日、アメリカ・ハリウッドによる実写版の制作が決まった。
監督について当初はJ・J・エイブラムスで予定されていたが、2019年2月15日の発表でマーク・ウェブ氏が監督に決まり、パラマウント・ピクチャーズとバッド・ロボットが東宝と合同で制作する。
あらすじとしては、田舎に住むネイティブアメリカンの少女とシカゴに住む少年が、お互いの体が入れ替わる不思議な現象を体験するところから物語が始まる。そして来るべき災害を予知したふたりは、その命を救おうと相手に会いにいく、というもの。
舞台をアメリカに移した理由は、東宝とハリウッド側の交渉で「舞台が日本の実写版なら自分たち(東宝)で作る」と日本側から要求したものである。参照リンク
地上波放送
2018年1月3日の夜9時にテレビ朝日系列で地上波初放送が決定。
さらに12月26日から上白石氏のナレーションによる特別PRスポットが登場し、さらに「今回の放送のためだけに監督自らが編集した」と地上波限定のエンドロールが制作された事が発表された。
平均視聴率は17.4%で、『アナと雪の女王』の19.7%には及ばなかったものの、昨年11月12日に地上波初放送された映画『シン・ゴジラ』の15.2%を2.2ポイント上回った。
と思いきや12日に発表されたタイムシフト視聴率で11.7%、総合視聴率(リアルタイム視聴とタイムシフト視聴のいずれかでの視聴を示す指標)で26.3%と判明。「アナ雪」と「シン・ゴジラ」を超える結果となった。
また放送中のCMでは、Z会のクロスロードやソフトバンク、デビルマン、JT、スクスト、ソサエティ5.0など君の名は。とのコラボCMも流れた。
2019年6月30日の夜9時からは、新海監督の最新作『天気の子』の放映を記念して2回目の地上波放送が行われた。AbemaTVではコメンタリーを配信した。また、『天気の子』の冒頭部分が初公開された。視聴率は12.4%。CM提供画面に企業のロゴが入れ替わる仕掛けを行った。
余談
楽曲について
- 本作を引き立ててくれたRADWIMPSの曲の数々だが、実際は逆である。新海が執筆した基本的なシナリオをベースにRADWIMPSの作曲した曲に合わせてシナリオに手を加えていた。つまり、RADWIMPSの曲ありきの作品だったのである。
- 本作の主題歌は「夢灯籠」「前前前世」「スパークル」「なんでもないや」の4曲である。当初はメンバーと新海監督が話し合い1曲のみを主題歌とする予定であったが、どの場面で流れる楽曲を主題歌とするか、ということは決まっていなかった為なかなか主題歌が決まらなかったという。その際監督から「4曲とも主題歌でいいんじゃない?」と提案され、その案が採用されたとのこと。
- 作中4曲の歌は作品に必要不可欠な存在だが、海外公開の際に歌詞の字幕だけで映像と音楽が絡み合った世界観が海外の観客に伝わるか不安要素だった。そこで野田氏は4月のアメリカとカナダ公開に合わせて、4曲に英語詞を付けた英語版を書き下ろしで製作し、この英語版を挿入した映画も北米で公開された。
- RADWIMPSのメンバーである桑原彰と武田祐介が、瀧の通う神宮高校の生徒、および糸守町の消防団員役としてそれぞれ数秒ながら劇中で出演している。
その他
- 本作に克彦の母親役やラーメン屋の奥さん役で出演している声優のかとう有花は岐阜県下呂市出身で、本作の映画・小説・漫画における方言監修にも携わっている。
- 作中では先述のユキちゃん先生の他にも映画『言の葉の庭』との関わりがあり、瀧が働くバイト先のイタリア料理店「IL GIARDINO DELLE PAROLE」は『言の葉の庭』のイタリア語版タイトルで、小説版『言の葉の庭』には勅使河原と早耶香と同名の登場人物が出てくる。
- 物語の舞台のモデルになっている飛騨地方だが、肝心の飛騨市内には映画館がなく、近くても富山県や長野県の松本市に1時間以上もかけて行かなければ映画を観に行けない状態にあり、当初は映画や人気を全く知らない地元住民も多かった(2014年まで高山市に「旭座」という映画館があったが、廃業し跡地はスーパーマーケットになっている)。そこで市は東宝と協議し、文化交流センターで上映会を数度催した。
- 奈良健康ランドでは9月に本作とのコラボ企画が実施され、施設内でセル画やポスターの展示、スタンプラリーが催され、半月予定が人気を受けて一ヶ月に延長された。健康ランドは作品や原作者と縁もゆかりもなかったが、健康ランド側が企画実施を東宝に申し出、東宝もやりたい意思のあるところに企画をやってもらうことに決めたために実現する運びとなった。
- 作中に登場する図書館のモデルとなった古川図書館(正式名称は「飛騨市図書館」)には聖地巡礼の来訪者が増加し、本来館内での撮影は禁止だが、条件付きで撮影許可証を発行することで対応している。
- オカルトマニアである勅使河原は月刊ムーの愛読者で、作中では何度か雑誌ムーが見え、クレジットにも取材協力に「月刊ムー」がある。「月刊ムー」2017年1月号では「君の名は。」特集が組まれ、作品とムーとの関わりが新海へのインタビューとともに掲載された。
- 劇中では台詞のないBGMのみのシーンがあるが、実際には声優が台詞を喋っており、その台詞つきのシーンはBDに収められている。
- ラストの場面について本来はバッドエンドだったのが、会社(またはプロデューサー)の提案であの場面に変更された、という話が出たが、これについて新海監督はツイッターで否定し、あの場面は脚本以前のプロットで決定していたとツイートした。また最初期の企画書でも、映画と近いラストの場面が描かれている。
pixivでの扱い
pixivでも公開開始から作品数や閲覧数が急増。
瀧と三葉の二人かどちらか単体を描いたイラストがほとんどで、劇中のワンシーンを抜き出して描いたファンアートのほか、2人が入れ替わりを経ずに交流するif展開や、2人のその後を描いた二次創作等も投稿されている。→「君の名は。if」 、「君のその後は。」
また他作品のキャラに置き換えたトレスやパロディの作品も多い。 →「君の名は。パロ」
『シン・ゴジラ』との関わり
両作品の間に接点は一切ない(新海監督自身も、ほぼ同時に上映されていた『シン・ゴジラ』に関しては今のところ言及していない)のだが、配給会社が同じ東宝であったこと、公開日が近かったこと、東日本大震災を踏まえた要素があること、公開前の下馬評を大きく覆して大ヒットしたことなど、偶然にもいくつもの共通点があったことから、そのことが一部のファンの間でネタにされるようになった。 → 「君のゴジラは。 」
ちなみに『君の名は』というタイトルの作品とゴジラシリーズには妙な因縁がある。
1954年に第1作『ゴジラ』がこのタイトルの映画に動員ペースと成績で抜かれるということがあったのだが、2016年においても、9月上旬の段階で『君の名は。』が観客動員数と興行収入で『シン・ゴジラ』を抜き去るという当時と似たような事態になっているのである。
これも何かの因果なのか?
ちなみに、双方ともにユーキャン新語・流行語大賞にノミネートされている。
更に余談だが、妖怪ウォッチ3では両作品を元ネタとする映画を制作するクエストが存在する。
こちらも映画版の配給会社が東宝である。ミスタームービーンも参照。
アニメ版でもモンゲーホエールの回で本作のパロディをやっている。
また、三葉を演じた上白石萌音は、 後に劇場版『シャドウサイド 鬼王の復活』で主人公の天野ナツメを演じている。
関連イラスト
関連動画
特報
予告
外部リンク
関連項目
監督 | 新海誠 |
---|---|
前作 | 言の葉の庭 |
次作 | 天気の子 |
ジャンル | アニメ映画 / 恋愛・ラブコメ / SF / タイムトラベル / ファンタジー |
作中キーワード | 糸守町 / 彗星・ティアマト彗星 / 入れ替わり・TSF(瀧入り三葉 三葉入り瀧) / 夢 / 組紐・組み紐 / 口噛み酒 / 黄昏時 / かたわれ時(表記ゆれ:カタワレ時) |
本作の舞台 | 岐阜県(飛騨・高山市) / 東京都(新宿・四谷) / 長野県(諏訪市・岡谷市・諏訪湖、小海町・松原湖・大月湖)<糸守町のモデル> |
NLカップリングタグ | 瀧三(表記ゆれ:たきみつ) / テシサヤ / 瀧四 / つかみき / 俊二(表記ゆれ:としふた) / 高四 / 新海誠監督作品のカップリング |
腐向け・百合タグ | 君の腐は。 / 司瀧 / ミツミキ |
二次創作(全年齢) | 君のその後は。 8年前の壊れてまったお姉ちゃんの中身とはまだ知らない / 君のその前は。 / ミツハ酸タキニウム タキニウム ミツハニウム / 君の名は。if |
二次創作(R-18) | 君お縄。 / 君の縄。/ 前前前科 / とんでもないや / どうしようもないや / 夢投牢 |
パロディタグ | 君の名は。パロを参照。 |
評価タグ | 君の名は。100users入り→君の名は。500users入り→君の名は。1000users入り→君の名は。5000users入り→君の名は。10000users入り→君の名は。50000users入り |
小説評価タグ | 君の名は。小説50users入り→君の名は。小説100users入り→君の名は。小説500users入り |
関連書籍 | 君の名は。AnotherSide:Earthbound |
楽曲関連 | RADWIMPS / 夢灯籠 / 前前前世 / スパークル / なんでもないや / 人間開花 |
表記揺れ | 君の名は…句点が無い場合の表記揺れ。こちらは同名のラジオドラマ・映画が存在する為、タグ付けの際には句点を付ける事をお勧めします。 |
英字・中国語表記 | yourname. / yourname / kiminonawa / 你的名字 / 你的名字。 |