演者:森次晃嗣
概要
第1話においてウルトラ警備隊に協力した風来坊で、その功績によって入隊。
正体はM78星雲光の国からやってきた恒点観測員340号こと『ウルトラセブン』。
漢字表記は『諸星弾』。
地球人の青年・薩摩次郎の勇敢な行動に心を打たれたセブンが、彼の魂と姿をモデルにしたものである(このエピソードは第17話で語られる)。すなわち、モロボシ・ダンは「宇宙人セブンの変身による仮の姿」であり、地球人・ハヤタと一心同体となったウルトラマンとは異なる。
彼の意識は宇宙人そのものであるが、性格は温厚かつ誠実で、天真爛漫でお茶目な部分も見られた。
第1話でのウルトラ警備隊メンバーとの初対面時の「名前? そう、モロボシ・ダンとでもしておきましょうか」という爽やかな偽名紹介や、第26話で超兵器R1号の使用についての意見にフルハシ隊員に対して「それは、血を吐きながら続ける…、悲しいマラソンですよ」という名言を言い放ったり、第31話で宇宙細菌ダリーに寄生され隊員たちを陰から襲う少女に「こんな美しい顔で血を吸うわけがない」と言って疑いたがらないシーンがファンには有名。騙されやすく、変身に必要なウルトラアイを何度も何度も盗まれている。この為、ウルトラアイを盗むなら女性に化けた方がいいとヒーローショーでもネタにされる始末である(ファンはウルトラアイを取られる事を「ゆダンする」と表現するらしい)。
『ウルトラセブン』最終回にて母星に帰還するが、パンドンとの決戦前にアンヌに「僕は地球人じゃないんだよ!!」と自らの正体を告白している。
その後
帰ってきたウルトラマン
ナックル星人に捕まり、処刑されかけたウルトラマンジャックを、初代ウルトラマンと共に『ウルトラの星作戦』を実行し救出する。その際、初代マンが擬態したハヤタと握手している。
ウルトラマンタロウ
タロウこと東光太郎から他の兄弟達と共にバーベキューに誘われるが、その際に来場が遅れるゾフィーについて、「ゾフィーのことなんかいいよ」と問題発言をしていた。
その後、調子に乗る光太郎にチームワークの大切さを説いた(この時既に『レオ』でのスパルタさの片鱗を見せているという感想も)。
ウルトラマンレオ
レギュラーとして再々登場。
この時はMACの隊長として地球防衛の任務に当たるが、マグマ星人達との戦いで右足を負傷、変身能力も失ってしまう。
その後は杖をつきながら、主人公おおとりゲンの上司、MAC隊長として彼を厳しく鍛えた。このときの彼は自らが戦えない苛立ちや、元々戦闘要員でないゲンを速く鍛え上げなければという焦りからか、元来の温厚さは影をひそめ、かなりきつい性格描写がされているが、話が進むにつれゲンとの間に本当の信頼関係が育ち、確かな尊敬を得ている。
第21話での対ノースサタン戦後に、ゲンに免許皆伝を与えて修行を完了させた後は、本来の温厚かつ天然な性格が戻ってきており、第29話にて、ウリーの育ての親であるアンヌ似の女性を本物のアンヌと思い込んでアプローチをかけた事もあった。
また、ババルウ星人の策略でウルトラの星が地球に接近してきた時には、ウルトラマンキングから光の国への帰還を勧められても、地球人のモロボシ・ダンとして地球と共に死ぬ覚悟を示していた。
その直後、シルバーブルーメ襲撃時に消息不明となるが、ウルトラの母に助けられ、無事にM78星雲へと帰還を果たす(内山まもるの漫画版レオでは巨大な爆弾を背負ってシルバーブルーメに特攻し壮絶な死を遂げ、ジャッカル大魔王襲撃時にキングの力でついでに蘇ったことになった)。大破したウルトラアイも、この時無事修復されたのか新しいものを新調したのかは不明だが、再びダンの手元に戻り、変身能力も取り戻している。
企画当初はMAC隊長は「川上鉄太郎」という名前の地球人であり、ゲン(企画時の名は「おおとりレオ」)の正体を知った川上がゲンを鍛え、そして協力するという設定で、製作側では当初から川上役には森次晃嗣を起用する予定だったが、森次はウルトラシリーズでダン以外の役を演じることに異を唱え出演を逡巡したため、隊長をダンに変更して再度オファーを行った結果、森次も承諾した。また、「ゲンを鍛える鬼隊長」という川上の人物設定は、実際に採用された本作でのダンのキャラクターに反映されており、本作でのダンの厳しさは、製作側の設定、森次の希望が融合した産物と言える。 なお、川上は企画書では「怪獣との戦いで変身できなくなったセブンは、川上鉄太郎と名乗り、最終回まで、レオに正体を明かさない事になっていた。」と記載されておりダンと同一人物の予定だった。
ウルトラマンメビウス
その後、Uキラーザウルスを追って他のウルトラ兄弟たちと共に地球へ飛来。変身能力と引き換えにUキラーザウルスを神戸沖に封印した後、地球で牧場経営者として暮らしながら、Uキラーザウルスの封印を監視していた。
封印が解けた際には他のウルトラ兄弟の戦士と共に命がけでセブンに変身、メビウスや救援に訪れたタロウやゾフィーと共にこれに立ち向かった。
Uキラーザウルスが倒された後もしばらく地球に留まっており、メビウスがグローザムに敗れた際には現場に駆けつけ、コノミ隊員を励ましたり、セブンに変身し、復活したメビウスと共にグローザムに立ち向かった。また、戦いの後に主人公ヒビノ・ミライを激励する際には、かつて自分がゲンと共に経験した哀しい出来事について触れている。
最終話では他の兄弟たちと共にエンペラ星人の手によって異常発達させられていた太陽の黒点を除去するなどサポートを行った。
ULTRASEVENX
最終話に登場。元の世界に帰還した際に、アンヌ隊員と再会していた。
大怪獣バトル
大怪獣バトルNEO
レイブラッド星人の暗躍を察知して惑星ハマーを訪れるも、復活したアーマードダークネスと戦闘になり、これを封じるために自らアーマードダークネスを装着するという大博打に出る(この際、アイスラッガーを落としてしまうが、後に主人公のレイの手に渡ることになる)。一時はアーマードダークネスに自我を乗っ取られて暴れ回るものの、レイの手によってアーマーが破壊されたことで元の姿を取り戻し、そのお礼にカプセル怪獣のうちの一体であるミクラスを託し、いったん惑星ハマーを去る。
その後、初代ウルトラマンと共に惑星ハマーから脱出しようとするZAPの救援に駆けつけ、レイブラッド星人を撃破、最後はレイからミクラスを返却され、帰還していった。
ウルトラ銀河伝説 THE MOVIE
ウルトラマンベリアルの襲撃から辛くも脱出。プラズマスパークの機能停止によりウルトラの星が氷の星と化した事でエネルギーの激しい消費により巨体を維持できなくなった際にはモロボシ・ダンの姿を取り、カプセル怪獣たちを召喚してベリアルの尖兵である怪獣たちと戦わせるなどしていた。
キラーザビートスター
人間たちが多数来訪していた惑星プラムに天球が衝突しそうになったため、初代マン(ハヤタ)、ゾフィーと共に現場に駆けつけ、天球の惑星衝突を遅らせるべく奮闘する。
その後
スパルタの系譜はレオ→ゼロ→ビクトリー→エックスへと連綿と受け継がれていくこととなる。
「誰でもない。ただの風来坊さ」
『ウルトラセブン』放送開始50周年を記念してゲスト出演。
サデス率いる宇宙人軍団に苦戦するオーブトリニティの前に突如助っ人として現れて変身。歴戦の勇士に相応しい戦闘力で終始サデスを圧倒し、「さすが生涯現役!」と言わしめる実力を披露した。
変身時には主題歌さながらに周囲がBGMに合わせて「セブン!」のフレーズを連呼するネタがあったりする。
『ウルトラファイトオーブ』では宇宙警備隊の一員としてレイバトスの暗躍に対抗、さらに息子のゼロと共にオーブを特訓し、エメリウムスラッガーへの変身能力を授けた。
軍団を再興して再び宇宙全土の混乱を目論むウルトラマンベリアルに他の宇宙警備隊と共に挑むも、ベリアルの超時空消滅爆弾の起動を止められず、目の前で地球が崩壊しそうになる(この際、負傷しながらもなお止めに向かおうとした息子のゼロに対し、「よせ!この宇宙はもう持たない!」と止めている)も、すんでのところでウルトラマンキングの手で修復される様子を見守る。本作でのセリフは一言しかなかったが、ちゃんと森次氏本人が声を当てている。
それ以降は物語には絡んでこないが、最終話ではジードの力の源となった他のウルトラ戦士と共に、ジードとベリアルの最後の戦いを光の国から見守っていた模様。
それ以外の作品では…
映像作品
平成ウルトラセブン
ダンとしては「地球星人の大地」から登場した。
メトロン星人の侵略を阻止すべく奮闘したが、この時の戦いで一時的に記憶喪失になってしまっていた。
これを克服してからは旅をしつつ再び地球の守りに着くが、既にウルトラ警備隊を離れていた事もあり、新生ウルトラ警備隊のカザモリ・マサキ隊員の姿を状況に応じて使い分けていた(この時は本物をカプセル怪獣のカプセルに収納して入れ替わる)。
しかし、最終章6部作では、壊滅した月面基地でフルハシを看取ったあと地球に戻りヴァルキューレ星人の侵略行為によって、カザモリが瀕死の重傷を負ったため治療のためにカプセルに収納したためカザモリとしての活動が多くなった。(それが仇となり、防衛軍の取り調べで宇宙人であったことがバレてしまった)
フレンドシップ計画を知って、人類に絶望しかけるが、疑いをかけられながらも諦めなかったウルトラ警備隊の面々を見て、最後の望みをかけた。
『私は地球人』で、カザモリとフルハシに別れを告げて地球を去った。
『EVOLUTION5部作』では馬の首暗黒星雲に幽閉されながらもカザモリと一体化して地球に帰還したため、ダンとしては登場しない(その代わり、ナレーターは森次晃嗣が務めている)。
ウルトラマンゼアス2
ダンにそっくりな『薩摩萬』(さつまばん)が登場。大河内隊長に変わって着任したMYDOの新隊長で、経歴は一切不明の40歳という設定で登場。歴戦の勇者らしい。
ただ、とんねるずの二人がセブンを彷彿とさせるポーズをしたり、ミラクロンを見てカプセル怪獣を懐かしむ素振りを見せたり、そもそもこの映画がゼアスが強敵に勝つために特訓する内容だったりするなど、正体隠す気無いんじゃないかと思わせる要素が多い。しかも隊長という役職からしてファンからはバレバレのような…。
なお、ゼアスは初代マンの遠い親戚という説があるため、もしかしたら初代マンに頼まれてゼアスの応援に来たのかもしれない。
大決戦!超ウルトラ8兄弟
パラレルワールドのモロボシ・ダン(正真正銘の普通の地球人)が登場。
こちらではアンヌと結婚しており、横浜でレストランを経営している(ちなみに、演じる森次氏は、実際に神奈川県藤沢市で「ジョリーシャポー」というレストランを経営している。ロケに使われた横浜のレストランも実在する店だが、こちらは森次氏とは特に接点はない)。
終盤、別世界でウルトラセブンとして活躍していた自分の記憶が宿ったことでセブンへの変身能力を得、他のウルトラ戦士と共に侵略者へと立ち向かった。
なお、本作の監督を務めた八木毅氏が大のセブンファンであったこともあり、他のウルトラ兄弟以上に多くの見せ場を作っている。
怪獣娘〜ウルトラ怪獣擬人化計画〜
「頼むぞ! アギラ!!」
こちらもウルトラシリーズ本編とはパラレルの世界が舞台(と思われる)。
第3話で声のみ登場。
彼の言葉を聞いた宮下アキは奮起し、暴走する自動車が幼稚園に突っ込むのを食い止め、怪獣娘:アギラとして覚醒する。
なお、エンディングでは「モロボシ・ダン」ではなく「誰かの声」とクレジットされている。
漫画
ULTRAMAN
諸星弾という青年が科学特捜隊の隊員として登場。主人公の早田進次郎(ハヤタ隊員の息子)と共にウルトラマンスーツを着て悪の宇宙人と戦う。
だが、性格は好青年であった原典のモロボシとはまるっきり正反対で、宇宙人のことを徹底的に嫌悪しており、多少なりとも同情できるような事情を抱えていた相手であろうと一切容赦せずに始末しようとするなど、冷酷な側面が目立つ。
ちなみに、人間のような姿をしているが、実は地球とは違う星で生まれ育った異星人である。
ウルトラ怪獣擬人化計画 feat.POPComiccode
風上旬の漫画作品。
初期のころから、メトロンやゴドラと戦ったセブンの人間時の姿として度々話題に上がることがあった。なお、かつて拳を交えたメトロンやゴドラは(姿が変わったこともあってか)ダン=セブンにぞっこんという設定であり、この作品ではどいうわけか無茶苦茶モテまくる男になっている。
その後、テンペラー・アントラー・メトロン・ゴドラは地球を訪れた際に、上記にもあるカフェレストラン「ジョリーシャポー」の存在を知り、あわよくばセブン=ダンを始末しようと(メトロンとゴドラは寧ろダンに会えることを期待して)店を訪れることになる。しかし、当然ながら店内にモロボシ・ダンの姿はなく、いたのはかつてダン役を演じた俳優の森次晃嗣氏その人であった。
「邪魔なウルトラ戦士はいない、これで地球は手に入れたも同然だ」と大はしゃぎする一同であったが、周囲の客を顧みない迷惑な行動を見兼ねた森次氏は「うるさい! 食べろ!!」と彼女たちを一喝する。
本物のダン=ウルトラセブンさながらの迫力に気圧されたテンペラーたちはすっかり意気消沈してしまい、やがて言い知れぬプレッシャーを感じて逃げるように店を出てしまう。
しかし、そんな彼女たちを森次氏が呼び止める。
森次氏は、いきなり怒鳴ってしまったことを詫びた上で、
「旅先でハメを外したい気持ちはあるだろうけど、その土地で礼を欠くようなことをしてはいけないよ」
「大人しく食べてくれるなら大歓迎 是非またいらっしゃい」
と、最後は温かく少女たちを送り出すのだった。
「変わった子たちでしたね 外国人なのかしら」と訝し気に語る店員に対し、森次氏はまるですべてお見通しであったかのような表情でこう言うのだった。
「そうだな もっと遠く…宇宙から来たのかもしれないね」
ライブステージ
ウルトラマンプレミアステージ2
アーマードダークネスが宇宙人軍団たちの手に渡る事を防ぐべく、ハヤタと共に高山我夢や春野ムサシ、そしてGUYSに協力を申し出た。
一度はウルトラマンとともに磔にされてアーマードダークネス強化の為の贄にされかかるが、ムサシによって救出される。
実はフロス星の人々をフロスエナジーを狙う宇宙人たちの魔の手から守った二人の勇者の一人であり、本作の敵勢力である宇宙人軍団はこの時に戦った宇宙人の仲間である。
GUYSスペーシーと一緒になって狩野英孝のコントを披露したり、「宇宙のイケメンウルトラセブン」や「宇宙一の色男」を自称したりとコミカルかつノリのいいシーンも見られた。
関連イラスト
別名・表記ゆれ
関連タグ
ウルトラ警備隊 キリヤマ隊長 フルハシ・シゲル ソガ アマギ 友里アンヌ
ウリンガ:私生児?
カザモリ・マサキ、ジン…別作品におけるウルトラセブンの変身者。『タロウ』でも他の兄弟達とともに、ZATの隊員に憑依して変身したこともある。
クレナイ・ガイ:同じく風来坊なウルトラ戦士変身者。キャラクターコンセプトは「モロボシ・ダンがウルトラ警備隊にスカウトされず風来坊を続けていたら」であるとの事。劇場版および後日談で共演している。
ジャグラスジャグラー:上記のガイのライバル。こちらもレギュラー出演後、別作品で防衛チームの隊長の座に収まって行動していたことがある。
黄山純:同じく映画館で煎餅を食べていた特撮キャラ。
歴代ウルトラマンの主人公系譜