スタースクリーム
すたーすくりーむ
自己紹介
よお!俺様の名前はスタースクリーム。デストロンのリーダー最有力候補だ!
メガトロンみたいな老いぼれと違って俺には火力だけでなくスピードもある!
サイバトロン共なんざこの俺にかかれば烏合の衆同然!メガトロンがこの俺を恐れて潰そうとするのだって無理もないだろう?
おまけに、俺の名を冠するトランスフォーマー達は、どの歴史を見ても揃いも揃ってハンサム揃いだからな、我ながら驚きだぜ!
勿論その元祖はこの俺、デストロン軍団の将来を背負って立つ、このスタースクリーム様だ!
変形するとワルサーとかいう豆鉄砲になって、自分一人じゃ何も出来なくなっちまう木偶の坊なメガトロンとは違う!
なんせ俺様は地球人の間抜けにしちゃ、なかなか出来栄えの良いF-15とかいうマシンに変形できる。そのスピードでサイバトロンどもなんざ一方的に蹴散らしてみせるさ!
おっと、俺の強さはそれだけじゃあない。この両肩に装備したナルビームも、サイバトロンの連中が震え上がるくらい強力なんだぜ。
ん?誰だあ!今へなへなレーザーって言った奴ぁ!
へっ…まあいい、この俺のナルビームさえあれば、流石のナイトバードだって永遠にGOOD☆NIGHTだぜ!HAHAHAHAHA!
どうだ?これで、この俺様がいかにデストロンのリーダーに相応しいかがよく分かっただろ?
次の機会には今度こそあの老いぼれのメガトロンをスクラップにしてやるさ。
……ん?レーダーに反応が?どっかの馬鹿が身の程知らずにもこの俺様の邪魔をしようってのか?
どこのどいつだ?記事編集を邪魔する野郎は!
「貴様の戯言を並べ立てただけで何が記事編集なものか!つくづくお前ってやつは…まったくこのスタースクリームめ!!!」
あっ!メ……メガトロン様!お、お許しください!うわああああっ!ぐはっ…
「この愚か者ME☆GA」
概要
スタースクリーム(Starscream)とは、海外アニメ『トランスフォーマー』シリーズの主要人物。日本のファンからは「スタスク」や「stsk」、アメリカ等の英語圏では「スクリーマー」(Screamer)とも呼ばれている。
作品によって違うが、概ね共通している特徴は以下の通り。
G1
今日からこの俺様がデストロンのニューリーダーだ!
CV:クリス・ラッタ/吹:鈴置洋孝
デストロン航空参謀であり、航空部隊ジェットロンの指揮官である。身長7メートル(第29話の現地人の台詞より。この世界ではアーサー王の時代からメートル法がある)。
ボーイング・F-15戦闘機に変形し、両肩に装備されたナルビームや、時折撃ち出すミサイルを武器に戦う。
第1話で地球に不時着した衝撃で機能停止していたサイバトロンを余計な攻撃で目覚めさせてしまう大失態を犯しているが、その事は本人やメガトロンも、目覚めたサイバトロン達も知らない。
その後もスタスクの勝手な行動でデストロンの作戦が失敗したり、結果的にサイバトロンの作戦が成功しているので、ファンからは影のサイバトロン戦士とも呼ばれる。ただしサイバトロンへの対抗意識はある意味メガトロンと同じかそれ以上で、共闘の持ちかけを前向きに受け止めるメガトロンに対して強固に反対意見を述べたり、サイバトロンの姿を見ただけですぐに抗戦しようとする。
とはいえ、メガトロンが珍しく作戦が上手くいって上機嫌な時には逆に注意するよう喚起する時もある。
第1話から早々にメガトロンを差し置いてデストロンのニューリーダーになろうと企んでおり、彼への裏切りは最終話まで定期的に起こる。しかし、メガトロンは利用価値があると考えているのか彼を処刑せず、いつも制裁で許してもらえている。
野心から来る彼の行動力と能力の高さ(自分抜きでも行動できる)をメガトロンが把握し、利用している節が見られる。テックスペックでも野心を煽る事で能力を効率的に引き出そうとしていると言及していた(後付設定による疑問点への説明とも言える)。
この為、彼は懲りずに謀反行為を繰り返し、その回で「お許しください」と謝ったばかりなのに、また裏切るという愚かさも披露している。
ファンの間では、もはや病気とされ「ニューリーダー病」と呼ばれる事もある。
この病はたまに感染を引き起こし、トリプルチェンジャーが一度罹った事がある。
そのくせ、メガトロンが弱っていたりピンチだと下克上のチャンスにもかかわらず(文句を言いながら)従う事もあるので、ツンデレかもしれない。
メガトロンの理想の上司すぎる対応には海外のファンもネタ…というより疑問視しており、トランスフォーマーのファンでもあるNostalgia Criticはスタスクがデ軍に継続勤務できる理由として「奴の作るクッキー(アメリカにおけるお婆ちゃんの味的な?)がめちゃんこ美味いから」と推測してるほど(当然ジョークだが)。
このようにファンからはヘタレ扱いされているが、上述の通り意外にも実力は高い。その証拠に、
- メガトロン不在時のデストロン軍団を一時的に指揮(ただしその後メガトロンとの連絡が取れると指揮権をあっさり譲り渡す)
- エネルギー確保の困難な中世時代へ迷い込んだ時、わずかな材料から発電装置と火薬を補給
- 第二次世界大戦期の軍用車両と政治犯のパーソナルコンポーネントを用いてコンバットロン軍団を結成し、メガトロンを追い詰める
- 彼らが自分と同じ反逆者なので従順にならないと見越してかTFの生命維持に必要な部品をつけずいうことを聞かせる、合体状態のブルーティカスには停止ボタンを取り付けておく
などなど、なんだかんだでメガトロン直々にナンバー2と呼ばれるだけの実力は備えている。とりわけ追い詰められた際には、機転と科学知識を発揮して自身が逆転できる状況を作り上げることが得意。
「愚か者の代名詞」
彼を一言で表すのであればそれで事足りる。
メガトロンの名台詞「まったくこのスタースクリームめ!」がそれを裏付けている。
このエピソードから、転じてスタースクリームという単語が形容詞であることが発覚し、以降愚か者の代名詞としてファンの間で広まるようになる。
尤も、あくまで軍団のNo.2を勤めるのだから、上述のようにそれ相応の能力は備えているのだが、如何せん知恵の使いどころを誤っている感は否めない。
それ故に他のデストロンはおろか直属の部下であるジェットロン達からも信頼されておらず、人望は皆無である。メガトロンに至っては「スタースクリームの統率力はガキと同じ」と揶揄するほど。
スカイファイアーとの関係
デストロンの軍門に下る前は科学者として色々な研究をしていたが、友人であるスカイファイアーが行方不明になったことに加え、折しもメガトロンによる破壊活動が活性化していた時期だったこともあって戦争のスリル味わいたさにデストロンに入団した。
後にある作戦で北極を訪れた際に氷漬けになったスカイファイアーと再会し、機能停止状態の彼を復活させようと奮闘(この際、率先して修理の指示を出す様子からメガトロンからは「お前らしくもないぞ」と珍しがられていた)。見事復活させ、昔と同じように行動を共にするも、スカイファイアーがデストロンの方針に疑念を抱き命令に従わなくなると、見限って裏切り者として銃撃し、負傷し横たわるスカイファイアーを見捨てている。
とはいえ仲が良かったのは本当であったようで、スカイファイアーが行方不明になった際には地球を一周して彼を探したとメガトロンに説明している他、復活後に「いつか俺様がデストロンのリーダーになった時にはお前をNo.2にしてやるぜ!」と直々に指名している。
声優
原語版と日本語版で大きく声質が異なることでも知られる。
原語版ではコメディアンだったクリス・ラッタ。2010にもゲスト出演した『G.I.ジョー』のコブラコマンダーの声で有名な人物である。彼の声質と演技の影響で典型的な三枚目だったが、日本語版では鈴置洋孝が本来のキャラクター像を守りつつ、二枚目型の声色と演技を織り交ぜたことでニヒルな側面が強くなり、原語版以上に深みのあるキャラクター像を確立した(スタースクリームがTFの中でも美形の部類に入る顔立ちであることも関係していたのかもしれない)。
なお、一部に「鈴置が美声だからこうなっただけではないか?」と邪推する向きがあるが、鈴置は『戦え!超ロボット生命体トランスフォーマー』においてスタースクリームの他にもパワーグライド、デフコン、スリングも担当している。つまり原語版も真っ青の三枚目声を出せる声優であり、ニヒルな声はあくまで意図的な演技によるものである。
因みに声優が声優な故にファンから汚いブライトと呼称される事もある。
G1版のその後
ザ・ムービー
謀反を起こしてはメガトロンに許され続けてきた彼であったが、『ザ・ムービー』において、コンボイと闘い瀕死の状態となったメガトロンを、機は熟したとばかりに宇宙に放逐。
こうして邪魔者が消えた彼はマントを羽織り仰々しく戴冠式まで開いてニューリーダーに就任しようとしたが、ガルバトロンとして復活したメガトロンに乱入され、SFレーザー砲台形態の一撃を受けて足だけを残してボロボロに崩れ落ち死亡した。破壊大帝の座を得てからたった一分ほどでの最後となった。
一応セイバートロン星のデストロン遺体安置所の墓は作られていたが、跡形もなく消し炭にされてしまった為、安置されていたのは残された足のみであった(人望のなさを思えば、作ってもらえただけで幸せ)。
2010
このままフェードアウトしていくかに見えた彼ではあったが、続編『2010』では実体を持たない幽霊としてしぶとく再登場。デストロンから離反したオクトーンと組んでガルバトロンに復讐(ガルバトロンが自分が宇宙に捨てたメガトロンと気付いており、逆恨みっぷりが彼らしい)したりと生前でなぜ発揮できなかったのかというくらいに卓越した能力を発揮し、復活を遂げる。
この時、ユニクロンをまんまとハメている辺り、口八丁の上手さはトランスフォーマー随一と言えよう。
『ユニクロン!あんたをセイバートロンに接続するには、生身のボディが要る!今すぐ作ってくれ!』
『止むを得んな…』
『どうだぁ!やっと俺様は生き返ったぞォォォ!』
『さぁ、接続に掛かれ』
『何をしておる、早くやれ』
しかし最終的にガルバトロンに見つかり、砲撃を受けて宇宙の彼方へと吹き飛ばされ、以降登場することはなかった。
「ビクトリー」時期にプリテンダー版の本体がマイスター・バンブル・グリムロックのそれと共にヒーローセットとして販売され、「フィギュア王」の記事では「ボディを得たままでいると解釈可能」と書かれている(宝島社の大全集には「ボディは消滅して再び宇宙をさすらうこととなった」とある)。
だが…
ビーストウォーズ
CV:ダグ・パーカー/吹:矢尾一樹
「覚えてろよ!たとえ何千年かかろうとも、必ず復讐してやるからなぁ!!あばよぉ!!」
本作の時系列はG1シリーズからはるか未来だが、この時代の戦士達にもスタースクリームの悪評は知れ渡っているらしい。
ダイノボット曰く「大ウソつきのこんこんちき。宇宙一の裏切者」。地球で生まれたブラックウィドーでさえも「ユニクロンにやられたのは真っ赤なウソで、本当はガルバトロンに処刑された」と語っている事から、彼のその悪辣ぶりが窺える。なお、主要人物のコンボイやメガトロンは詳しいことを知らなかった様子。
宇宙を彷徨う中で時空を超え、惑星エネルゴアに飛来、デストロン基地内のコンピュータを通じてワスピーターの体を乗っ取ることに成功する。デストロンの面々に「かつて自分はガルバトロンを守るためユニクロンに破壊され、スパークのみの姿となった」と嘯き、表面上メガトロンに忠誠を誓う。
が、当然、最終的にはデストロンそのものを乗っ取る気でおり、先程のウソも独自に調査をしたブラックウィドーにあっさり見破られた上、メガトロンも彼のことを信用していなかった。
サイバトロン基地を占領したり反乱を起こしたりと派手な活躍をしたが、例によって失敗。再びスパークのみの姿となり、サイバトロンに恨み節を放ちながら宇宙の闇に消えた。
ちなみにワスピーターを「お前の頭じゃ理解できねぇだろうな」と嘲っていたが、自分もメガトロンに同じことを言われたことがある。
日本語版の声優は矢尾一樹。彼はこの後、『ビーストウォーズネオ』でセイバーバックの声を担当していた。
後の『メタルス』では、「スパークが消滅しない特異体質=事実上の不死身」であることが判明。この新事実がとある禍根の発端となった。なお、『マイクロン伝説』にもスパークが無事だったから死なずに済んだキャラがいる。ちなみに、墜落したアーク内で他のTFと共に休眠状態に陥っている彼の姿を確認できる。ただしこの時系列は正式ではない。
余談だが、『ビーストウォーズアゲイン』では彼の登場エピソードは放送されなかったにもかかわらず、ゴーストスタースクリームとホーンテッドワスピーターのセットが「幽幻の対決」として発売された。このトイはアースライズ版の仕様変更品で全身がクリアになっており、『ザ・ムービー』でガルバトロンに撃たれた時のような叫び顔になっている他、『ビースト』劇中の赤いG1デストロンのエンブレムが再現されている。
その他
アニメ以外の媒体でも巨大化してみたり、人間型のアーマーを着てみたり、眼鏡っ娘に乗り移ったり、何故か生きてたり、コンボイとメガトロンの両方の力を持つボディを手に入れたり、スクランブル合体戦士になって憎き仇敵を復活させたり、黒鉄の城になったりと大活躍である。
挙句の果てには使徒と融合して使徒スクリームになったり…
ビーストウォーズⅡ
CV:高橋広樹
「ガルバトロン様に代わってトップを取るのはメガストーム様ではない…このスタースクリームよ!」
『ビーストウォーズⅡ(セカンド)』に登場するメガストーム率いるコンバットロン部隊の一員。役職はG1と同じく航空参謀。通称:カマスク、スタ姐さん。
『ビーストウォーズ』シリーズはG1シリーズの延長線上だが、G1スタスクとは別人である。元祖とは正反対にリーダーのガルバトロンに対する忠誠心が高いが、その弟メガストームは軽視している(スタスクから見ればメガストームが造反を企てている様に見えるから)。
オネエ口調だったり、仲間に計算を教えたり、アルテミスに好かれたりと元祖とは異なる方向でキャラが立っている。誤解されがちだが、オネェ口調ではあるもののノンケである(「同性愛者ではない」と公式で明言されている)。また、作中では一度もオカマ呼ばわりされていない。
性別不詳(質問コーナーで子供から性別を聞かれたが、分からずじまいだった)だが、作中では自称「ミスタートランスフォーマー」。人望がない他のスタスクとは違い、忠実な部下兼相棒(BB)がおり、協調性が高く情にも厚い。
周りには忠実な相方(BB)、更には追っかけ(アルテミス)がいたり、敵対したサイバトロンが歴代の中でも平和的なライオコンボイ達なので、割とリア充であったせいか、最後まで裏切らなかった(上司の抹殺を企てた事はあるが、その理由も上司がガルバトロンを裏切ったと判断したから)。終盤では最後までガルバトロンに尽くし、仲間を鼓舞した。名前が同じでロボットモードも雰囲気こそ似ているが別人。
上司に忠実で、忠実な部下を供にしている点を考慮すると、どちらかといえばG1のサウンドウェーブに近い。(本作でのニューリーダー病発症者はメガストームである)
BBとの関係
基本的に「ラジャー」としか喋らない寡黙な巨漢。
ガルバトロンに出会う前はサイバトロンの捕虜で、脱出時に同じく捕らわれていたBBを助けたという設定がある。BBのスタースクリームに対する忠誠心はこの時から来たものと思われる。
また、BBの片言は捕虜だった時のサイバトロンによる矯正の障害によるものらしい。
無口なBBだが、割とスタスクに意見したり、ツッコミを入れる時もある。また、ジョイントロンにスタスクを攻撃された時は怒り、第三形態の戦車モードに変形した(BBはトリプルチェンジャー)。
能力
知力、スピードは歴代トップ。ガルバトロン曰く、デストロンの知恵袋。副官ではなく(メガストームが実質No.2)、参謀であった。力仕事は苦手だが、基本的に戦闘、作戦の要であり、交渉や調査、医療行為等、色々できる。ガルバトロン負傷の際は手術も行った。
武器は二丁銃のスクリームワインダ-。ギャグシーンではハリセンを使った事もある。
BBとのコンビネーションは抜群で、マシンモード時は合体可能。協力技「フォーメーションスクリーム」は2人の全エネルギーと引き換えに辺り一面を焦土に変える程の威力を誇る。
トランスフォーマーの中では珍しく、音楽について理解があり、ワーグナーのクラシック音楽を好む。ダンスのセンスもあるらしく、オートローラーズを亡き者にする作戦を実行した際、華麗に踊ってみせている。
中盤から、アンゴルモアエネルギーでサメのヘルスクリームにパワーアップ。
以前の面影は無くなり、相方との合体もできなくなったが、戦闘能力は大幅に上昇した(今木商事版では陸で行動できず、ギャグ担当)。
玩具
デザインはG2期に発売された玩具スモークスクリーン&ドレッドウィングの仕様変更品で、G2シリーズで没になったスタースクリーム&メガトロンATB(Advanced Tactical Bomber)の配色を再現したもの。主従関係が逆転しているのはなかなか興味深いところである。その顔立ちも他作品のスタスクが(程度の差はあれ)鼻と口がある顔であるのに対し、セカンドのスタスクはマスク顔であるというのも特筆すべき点である。そこから構成されている顔立ちはスタスク顔というよりはむしろコンボイのそれに近い事から「コンボイ顔のスタースクリーム」と呼ばれる事も少なくない。
ヘルスクリームは、前作『ビーストウォーズ』でTV未登場だったサイバーシャークの仕様変更品。
その他
担当声優の高橋広樹はインセクトロンの一員たるマンティスも兼任した。後に『カーロボット』のギルドー、『アニメイテッド』のオプティマス役も務める事になる。
セカンド放映当時、前作の『ビーストウォーズ』に登場したG1スタースクリームと同一人物なのかと間違われることが多く、区別してもらうのに苦労したらしい。その影響かは定かではないが、後にこのスタースクリームのリカラー品として単品販売された『ロボットマスターズ』のスモークスナイパーはG1スタースクリームを嫌っている。また、彼もデストロン兵士でありながら情にもろいという一面がある。
『ビーストウォーズⅡ』自体は日本独自の企画であったが、海外で発売されたムック『Beastwars Sourcebook』では、後付け設定ながらも更に設定が深く掘り下げられており、先進的で高度な政治システムの考案や、それと同時に仲間達(とりわけBB)を幸福に導く責任感も兼ね備えるなど、知識人・人格者としての一面が強調されている。
彼の登場以降、しばらくの間「G1世界以外のスタースクリームは、G1世界の彼の持つ要素のどれか一つに反逆している」と評されることとなった。
マイクロン伝説
三度でも四度でも私は裏切ることにした…私の信念の下に
CV:マイケル・ドブソン/吹:山野井仁
『マイクロン伝説』では、赤と白のSu-37風の戦闘機に変形するスタースクリームが登場。パートナーマイクロンはF1カーに変形するグリッド。
リーダーに成り代わろうとしたりプライドの高い面はあるものの、元祖よりも遥かにカッコイイ面でのドラマが多いキャラクターである。アニメ劇中での裏切り回数は初代に次ぐ4回。サイバトロンに寝返った事がある数少ないスタースクリームでもある。
他のシリーズのスタースクリームとの混同を避けるべく、英題の『Transformers: Armada』にちなんでアルマダスタースクリームとも呼ばれる。更なる詳細はそちらを参照。また、続編『スーパーリンク』においてはナイトスクリームの記事を参照。
ギャラクシーフォース
CV:マイケル・ドブソン/吹:黒田崇矢
『ギャラクシーフォース』では純粋なる野心家として登場。海外版『Transformers: Cybertron』ではアルマダスタースクリームと同一人物扱いとなっている。
最初は破壊大帝マスターメガトロンの忠実な部下のように振る舞っていたが、徐々に本性を表していき、その執念深さでサイバトロン・デストロンとは別の第三勢力として暗躍した。因みにマスターメガトロンは部下の裏切りを全く許していない数少ない破壊大帝である。
総合テックスペックは歴代一。たった一人でサイバトロン全員を相手取る事が出来るほどで、サイバトロン内でも互角に戦っていたのはガードシェルくらいだった。
主な武器は両肩に内蔵されたバーテックスブレードと胸部の可動式の機銃。フォースチップはデストロンのエンブレムだが、マスターメガトロンのチップとはデザインが異なっている。後に左腕のブレードは巨大化してパワーアップした際、バーテックスキャノンに形を変えた。
第30話でニューリーダーアイテム(呪いのアイテム)である例の王冠を被ってからはヘタレ度が上がり、負ける回数が多くなった。しかもこの王冠は51話でマスターガルバトロンに握り潰されてしまう。
根性はマイ伝、しぶとさはG1と並ぶ。なのでそれまでのスタースクリームの集大成、とも言える。どんなに惨めな思いをしてでも自分の野望を成し遂げようとする意志の強さは確かであり、ギガロニアへ行けたのもこの意志の強さによるもの。現に「強い思いがあれば不可能を可能にする」とマスターガルバトロンに言い放っている。
最終回でソニックボンバーの通信でスタースクリームの生存を知ったガードシェルとデモリッシャーはスペースブリッジ建設隊を外れ、スタースクリームの探索へ向かうことになった(因みにベクタープライムは最初から死んでいないと明言している)。
マスターメガトロン同様、ギャグらしい言動は皆無でやりたい放題の次回予告(内容にまつわった雑談が多いので、『ビーストウォーズ』のように内容についての解説を放棄しているわけではない)もスタースクリームメインの話ではシリアス一色となる。
アニメ版では慇懃無礼な口調で偶に荒っぽくなっていたが(一人称は普段は「私」だが偶に「俺」になる)、漫画版では最初から一人称は「俺」で口も柄も悪い上、打ち切りの影響で彼が事実上のラスボスとなった。
アニメイテッド
今日の主役はこのイケメン、スタースクリームだ
CV:トム・ケニー/吹:山野井仁
『アニメイテッド』では、事あるごとに「主役」や「イケメン」を自称するイタい航空参謀として登場。Su-47(S-37)風の前進翼型戦闘機に変形する。性格はG1寄りどころか、より陰険かつ卑屈で質が悪い。一言で表すなら馬鹿と無能に磨きのかかったG1スタスクであり、そのダメさは歴代トップクラスと言っても良い。
ただし作中における戦闘力は折り紙つきで、エリートガードの猛攻をものともしない実力を誇る。
初っ端からオプティマス達の元にあるオールスパークを奪うために出撃したメガトロンの身体に爆弾を仕込んで誅殺。しかし肝心のメガトロンが生存しており、傷ついているうちに亡き者のしようとするも、50年前の企みも含めて魂胆が全てバレていた事から、復活したメガトロンにより殺害される。
しかしそのメガトロンが戦いの中で散らせたオールスパークの欠片により皮肉にも復活。このことからディセプティコンと袂を分かち(というより戻れない身の上になった)、単身で打倒メガトロンおよび全宇宙支配に向けて暗躍する事になる。
オールスパークの欠片が頭に組み込まれたことから、G1シリーズ以来の不死性を身に着ける。これによりどれだけメガトロンに殺されようがオートボット達から総攻撃を受けようが死なない身体を手に入れた。しかし正真正銘の永遠の命であったG1版とは違い、本作の場合はメガトロンによって殺されたことでスパークが消滅した状態で生き返った、いわば仮初の不死、もっと言えばゾンビ状態に過ぎない。
この為ディセプティコン反応もなくなっており、オートボット達の追跡を掻い潜ってはメガトロンの足を引っ張り続けた。
クローンを生み出したり(通称イケメンズ)、ヘッドマスターに身体を奪われたりなどなど、幾度となく身体を失いながらもメガトロンと対抗し続けてきたが、最終決戦においてプロールが命懸けでオールスパークの修復を行った際、元に戻ろうとするオールスパークの欠片が頭から抜けてしまい、エネルギーの元を失ったことで完全な死を迎えた。
しかし幻のシーズン4ではこれだけやられても完全復活し、暗躍する予定だったという。
何かにつけて「主役」と連呼する様は「出張どこでも鑑定団inサイバトロン星」でお馴染みの銀河万丈がかつて演じた某一匹狼を彷彿とさせる。
また、実はメガトロンの傘下に居た時期がもっとも少ないと言えるスタースクリームともいえ、まともに仕えていたのは1話くらいで、メガトロン復活時も表面上は部下として振る舞っていただけで、内心はそのまま乗っ取る気満々であった。第三勢力(と言っても最終目的はディセプティコンのトップに変わることだったが)としてここまで長続きしたスタースクリームもなかなかいない。
日本語版の山野井仁は『マイクロン伝説』でもスタスクの吹き替えを担当し、真逆のキャラを演じた。英語版はトム・ケニー。
War for Cybertronシリーズ
CV:サム・リーゲル
日本未発売のゲーム『War for Cybertron』では、戦前期のスタースクリームが登場。初代アニメに登場した三角錐型セイバートロニアンジェットのイメージを取り込んだSF風ジェット機に変形する。
元々は衛星軌道上にある研究所に務めていた研究員で、スカイファイアーとはそこでの同僚であった。歴代スタスクはファンから「影のサイバトロン戦士」と皮肉混じりに呼ばれていたが、本作では本当にオートボットだったという驚愕の設定になっている。玩具シリーズ『トランスフォーマージェネレーションズ』のパッケージの記述によると戦前はセンチネルプライムの護衛を任されるほどの名誉ある戦士であった。
メガトロンが反乱を起こした直後に衛星基地に配置され、仲間たちとダークエネルゴンの研究をしていたところを、メガトロン率いるディセプティコン軍団が急襲。だがここに配置されてから果てなく続く孤独と倦怠感によって例の病を患ってしまい、同僚であるスカイワープとサンダークラッカーを連れてディセプティコンに寝返った。この時、スカイファイヤーと袂を分かつ。
続編の『Fall of Cybertron』では、メトロプレックスの襲撃でメガトロンが重傷を負った途端、ニューリーダー宣言をかましてディセプティコンの乗っ取りを画策。しかし、部下として率いていたコンバッティコンズの忠告を碌に聞かなかった為に大敗するという大ポカをやらかし、サウンドウェーブが復活させたメガトロンから手痛い御仕置きをされた挙句、政治犯として追われる身となってしまった。
だが、そんな事でへこたれるような彼ではなく、その後もショックウェーブの研究所に忍び込んでグリムロックの覚醒を手伝い、彼を懐柔しようとしていた。だが、まるで話を聞いてもらえず、むしろ研究所を壊滅させるという大ポカをやらかしてデ軍の脚を引っ張っている。ちなみにグリムロックとの対話の際、アクションをとらず放置しているとスタースクリームが一方的に演説を始めたり、かと思えばグリムロックに捕まると必死に命乞いしたり、実にスタースクリームらしい一人芝居が聞ける。
なお、このニューリーダー時代に歴代スタスクが被ると死ぬ例の冠を被っているが、今回は死なずに済んだ模様。スタースクリームの暗躍パートではこれが隠し要素として存在し、手に入れるとスタースクリームが再びその王冠を被った状態でプレイすることが出来る。
ちなみに玩具に付属しているガトリング砲のような火器はいつものナルビームではなく、ゲーム中で使用可能な武器の一つのニュートロンアサルトライフルなのだが、日本版『トランスフォーマージェネレーションズ』では何故か「スクラップメーカー」と記載されている(ミリオン出版から限定販売された仕様変更品のインフィルトレイタースタースクリームでは修正されている)。
トランスフォーマープライム
戦いたいって言い出したのはそっちだからなぁ?
CV:スティーヴン・ブルーム/吹:鶴岡聡
『プライム』では『アニメイテッド』版と同じく、テンプレ通りどころかゲスさと無能さに磨きのかかった、相変わらずニューリーダー病をこじらせている航空参謀として登場。
歴代でも一位を争える無能ぶりであり、へたれっぷりはそのさらに上をいき、下衆さだけで言えばある意味実写版以上である。
ファンはおろか制作サイドからも(歪な)愛を注がれ続ける表情豊かな人気キャラクター。海外版の担当声優であるスティーヴン・ブルームは『Fall of Cybertron』でショックウェーブの声優を担当した。
詳細はスタースクリーム(プライム)の記事にて。
QTF
CV:杉田智和
『キュートランスフォーマー』(QTF)シリーズとしては初めて自動車以外の乗り物に変形する。変形するビークルはG1同様F-15だが、ユーモラスな丸いフォルムは過去に発売された飛行機のチョロQや、ハセガワから発売されている『たまごひこーき』シリーズを思わせる。
玩具は2015年9月19日に発売。通例に倣い、色違いのサンダークラッカーとスカイワープも揃って発売されている。
TVアニメ版では第二期『さらなる人気者への道』からデ軍回のレギュラーとして登場。外見・性格共にG1を意識したキャラづけがされており、台本パートでは「~ですぜ」などややスレた敬語で皮肉とアドリブを交えながら、他のメンバーが語るTFの過去シリーズに対して常識的な目線でツッコむ役回りを担う。
第七話では美少女に憑依していた事実が明るみに出た事でメガトロンの嫉妬を買い、グーパンで吹っ飛ばされた。その際通例の命乞い「お許しくださいメガトロン様!」もきちんとこなした。いつもの病気は発症しておらず、メガトロンに対して表立って叛逆する事はないが、第十二話でオプティマス達と遭遇した際は「誰がニューリーダーに相応しいか、ここで決着をつけてやろうじゃないか!」と発言している。
時折、両手を掲げてヒラヒラと動かす独特の仕草を行なっているが、意図するところは不明。また、興奮するとロックダウンの様に暴走して飛び回ることもある。
アドリブパートでは基本的に率先して立案するが、何かと相手の性的な趣味趣向を探ろうとしている節があり、時にはカマをかけることも。中の人がラジオ番組のレギュラーを持っているだけあってフリートークも達者で、カットされたシーンでは必ず毎回オチをつけている。また、ショックウェーブの中の人が危険な発言をした際は下ネタでフォローしたり、あらぬ方向に脱線した際も上手くオチをつけたりしている。
擬女化の話題になった際、中の人同様しょうじゃない方のはやみさんがお気に入りらしく、自身を演じる女性声優としてリクエストしている。なお、この質問の際サウンドウェーブがさりげなく「桑島さんですか?」と発言している。
アドベンチャー
CV:スティーヴン・ブルーム/吹:平川大輔
『トランスフォーマーアドベンチャー』では『マイクロンの章-新たなる敵』から登場。見た目とカラーこそG1のスタイルだが、『プライム』のスタースクリームと同一人物である。
詳細はスタースクリーム(プライム)の記事にて。
サイバーバース
CV:ビリー・ボブ・トンプソン/吹:鶴岡聡
ディセプティコンの幹部格の一人で、シーカーズのリーダー。デルタ翼機に似たSF戦闘機に変形する。武器はおなじみの両腕のビーム砲の他、主翼を取り外したブーメラン、腹部から大量のミサイルを放つ「ランチャーストライク」がある。
日本語版声優はプライムと同じく鶴岡氏が担当している為、口調はプライムと似ている。
特徴的な「トランス↓フォォォ~~~~↑↑↑ム!」の掛け声も健在。
シーズン1ではちょい役であり、モニター越しにスリップストリームにパワハラをかます程度の出番だった。
本格的に登場したシーズン2では、第1話でいきなりいつもの病気を発症、オプティマスとの一騎討ちで不利になったメガトロンを見捨てようとして怒りを買い、シーカーズのリーダーを解任されてしまう(後任はシーズン1で散々パワハラかましたスリップストリーム)。
そのことで溜まった鬱憤が爆発して、オプティマスの攻撃で足を負傷していたメガトロンを背後から奇襲、ランチャーストライクで瀕死の重傷を負わせて下剋上を成し遂げた。
しかし完全に殺したと思っていたメガトロンが復活、報復として散々暴行を受けたあげく、フュージョンキャノンの直撃を受け機能停止、月面に捨てられてしまった。
「俺様スタースクリームは、メガトロンにやられて死んだ…
……はずだと思ってるだろYoutube見てるお前等ァ!」
ところがどっこいぎっちょん、スタースクリームもまたかろうじて生存しており、諜報活動をしていたチータスが様子を見に来た所に遭遇。そこでチータスがグランドブリッジを使う場面を見たスタースクリームは、隙を見て漁夫の利を狙う計画を立てる。
そして両軍のリーダーの交戦中にオールスパークを強奪、自身の配下だったシーカーズを抱き込んで第三勢力を結成、更にその力を悪用してショベルファイタースタースクリームへとパワーアップした。しかしオールスパークを巡る争奪戦の果てに敗北、アークの中に投獄された。
本作では裏切り癖のある小物というポジションはいつも通りなのだが、その有能っぷりが他の(小物系)スタースクリームとは一線を画す。
先述の通り第2シーズン開幕からいつもの病気を発しメガトロンに処刑されるのだが、
- チータスと接触しオールスパークの所在を知っていると確信、人知れずマークする
- 自身が死んだと思われてるアドバンテージを活かし迂闊に表に出てこないという慎重さ
- メガトロンに処刑された直後にもかかわらずシーカーズのほぼ全員を寝返らせる
- チータスによりメガトロン、オプティマスの両者が試練を受けてる隙をついてまんまとオールスパークを奪取
- 戦艦ネメシスを強襲、(オールスパークの力があるとはいえ)ディセプティコンを一瞬で殲滅
- ↑の作戦が失敗した結果オールスパークを操って自身のスパークアーマーを解除したチータスを危険視し、オールスパークを安全な場所に隠す
- 乱入してきたスカイバイト、ジェットファイヤーを焚きつけてオールスパーク掌握までの時間を稼ぐ
- 一時的にとは言えディセプティコン・オートボット全軍を無力化し、オプティマスにマトリクスを使わせるまで追い込む
- その後アークに監禁されるもテレトランXをハメて脱獄
など、これまでのスタースクリームからは考えられないほどの策士ぶりを発揮、結果的に第2シーズンにおいてはメガトロンを差し置いてのメインヴィランとしての立ち位置を獲得した。
本作のディセプティコンメンバーが全体的にあまり有能とは言えなかった(特にシーカーズはスリップストリームを除きG1に輪をかけたバカ揃いだった)こともあって、第1シーズン後半におけるショックウェーブと同等以上の活躍を見せている。
しかしアークから脱獄した直後、タイタン・クロートンと一緒に宇宙の彼方へと飛んで行ってしまい、第2シーズンおよび日本展開での出番は終了となってしまった(手を離さなかった事にはツッコまないでおこう)。
日本未公開の第3シーズンでも引き続き登場。
クロートンと一緒に何処かへと飛び続けていたが、途中でクインテッサ星人にクロートンごと捕まり、スタースクリームは裁判にかけられてしまう。
その裁判で有罪判決を受けて処刑されそうになるも、オールスパークの存在を知らせて処刑を免れた上、クインテッサ星人に「栄誉」を与えられた。
その栄誉の内容は、この宇宙の裁判官になる事。
クインテッサ星人の科学者曰く、その宇宙の裁判官になれるのはその宇宙で生まれたクインテッサ星人だけとの事。
つまり、クインテッサ星人になる事を意味していた。
そしてスタースクリームは頭だけのクインテッサ星人に改造されてしまい(本人は嫌そうにはしていなかった)、同時にサイバトロン星がクインテッサ星人に侵攻されるきっかけにもなった。
本編ではホットロッド、サウンドウェーブによって纏められたオートボット・ディセプティコン連合軍の活躍によって形勢逆転されそうになった時に満を持して登場。
今まで行方不明だったスタースクリームの突然の登場に驚きを隠せないトランスフォーマー達を触手から赤い光を出して一斉に拘束してしまう。
しかし、スタースクリームはオプティマスとメガトロンに捌きを与える事を優先しようとした為にいざこざが発生。
その隙にウィンドブレードに逃げられてしまい、彼女の持つ力でもう1人のタイタン、アイアコナスを復活させられてしまう。
スタースクリームもクインテッサ星人側で洗脳していたクロートンを操り対抗、最終的に特殊なビームでアイアコナスの頭部を異次元に飛ばして機能停止にしてしまう。
その直後にオプティマスを発見、彼を仕留める為に触れたものを消滅させる特殊なビームを使って皆殺しを開始する。
しかしその途中で多次元宇宙を旅していたメガトロンが特殊なビームが効かないパワーアップした状態で帰還、更にはウィンドブレードの力によってクロートンの洗脳が解かれてしまう。
最後にはオプティマスとメガトロンの2つのマトリクス(メガトロンのは多次元宇宙から奪って来た物)のパワーによって消滅した。
CV:フランク・トダーロ/吹:佐藤せつじ
本作でもやはりシーカーズとしての登場だが、隊長はジェットファイヤーであり、彼はその配下の一員にすぎない。日本語吹き替え版では「これでオートボットも永遠にグッドナイト!」とかつてのG1スタースクリームを意識したようなセリフがある。なお、吹き替えを担当した佐藤氏はこれまでに『ダークサイド・ムーン』のイゴール、『アドベンチャー』のクランプダウンとビスク、『最後の騎士王』のモホークなどを演じている。
独断行動が多く、それが原因でジェットファイヤーに腕を切り落とされたりと不憫なところが目立った。また、過去作ではジェットファイヤーと友人同士という関係が描かれたが、本作では最後までどこか険悪な関係が目立ち、お世辞にも仲が良いとは言えない関係だった。終盤でジェットファイヤーがディセプティコンから離脱したのを機にメガトロンから隊長に任命されるも、ショックウェーブからは呆れられた様な顔をされたり、サウンドウェーブからも「最悪ノリーダーダ」と言われるなど、やっぱりここでもブレないスタスクであった。
ただし、『シージ』ではシーカーズの隊長の座を狙っていたり、メガトロンに意見することこそあったが、あくまでもニューリーダー病の対象はジェットファイヤーであり、G1デザインのスタスクにしては珍しく最後までメガトロンを裏切らなかったスタースクリームだった。
『アースライズ』では、メガトロンがステーション内の爆発により行方不明となった際にディセプティコンのニューリーダーを名乗る。
その後、負傷したメガトロンが現れオートボットと協力した際にはメガトロンを挑発するも銃撃を受けシャフトに落ちていったが、ネメシスのブリッジに現れステーションへの攻撃を行う。
中にいるメガトロン達への影響を危惧するバリケードに「メガトロンはもう死んだ」と言い、コンソールの操作も「メガトロンいい夢見やがれ」と言いながら行うなど、この行動時ではメガトロンを裏切っているともとれ、デッドユニバースへの裂け目が出現した後にメガトロンはブリッジに現れた際にスタースクリームへ「お前の裏切り行為が招いた事態だ」と述べている。その際、スタースクリームは「心配しましたよ」と述べ、メガトロンから鉄拳を受けるが命は取られなかった。
その後もメガトロンや他のディセプティコン達と行動を共にする。
アークに乗り込んだ際にダブルディーラーを操るディーシアスが、オートボットやディセプティコンを問わず攻撃してきた時には、オートボットと協力するといった柔軟性を見せる。
……などと言っていたら最終作『キングダム』にてやっぱり裏切る。
未来のメガトロンの記憶が納められたゴールデンディスクの情報を盗み聞き、ブラックアラクニアとダイノボットを引き連れ第三勢力として行動する。やっぱりニューリーダー病だった。
おまけにオールスパークに例の王冠の幻覚を見せられ被ろうとしてダイノボットにぶん殴られる情けなさ。しかも実質的にはブラックアラクニアにいいように誘導されているだけでダイノボットともども呆れ果てられている。
だが今作のスタースクリームは一味違った。
過去作スタスクとの最大の違い、それは自分の欠点をよく理解しているという点である。
自分の日頃の行いの悪さを自覚しているのみならず、ブラックアラクニアから「お前は他人任せで王になろうとしている、そんな奴が王になれるわけがない」と指摘された際も痛い所を突かれたように顔をゆがめている。この己の弱さに対する自覚が大きな転機を迎えるのはゴールデンディスクを介してユニクロンと接触した時である。
ユニクロンから全ての真実を知らされたスタースクリームは「たとえ全てを知ったところで怯えて何も行動できない弱者」と見下されていることを悟り、ここにきて強烈な克己心を発露。
なんとゴールデンディスクをオートボットに持ち込み、両軍が力を併せてユニクロンに立ち向かうべきだと説きはじめるのである。
残念ながらバンブルビーが彼を信じなかったため和解はならなかったがその後もメガトロンに「ガルバトロンになりたくなければオートボットと手を組むべきだと」説得。
サイバトロン星における最終決戦においてはビーストメガトロンを含む生き残った全オートボット・ディセプティコンと共にメガトロン、ガルバトロンと対峙し、メガトロンの説得に成功する。
総じて、バンブルビーに対して口にした「悔しいがオレでは力不足」という己の弱さを認めた言葉こそが今作のスタースクリームの明暗を分けた一言だったと言えるだろう。
卑怯さ、卑劣さではG1やアニメイテッドなどのスタースクリームを受け継ぎつつも大儀の名のもとにメガトロンにオートボットとの和解を受け入れさせるという点はアルマダスタースクリームをも内包した、これまでのスタースクリームをひとまとめにしたような存在感を放っていた。
そしてトランスフォーマー・Netflixシリーズはスタースクリームとブラックアラクニアがユニクロンの影を仄めかし、ユニクロンが宇宙のどこかで新たな陰謀を巡らせるところで終幕を迎える。
アーススパーク
CV:スティーブ・ブルーム/吹:佐藤せつじ
アーススパークでは、野良ディセプティコンの一人として登場する。
ロボットモードのデザインはG1を踏襲したもので、カラーリングもお馴染みのトリコロールだが、
- ビークルモードで変身する戦闘機のデザインがどちらかというとF-22に近い
- 腕に丸鋸を装備している
など、後述する実写スタスクの要素も備えている。
初登場時はゴーストの勾留施設で捕縛された状態で思いっきりバカ笑いしながらという小物臭あふれるもの。テラン達がうっかり施設に入ってしまった際には姿が見られなかったことから、捕縛されたのはスィンドルとの接触からサウンドウェーブ戦の間と思われる。
一方、隣の部屋でスカルクランチャーがゴーストの手で拷問を受けているのを目の当たりにして嫌悪感を示しているなど、利己主義ではない一面ものぞかせている。
なお、メガトロンを追い落としニューリーダーになろうと策を巡らせるのがスタスクのお約束だが、戦時中を描いた回想シーンではメガトロン脱退後のディセプティコンを指揮している描写があった事から、本当にニューリーダーに就いていた疑惑が浮上した。よかったね。
注目すべきは瞳の色。初登場時にはディセプティコンお約束の赤色だったが、再登場時にはなぜかオートボット側の基本色の青色になっている。トイパッケージの画像を見るに後者が正式な設定と思われる。
声優はウォー・フォー・サイバトロン・トリロジー同様佐藤せつじ氏が担当。
アニメ以外
シャッタード・グラス
ある意味G1世界のスタースクリームに最も強固に反逆したスタースクリームとも言えるほど大胆な性格付けがされた。正義感溢れるナンバー2、というマイ伝版とは違う意味で漢を示した好人物である。
G1世界と同様に戦争が始まるまでは科学者であり、クリスタルシティの科学研究所で真っ当な研究に勤しんでいた。その優秀さを買われてオートボットにスカウトされた際、良心を優先して断ったがために殺されそうになるが、すんでのところでメガトロンに救われたのを機にディセプティコンに加入した。ディセプティコン入りした経緯故にメガトロンに物凄く忠実で、それもあってメガトロンからも物凄く信頼されている。
カラーリングはG1版スカイファイアーをモチーフとしており、デザインは『Transformers Cybertron』(ギャラクシーフォース)版が基になっている。
玩具は2008年に開催された「BOTCON2008」の限定販売品として『Transformers Cybertron』版スタースクリームのリカラー品が発売された。
さらに2017年には、公式ファンクラブ「Transformers Collectors' Club/Figure Subscription Service5.0」の限定販売品として『ユナイトウォリアーズ』のゴーストスタースクリームのリカラー品として発売された。
クラウド
劇中にて「SARA」の膨大な力によって得た新たなボディは、トリプルチェンジャーであるブリッツウィングと同じく旧ボディ以上の速度と爆撃力を誇る戦闘機の姿に加え、コンプレックスと同じ強固な装甲と圧倒的火力をもつ戦車の姿へも変形できるトリプルチェンジ能力を獲得した。
ユナイトウォリアーズ
設定上はG1と同一人物となっており、サイクロナスやユニクロンの前に幽体で現れ、ユニクロンの力でゴーストスタースクリームとして半実体だが復活。
スクランブル合体に対応しており、No.2=リーダーの右腕というシャレなのか、グランドガルバトロンの右腕に変形合体する。
ウーマンデストロンの一人「ルナクローバー」がスタスクの大ファンということで、彼女に追い掛け回される一幕がある。
元々は実体を得るためにガルバトロンに接近したが、サイクロナスもユニクロンも彼の性根をよく心得ており、半実体半幽霊という中途半端なボディを与えられた。幽霊時の次元移動能力を使えるが、半分は実体であるため憑依はできない、イモビライザーV2などの物理攻撃を無効化できないなど、新しいボディを使いこなせない描写が目立つ。それでも最後まで裏切らずにグランドガルバトロンの一員として戦い抜いた。
ユニクロンを追い払った後は、ルナクローバーに追われてどこかへ逃げていった。
レジェンズ
初登場は「LG-EX ワスピーター」収録漫画。幽霊の状態であり、テラクラッ社の社長の地位を乗っ取ったワスピーターの前に出現。彼の体はスタースクリームにとってはピッタリフィットらしく、再び彼に憑りついてメトロフレックスを狙うが、同じく幽霊として彷徨っていたライノックスの攻撃で吹っ飛ばされる。
その後、「LG57 オクトーン」に収録された漫画で再登場。『ユナイトウォリアーズ』の後日談となっており、いきなり1コマ目から
ル「取ったどー!スタースクリーム様の首ー!」
ス「取ったどーじゃねえ!なんてことしやがんだルナクローバー!」
などという夫婦漫才をしているうちに、残った胴体へ小惑星がぶつかりダメになったらしく、ヘッドマスターへ改造してもらうため再びレジェンズ世界を訪れる。
オクトーンのトランステクター(胴体パーツ)を乗っ取り、メガトロンへの報復や街の征服を企むが、防犯装置で撃退された。ここでもG1お馴染みの
ス「お許しくださいメガトロン様」
メ「まったくこのスタースクリームめ!」
の会話があり、全くブレないスタスクであった。
玩具には今回のヘッドマスターなゴーストスタスクが標準で付属する。ボディはナイトビートと同型のマスク顔、ヘッドモードはG1とUWを折衷したような形状で舌打ちの表情となっている。
オクトーンのトランステクターにヘッドオンした際は肩の変形パターンがブラックコンボイと同じになり、赤いパーツが出現する。作中で防犯装置として活用されたスプリングギミックは発動できるが、頭部の排除機能は無い。
なお、『ビーストウォーズⅡ』のオカマなスタスクもアニメとは別人として登場する。