「感じるぞ…「◯◯の世界(元になった世界)」の力……!!」
概要
キカイトピア王朝トジテンドが送り込む、戦闘員のクダックにあらゆる並行世界を閉じ込めた機械歯車「トジルギア」を胸部の歯車状の模様に組み込んで誕生するロボット怪人。
クダックからクダイターへ変化した上で変貌を遂げ、主に頭部と両腕が取り込んだトジルギアの並行世界に準じた造形に変化する。その為ボディはクダイターと同じ共通の物になっているが、第30カイ!以降は白黒ベースのカラーリングのボディを持つ個体が出てくる様になった。
両腕が変化しないタイプの個体は、各並行世界をモチーフにした武器を携え武装している。
トジルギアに込められた並行世界のパワーを解放する事でそれぞれ自分達の元になった「世界」を展開して文字通り自分の領域として侵食する能力を持ち、人間界を制圧する為にパワーを悪用する。勿論、そのパワーを戦闘でも活かしており、固有の技として繰り出すことも可能。
初登場のキノコワルド~テニスワルドまでは「元になった世界の象徴物及びそれに纏わる行動」に関わる能力(象徴物を発生変化させる、中毒や行動を強制させる)が主だったが、第30カイ!以降はアップデートが行われたのかモチーフ物に由来するものの、「モチーフに関わる行動の能力では無くその物に由来した派生的な能力(干し柿→干す→脱水症状、牛乳→白くする→物や記録を真っ白に漂泊する)」に変化して厄介度を増した。
なお、上記の白黒ベースのボディを持つ個体が並行世界に由来する派生的な能力を持っていることが多い。
またワルドが世界を侵食した際に現れる現象・物体は「名物」、固有の技・装備は「名産」としてそれぞれ設定されている。
変身したワルドは共通して「〜キノコ」、「〜コオリ」等の様に、組み込まれているトジルギアの並行世界の名前を語尾に付けて話すのが口癖。これについては、キノコワルドいわく「自分がどんな『世界』のワルドなのかを忘れない様にする為意識してこの口調になった」との事。
その為、トウメイワルドのように外見だけでは判別がし辛い場合でも、誘導尋問で喋ってしまう事で、大凡の能力がすぐにバレてしまうリスクがある。
只、これはあくまで意識的に行なっている行動である為、ワザと違う口癖を言う事で本当の能力を隠蔽する事も可能である。
尚、同じくクダックから改造されたクダイターと比べて戦闘力は格段に上昇しているが、序列的には格差が無い若しくは同一の地位の様で、第24カイ!で遊び呆けるバカンスワルドにクダイターがタメ口で叱責する場面がある。
ワルドの恐怖
毎度の如くゼンカイジャーやツーカイザーに倒され、作風自体もギャグよりなのもあって見落とされがちだが、出てくるワルドは普通の個体ですら他作品でのラスボスレベルの能力を持っている事が多い(しかもフザケた見た目や名前の奴程凶悪な能力な事も)。
更に一度発動した能力はワルドが自分の意志で能力を解除するか、ワルドを撃破する、またはワルドの能力を司る箇所を破壊する事でしか解除される事は無い。
作中ではゼンカイジャーの面々が能力の影響から脱することもあるが、それは個人の経験や特性に影響する部分が多く、根本的な解決につながる方法ではないことが多い。
その為ゼンカイジャー側も当然の如く能力の影響下にある事があり、原則ワルドのルールに従いつつ戦闘を可能とする抜け道を見つけ出しワルドを撃破する、と言う苦闘を強いられる事が多い。
また本作の特徴として失恋戦隊ゼンカイジャーといった、特殊な名乗りシーンが多いということが挙げられるが、それは上記の通り能力の影響を受けつつ戦わざるを得ないというシビアな現状を表しているとも言える。
能力の多くは直接攻撃を当てる事で効果を発揮するが、周囲一帯……どころか世界全体に対してさえ効果を発揮するケースもあり、こうなると回避などはほぼ不可能となり、自力で状況が可笑しいと言う事にすら満足に気付けなくなる。
また上述の通り能力を解除する方法が限定されている為、一度能力を発動させたワルドがゼンカイジャーと戦わずに逃げる、トジデントパレスに引き籠ると言う手段を取るだけでも刻々と事態が悪化していき手の付けられない状況となって行く場合もある。
中でもゲゲが送り込んだ2体は双方ともヒーローサイドをほぼ完封したり、バラシタラが送り込んだバカンスワルドは人間界の制圧を(一時的だが)完了させた実績がある。
現状ゼンカイジャーが戦えているのは、並行世界の力を単なる道具としか思っていないトジテンド側の戦略眼が足りず作戦の詰めが甘い事と、ワルド自身も侵略先の世界の理その物を変えたりうる力を持っているにも関わらず、完全に扱え切れていない所か、備わった力の凄さを理解していない事、後述にあるが誕生させ運用して初めて能力を把握する為に作戦が行き当たりばったりか杜撰になりがちな事。
要は敵側の頭の悪さに助けられている実情による物が大きく、製作陣さえその事を自覚したコメントを載せている。
寧ろ全体への影響力が飛びぬけて高い訳では無いが、能力は制御し易く戦闘力も兼ね備えているワルドが強いパターンも多い(カブトムシワルド、トウギュウワルド、テニスワルド等)。
こんな状態ですら偶然や想定外の要素が無ければ本気で詰んでいたケースも多く、歴代の戦隊怪人の中でも際立って厄介な連中と言える。
尚、ワルドはその能力の性質上、誕生させるまでどんな力が使えるかは全く分からないのだが、どうやらトジテンド内部では公然の秘密だったらしく、バラシタラがこの事に言及した際にはボッコワウスまでもが「あっ……」と言ってはならない事を言ったかの様なリアクションを見せていた。
また、世界法則を改変する事で能力を行使する性質上、一度に複数のワルドを生み出そうと、ワルド同時の力は相殺されて無効化してしまうと言う、強力過ぎるが故のデメリットも存在する。
その為同じ世界の侵略に関しては、何度やられようとワルドの頭数は増やせず、個別で出撃させるしか無いと言う事情がある。
……と言う事情も第38カイ!まで気付いていなかったと言うあたりも、行き当たりばったりである事を示すエピソードの一つと言えるだろう。
巨大化方法
ワルドが倒されると同時にセットされているトジルギアが破壊される寸前の状態になり、それをクダイテストもしくはニュークダイテストが踏み付ける、もしくは接触する等してパワーを取り込む事で、ワルドの能力を引き継いだ巨大級戦闘兵ダイワルドとして復活する。
但し、トジルギアはワルドが倒された時点で砕ける寸前の状態である為、クダイテストが間に合わなければ巨大化は起こらない。
ワルド一覧
本編
カイ! | 名前・外見 | 概要 |
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番外編
カイ! | 名前・外見 | 概要 |
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劇 | ||
SH |
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SA | ||
SP2 |
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VS |
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その他
登場作 | 名称 | 製造者 | 世界 | 名物 | 名産 | CV |
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ひらパー | マッチワルド | イジルデ | マッチトピア | 地獄の業火 | マッチャン | 竹田雅則 |
ショー | コントローラーワルド | 不明 | コントローラートピア | 不明 | コントロールビーム、コントロール電波 | 不明 |
FLT | ファイナルワルド | - | ファイナルトピア | - | - | ??? |
没案 | アヤトリワルド(仮称) | - | アヤトリトピア? | - | - | - |
\\ | クモワルド(仮称) | - | クモトピア? | - | - | - |
\\ | アジフライワルド(仮称) | - | アジフライトピア? | - | - | - |
\\ | センプウキワルド(仮称) | - | センプウキトピア? | - | - | - |
\\ | サイキョウワルド(仮称) | - | サイキョウトピア? | - | - | - |
余談
- 名前の由来は「ワールド」と「悪いドロイド」、そしてトジテンドの他の面々同様の「割るど」のトリプルミーニングであると思われる。
- 前作品『魔進戦隊キラメイジャー』の邪面師に続き、2年連続で戦闘員が進化するタイプの戦隊怪人が登場する事になった。
- あらゆる並行世界を閉じ込めたアイテムで変身する為、モチーフが一定では無いのも共通しているが、前年以上に前例がないモチーフが多く採用されている。
- 但し、このタイプはこれまで上級戦闘員の更なる進化先だったのに対してワルドはクダイターとは別の進化先として扱われる。この方式になったのは人間とキカイノイドとの戦争を避ける意図があったと思われる。
- 近年の予算問題の都合上、特撮怪人では避けては通れぬ道でもあるスーツの改造・流用される例も確認されているが、敢えて全く別の並行世界のモチーフのワルドとしてそのまま登場させると言う大胆な流用方法を行っている(性質が似通っている、関連があるモチーフだと、自動的に似た姿になると言う事だろうか)。
- 流用元の容姿と差異のあるワルドだと、パーツ換装や新しいパーツを付けたりと最小限の加え方に留めている。逆に大幅な改造でもリペイントが多く、流用前のワルドの原型がなくなるほど改造された例が少ない。
- これは劇中でも言及されており、その姿から以前のワルドと比較して名前や能力を推測される場面が度々ある。
- 一方で、この改造については結構別物に見えたりする事もあるので視聴者からは概ね好評。
- ドラゴンクエスト10には「ワルド水源」というフィールドが登場する。
関連タグ
メタロイド…9年前に登場した、幹部陣がアイテムを使って生み出すロボット怪人。命令・作戦遂行に忠実だが頭がそこまで良くない、怪人の能力を引き継いだ巨大戦力が存在する点が共通している。
アンドロイド兵士(星雲仮面マシンマン)…星雲仮面マシンマンの怪人。予算的な面で、流用元からパーツ換装や新しいパーツを付けたりと最小限の加え方に留めているといった共通点が見られる。
ドン・アルマゲ最終形態…4年前の戦隊首領が、『生命をエネルギー化して吸収する能力』を獲得して全宇宙の生命を取り込み変貌した姿で、トジルギアとほぼ同じ性質のエネルギー化・吸収能力で得た莫大なエネルギー(パワー)を行使する。一方、アルマゲがエネルギーの使い方を研鑽しておらず、せっかくの莫大なエネルギーを大雑把な形でしか使えなかった点も同じ。
また、スーパー悪者ワルドの一部にこの形態の意匠が組み込まれている。
アナザーライダー…こちらも、世界の一部を切り取ったアイテムで使用者が変身するタイプの怪人。使用者の使命、願望等によって本来の力が悪用されている点も同じ。
なおこちらは、パワーソースのアイテムを埋め込んだ使用者の素質や経験によって総合的な実力が大きく変動する難点があるが、対するワルドは素体をクダイターに統一する事でトジルギアの力を安定して引き出せる様工夫しているとも考える事が出来る。
また、どちらとも篠原保氏がデザイナーとして参加しているが、篠原氏のデザインしたアナザーライダーは素体部分が共通している者が大半を占めている。
ドーパント…モチーフが一定でないニチアサの怪人繋がり。「昨日」「氷河期」など、モチーフに節操がないのも共通している。
トーグ…アメリカ産TRPG。異世界からの侵略者達は、侵略先の世界を自らの出身世界で上書きする事により事を有利に運ぶ(ファンタジー世界からの侵略者が世界を書き換える事で、我々の世界でも魔法が使えるようになり、更には銃器が棍棒としてしか使えなくなり現代式軍隊が無力化される(銃剣突撃大好きな英軍ならワンチャン))。一方で主人公側も同じ手段で対抗(当然敵味方共に選ばれし者以外に書き換え能力は無い)、結果双方が最大パフォーマンスで激突する。
ゼオライマー…『超次元システム』により別次元より無尽蔵のエネルギーを汲み上げ、それを旧型の躯体へ供給・代謝させている構造を有する巨大ロボット兵器。トジルギア内の世界の根幹要素が、そのまま自らの属性になっているワルドに対してただ膨大なエネルギーを引き出しているだけだが、代わりに頭脳に当たる操縦者がエネルギーの使用方法を研鑽し尽くしているので莫大なエネルギーを下地に理不尽な程の攻撃や防御・自己再生能力等を行使、半ば遊び感覚で敵を蹂躙し滅ぼせる戦闘能力を発揮する。
要するに、頭の良さがあればこうしたワンサイドゲームへ易々と持ち込めるポテンシャルを各ワルド達は有していると言える。