「オーマジオウもどきが、俺に何かできると思うか?
見せてやろう、俺の手に入れた力を…」
「俺が、お前の世界を作ろう」
「妹よ。俺の描く未来にお前はいない!」
演/CV:兼崎健太郎
スーツアクター:岡元次郎
データ
- 身長:192.0cm
- 体重:83.0kg
- 特色/力:アナザーワールドの創出/ダークライダーの召喚・使役/時空間移動/サイコキネシスのような余波を使った攻撃/ディケイドのファイナルアタックライドを模したようなキック技
概要
『仮面ライダージオウ』EP44「2019:アクアのよびごえ」から登場するアナザーライダーの1人。本作のラスボスにして、平成仮面ライダーシリーズ最後の敵。
タイムジャッカーのスウォルツが、士から力を奪って生成したアナザーディケイドウォッチを使って変身する。
モデルは仮面ライダーディケイド。
EP44でその姿が明らかとなったが、後ろ姿はEP41の時点でアナザードライブ共々石像として登場していた。
容姿
ディケイドを大きく歪めたような姿をしており、全体的にディケイドの異名の一つであった「悪魔」を連想させる。
変身時には幻影が集まって変身するディケイドとは逆に、先にライドプレートが刺さり、幻影が外に広がっていく。
頭部はディケイドのライダーズクレストのごとく、横に張り出す形で大きなツノのような突起が伸びており、そこにバーコード状にプレートが突き刺さっている。プレートの枚数は全部で21枚と、歴代平成ライダーの数を超える存在であることを現わしているようにもとれる。
顔は歯が剥き出しになった醜悪な人面と化しており、「仮面を壊して素顔を露わにした」とも、「仮面が顔と一体化した」とも解釈でき、「仮面ライダーの破壊者」たるディケイドの一面を表しているといえる。
顔のシルエットはディケイドテレビシリーズのラスボスであるアポロガイストや劇場版のラスボスキングダークを連想させたり、大ショッカーのロゴのモチーフである双頭の鷲(角が鷲の頭で、耳が翼)を思わせる辺り、大ショッカーの要素がこれでもかと詰め込まれている。
体色はディケイドのマゼンタと比べると若干暗く、スウォルツの服に近い色合いとなっている。腰のベルト部分は本編のディケイドと同じ白色だが、カメラを連想させる機械的なオリジナルとは対照的な血走った眼球にも見える生物的な意匠。
ディケイドがかつて大ショッカー首領であった点を考慮すると、この造形はその源流たる組織の頂点に立つ存在、ショッカー首領がモチーフになっている可能性がある。
また、その周囲にみられる爪や牙のような装飾はそれぞれ形が異なっており、その数は歴代平成ライダーと同じ20本存在する。
胸の翼は士の案内役であったキバや、ネガの世界のダークキバなどをイメージしたものだろうか。十字部分はオリジナルが二本で白黒で構成されていたのに対し、こちらは真っ黒で三本のラインで構成されているという違いがある。
腰の白い装飾はン・ダグバ・ゼバ、胸の羽はバットファンガイアと(ディケイド当時の)最古のラスボスと最新のラスボスをイメージしたという説も。
アナザーライダー共通の年号と名前は胸部右側に「DECADE」「2019」と刻まれている。奇しくも登場時期は仮面ライダーディケイドからちょうど10年後の夏という事になる。
能力
人間を取り込むことで”失われた可能性の世界"「アナザーワールド」を創出し、そこからオーロラカーテンを通してダークライダーを召喚・使役することが可能。
つまりは、今までの平成ライダーシリーズで敗北してきた幹部怪人やダークライダーが勝利したifの世界を作り出し呼び出す能力である。
ディケイドの異名である「世界の破壊者」とは真逆の「世界の創造者」と呼ぶべき力であり、むしろライダーを召喚して戦うディエンドに近い。
呼び出すのがダークライダーという点では、主役ライダーを呼び出すグランドジオウとも対になっている。
作中での描写から推測するに、「過去を変えたい」という強い思いの力で「ifの世界」を作り出す能力であるらしい。
アナザーワールドに取り込まれた人間は自分の望みが叶えられた瞬間で時間が止められて永遠の快楽を過ごすことになる。そうなるとこの「願いが叶った瞬間」以外の時間についてはスウォルツが好き勝手に改変できるようになるようで、何らかのダークライダーが勝利した可能性の世界が創造されることとなる。
EP45ではゲーマーの小和田の望みより生まれたアナザーワールドから仮面ライダーエターナルが召喚されている為、召喚されるダークライダーと生贄となる人間の間に類似性は必要なく、誰を生贄にしてもいい模様。
自らの目的のために仲間や肉親をも使い捨ての道具としか見ていないスウォルツに相応しい能力と言える。
アナザーワールドから生み出されたダークライダーは倒してもアナザーワールドがある限り即座に復活するコンティニュー仕様というトンデモ仕様。
しかし、一度仮面ライダーエターナルにアナザーワールドが破壊されて以降のスウォルツはオーロラカーテンは使うがアナザーワールドをまた作るようなことはしておらず、これはエターナルの「“永遠に”停止させる」能力ゆえかもしれない。
なお、門矢士から仮面ライダーディケイドの力こそ奪ったものの、彼個人が持つ「世界を移動する力」はディケイドの力とは別に存在したため、オーロラカーテンのコントロールを一時的に奪われてアナザーワールドに侵入され、あっさりカラクリを見破られてしまっている。
また、オーロラカーテンを使って相手を束縛する、相手をワープさせて攻撃を回避する、などのオリジナル以上の芸当すら可能である。(もっともこれはアナザーディケイドの性能と言うよりスウォルツがオーロラカーテンの使い方が非常に上手い、と言う所も大きい)
基本的にスウォルツ自身が裏で謀を巡らせるタイプであるため、変身しても自身が積極的に戦うことは少ないが、アナザーディケイド自体の戦闘力も極めて高い。胸部のベルト型部位から紫色の波動を放つ能力を持ち、掌からエネルギー波として放つほか、波動をキックに乗せることで必殺技として放つ(EP48では波動をカード状エネルギーに変え、ディメンションキックと同じシークエンスで飛び蹴りを放った)ことが可能であり、この技でアクア、チェイサー、ゲイツ、ツクヨミなど、数多の戦士達を実際に死に至らしめている程に強大な力を持つ。EP44では手をかざすだけで相手の周囲を爆破している他、パワー特化のゲイツリバイブ剛烈の攻撃がマトモにダメージが入らない程の堅牢さも併せ持つ。更に、不意打ちでは仮面ライダーツクヨミやレジェンドライダーの攻撃が通ったが、真正面からだと原典の時間からのレジェンドライダーの必殺技をほぼ全て捌き、挙句の果てに本来の力の持ち主であるネオディケイドすら(王家の力等込みだが)圧倒し、ゲイツリバイブやネオディエンドとの黄金コンビを相手にしても単独で互角以上に立ち回る等化け物じみた戦闘能力を持っている。
作中で正面からの攻撃でダメージを与えられたのはグランドジオウとオーマジオウだけである。
ここまで強力な力を誇っているが、恐ろしいことにスウォルツが奪った時点のディケイドは自身の力の半分だけ。
つまり、手に入れた力はあくまでもディケイド本来の力の半分でしかないと言う事になる。その為、アナザーディケイドの強さの根幹はアナザーディケイドではなくスウォルツとしての強さの方が大きい。
事実、ディケイドにも劣らぬ力とされるディエンドから産み出されたアナザーディエンドはグランドジオウに相当する形態であるゲイツマジェスティに圧倒されており、また、アナザードライブやアナザーリュウガなどの実力者が変身したアナザーライダーは皆非常に高い戦闘能力を有している事から、勿論アナザーディケイドの能力もアナザーライダーの能力の中ではかなり当たりの部類に入るの事は事実ではあるが、「ディケイドの半分の力」と言うと大体ディケイドアーマーと同程度である事を踏まえると、スウォルツ自身の凄まじい戦闘能力の高さが窺える(とは言え、どちらかと言うと変身者の士自体の力に由来する所が大きいがディエンドに対して純粋な実力勝負では優位に立ったり、他のレジェンドライダーがライドウォッチに力が宿ったら変身出来なくなる中、唯一予め力を半分に分けておいて再変身を可能にする等の芸当を成し遂げていたり、勿論変身するもののポテンシャルだったり他にも強力なライドウォッチが存在しているが、ジオウが使う場合に置いても他のレジェンドライダーの力を一段階先の強化形態もしくは最強フォームの能力を引き出せるようになったりとディケイドライドウォッチ自体が他のレジェンドライダーのライドウォッチの中では一線を画す性能を誇っているため、半分でもディケイド自身の力が強いことも間違いは無い)。
召喚されたダークライダー達
一見夏映画のダークライダーを無作為に並べただけ(スーツが残っているという事情を考慮しても)のようなメンバーだが、下記のようにこれまで作中に登場したミライダーやアナザーライダーに共通する点が見られる。
ダークライダー | 要素が共通するライダー | 共通する要素 |
---|---|---|
G4 | 仮面ライダークイズ | 生と死を背負う者のどちらが正しいか答えを出す者が変身 |
レイ | 仮面ライダーキカイ | ロボットの力で変身、必殺技が氷属性 |
ダークゴースト | アナザージオウ | 主人公と同じ境遇だが誤解から悪の道に走った、進化形態を持つ |
風魔 | 仮面ライダーシノビ | 大切な者のために戦う忍者ライダー |
- EP45『2019:エターナル・パーティ』
- EP46『2019:オペレーション・ウォズ』
- 仮面ライダー幽汽 ハイジャックフォーム
EP39・40で登場した大澄ユキヒロと入れ替わりに召喚。
ユキヒロとは「電王」関係で愛する者を亡くしている点で共通しており、生者と死者を入れ替えようとしていた幽汽を呼び出すために死んだ恋人が健在である世界が作られたこともなかなかの皮肉であると言える。
ライドウォッチの破損による出現した者たち
- LAST『2019:アポカリプス』
※EP47以降の該当メンバーは、ダークライダーでないメンバーが含まれていることと、アナザーワールドを作成した描写がないこと、作中にてウォッチの破損によって怪人たちの歴史が復活していたことから、アナザーディケイドの能力で創造してから召喚したのではなく、復活した彼らをオーロラカーテンで召喚したのだと思われる。
誕生による改変
大元であるディケイドにそもそも物語がないため、別世界の存在であるディケイドに対して歴史改変などの影響は発生していない。ただ、士は直接力を奪われた為か、変身できなくなっていたが…
活躍
- EP44『2019:アクアのよびごえ』
アナザードライブの変身者を追おうとしたウール達の前に現れ、アナザーディケイドウォッチを使って変身。
オーロラカーテンを使ってグランドジオウとゲイツリバイブ疾風を別地点に移動させ、2人を爆破能力で吹き飛ばして圧倒。
さらにアナザーワールドから召喚したG4・レイ・ダークゴースト・風魔を2人に仕向けた。
- EP45『2019:エターナル・パーティ』
突如現れたウォズに追い詰めたグランドジオウとゲイツリバイブを転送され逃がしてしまう。
後にゲームの日本代表決定戦に敗れてしまったソウゴの同級生・小和田の前に現れ、彼をアナザーワールドに取り込んで大道克己/仮面ライダーエターナルを召喚するも、現れた門矢士がジオウと共にアナザーワールドに侵入し離脱。現れた湊ミハル/仮面ライダーアクアとエターナルの戦いを傍観していたが、その隙をついたミハルに動きを封じられ、ツクヨミに力を奪還される。
直後にアナザーディケイドに変身してツクヨミを襲うがそれはブラフであり、真の狙いは救援に現れたゲイツであった。
「思った通りだ。俺が、お前の世界を作ろう…」
そうしてゲイツをアナザーワールドに取り込み、そして入れ替わりに現れたのは新たな「オーマの日」に消え去ったはずの白ウォズであった……。
- EP46『2019:オペレーション・ウォズ』
冒頭でツクヨミを抹殺しようとするが、ウォズギンガタイヨウフォームが割り込んで来たことで撤退される。
その後、アナザー電王の事件の際に登場した大澄ユキヒロをアナザーワールドに取り込み仮面ライダー幽汽を召喚。
その後のアクア・ジオウ・ウォズギンガファイナリーとエターナル・幽汽・仮面ライダーウォズの戦いで白ウォズが撃破されたのをきっかけに現れて再び白ウォズを召喚するが、戦闘には加わらず傍観していた。
だが、そのためにエターナルの力とジオウトリニティを利用した白ウォズの作戦にかかり、大半のアナザーワールドを破壊される。
消え際にスウォルツの目的を言い残そうとした白ウォズを自ら始末し、残った4人のダークライダーをゲイツとウォズにけしかけ自身はソウゴと対峙。
アクアの奇襲も力を与え直したオーラに時間を止めさせることで防ぐ。
止まった時間の中、ソウゴに王としての使命を説いたのが自分であること、ソウゴを「王」として成長するよう仕向けたのが自分であること、そして「ソウゴが集めたライダーの力を奪って自らが王になる」という目的を語る。
直後、目的を聞いたオーラの不意打ちを受けるがそれも読んでおり、オーロラカーテンで攻撃を回避しつつオーラを拘束、アナザーディケイドに変身すると文字通り一蹴して殺害する。
ソウゴ「お前さ……王には向いてないよ?」
「そうか? 俺には世界を支配する力がある」
ソウゴ「世界を良くするのが王だ… そのための力だ!」
ついにグランドジオウとの正面対決に臨む。
一方、ダークライダー達を撃破したゲイツ達は「加古川飛流を王に祀り上げるまではツクヨミを放置し力を奪わなかった」「アナザードライブにウールとオーラを襲わせた」「無作為に人間を選んでアナザーワールドに放りこんだ」という一見バラバラに見えるスウォルツの行動が全てソウゴとグランドジオウの力に繋がっており、ソウゴを動かすためにソウゴに接触した人間を優先して襲っていたことに気付いた。
グランドジオウと激突する中で、「自分を倒せば自分の時間軸が消え、同じ出身であるツクヨミも消える」ことを明かす。
動揺するソウゴを援護しようとしたアクアのライダーキックもオーロラカーテンで回避すると、必殺の回し蹴りを浴びせて抹殺、その余波でグランドジオウまでも変身解除に追い込む。
そして変身を解き、ミハルの死に燃えるソウゴに告げる。
「常盤ソウゴ、お前に残された道は3つ。
ツクヨミを取るか、己を取るか…
それとも、オーマジオウの道を取るか、だ」
- EP48『2068:オーマ・タイム』
EP47から世界の融合が始まり『ジオウ』の世界が崩壊へと進む中、自身の野望を止める為に士が考案したとある作戦の為に行動を開始したゲイツリバイブ剛烈と交戦。
ウォッチが壊れた事で出現した怪人軍団を使役してゲイツリバイブを追い詰めるも、駆けつけたディケイドの助力もあって怪人軍団を蹴散らされたが、未だ戦い続けるゲイツ達に無駄だと言い放つ。
「悪足掻きだ。 この世界は滅びる。お前達に出来る事は何も無い!!」
ゲイツ「お前の世界が消えるのを防いでやる。ただし、お前の世界を救うのは、お前じゃない」
そう言われて思い返すと、思い当たる人物はただ1人。そう、ツクヨミしかいない。
ゲイツ「彼女が世界を救う。お前が出来る事は無い」
その事を告げられ、自身の怒りが爆発。怒りのままゲイツリバイブとディケイドを圧倒し、ライダーキックでゲイツを抹殺しようとしたが2068年でオーマジオウと戦うジオウが、ジオウトリニティの変身のためゲイツが転送されたことで不発に終わる。
その後は残されたディケイドと助っ人に駆けつけた自らが与えた王族の力の一部を持つディエンドの2人を相手に、単独で互角以上に渡り合い、ツクヨミを始末すべく途中でオーロラカーテンを使用して戦闘を離脱した。
その先でツクヨミを襲いかかっていた魔進チェイサーを止め、自らが始末しようとするも「人間」でありながらツクヨミを襲おうとしたことに反発して襲いかかってきたチェイサーをアクア同様に一蹴して消し去ってしまった。
邪魔者がいなくなった以上、今度こそツクヨミを葬り去ろうとするも、未来から帰還したソウゴがツクヨミに既にウォッチを持っている事を伝える。
そしてウォッチを取り出したツクヨミが、新たなる仮面ライダー・仮面ライダーツクヨミに変身するのを目撃した。
- LAST『2019:アポカリプス』
前話で仮面ライダーに変身したツクヨミ。
スウォルツ自身も驚きを隠せないでいたが、ツクヨミは突如周囲の時間を止めて自身の目の前で膝を折り、こう口にした。
ツクヨミ「兄さん。仮面ライダーの力を手に入れました。この力、必ず兄さんのお役に立つはず」
何とツクヨミがスウォルツを「王」と認め、スウォルツ側へ寝返ってしまったのだ。
消そうとしていたツクヨミが自ら服従した事、ジオウ達の作戦が失敗した事に邪悪な笑みを浮かべてその場を退散した。
翌朝、怪人軍団と戦うウォズ、ディケイド、ディエンドをツクヨミの助力もあって圧倒し、ウォズにトドメを刺そうとするも順一郎の尽力でグランドジオウライドウォッチが復活、ソウゴが召喚した4人のライダー(ビルド・タンクタンクフォーム、エグゼイドマキシマムゲーマーレベル99、ゴースト・オレ魂、ドライブ・タイプフォーミュラ)に阻まれる。
「何故だ!? ライダーどもの歴史は消えたはずだ…!」
ソウゴ「消えないよ…。どんなに歴史が壊されても、仮面ライダーは壊れない!」
ソウゴが変身したグランドジオウと、世界の存亡をかけた最後の戦いが始まった。
4人のライダー(鎧武・パインアームズ、ウィザード・インフィニティースタイル、オーズ・タジャドルコンボ、ダブル・サイクロンジョーカーエクストリーム)を召喚して攻撃を繰り出すグランドジオウに押されるものの、エボル・コブラフォーム、ゲムデウス、サジタリウス・ゾディアーツ、ユートピア・ドーパント、ン・ダグバ・ゼバというラスボスクラスの強豪怪人を召喚してライダーたちを全て葬り、怪人達との同時攻撃でグランドジオウを変身解除に追い込む。
そしてソウゴにトドメを刺すべく最後の一撃を放ち、それを庇ったゲイツリバイブ疾風に致命傷を負わせて死に追いやるも、ゲイツの死を看取ったソウゴは深い悲しみと怒りと共に立ち上がり、「最善最高の魔王になれる」と促したゲイツの想いを受けて、ソウゴのジクウドライバーはオーマジオウドライバーへと変化、遂に仮面ライダーオーマジオウへと変身を遂げた。
「フフフフハハハ…ハハハハハッ! 俺はこの時を待っていた!!
この為に、常磐ソウゴを追い詰めてきたのだ。
今こそオーマジオウの力を貰うぞ!!」
ソウゴがオーマジオウになる機会を虎視眈々と狙っていたアナザーディケイドは、その力を奪おうとする。
「素晴らしい力だ! この力さえあれば俺は妹を凌駕できる! 真の王位を継承する事ができる!」
「…………………………ぐっ!?ガァァッ!!」
だが、オーマジオウの凄まじい力を奪いきれず、身体の各所から火花を散らして苦しみ出した。その様子を見たオーマジオウはこう言い放つ。
ソウゴ「お前ごときが…俺の力を受け止めきれると思うか…? 俺の力は全てのライダーの力だ…!」
ソウゴが変身したオーマジオウに宿るのは、「平成」という時代を駆け抜けてきた全ての平成ライダーの力。そのあまりにも強大な力は、如何なる者達を始末してでも王になる事に固執していたスウォルツ程度が受け止め切れるものではなかった。
そしてオーマジオウにより、歴代ラスボス達をそれぞれたった一撃で掃討する程の凄まじい力を見せつけられる。それでもなお吸収した力の一端で元の世界の王として君臨すべく、元の世界へと逃走を図るも、
ツクヨミ「あなたのような王は要らない!」
ツクヨミの一撃がアナザーディケイドを貫いた。彼女は最初からスウォルツの隙を狙って取り入っていたのだ。それは自身が捨て駒として利用した飛流と同じく「忠臣を装った相手にまんまと騙される」という皮肉なものであった。
だが、アナザーディケイドはすぐさま至近距離で衝撃波を放ち、とうとうツクヨミをも手を掛けた。
しかし、これに怒りを爆発させたオーマジオウが「逢魔時王必殺撃」を発動。それに対して波動を纏わせたパンチで対抗するも耐え切れず、そのまま爆散・敗北(ちなみにこの場面、耐えている時間がオーマジオウから力を奪っていた時間とほぼ一致する。このため素の状態だと歴代のラスボスたち同様一瞬でやられていた可能性が高い)。
その際に起こった凄まじい爆発によって『ジオウ』の世界に溢れた怪人達も全て消滅し、世界の崩壊は防がれたのだった。
……作中では「スウォルツごとき」等と散々な言われようをした彼だが、その実力は決して低くない。寧ろ、自身の素の高い実力に加えディケイドの力、時止め能力も合わさりオリジナルすら凌駕する程の凄まじい力を持ち、歴代ラスボスでもトップクラスといっても過言でないと思われる(それでもオーマジオウに比べれば矮小なものに過ぎないかもしれないが)。
彼の敗因はひとえに世界の王者となるに相応しい器を持ち合わせなかった事、王族出身のプライド故、あるいは妹へのコンプレックス故にそれを認められなかった事だろう。生まれながらの時の王者である普通の高校生には、最初から足元にすら及んでいなかったのだ……。
ツクヨミ「この世界はもう私の世界よ、兄さん……………」
スウォルツ「妹よ…………………お前の意見は求めん…………………!!」
「ソウゴ、2つの世界をあなたに託す…………………」
「グハアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアァァァァァァァァァ!!」
Vシネマではオーマジオウの力で世界が作り変えられた事でスウォルツが記憶を失い、ただの学校の教師となっている為、直接の登場はしないが本編で創り出されたアナザーワールドが新たな事件のきっかけとなっている。
「存分に戦え!ソウゴ!!」
まさかの再登場。
高校教師のスウォルツがアナザーディケイドウォッチを使い変身。ジオウとディケイドと共に初級インベス(の姿をしたモンスター)と戦った。無事ではあるのだが、いつの間にかフェードアウトしている。
味方陣営がアナザーライダーと共闘するのはアナザーキバ以来である。
士から奪ったディケイドの力は元に戻っているのか、スウォルツがそのまま引き継いでいるか不明。
恐らくはアナザージオウの時に語られた「変身者に残留するライダーの力」でアナザーディケイドウォッチを生成、変身したと思われる。あるいはスウォルツ自身がアナザーウォッチ出自元のタイムジャッカーでもあるため、新しく作り直したのかもしれない。
余談
- EP44でアナザーディケイドとアナザードライブが登場した事により、平成ライダー主人公20人分のアナザーライダーが全員揃う事となった。
- ちなみに英語で“in another decade”にすると「10年後」「さらに10年経って」という表現になる。
- 士とスウォルツには共通点や対になる点が多く、アナザーディケイドとなるには相応しい資質を備えていた。
- 対比
士 | スウォルツ |
---|---|
記憶を失ったのは兄 | 記憶を失ったのは妹 |
玉座に祀り上げられた者 | 王に選ばれなかった者 |
世界の融合を防ごうとする者 | 世界を融合させようとする者 |
異世界を巡って旅を続ける者 | 自分の世界の維持に固執する者 |
戦闘を放棄して正面から貫かれ死亡、その後復活 | 戦闘から逃げるところを背後から貫かれるが返り討ち、その後死亡 |
始まりに王の力のライダーが関わっている | 終わりに王の力のライダーが関わっている |
- また、ディケイドと明確に敵対した平成ライダーの最終フォームは『王』や『皇帝』の名を冠しており(後者に至っては本当に一度王になっている)、世界を巡る旅の旅の最初の敵は『グロンギの王』であった。
- この事から「自らが王である事に固執するスウォルツ」という意味でもディケイドの反転であったと思われる。
立体物
装動AI10にてラインナップ。ボディとアーマーを購入することで完成するタイプで、劇中さながらのアクションを取らせることが可能
関連タグ
仮面ライダージオウ アナザーライダー ディケイド ネオディケイド スウォルツ
アナザークウガ:冬映画に登場したアナザーライダー。「変身者が自ら王として君臨すべく暗躍する」など共通点が多い。
鳴滝:「ディケイド」本編で近い能力を見せた存在。東映公式設定ではないものの、HEROSAGA「オーズの世界」では「世界の創造者」という肩書を持っている。
ネガの世界:『ディケイド』作中に登場した、ダークライダーが支配する世界。アナザーワールドの設定はこれを意識している可能性がある。
メガヘクス:召喚方法は異なるが、同じくダークライダーや怪人を召喚する能力を持つ敵。召喚したライダーに裏切られる点も共通している。
血祭ドウコク:『ディケイド』と競演した『侍戦隊シンケンジャー』のラスボス。頭部の形状が似ていることから、デザインモチーフの一つと考察されている。
影煌騎士・狼是:黒にマゼンタに近い赤色の配色から、こちらもディケイドの中の人ネタも絡めて「アナザーディケイド」と呼ばれることも。
エラス、蛇遣い座のプリンセス:ニチアサ平成シリーズ最後のラスボス。
門矢士:現実の仮面ライダーディケイド。
エボルト(怪人態)→アナザーディケイド