基礎データ
他言語版の名称
英語 | Golurk |
---|---|
イタリア語 | Golurk |
スペイン語 | Golurk |
フランス語 | Golemastoc |
ドイツ語 | Golgantes |
中国語 | 泥偶巨人 |
進化
ゴビット(Lv43)→ゴルーグ
概要
あらゆる意味でゴーストタイプ…いや、「ポケモン」の概念を打ち破るポケモン。
伝説のポケモンを別にすれば、身長は二足歩行最大級かつゴーストタイプ最大級である。
更に、重さも330kgとゴーストタイプのポケモンにしては異様に重い。
色違いは全体的にグレーで、発光体部分が黄緑になっている。
図鑑での分類はゴーレムポケモンだが本当にゴーレムなのか疑わしい点が実に多い(ただし、胸のひび割れと留め金はチェコのゴーレム人形をモチーフにしている)。
因みに英語名の「Golem」はゴローニャの方だったりする。
名前の由来はゴーレムとサイボーグあるいはイギリスの伝承に登場する巨人ゴグマゴグあたりではないかと思われる。
明らかにロボットなのにサイボーグ(改造生物)なのはおかしい気もしなくはないが、日本ではジャンボーグAといった純正のロボットのカテゴライズとしても使用された例があったりするので文化面的にはセーフなのかもしれない。
一方でドイツ語表記はゴーレムとギガンテス(ギリシャ神話に登場する巨人族ギガースのこと)、フランス語表記はゴーレムとmastoc(大きな)、英語表記はゴーレムとlurk(潜む)に由来する。
そのひび割れを抑えている絆創膏のような封印を解くと力が暴走してしまうらしい。実際にどうなるのかはいつかメガシンカという形で見られるかもしれない。一説によればエネルギーは永久機関で作り出されているという説がある。
また、ゴーレム自体は泥人形に宿った命であるため、ジュペッタの仲間と言えなくもない……そうは見えないが。
『BW』発売当初は目の形状をゴーストらしい困り顔と勘違いするユーザーが多かった。
(実際は「IL」のように直角的な幾何学模様)これはアニメで登場するまで、顔の詳細が分かり辛いドット絵でその姿を確認するユーザーが殆どだったためである。
作った古代人たちによって「人間やポケモンを護る」よう命令されている、胸の封印がはがされると暴走するなど、やたら設定がヒロイックになっている。この為か主人には忠実。
巨体ゆえに怪力を有しており、瓦礫から大岩、木材まで重量のある物体を軽々と持ち上げる事ができる。
また、設計者…もとい原画を描いたスタッフが「空を飛べる」と書いたおかげで「そらをとぶ」を覚える……それだけでも異彩を放つが、
その飛行形態がまさかの足を収納してジェット噴射で空を飛ぶという何か生き物としての概念すら吹き飛ばしている。
拳も収納可能でこちらからもジェット噴射して飛行時の軌道修正を行う。
しかも足を収納した状態で逆立ちをすることで砲台になることも可能(ポケパーク2ではこちらの発射方法であった)。
ポケモンって何だっけ・・・?
古代の城塞にはゴルーグがビームを打つ為の砲台が据えられていたという記録が残っており、ますますポケモンの概念によくわからない物になってきた。それにしてもぶっちゃけた話、ビームを撃つぐらいなら種族値や大きさ的にゴルーグそのもので敵軍を制圧した方が早い気もするのだが。
はかいこうせんは拳を収納して放つ事もあれば、脚を収納して下半身から放つ事も出来る。
とにかく、『いびき』は覚えるので生き物である事には違いない。
はがねタイプがついてないのがこれほど残念なポケモンもそうはいないだろう。
かろうじてかくとうタイプとノーマルタイプとでんきタイプの技が効かない点にはそれほどまでに堅固な装甲だと割り切れば違和感はない。
土をこねて作るというゴーレムの設定を良くも悪くも生かしているが、石像の様にも見える。
野生のゴルーグは現在『BW2』と『剣盾』でのみ登場している。
前者はリュウラセンの塔、後者では、ワイルドエリアの特定の場所でわんさか出現するため、あれ程の巨体を持つポケモンが複数で徘徊している光景を目の当たりにして、少しばかり恐怖を覚えたプレイヤーもいたことだろう。
同じく泥人形に魂が宿ったネンドールというポケモンが存在するが、関係は不明。
なにせ、ネンドールの作られた年代は2万年前とされている一方で、ゴルーグの作られた年代ははっきりしていない為である。USUMでは対の関係とされていて、進化前はハイナ砂漠に出現する。
第8世代ではダイマックスが登場した影響でますます巨大ロボ感が増したが、キョダイマックスは用意されず…。
pixivでは武器を持った姿も描かれているが、基本的に武器は己の体一つである。
持たせたい気持ちはわからないでもないが…。
ゲームにおける特徴
HP | 攻撃 | 防御 | 特攻 | 特防 | 素早さ |
---|---|---|---|---|---|
89 | 124 | 80 | 55 | 80 | 55 |
タイプは数少ないじめん・ゴーストタイプ。
だが、前述通りロボットのような外見をしているため、初見でゴルーグ(と進化前のゴビット)が
ゴーストタイプだと気付くのはほぼ不可能である。ズルズキンやコジョンドなどの「とびひざげり」を盛大に外して痛い目をみたトレーナーも多いことだろう。オープンゲット!!でもしているのだろうか?
ステータスは攻撃が最も高く、次いでHPが高い傾向にある。
特に攻撃は初登場時点では非伝説のゴーストタイプ最高だった124。
防御面は平均並の高さだが、素早さと特攻はかなり低い。しかし遅い素早さは「ロックカット」で補う事が可能。
一方で、ゴーストタイプのお家芸である豊富な補助技には全く恵まれていない。
どちらかというとゴーストタイプよりはじめんタイプに寄ったステータスと言える。
技はタイプ一致の「じしん」「ポルターガイスト」を筆頭に「ばくれつパンチ」「ストーンエッジ」「れいとうパンチ」辺りが候補に入るだろう。
「ゴーストダイブ」は「ノーガード」だとデメリット満載で使いづらいが、それ以外の型であればダイマックスわざを回避したりするのに使える。
自分の重さを利用した「ヒートスタンプ」や「ヘビーボンバー」も覚える。
また、とくこうの低さから実戦では活かせないにもかかわらず「はかいこうせん」、「れいとうビーム」、「ソーラービーム」、「チャージビーム」、「シグナルビーム」などビーム系の技をやたら覚えたりする。
「こごえるかぜ」や「10まんボルト」まで習得する始末である。
イメージ通りに「ばかぢから」も覚えるが、アームハンマーと比べて下がる能力が2つもある為、採用はされにくい。とはいえ、「てつのこぶし」の補正が乗るアームハンマー自体もすばやさが下がるので一撃で相手を落とせなければただの自殺行為になってしまう。
第7世代から追加されたタイプ一致じめん技「10まんばりき」は、威力こそ「じしん」に劣るが単体技なのでダブルで味方を巻き込まずに使用可能。命中100%ではないので「ノーガード」との相性は抜群。
ゴーストタイプなので「のろい」は呪いになる点に注意。
見た感じは「動きが鈍い」だけに積めると勘違いした人は何人いただろうか?
「ぶきよう」は「トリック」も「すりかえ」も覚えないゴルーグにとっては完全に足枷以外の何物でもないため、戦闘用にする場合基本は「てつのこぶし」一択となる。
但し一致のパンチ技は「シャドーパンチ」しかなく、「じしん」には乗らない為どちらかと言うと豊富なパンチ技の威力の底上げが軸となる。だからといって拳は飛ばせるわけではない。
補正の乗る技は不一致では「アームハンマー」、「かみなりパンチ」、「きあいパンチ」、「グロウパンチ」、「メガトンパンチ」、「れいとうパンチ」、「ばくれつパンチ」、「ほのおのパンチ」、「ドレインパンチ」と結構な数のタイプの技が該当する。威力だけみれば「てつのこぶし」+「ばくれつパンチ」の方が強そうに見えるが、命中率を考えれば「ノーガード」との組み合わせが安定している(後述)。
なお、シャドーパンチは「てつのこぶし」でないと十分な威力を発揮できない。というか、十分な威力を発揮しても威力72とゴーストダイブ(威力90)に完敗の悲惨な火力である。そのため第5世代ではメインウェポンとして使われていたものの、第6世代以降はゴーストダイブに居場所を奪われ、第8世代でポルターガイスト(威力110)に「溜めなし」のアドバンテージも奪われたため今では使用されなくなってしまった。
第8世代では「ロックカット」は没収されてしまったが、技レコードで「トリック」を覚えられるようになった為、ようやく「ぶきよう」も活かせるようになった。また、同じく技レコードでインファイトを習得。威力はてつのこぶしアームハンマーを上回り素早さも下がらないが、耐久が下がってしまうため、壁を破壊できるかわらわりを含めて格闘技の選択肢が広がった形となる。あまり注目されないが「DDラリアット」も使える…が、上半身が回転するわけではない。
なお、しれっとじばくを習得したことでロボット感が増した。
更にDLC『鎧の孤島』では、教え技として新たにゴーストタイプ最強の物理技「ポルターガイスト」を習得。
相手が持ち物を持っていないと失敗する上、命中率も90%のため癖は強いが、「ノーガード」なら若干不安定な命中率を補える事が可能。対戦では持ち物を持っていない方が珍しいので先手を取れれば必ず命中すると考えて良いだろう。
第9世代では未内定。この世代にて、LEGENDSアルセウスから追加されたぶちかましがなんとてつのこぶし適用のじめん版インファイトとして登場。覚えることが出来れば威力は120×タイプ一致1.5×鉄拳1.2=216の超火力となるが、果たしてゴルーグの運命やいかに。更にSVでは新たにてつのこぶし適用のゴースト技ふんどのこぶしも登場しているが、怒りが伝わり辛いゴルーグに与えられるかは疑問。
隠れ特性は「ノーガード」で、自力習得できる「ばくれつパンチ」との相性は抜群。
カイリキーと殆どやっていることは同じで、タイプが不一致な分単純な火力では劣るが、自身のタイプが全く違うので出せる相手が変わってくる。特に、ノーマルタイプに対して攻撃を無効化した上で弱点技を叩き込む芸当が可能。必中技なのでラッキーにも強い。
なお、ゴルーグの場合この特性のデメリットとして、相手の一撃必殺技が当たること以外に「ゴーストダイブ」で潜っていても相手の攻撃が当たるという問題がある。そのためノーガードの際は「ゴーストダイブ」の採用は厳禁。ただし一撃技に関しては、「つのドリル」と「ハサミギロチン」ならばタイプ相性で無効化できるため、他のノーガード使いよりはリスクを軽減できている。
そのタイプの組み合わせや覚える技から、かくとうタイプやノーマルタイプ、でんきタイプには滅法強い。
かくとうタイプが主に覚える「かくとう技+いわ技」の組み合わせのどちらも半減以下に抑えられるので、交換出しは容易に可能。
……なのだが、教え技の「れいとうパンチ」や「はたきおとす」が抜群な上に自身が覚えるかくとうの弱点を突く技が2ターン消費技の「そらをとぶ」くらいしかないので、圧倒的に有利かと言うと難しいところではある。なので通常の構築では候補に入らないと思われるが、ロックカットを没収されているので、ダイジェットを使うことを想定して入れるのも良いだろう。メリットとして通常使用時には「かみなり」を透かす事ができる…が、かみなりを使う相手には大抵半減されるので大して意味はない。
実戦のみでなく、タブンネ狩りの相棒としても結構働いてくれる。
欠点としては、弱点にメジャーなタイプが多く、特別硬い訳でもないのでタイプ一致で弱点を突かれるとあっさり落ちてしまう点だろうか。しかも、そうしたタイプのポケモンには高火力高速のポケモンが揃っており、素早さの低さを補う「ロックカット」や「ダイジェット」などの積み技を使う前に落とされてしまう事もありうるのだ(しかもノーガード型であれば、そうしたメジャー技の高火力技(ハイドロポンプやふぶきなど)が命中してしまうのも致命的)。
また、ゴーストタイプならではの補助技も使えず、運用がほぼアタッカー一択なのも辛い。
ちなみにこのポケモンは「イカサマ」が致命傷になりかねない数少ない一体。
相手に「いばる」を使われずとも普通に一撃死も有り得るので注意したいところ。
総括すると高火力ではあるものの、対戦で使うにはリスクが多すぎる上級者向けのポケモンだと言える。
これが本当のロマン砲というやつであろうか。
使用トレーナー
ゲーム版
- シキミ:四天王(イッシュ)
- トウヤ:ポケモントレーナー
- トウコ:ポケモントレーナー
- ヤーコン:ジムリーダー(イッシュ)
- キョウヘイ:ポケモントレーナー
- メイ:ポケモントレーナー
- AZ
- ハプウ:しまクイーン
- ウェイ:ジムチャレンジャー
アニメ版
- ラリー(BW96、97話)
- ユキヤ(BW134話)
- ハプウ(SM)
- ゴウ
- ジャンタ(黒き英雄・白き英雄)※白き英雄のみ色違い
漫画版
- シキミ(ポケスペ)
- ハプウ(ポケスペ)
- AZ(ポケスペ)
番外作品
『ポケモンGO』
2019年に第5世代で追加された際の第1陣の1匹。
一応野生の個体は存在するものの、出現率が極端に低いため、基本的にはゴビットを進化させて手に入れることになるだろう。そのゴビットの出現率も低いのが難点だが。
じめん・ゴースト技の両方を覚えることができるが、ゴーストタイプのゲージ技が低威力の「シャドーパンチ」止まりなので、やや扱いづらい。一方、じめんタイプの技では「だいちのちから」を覚えられるので、こちらの方が主戦力となるだろう。サブ技として「ばくれつパンチ」も覚えられるので、ノーマルタイプを相手に強く出られるのも強み。
総合CPはやや低めなので、ジム・レイド攻略に充てるのはやや厳しい。
色々な技を覚えられる利点を生かしてトレーナーバトルで活躍させてやると良いだろう。
ちなみに、レジギガスのゲージ技をすべて半減できるという地味なメリットがある(しかも、こちらは「ばくれつパンチ」を覚えられるので相手の弱点を突けてしまう)。
とはいえ、現状ゴルーグの入手難易度が非常に高いことや、レジギガスの需要があまり高くないこともあってかあまり話題になっていないのだが。
『ポケパーク2 〜Beyond the World〜』
CV:石塚運昇
スクラップエリアに住むポケモンで、秘密倉庫の門番を務める。
ロボットのような口調で話し(進化前も同様)、バトルに勝つと道を塞いでいる列車を退かせてくれる
『Newポケモンスナップ』
ストーリーでは終盤の遺跡ステージに登場。
シンボラーが守ることの出来ない遺跡の地上をオーベムと協力して守っている
…らしいのだが、様子を見るにどう見てもオーベムに操られている。
実際にオーベムふわりんごを当てると、怒ってゴルーグを操作し追い払う。
遺跡は洞窟内にあるが飛行する姿も確認でき、着陸の様子も間近で観察できる。
イルミナオーブを当てると自身のエネルギーが活性化されすぎるのか、体を揺らしてフリーズする。
アニメ版
- BW38話:映画出演者が使っていたポケモンで初登場。
- BW82話
- BW96・97話:ラリーのポケモンで登場。
- BW134話:ユキヤのポケモンで登場。
- BW120話・121話・122話:白の遺跡のポケモンで登場。アクロマのマシーンにより操られてしまうが、サトシのピカチュウによりマシーンが壊され助けられる。
劇場版『黒き英雄』『白き英雄』
- 縦横無尽の活躍を見せた。この活躍を描いたイラストには「第三の英雄」というタグがついている。また、『白き英雄』にのみ色違いのゴルーグが登場している(『黒き英雄』にのみ登場した色違いはサザンドラ)。
- トレーナーはジャンタ(CV:大地真央)で『ポケットモンスターホワイト』で入場者特典として劇場でダウンロードできた。
- ハプウのゴルーグ
- SM104話から登場。最初のバトルではサトシのピカチュウを相性もあって圧倒している。空を飛んで移動したり、ハプウの畑仕事も手伝ったりしている。
ゴウのゴルーグ
- 新無印14話に登場。
- イッシュ地方の古代人によって創造された存在で、リゾートデザートの地下遺跡を守る巨神の正体。通常のゴルーグの大きさは2.8mなのに対し、巨神として眠っていたこのゴルーグは5m越えという超大型個体。遺跡の特殊な仕掛けを作動させる事で目覚めるが、覚醒すると同時に目の前に存在する者全てを攻撃するよう古代人によってインプットされており、覚醒早々にサトシ達へ猛攻撃を加える。
- サトシ達は冒険家のキーラや遺跡発掘調査団の団長、色違いポケモンコレクターのカラバリも加わってのレイドバトルで応戦。食らえば一撃でKOされかねない危険な攻撃と一斉攻撃を受けてもビクともしないタフさで苦戦させたが、最後はサトシのカイリューとゴウが遺跡の入口でゲットしたヒヒダルマの連係プレーの前に敗北、大ダメージにより動けなくなった所をゴウにゲットされた。
- その後はサクラギパークに置かれることになり、傍に佇むダルマモードのヒヒダルマの存在も相まって、ゴウから「サクラギパークの守り神って感じかな」と揶揄され、小型のノーマルポケモン達が寄り添い、彼らの頼みで他のタイプ同士の諍いには調停者の役目も果たすが、胸の封印が外れやすく、パーク内で暴走する事もある。
- 古代から生きる存在というだけあって秘められた力も凄まじいものがあり、前述の一件を巡る23話でポケモン達の争いを止めようとした際に攻撃に巻き込まれて封印が外れ、エネルギーが暴走してあまごいを暴発させた時は災害にも近いレベルの大雨を降らし、パーク内の川が氾濫して大洪水を起こすという大事件を起こした(サトシ曰く「あまごいなんてレベルじゃない」)。
- 使える技ははかいこうせん、あまごい、アームハンマー、ラスターカノン。
統括
……どうみてもスーパーロボットです。本当にありがとうございました。
初代からズバットだの「ゴッドバード」だの「ボルテッカー」だのテッカニンだのやってきたがここまでアレなのはアレである。……更に言うなら高さ2.8mも色々と意図がありそうである。第7世代ではあろうことか「10まんばりき」という技まで覚えてしまった。もうこいつロボットでいいんじゃないかな。
関連イラスト
関連タグ
同複合タイプ
その他
- アトランティス 失われた帝国:模様と見た目からこちらに登場する守護像達を思い出す人がいるとかいないとか。
- ファルゼン
- ギガンテス
- 巨神ゴーグ