基礎データ
全国図鑑 | No.0450 |
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シンオウ図鑑 | No.123 |
コーストカロス図鑑 | No.049 |
ガラル図鑑 | No.315 |
ヒスイ図鑑 | No.108 |
パルデア図鑑 | No.266 |
英語名 | Hippowdon |
ぶんるい | じゅうりょうポケモン |
タイプ | じめん |
たかさ | 2.0m |
おもさ | 300.0kg |
とくせい | |
タマゴグループ | りくじょう |
進化
ヒポポタス → カバルドン(Lv.34)
概要
『ポケットモンスターダイヤモンド・パール』(第四世代)より登場するヒポポタスの進化系。
のん気な風貌だった進化前から一転、「重量ポケモン」という分類通りの、厳つく巨大なヘビー級の体型になった。
鋭くなった目つきが表すように気性もかなり荒くなり、意外と怒りっぽい上、そうなった場合かなり狂暴。
直径2メートルにもなる大きな口を開けて自らの強さをアピールしたり、そのまま自動車をペチャンコに噛み潰してしまうという、現実のカバ同様のパワーと危険性を持っている。
一つだった背中の穴も複数に増えており、体内に取り込み溜めた砂をこの穴から噴出し、巨大なすなあらしを巻き起こして威嚇や攻撃を行う。鳴き声にも砂を吹き出す音が入っている程。
第五世代までのグラフィックでは、背中の穴から溢れ出した砂に身体が埋もれていた程。もし沢山あったら蓮コラネタにされていたことだろう。
生息する環境ゆえ、体の穴には時折石が詰まってしまう模様。その石を利用する為に取ってくれるイシズマイとは共生関係を築いており、彼らを外敵から大切に守るという。
ポケモンの中でも雌雄での差異が特に大きい事も有名で、♂は黄色いカラーに黒い差し色、♀は全身が真っ黒いカバさんとなる。
四天王キクノの切り札でもあり、そこで初めて両方の性別を見た際、後の方を色違いかと疑った人も多いだろう。
本来は水気を嫌うポケモンと思われるが、進化前同様近年の作品では、現実のカバと同様に水浴びを行う個体も確認された(水複合ではないじめんタイプが水浴びをするという生態はゴマゾウ等の前例がある)。
昔のシンオウ地方(=ヒスイ地方)では本土にも生息していたようで、紅蓮の湿地に浸かっているオヤブン個体の姿を確認できた。おそらく土の含有量が多い為、湿地帯でも平気で生活できるのだろう。
ゲーム上の特徴
シンボルエンカウント形式となった第八世代以降は、図鑑説明通り獰猛な面を見せ、こちらを視認するなり突進してくる。
とくにLEGENDSアルセウスでは、荒野ベースを設営するためにコイツの住処を避けて通ることは不可能であり、しかも沼地に足を取られれば回避も困難である。
その上、耐久力も高いので紅蓮の湿地を訪れる事ができるようになった時点のパーティでは倒すことは難しく、よしんば団員レベル上げに徹してパーティが最終進化した状態になっても真っ向から戦うのは避けた方が良いだろう。対抗するのであれば、付近に生息するモジャンボ(オヤブン)がオススメ。
もちろん裏を返せば強力なポケモンであるため、仲間にする事が出来れば、中盤から終盤にかけての耐久アタッカーとして活躍してくれる事請け合いである。
なお現代のシンオウ本土にはヒポポタスしか出現せず、カバルドン自身はバトルゾーンの砂漠でのみ野生出現する。環境の変化で巨体のまま伸び伸び過ごせる土場が少なくなり、そちらの方に移り棲んだと思われる。
性能
HP | 攻撃 | 防御 | 特攻 | 特防 | 素早さ | 合計 |
---|---|---|---|---|---|---|
108 | 112 | 118 | 68 | 72 | 47 | 525 |
防御力が高く、次いで攻撃・HPが高いが、素早さはかなり低い重戦車型ポケモン。
特性はバンギラスと同じすなおこし。いわタイプではないためとくぼうが1.5倍にはならないが、かくとうが4倍弱点のバンギラスと比べると即死することが少ない。
硬い上に一撃必殺の「じわれ」を持つだけでなく、でんきタイプが無効で優秀な積み技や回復技も持っているナイスカバ。
攻撃力も十分に高く、単純に「じしん」を撃つだけでも強い。
登場した第4世代ではフラットルールが適用されない場合バンギラスに代わるポケモンとして「砂嵐パーティ(砂パ)」の機動役を任されることが多かった。
ただしそれもどちらかといえば持久戦主体で、バンギラスが本格解禁されると下火になってしまった。
当時対面で突っ張るプレイヤーが多く、「ステルスロック」によるサイクル戦や「あくび」ループがあまり注目されていなかったのもある。
だが続く第5世代では「ステルスロック」や「あくび」のサポート性能が買われ、新登場したドリュウズのサポート役という新たな仕事を見出したことで一躍有名になり、カバドリュの名で一世を風靡した。
一転第6世代では天候継続が5ターンまでに縮められたことで、ドリュウズとのコンビは解消され代わってルカリオ(メガルカリオ)やカイリューなどと組むようになった。
この世代ではメガガルーラがトップメタを支配していたため、「ゴツゴツメット」でメガガルーラ対策をする型が主流であった。ただ、メガガルーラの方も「れいとうビーム」を搭載することで対策の対策をしていたため過信は禁物であった。当時の技はメインウエポンの「じしん」、こおり4倍弱点対策の「こおりのキバ」、回復技の「なまける」、対面操作に使える「あくび」、この4つが主流であった。
当時ガルーラを受ける物理耐久型はカバルドンとクレセリアの2匹が代表的であった。カバルドンは特殊耐久でクレセリアに劣るが、火力、遂行力はカバルドンに分がある。
第7世代では、コータス、ギガイアスをはじめとした遅い天候始動特性ポケモンの増加、あくび自体を封じるフィールドを発動させるカプ・コケコ、カプ・レヒレの登場とやや向かい風で前者ならばタイプ一致技で殴ればいいが、後者に至ってはタイプ相性でも不利である。
しかし持ち前のポテンシャルの高さは健在で、相方として採用されていたリザードン、ドリュウズの躍進もあって以前よりシングルバトルでは出番を増やしている。
USUM期にはギルガルドとメガボーマンダとのトリオ「カバマンダガルド」が活躍し、USUM環境を語る上で欠かせないトリオとして対戦の歴史に名前を残した。
対戦では「あくび」、「ステルスロック」、「ふきとばし(ほえる)」の3技に「じしん」や「なまける」を搭載しているカバルドンが殆どで、相手を削りつつ盤面をコントロールするという戦法を初登場から現在までこなしている為、生きた化石と呼ばれる事も。長年コンセプトが変わらずに使われ続けるというある意味で凄いカバである。
ただし特殊技で弱点を突かれると呆気なく沈む。
さらにアーマーガアなどひこうタイプあるいは特性「ふゆう」持ちのポケモンに「ちょうはつ」されると、「じしん」ワンウェポン型のカバルドンは何も出来なくなってしまうという致命的な弱点も抱えている(しかもアーマーガアははがねタイプなので「すなおこし」も無効)。
第8世代では、当初「ダイマックス適性が薄いのではないか」「ダイマックスわざによる天候書き換えに弱いのではないか」「『ダイフェアリー』であくびを無効化されるのがキツイ」「ダイマックスに『ふきとばし』が無効」「メガストーン、Zクリスタル廃止により『ラムのみ』所持率が上がって『あくび』が無効化されやすくなるのでは」と懸念されたが、Zワザ廃止による瞬間火力低下、「ダイサンダー」無効という強みなどを味方につけ、起点作り型としてこの世代でも大活躍。
この世代では元々使おうと思えばアタッカーとしても使える性能を活かしたいじっぱりいのちのたま型、アッキのみ居座り耐久型など、これまでにない型も見かけられるようになった。
DLC解禁前の環境では種族値(いわゆる数値)が高い部類で、様々なアタッカーと手を組んだ。特にドラパルトとのコンビの軸でサイクルを回すパーティが強力であった。
冠の雪原で追加されたサンダーは相方にして厄介な敵。手を組めば自慢の起点作り技でサンダーをサポートできるし、敵に回せば随分と特殊耐久に振らないと特攻特化いのちのたま「ぼうふう」ベース「ダイジェット」を受けられない、といった具合である。
ラグラージが解禁されるとそちらが同じ起点作り型の壁として立ちはだかった。カバルドンにはない「クイックターン」で後続に繋ぐことによる安定感、「すなおこし」が無いことから味方に「きあいのタスキ」を持たせるのに支障が出にくい事などが主な理由であろう。
第9世代においても生きた化石ぶりは健在。テラスタル状態で弱点タイプを変えるという戦術も手に入れ、環境でもテラスタルで高耐久を活かすことがある。
一方、「なまける」のPP減少は弱体化要素。これを受けて、「のろい」を積んで通常火力で遂行する、「なまける」に依存しない耐久型も模索された。
「すなおこし」で「すなあらし」状態を展開してから味方にいわテラスタルを宛がい、いわのサブウエポンの火力を底上げしつつ「すなあらし」状態で特殊耐久を増強するという手もある。
ダイマックスの廃止によって天候が奪取されにくくなったのも追い風。
この世代でもカバルドンの「あくび」は要警戒で、のっけのシーズン1から最終1位構築に「ねごと」持ちが採用されるくらいであった。
だが使用率はシーズン1で25位と低迷。初期環境という事を考えればカバルドンにしてはかなりの低さである。ガブリアスに起点作り型としての需要を吸われたのが大きいか。他にもドオー、デカヌチャン、キラフロル、コノヨザルなどの優秀な起点作り型が追加され、必ずしも起点作り型がカバルドン一強とはならなくなっている。シーズン2には早くも使用率33位まで下がっている。
それでもシリーズ2環境では、カバルドンで起点を作って「りゅうのまい」トドロクツキで暴れる「カバツキ」が一定数使われている。
四災が解禁されたシリーズ3になると、起点作り型たるじめん枠としての需要をディンルーに吸われ、さらなる苦境に立たされることとなった。使用率も41位まで下がってしまっている。
とはいえ「すなおこし」で後投げから安定してカイリューの「マルチスケイル」を潰せる高い物理耐久起点作り枠は貴重であることに変わりはない。それにディンルーと違い「あくび」「なまける」が使える点はカバルドンの利点でもある。
シーズン5でも何だかんだ定番の起点作り型が最終4位構築にエントリーされており、流石カバルドンといったところである。
シーズン6ではごく一部の極端な例として、素の体制で受け出ししてからはがねテラスタルを切って合計2発パオジアンの「つららおとし」を耐え、「ボディプレス」で返り討ちにする型まで使われる。A252「こだわりハチマキ」テラスタルなしまでならHB特化型の場合はテラスタル前とテラスタル後の各1回確定で耐えるので信頼度はある程度高い動きである。
シリーズ2までは弱点が補完できる上に不利なキノガッサに「キノコのほうし」でガン起点にされずに済むくさテラスタルが主流であったが、シリーズ3からはくさテラスタルでは対処し切れないパオジアンに強いはがねテラスタル型が主流化。
しかしレギュレーションDでは『ポケモンHOME』解禁により過去作の準伝説を含むポケモンの参戦が発表され、中でもランドロス(れいじゅう)はじめん・ひこう複合タイプに加え新たに「ちょうはつ」を覚えたため、アーマーガアと並んでカバルドンが何も出来なくなってしまうという事態に…。
テラスタイプは「キノコのほうし」対策のくさ、みずウエポン対策にもなり弱点僅少であるみず、耐性優秀なはがね、フェアリー、自身の「すなおこし」で特防を強化できるいわが目ぼしいところ。
なお隠れ特性は「すなのちから」である。
基本的に採用はされないが、バンギラスなどと組みカバルドンの方が攻撃役になる場合役に立つだろう。
逆に「すなおこしではない」という点を買って砂嵐がどうしても邪魔に感じてしまう場合や、ゾロアークと組ませてカバルドンに化けたゾロアーク…と見せかけて裏を書いたりする場合にも使えなくないといったところ。
剣盾のダイマックスとは相性が良い特性の一つであり、岩タイプをダイマックス技にすればシングルバトルでもすなあらしが不要ですなおこしよりも火力アップが見込める。
ただ、カバルドンの強みは上記のサポート性能にあり、アタッカーであればランドロスやガブリアスと言った優秀なポケモンも多数いる為、採用はほぼ無い。仮にカバルドンにアタッカーをさせるとしても、特性は「すなおこし」にした方が差別化もできてスリップダメージも狙えるため尚更である。
ふきとばしとほえるを両方覚えるが、前者のほうが無効にされにくいため優先される。ただしふきとばしはタマゴ技のため、手間を嫌ってほえるを使うプレイヤーもいる。
ポケモンSVではかぜのりの登場により、ほえる採用のメリットも生まれたが、ふきとばしのほうが使用率が高い。
使用トレーナー
ゲーム版
アニメ版
- キクノ(DP)
- ムサシ/ムサリンダ(DP91話のトライアスロン森の競技で使用)
漫画版
- キクノ(ポケスペ)
番外作品
『ポケモンGO』
覚えるノーマルアタックは「かみつく」、「ほのおのキバ」、「かみなりのキバ」、「こおりのキバ」の4つ、スペシャルアタックは「じしん」、「ストーンエッジ」、「のしかかり」、「だいちのちから」、「ウェザーボール(いわ)」、「やつあたり (シャドウ)」、「おんがえし(ライト)」の7つ。
CPも3000を上回り、耐久も高いためジムの防衛で見かけることが多い。ドサイドンやドリュウズと違い単じめんタイプなので高CPのじめんタイプにジムを任せるのであれば適任の1匹とも言えるだろう。「ほのおのキバ」と「だいちのちから」はジム攻略要員としてよく選ばれるルカリオとメタグロスによく刺さる。「かみなりのキバ」と「こおりのキバ」も弱点を突こうとしてくるみずタイプとくさタイプ対策になるので十分あり。
数少ない欠点といえば、ノーマルアタックに地面技が無く技のタイプを揃えられないことだろうか。
じめんタイプのジム防衛要員にはドンファンもいるが、あちらはカバルドンよりも耐久力は低いものの「どろかけ」を習得できるだけでなく「あまえる」と「じゃれつく」でかくとうタイプのゴリ押しを防げるという利点がある。
1つ前のポケモンによって、ドンファンとカバルドン、どちらが適任かを判断しよう。
原作では優秀すぎる起点作りとして有名なポケモンだが、ポケモンGOでも優秀すぎるジム防衛要員であり、二重の意味でも凄いポケモンである。
『ポケモンレンジャーバトナージ』
カバルドンをモデルにカバルドン神殿が作られており、ハルバさばく付近の古代人から信仰の対象にされてきた事がうかがえる。
近くのハルバさばくにはカバルドンが出現するが、常に砂嵐で身を守っているので、ドードーで砂嵐をかいくぐって接近する必要がある。彼の力を借りてカバルドン神殿に空いた穴を砂で埋め尽くすことで神殿に入る事が可能。
これ以降はポケアシスト要員としては使用不可能になるが、現地でのじめんタイプのポケアシスト要員として連れて行くのもアリ。
なお、進化前のヒポポタスがパートナーに加わる事がある。
アニメ版
- DP65話
- 野生のカバルドンが登場。ある時砂から顔を出した時、何にでも興味を持つヒカリのパチリスがカバルドンが空けた大きな口をのぞき込んで口の中に落ちてしまい、そのままカバルドンの口の中に入ったままカバルドンは砂の中に潜ってしまう。
- そこへカバルドンを狙うヤマトとコサブロウ達に狙われ捕まりかけるが、その際にパチリスがはずみでカバルドンの穴から飛び出して無事に戻る。さらにカバルドン自身も怒って「はかいこうせん」をヤマト達のメカに食らわせ、最後はロケット団をまとめて「はかいこうせん」で吹っ飛ばした
- DP91話
- ポケモンサマースクール最終日のトライアスロンで、最初の森の競技にてムサリンダことムサシのパートナーになったポケモン。動きが鈍そうなのでムサシは敬遠し他のポケモンと代えようとするがルール違反で止められ、仕方なくカバルドンに乗ったが、その場で「あなをほる」を使い地面の中を突き進んだ。ちなみに最下位だった。
- キクノのカバルドン
- DP170話でサトシとのバトルで登場するが、こちらでは♂️。サトシのドダイトス相手に地中からの「アイアンヘッド」を食らわせる。キクノから「観察する力」を説かれたサトシに石の振動で位置を見切られるも、二度目は全体を揺らして見切られなくしたうえで「アイアンヘッド」からの「ほのおのキバ」でドダイトスを倒した。
その他
余談
図鑑の分類で初めてにして第5世代までは唯一の「6文字」を使った記念すべきポケモンでもある。
現実のカバの皮膚は非常に乾燥に弱いので、一日の大半を水の中で過ごさなければすぐにひび割れてしまうという、カバルドンとは逆の体質になっている。
また、本物のカバは陸上及び水中では物凄い速さで走る、泳ぐ事が出来るが、こいつの場合見た目や体重を重視してしまったのか素早さは低い。実際のスピードの事を考えるとやはりここにもツッコミ所があると言えるだろう。
関連イラスト
関連タグ
0449.ヒポポタス→0450.カバルドン→0451.スコルピ