基礎データ
概要
『金・銀』で初登場した、二足歩行する牝牛の姿をしたポケモン。牝牛なので当然♀しか存在しない。
一世代目で登場した牡牛のケンタロスとは対の存在であるが、ニドラン系統のような同種の雌雄の関係にあるのかは不明(『金・銀』発売時に一部の攻略本でその可能性を仄めかす記述もあったが…)。
ポケモン世界の牧畜文化を支えている種族のひとつで、毎日20リットルものミルクを出し、ゲーム内でも「モーモーミルク」という回復アイテムとしても入手できる。
ミルクは甘くて栄養満点であり、大人子供や人間・ポケモンを問わず高い人気を誇る。更にお腹にも優しく、高齢者や病人にとっても最高の飲み物と称されている。
特に、仔牛を産んだ直後のミルクは栄養がたっぷり詰まっているという。
ただしハイカロリーらしく、あまり飲み過ぎるとミルタンクのような体型になるとも言われている。
中には好まない人もいるらしく、そういう人々はヨーグルトなどの乳製品で摂取するようにしている様子。
ジョウト地方やアローラ地方では、実際に乳牛として牧場で放牧され飼育されている様子を見ることができ、アローラの方には話しかけるとプレイヤーの手持ちポケモンのHPとPPを全快してくれるポケモンセンター代わりの回復NPCの役割を果たす個体が数匹存在している。
DPtのシンオウ地方ではミルタンク自体がシンオウ図鑑に載ることはなかったものの、モーモーミルクを販売するメイド喫茶「カフェやまごや」が存在する。
ここでモーモーミルクを購入すると「モーモーミルク ごっくんしてください」という一見卑猥とも取られかねない台詞を聞くことができる。
なお、「公式でおっぱい見えてる」と強弁できる唯一のポケモンでもある。
なんて言ったって乳牛ポケモンなのである。
ちなみに、コロタン文庫の『ポケモン全キャラ2コマまんが全集』では必殺技を欲しがった結果、乳首からすごい勢いでミルクを噴射する必殺技を思いついていた(注:本作は子供向けの漫画です)。流石に本家ではハイドロポンプを覚えたりはしない。そもそも牛乳は脂肪分が多い為、ほのおタイプにぶっかけてもあまり効果はなさそうである。
各メディアで登場する個体はどれも人や他のポケモンに優しく接するおだやかな性格のミルタンクばかりだが、実はかなり逞しくてタフなので、戦闘向きのポケモンでもある(詳しくは後述)。
ゲーム上は進化前は存在しないが、アニメでは角も乳首も無く小柄という、成体とは明らかに違いの有る未発達なミルタンクが確認された。
進化前と言えるほど別種と呼べるかと言うと疑問だし小さいだけと言えばそうなのだが・・・時間経過で成長するのだろうか?
なお、製作陣の話ではミルタンクの乳首部分を描いた時はかなり勇気がいる物だったらしい。
ゲームにおける特徴
HP | 攻撃 | 防御 | 特攻 | 特防 | 素早さ | 合計 |
---|---|---|---|---|---|---|
95 | 80 | 105 | 40 | 70 | 100 | 490 |
種族値もケンタロスの能力値をそのままシャッフルしたような配分をしている(厳密には5ほど違いもある)。
ケンタロスはすばやさ、こうげき、ぼうぎょの順に高いのに対し、ミルタンクはぼうぎょ、すばやさ、HPの順に高い。
そのため物理攻撃に強く、守りに長けたステータスを持つ。その一方とくぼうはやや低めで、とくこうが壊滅的に低い点はケンタロスと共通している。
また、ケンタロスはタマゴ技が使えなかったり四足歩行のため覚える技が限られる事から、ミルタンクの方が圧倒的に技が充実している。
回復技「ミルクのみ」を覚える数少ないポケモンで、自身の回復だけでなく、フィールドで使えば仲間のポケモンにHPの1/5を分け与えることができる。
野生の個体も必ずモーモーミルクを持っており、ほしがるなどで奪い取る事が出来る。
『金・銀』では、モーモーぼくじょうで元気がないミルタンクにきのみを与えるイベントがある。
一定数きのみを与えれば、ミルタンクが元気を取り戻して牧場主からモーモーミルクを500円で購入できるようになる。
SMのアローラ図鑑には、ポケモンの進化系を1ページにまとめた絵が用意されているが、ナゲツケサル&ヤレユータンのような片バージョンしか登場しない対ポジションのポケモン2匹組の一部が同ページにまとめられている例があるように、ミルタンクもケンタロスと別種でありながら同ページにまとめられている。
第8世代ソード・シールドではDLC1 鎧の孤島から登場。いざバトルがはじまると依然として強力なポケモンだが、剣盾の野生ポケモンの例によって草むらの中をのほほんと歩く姿が拝める。
なんとプレイヤーを見つけるとけっこうな速度で走ってくる。牛ポケモンのケンタロスとバッフロンが見つけるや否や突進してくるため、「まさか!?」と初見で恐怖を感じる人も多いが、目の前で停止しとびはねて可愛くアピールするだけなのでご安心を。
加えて、きもったまがいかくを無効にするようになったので、物理アタッカーとしては以前より強く出られるようになった。
使用トレーナー
ゲーム版
※1:ポケモンスタジアム金銀
アニメ版
- アカネ(無印158話)
- ハワード(無印159話)
- ハヅキ(無印265話)
- アキ(DP62話)
- ハル(DP62話)
- ナツ(DP62話)
漫画版
- アカネ(ポケスペ)
ミルタンクが倒せない
ミルタンクは『金・銀』のコガネシティジムリーダー、アカネの切り札として悪名高い。
なぜ悪名高いのかというと、
- 序盤のボスとは到底思えないほどの圧倒的ステータス(ミルタンクは進化しないので、この時点で既に能力が一線級)
- ダメージを蓄積させた努力を見事に水の泡にしてくれる「ミルクのみ」
- HPを一撃で赤ゲージまで持っていきかねない、しかもひるみ効果まであるタイプ一致技「ふみつけ」
- ♂に使われるとこちらの動きを封じられワンサイドゲームになりかねない「メロメロ」
- そして何より一度使われると難攻不落の暴れ馬ならぬ暴れ牛と化す凶悪技「ころがる」の存在
以上の極悪性能が多くのプレイヤー達を苦しめ、トラウマを植えつけた。
中でも「ころがる」は凶悪の一言に尽きる性能であり、なんとこのわざ、命中するたびに威力が倍増し5ターンで最大威力480にまで到達する狂気の必殺技なのである。
上述の通りミルタンクは耐久力に優れており、もたもた倒しあぐねていたらあれよあれよと手持ちが全滅してしまったなんて言うのはざらにある話であった。
特に、ヒノアラシを最初に選んでいたプレイヤーはタイプの相性上ほとんど苦も無くここまで進められるため、その多くが初遭遇する圧倒的脅威を前に呆然とすることになる。
その衝撃たるや初代『赤・緑』でヒトカゲを選んだ場合のタケシとカスミと同等かそれ以上だろう。
どくをはじめとした状態異常にかけるわざや、「なきごえ」、「あまえる」などの攻撃力低下、「すなかけ」や「えんまく」などの命中率低下わざなども組み合わせれば活路が開けるものの、プレイ年数が浅いプレーヤーは補助技を一切入れない傾向が強い(いわゆるフルアタ)ため、とにかくレベルを上げて物理で殴るしかなくなってしまいがちである。
なお、そんなミルタンク対策に使えといわんばかりに♀のワンリキー(NN:きんにく)を交換してくれるNPCがコガネシティにいるが、ある程度以上育てないと弱点をつけるかくとう技「けたぐり」でもHPを容易には削れず(金銀当時のけたぐりは威力50の序盤技扱い)、どんどん威力を増す「ころがる」や「ふみつけ」怯み無双で返り討ちにされるのが関の山。
レベルと種族値の差は相性でも覆せないと嫌でも悟る瞬間である。
それでも先にジムトレーナーとしっかり戦って鍛えておけば、戦力としてある程度の活躍は見せてくれるはず。
幸い、交換で手に入るポケモンなので経験値が多く入り育成しやすいのが救いだが、レベルを上げすぎると言うことを聞かなくなるので注意。
他の救済処置も用意してあって、自然公園に寄り道しておけば「あなをほる」のわざマシンが拾える。
ころがるは一度外せば威力がリセットされるため、あなをほるの回避を利用すれば「ころがる」の威力アップを途中で確実に止めることが出来る。
……が、戦法としてそれを思いつけるかは別の問題であり、当時は使い捨てのわざマシンをここで使ってしまうかどうかの判断も難しいところであった。
また、ミルタンクの前に登場するピッピが連続攻撃の「おうふくビンタ」を使ってくることから、最初に選んだのがワニノコであれば、「いかり」(レベル7で習得)を先頭開始後にすぐに使い、「おうふくビンタ」を受けることで怒りのボルテージを一気に上げ(連続攻撃は1回ヒットする毎に怒りのボルテージを1段階上昇させられる)、無双するという手もある。
最初の一回でアカネに勝てたプレイヤーは、相当のキレ者か豪運の持ち主であったと言えるだろう。
また、46ばんどうろなどで出現するイシツブテの「マグニチュード」や「じばく」で倒したという声も上がっている。
なおアニメでも、サトシが初戦で全く同じ戦法によってポケモンを全滅させられている。(詳細はアニメ版にて)
多くのプレイヤー達の共感を買ったに違いない。
開発側もさすがにこれはキツすぎると判断したのか、リメイク版の『HGSS』ではわざマシンで「まもる」を無限に購入できる(ころがるの威力アップを未然に防げる)ようになった他、ポケウォーカーでガルーラ、自然公園の虫取り大会で特性「テクニシャン」のストライク等、高種族値ポケモンが早めに入手出来る分マシにはなった(ついでに「けたぐり」が仕様変更で命中100になり、ミルタンクに対しては威力が80になる)が、それでも相変わらずの猛威を振るっている。
なお、『HGSS』のミルタンクは特性「きもったま」を持っている影響でゴースにも「ふみつけ」が効いてしまうため、ゴーストタイプで対策を取っていた一部のプレイヤーはプランの練り直しを余儀なくされた。
ちなみにアニポケやポケモンマスターズでは「ころがる」の自主練をしてる様だ…。
サンムーンではわりと早いタイミングでホープトレーナーが使ってくる。
こちらの主力がせいぜいレベル20を越えたあたりにもかかわらず、何の前触れもなく急に一般トレーナーが出してきて「ころがる」で次々とポケモンを撥ね飛ばされ、アカネのトラウマが脳裏をよぎったという報告が次々に挙がっている。
番外作品
『ポケモンGO』
本作屈指のレアポケモンの1つ。
出現率がラッキー、プテラ、カビゴン、ラプラス、メリープ並みに低い。
出現傾向も特にない(強いて言えば街中?)ので、特定の場所で粘ることも儘ならない。
対となる北米限定のケンタロスと異なり、全世界で出現するのは有難いが……。
最近ではシーズンのピックアップで出やすくなっていたことはあった。
通常技で「しねんのずつき」「たいあたり」「ころがる」を、ゲージ技ので「ふみつけ」「のしかかり」「ジャイロボール」「10まんボルト」「れいとうビーム」を覚える。
なお、CP(戦闘力)はそこそこといったところ。
防御力とHPが高いので、どちらかと言えば防衛向けだが、残念ながらハピナス、カビゴン、シャワーズなどと比べるといささか中途半端な数値であると言わざるを得ない。
そうしたこともあり、ジムなどに配置されていることも残念ながらあまりないが、ピンクジムでは配置されやすい。
一方PvPでは通常技が貧弱なせいで立候補すら儘ならなかったが、2022年9月に「ころがる」を習得した。今作では威力が低いが代わりにチャージ率が半端じゃなく高く、タイプ一致の「のしかかり」が3、4.5秒で撃てる。ヨクバリスよりも回収率が高く、金銀のトラウマがまさかの再来となった。
弱点は不意に飛んでくるかくとう技。特にカウンター族には格好の餌食となってしまうので注意。
アニメ版
- アカネのミルタンク
- 無印158話でのサトシとのジム戦では「ころがる」でサトシのヒノアラシ・ワニノコ・ピカチュウ3体全てなぎ倒すという、ゲーム本編におけるトラウマをアニメでも見せつけた。
- 『ころがる』の鍛錬は牧場の丘を利用したもので、坂道を方向転換したり、上り坂を転がって上りきることで技術を磨いていた。
- 再戦ではヒノアラシの体当たりで体力が消耗し、ワニノコの水鉄砲で作った溝でころがるのスピードが落ち、空中に放り出されて身動きが取れなくなった所へピカチュウの10まんボルトを食らい敗れた。
- ハワードのミルタンク
- 無印159話でアカネの親戚の牧場主がミルタンクをたくさん飼っている。なお1匹だけ目つきの悪いふてぶてしいミルタンクがおり、しっぽを掴んだサトシに強烈な蹴りをお見舞いして柵に叩きつけている(直後にしっぽを掴まれるのが嫌いと教われる)。
- ハワードの牧場では、ミルタンクの搾乳作業は専用の機械を用いて行われ、一度に3頭まで搾乳が可能。
- アキのルータン
- DP62話で「メイドカフェやまごや」のポケモンでミルタンク達が登場。アキのルータンは最近ゲットしたらしいが、わがままでマイペースな性格なのか全然アキの言う事を聞かなかった。また食いしん坊で、それまで動こうともしなかったのがタケシがモモンの実をやると言ったら全速力で駆け出すほど。きのみを見つけて木に張り手をかまして実を取った時にスピアーに襲われそうになった所をアキがかばってくれた事から、それ以来アキになつくようになった。
- その他
- サトシ戦では使用していないが、ハヅキも手持ちにしている。
無印 | 207話・225話 |
---|---|
AG | 171話 |
BW | 124話 |
SM | 11話・30話・49話・70話・96話・103話 |
劇場版 | 波導の勇者(おもちゃ) |
漫画版
『ポケットモンスターSPECIAL』
3章からアカネのミルたんが登場。アカネのお気に入りの1匹であり切り札で、「ころがる」や「ばくれつパンチ」といったパワフルな戦いを得意とし、「いやしのすず」という回復手段も持つ。氷の男が作ったスイクンの氷の彫刻と戦った。ジムリーダー対抗戦ではカスミのスタちゃん(スターミー)に敗れる。
関連イラスト
関連タグ
ケンタロス パルデアケンタロス バッフロン テラキオン カプ・ブルル
ピンクの悪魔 ころがる メロメロ(ポケモン) ふみつけ ミルクのみ
ムサシノ牛乳…他作品の牛乳ブランド。
メイドサトシ…カフェやまごやを舞台としたカオス回。
及川雫…B(バスト)の値が105