”史上最強のファンタジー”
はじめに
pixivにおける『ハリー・ポッター』シリーズの作品を投稿・閲覧する際は、キャラクターとしての主人公ハリー・ポッターと区別する「ハリポタ」というタグを付けるのが最も検索における利便性が高い。
また主人公のハリーが含まれている作品には「生き残った男の子」タグを付けるのが効果的である。
概要
イギリスの女性作家J・K・ローリングによるファンタジー小説。本編全7巻。
いわゆるローファンタジーに近い作風で、現実社会の裏側に魔法の世界が広がっているという世界観である。
孤児であるハリーが魔法学校に入学し、両親の宿敵ヴォルデモートと対決するというのが大まかな話の流れ。1巻につき約1年が流れ進級していくので、ちょうど原作の巻数と学年が対応する形となっている。
本小説シリーズを原作として、後述の映画化を担当したワーナー社などが主体となって作中設定を活用した『魔法ワールド』という拡張フランチャイズが派生した。
第1巻『ハリー・ポッターと賢者の石』がロンドンのブルームズベリー出版社から1997年に刊行された。
全く無名の新人(しかも生活保護受給中のシングルマザー)による初作であるにもかかわらず、全世界販売数が5億を突破した世界的ベストセラーに。児童文学の枠を越え、子供のみならず多数の大人にも愛読される、世界的社会現象となった。
ただし、ローリングいわく元々児童書を意識して書いているわけではないとのこと。実際、物語としてもハリーたちの子供時代が終了する4巻からはページ数が増え(日本語版からは4巻から上下巻の分冊となる)、直接的な戦闘や死の描写が増えるなどジュブナイルやライトノベル、ダークファンタジーに近い作風へと変化していく。だが、性描写や過剰な暴力描写はなされてないため、日本のゾーニングでいうと少年漫画くらいの過激さで済んでいる。
これはシリーズがハリーが子供から大人へと成長するにつれて自らの取り巻く世界のことを深く知るようになり、それに応じて物語も深化・複雑化するという構造だからである。
本作は20世紀後半のイギリスにおける階級社会、差別、政治、マスメディアなどの社会状況・時代状況をメタファーや象徴化によって取り込んでおり、原文では人々も現代的な価値観や言葉遣いをするリアルな作品である。
作品の主題は「死の克服とは何か?」であり、7巻のエピグラフ(日本語版では未訳)や作中の墓碑からはキリスト教の死生観からの影響が窺える。ただし、特に宗教が作中で強調されることはない。
後述する映画版の影響も相まって、日常生活に魔法が息づく夢のある世界観が魅力として挙げられることが多い。一方で、ファンタジーらしからぬ生々しく人間味のあるキャラクター描写が評価されている。
映画化以前の原作発売当初から二次創作の人気は高く、特に親世代の学生時代を描く作品の人気は頭ひとつ抜けている。もちろん映画版とビジュアルが一致していないことも多い。
メディアミックス
日本語版とその問題点
日本語版は静山社出版。タイトルは例外なく『ハリー・ポッターと○○の△△(原題:Harry Potter and the〜〜)』という形である。
非常に誤訳、珍訳、表記揺れが多いことで有名。
原作を勝手に捏造した部分も多い。(キャラクターの口調、フォント芸、挿絵の挿入など)
特に悪役ヴォルデモートの一人称を俺様、セリフをおじぎをするのだと訳したことは有名。日本においてヴォルデモートがネタキャラ扱いされる一因を作った。
誤訳は擁護のしようがないが、その他の部分はネタにできるということもあって批判ばかりでもない。原書の雰囲気に近い新訳版を待ち望む声もあるが、実現はなかなか困難のようである。
誤訳・珍訳 日本語版ハリー・ポッターの不思議 Wiki* も参照すると良い。
代表的な誤訳一覧
- ルーナ・ラブグッドやリータ・スキーターなど、原書ではごく普通の口調で話す言葉に、特徴的な口癖や言い回しを付与している。
- ペチュニアが姉、リリーが妹なのが正解
- 邦訳1、2巻では「妖精の魔法」と呼ばれていた教科が3巻以降は「呪文学」と変化しているが、原語はいずれも「charms」。全7巻を通して呪文学や呪文術などと訳するのが正しい。
- セブルス・スネイプが邦訳版では度々発する「猫撫で声」は誤訳。正しくは「柔らかな声」「静かな声」。
- 1巻の論理パズルの「毒入り瓶のある場所は いつもイラクサ酒の左」は誤訳。「You will always find some on nettle wine's left side」は、「あるイラクサ酒の左にはいつも毒入り瓶がある」という意味。つまり、必ずしも毒瓶の右にイラクサ酒がある必要はないということ。
- シリウス・ブラックはハリーの言葉通りの「名付け親」ではなく、「代父/後見人(ゴッド・ファーザー)」である。実際にハリーという名前を付けた本人かは不明。邦訳版7巻でルーピンが「テッドと名付けたんだ、君が名付け親になってくれないか?」という意味不明な発言をしたのは、「godfather」を名付け親としか訳していなかった弊害。
- 5巻においてハグリッドの「on prohibition 」という発言を「停職になった」と訳したが、この発言後も実際は学校で働き続けているため訳の分からないのとになっている。携帯版では「停職候補」に変更されたが、「prohibition」は「執行猶予」の意味であるため、全く訂正になっていない。
- 「ゴドリックの谷」は谷ではなく、あくまで「ゴドリック・ホロウ」という名前の村である。なんなら村に実際谷があるかも怪しい。地名のシリコンバレーをシリコン渓谷と訳しているようなもの。
- 7巻でハーマイオニーの叫んだ「マーリンの猿股!」は原語では「Merlin's pants!」。これは元々ロンが、「Merlin's beard!(マーリンの髭!)(現実の英語圏におけるOh my God!の意味と同じ魔法界の慣用句)」をたびたび下品に改変していた影響を受けてしまったことを示す場面。邦訳版ではそれまで「マーリンの髭」を訳出していなかったため、いきなりハーマイオニーが訳の分からない言葉を叫ぶシーンとなった。
映画版
元々高かった原作人気を押し上げたのが映画化であり、2001年から2011年までワーナー・ブラザーズが映画シリーズとして8作品製作された。(原作7巻のみ前後編で映像化)。
日本国内では現在はワーナーと提携している日本テレビが地上波放送権を持っており、2014年から金曜ロードショー内でよく集中放送したりしている。
※ちなみに『呪いの子』の東京公演(2022年予定)では日本テレビではなくTBSが協賛となっており、それに合わせて映画も同局で放送するとのこと。
1、2作目まではほぼ原作通りのストーリーだったのだが、3作目以降は原作における重要な伏線もカットされることが多くなり、シリーズ全体を通しての脚本という意味ではかなり滅茶苦茶になってしまっている。これは映画と原作が乖離しているというだけでなく、映画版単独の整合性を見ても難があるという意味である。
ただし大幅な改変を行わずシリーズ完結まで至ったこと、原作世界観の映像化を見事に果たしたことやキャスティングの妙などもあり評価は高め。原作とは年齢やビジュアルのイメージが違うキャラも多いが概ね受け入れられている。
映画版第1作「ハリー・ポッターと賢者の石」PV
その後のメディア展開
映画版のビジュアルを使い続けながらも原作の設定に基づいたメディア展開が現在に至るまで多数行われている。詳しくは魔法ワールドの該当部分を参照。
あらすじ
舞台は20世紀末のイギリス。物心付いた時から両親のいない少年ハリー・ポッターは、叔母夫婦に虐待を受け、従兄のダドリーにはいじめられ、10年間惨めな生活を送っていた。
しかし1991年7月31日、11歳の誕生日にホグワーツ魔法魔術学校から入学許可証が届く。魔法使いの世界へと招かれたハリーは、様々な人々との出会いを通して両親の死の真相や自分の秘密を知り、やがて両親を殺害した史上最悪の魔法使いヴォルデモートとの戦いに身を投じてゆく事となる。
ナンバリング
# | タイトル | 作品媒体 |
---|---|---|
1 | ハリー・ポッターと賢者の石 | 小説・映画 |
2 | ハリー・ポッターと秘密の部屋 | 小説・映画 |
3 | ハリー・ポッターとアズカバンの囚人 | 小説・映画 |
4 | ハリー・ポッターと炎のゴブレット | 小説・映画 |
5 | ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団 | 小説・映画 |
6 | ハリー・ポッターと謎のプリンス | 小説・映画 |
7 | ハリー・ポッターと死の秘宝 | 小説・映画 |
8 | ハリー・ポッターと呪いの子 (※後日譚) | 演劇・脚本 |
主なキャラクター
全キャラクターリストは記事魔法ワールドの住人一覧を参照。
キーパーソン
主役3人組
ハリー、ロン、ハーマイオニーという同級生の友人3人組。全員が勇気を重んずるグリフィンドール寮。後に闇の魔術への防衛を自学するダンブルドア軍団を結成。
主人公。クシャクシャの黒髪に緑色の瞳に丸眼鏡をかけた細面の少年。額には稲妻型の傷。赤子の時にヴォルデモートに両親を殺されるも、自身は額の傷だけで死の呪いから史上唯一生還した「生き残った男の子」。非常に正義感が強く、勇敢。後に「選ばれし者」として、ヴォルデモートとの因縁を受け入れ、対闇の陣営の象徴的存在となる。ペットは白ふくろうのヘドウィグ。
ハリーの親友。赤毛にそばかすの長身の少年。名家で大家族のウィーズリー家の6男。兄たちが優秀でハリーも有名人なためコンプレックスが強い。冗談好きで少し皮肉屋なムードメーカー。ペットはネズミのスキャバーズだったが、4巻からはマメふくろうのピッグウィジョン。
ハリーの親友。栗色のふさふさした髪の少女。マグル(非魔法族家系)出身だが、非常に勉強熱心な秀才で成績は学年一位。しっかり者で、3人組の頭脳担当。ペットは猫のクルックシャンクス。
不死鳥の騎士団など光の陣営
ホグワーツ魔法魔術学校の校長ダンブルドアが率いる、対ヴォルデモートの陣営。
今世紀最も偉大な魔法使いとされる、ホグワーツの現校長。銀の長い髪と髭に半月眼鏡をかけた老魔術師。ヴォルデモートが唯一恐れる人物であり、戦闘力は作中最強格。茶目っ気のある人物だが、マキャベリ的な策士の顔を持つ。対ヴォルデモートの秘密結社不死鳥の騎士団のリーダー。
ホグワーツの魔法薬学教授。ハリーたちグリフィンドール寮とはライバルであるスリザリン寮の寮監。ねっとりとした黒髪に鉤鼻の陰険な男。なぜかハリーを憎んでいる。ハリーの両親を巡る因縁に関わるらしいが……。不死鳥の騎士団のメンバーでありながら死喰い人であり、謎に包まれている。
3巻でホグワーツの闇の魔術に対する防衛術を教えた教授。生徒人気の高い名教師であり、性格は穏やか。ハリーの父ジェームズやシリウスの親友であり不死鳥の騎士団のメンバー。薄茶色の髪に白髪が混じった見すぼらしい身なりの苦労人。「守護霊の術」をはじめ、ハリーに初めて闇魔術への防衛を教えた師。
ハリーの母親。物語本編では既に故人。赤毛に緑の瞳の美女。マグル出身で、非常に優秀な魔女だった。ジェームズ、シリウス、リーマスと同じく不死鳥の騎士団のメンバーだった。ヴォルデモートから息子ハリーを庇い若くして死亡した。
ハリーの父親。物語本編では既に故人。息子ハリーと瞳以外は生き写し。非常に優秀な魔法使いだった。シリウスやリーマスの友人で彼らの中では中心だった。不死鳥の騎士団のメンバーだった。ヴォルデモートからリリーとハリーを庇い殺害される。
死喰い人など闇の陣営
ヴォルデモート卿が率いる。その従者は死喰い人と呼ばれ、魔法族の血の優位性をイデオロギーに活動している。
ダークロード(闇の帝王)。開闢以来最悪・最強の闇の魔法使いとして魔法界を震撼させた。その名を呼ぶことすら恐れられた結果、もっぱら「例のあの人」(you know who)などと呼ばれる。紅色で蛇のような瞳に髪や鼻が存在しない顔という怪異な容貌の男。ハリーの両親を含む数々の人間を殺したが、赤子だったハリーだけは殺せず、逆に魔法を跳ね返された。本編開始時点では死亡扱い。
死喰い人筆頭で、非常に強力な魔女。黒髪の美女で、ヴォルデモートに心酔している。エキセントリックな性格の戦闘狂で、相手を傷みつけることに快楽を見出す。シリウスと同じくブラック家の出身。ネビルとはただならぬ因縁がある。
野心と狡猾さを重んじるスリザリン寮の同級生。プラチナブランドに尖った顎の男子。家柄や財産を鼻にかけ、何かとハリーと張り合う嫌味な人物だが、どこか憎めないところがある。父ルシウスが死喰い人であるため、否が応でも闇の勢力へ巻き込まれていくこととなる。
ハリーの父ジェームズとシリウス、リーマスらと共に友人だった男。ポッター夫妻と共に死亡したらしい。グリフィンドール寮らしからぬ臆病な小物だと評されることが多いが、戦争に様々な影響を残した。
ヴォルデモートのペットの大蛇。彼が唯一愛情を何かに向けることがあるとすれば、それはナギニであるという。
?
第三巻で登場した、魔法界の監獄アズカバンからの脱獄者。闇の帝王にハリーの両親の隠れ家を教えて死の原因を作り、12人のマグルと、一人の魔法使い(ピーター・ペティグリュー)を指一本を残して一度に殺害した咎で収監される。闇の帝王の復讐としてハリーを狙うために脱獄したと目されている。
その他の主要キャラクター
ホグワーツの生徒
ロンの妹。ハリーたちと共にダンブルドア軍団の中心メンバー。ハリーのことが低学年の頃から好き。四年生でダンブルドア軍団に加入し、戦いに巻き込まれていく。
ハリーたちの同級生のグリフィンドール寮生。不器用で物忘れが激しく、祖母や教師の叱責を恐れ自分に自信がない。しかし、臆病を自覚しながらも自らの義務と責任を果たさなければならない時には覚悟を決めることができる。五年生でダンブルドア軍団に加入する。
英知を重んじるレイブンクロー寮の少女。ダンブルドア軍団の中心メンバー。目に見えないものを信じており、周りからは変人だと思われている。精神的な面でハリーの理解者となる。
ロンの兄でウィーズリー家の双子。悪戯好きで陽気な人気者。ダンブルドア軍団。
勤勉と公正を重んじるハッフルパフ寮の優等生で人望も厚い。ホグワーツの代表に選ばれるほど優秀な魔法使い。ハリーとは3巻、4巻で勝負する。
レイブンクロー寮のアジア系の美女。ハリーの初恋の相手。セドリックの恋人だった。ダンブルドア軍団。
スリザリン寮でドラコ・マルフォイの意地悪な腰巾着2人組。体は大きいが抜けている。
スリザリン寮。ドラコのガールフレンド的存在で、ハーマイオニーとは犬猿の仲。
ホグワーツ関係者
ホグワーツへの入学証を届け、両親を亡くしてから初めてハリーの誕生日を祝った相手となった大男。ホグワーツの森と鍵の番人をしている。不器用で失敗も多いが、動物を愛する純朴で優しい好人物。不死鳥の騎士団のメンバー。
副校長で変身術の教授でグリフィンドール寮の寮監。四角い眼鏡にひっつめた髪の初老の魔女。厳格で公正。非常に頭脳明晰であり、魔術の技量も高い。自身を動物にする上級魔法を使用して猫に変身できる。不死鳥の騎士団のメンバー。
呪文学の教授でレイブンクロー寮の寮監。ゴブリンの血を引いており非常に小柄。
薬草学の教授でハッフルパフ寮の寮監。薬草の世話でいつも泥だらけ。
医務室の頼れる養護教諭。マダム・ポンフリーと呼ばれる。
管理人。生徒を目の敵にしているので嫌われている。猫のミセス・ノリスを溺愛。
ホグワーツ城に取り憑いているポルターガイスト。日常的にどこかで混乱を引き起こしている。
ハリーの一年目のホグワーツで闇の魔術に対する防衛術の教授を担当した。神経質で常におどおどしている上にどもっている。
ハリーの二年目で闇の魔術に対する防衛学の教授を担当する。豊かなブロンドのハンサムで笑顔もチャーミングなため主婦や女学生に大人気。数多くの功績を持ち、受勲に至っている完璧超人だが自己顕示欲が強い。その教授方法には問題があり……。
占い学の教授。デタラメを連発するが、ダンブルドア曰く一度だけ本当の未来視をしたことがあるという。
引退していたがハリーの六年目で薬草学の教授として再雇用された高齢の先生。優秀な生徒を集めたクラブを校内で主宰し、卒業後も彼らとコネクションを保つことで各界に影響力を持つ。
ハウスエルフ。マルフォイ家に隷属していたが、ハリーがきっかけでホグワーツで働くように。
ウィーズリー家
ロンたちの両親。夫アーサーは赤毛で眼鏡のマグル文化マニアで、閑職の魔法省職員だが人望がある。妻モリーは赤毛で少しずんぐりしている専業主婦で、ウィーズリーの大家族の中心。
ロンたちの兄。ウィーズリー家長男。長髪をポニーテールにしたイケメンの銀行職員。完璧超人。
ロンたちの兄。ウィーズリー家次男。無類のドラゴン好きで仕事でも関わっている。
ロンたちの兄。ウィーズリー家3男。眼鏡をかけている。秀才で野心家。
不死鳥の騎士団
通称「マッド-アイ」で、その名の通り片目は魔法の義眼。かつて魔法省勤務の闇の魔法使い捕獲人闇祓いとして活躍していた傷だらけの老戦士。非常に警戒心が強い。
現役の闇祓いでムーディの弟子。快活な性格でピンク色の髪の若い魔女。自在に体の特徴を変化させる特異体質。シリウスやベラトリックスと同様ブラック家の出自だが、父はマグル出身。
現役の闇祓い。スキンヘッドにピアスをした黒人。落ち着きのある性格。高い戦闘能力を持つ。
死喰い人・マルフォイ家・魔法省
ハリーのライバルドラコ・マルフォイの両親。夫ルシウスは名門マルフォイ家の当主で裏の顔は死喰い人。息子と容姿も内面も似ている。妻ナルシッサは死喰い人ベラトリックス・レストレンジの妹。銀髪の美女で息子を溺愛している。
かつてアズカバンで獄中死した死喰い人の少年。魔法省の高級官僚クラウチの息子で非凡な秀才だった。
狼人間のリーダー格。自らを差別する魔法族を憎悪し、その血を流すことを当然の権利と考える。残虐な性情で、子供を特に好んで食べる。
シリウス・ブラックの弟。ブラック家の家風に忠実に死喰い人へ加わる。しかし、闇の帝王を恐れて逃げ出し殺されたという。
魔法省官僚。少女趣味の装飾を好み、猫なで声で話す、ガマガエルのような顔の魔女。死喰い人でこそないが、半人間を迫害する法案を可決するなどその性格は邪悪そのもの。ハリーの五年目のホグワーツへ政府の威光の下に直接的な干渉を行い、政府の見解を生徒や教員に強要したりマイクロマネジメントを行う。20世紀後半の英国で政治が教育に介入したことを象徴的に描いたキャラクター。
魔法大臣。好人物のように見えるが、保身と虚栄に取り憑かれるようになる。ダンブルドアと決別し、アンブリッジを指示する。
魔法界の新聞の記者。執筆する記事は中傷や断片的な事実からセンセーショナルな文脈を捏造したものばかり。低劣なイエロージャーナリズムの擬人化とも言える女性。
過去の魔法使い
50年前にスリザリンに在学していたハンサムな青年。謎の怪物から生徒たちを救ったという。どこかハリーと似ている。
1945年にダンブルドアとの決闘に敗れ失墜した闇の魔法使い。ヴォルデモートの出現によりその悪行が霞んでいるものの、一時は欧州を自らの信奉者により支配していた存在。何故かダンブルドアは彼との直接対決を長いこと避けていたらしい。
マグル(非魔法族)
ハリーを養育したマグル。恰幅の良い男性で穴開けドリル製造会社の社長。アナクロニスムな価値観を持ち、非現実的なことを恐れ、嫌悪する。
ハリーを養育したマグル。馬のような首の女性で専業主婦。病的な綺麗好きで近所を詮索ばかりしている。ダンブルドアから手紙をもらい、ハリーを育てるように頼まれた。
ダーズリー家の息子でハリーのいとこ。当初は意地悪で我儘な肥満児だったが……。
用語・設定
ホグワーツ
主人公ハリーらが在学する魔法使いの学校。
スコットランドにある美しく荘厳な城で、古代からの魔法が隅々までに蓄積されている史跡でもある。
中には無数の仕掛けがあり、階段が動くのはもちろんのこと魔法の近道や出現したり消えたりする部屋がなどがある。それら全てを把握している者はおそらく誰もいない。
喋る肖像画やゴーストなど、生徒以外の住人も多い。
ロンドンのキングズ・クロス駅の9番線と10番線のちょうど3/4あたりの壁に突っ込むと入れる駅からホグワーツ特急に乗って行くことができる。
11〜18歳まで学ぶ全7年制であり、入学時に生徒は組み分け帽子を被りつ4つの寮(ハウス)に振り分けられる。
学ぶ教科は呪文学や変身術、魔法薬学(ポーション)に薬草(ハーブ)学、そして闇の魔術に対する防衛術など。
天文学や史学といった座学もある。
各寮の5年生以上から男女1名ずつ生徒間の風紀を取り締まる監督生が選ばれる。最高学年の7年時にはそれとは別に首席(ヘッドボーイ/ヘッドガール)が選ばれる。
ホグワーツの4つの寮。生徒は寮の仲間と談話室で寝食を共にして共同生活する。寮間にライバル意識が少なからずあり、年度末の優勝杯のために得点を競い合う。(生活態度や成績などで寮ごとに加点・減点がされる)
グリフィンドール | スリザリン |
---|---|
勇敢 大胆 騎士道 / 赤と金 / 獅子 | 野望 狡猾 伝統 / 緑と銀 / 蛇 |
ハッフルパフ | レイブンクロー |
勤勉 誠実 忍耐 / 黄と黒 / 穴熊 | 英知 学問 個性 / 青と銅 / 鷲 |
作品に度々登場する架空のスポーツ。
リアル界のサッカーやバスケットボールに似ていて、チームで戦う。
大きな特徴は、プレイヤーが箒にまたがっていて派手な空中戦を繰り広げること。
ホグワーツでは寮ごとに代表チームがあり、シーズン中は総当たりで対戦を行う。
花形ポジションはシーカーで、ハリーやドラコがこのポジション。
魔法族
原語ではウィザード/ウィッチ。ハリーたち作中の登場人物のほとんどがこれ。杖と呪文を使い科学を超えた力を操る。(時には魔法薬も用いるが、その調合には必ず杖を使うプロセスがある。)
世界中に存在しているが、魔法界の法律により存在は秘匿され、一般人からは隠れて生活している。
独自の伝統と文化を持つが、非魔法族の文化や科学技術ともある程度は融和している。
だいたいの子供は7歳ごろに魔力の片鱗を示し、イギリスでは11歳の誕生日にホグワーツへの入学許可証が届く。そしてちょうどホグワーツの6、7年生となる17歳に成人とされる。
一般的に非魔法族よりも長命、マグルもかかる傷害・病気(つまり魔法的でない病気)にかかることもあるが、全て治癒することができる。
マグルもかかる傷害・病気、と先述したが、単にマグルと魔法族社会が分かれていて危険が少ないだけであり、マグルも魔法的な傷害・病気にはかかり得る。
この記事を読んでいる我々の事。つまり魔法が使えない代々普通の人間を指す。
稀にハーマイオニーのような魔法を使える者が現れ、ホグワーツに招待されている者はマグル生まれの魔法使い・魔女と呼ばれる。
逆に魔法使いの家系に生まれながら魔術が使えない者を「スクイブ」と言う。
語源は「騙されやすい人、カモ」という意味の俗語mug。愚かさと愛嬌両方の印象を持つ名前を考えたところ、この言葉が浮かんだと原作者は話している。
マグルと交わっていない代々魔法使いの家系を指す。シリウスの家系はまさにこれ。
魔法界の上流階級でもあり、スリザリン出身者が多い。
また純血であることを誇りマグルの血筋を「穢れた血」(マッド・ブラッド)と見做す風潮を「純血主義」と呼び、一般的には好まれない思想だが、未だに社会から完全に消え去ってはいない。
実のところ本当にマグルの血が入っていない家系はもう存在していなかったりする。
ドラゴンをはじめとする魔法界特有の動物や、ヒトに近しい存在であるハウスエルフやゴブリンなどのこと。魔法使いと同じくマグルの目からは隠れて生活している。
魔法
魔法使いが使う道具。杖が魔法使いを選び、同じ杖は一つとしてない。魔力に指向性をもたらす。あくまで魔法は魔法使いの技能に左右され、杖に個性はあれ優劣はない。ただしその例外として、接骨木(ニワトコ)で作られ、決闘により所有権が移動する最強の杖があるという伝承がある。
魔法使いが使う術のこと。魔法(スペル)、魔術(チャーム)、呪い(ジンクス)、呪詛(ヘックス)、闇の魔術(カース)などを総称する。また魔法薬(ポーション)や魔法の物品なども含む。人を殺す魔法はあるが、蘇らせる魔法はない。
魔法社会
魔法使いの社会を統治・管理する組織のこと。名前は違えど世界中にある。イギリスにあるのは魔法省でマグルの首相と連絡も(一応)取り合っている。ちなみにホグワーツは魔法省からある程度独立している。
原語ではオーラー。闇の魔法使いを捕らえる戦闘のプロ集団で、魔法省に所属。
ともに魔法使いしかいないエリアで、様々な店や施設がある。ホグズミードはホグワーツの近くにあり、3年以上の生徒がよく遊びに行っている。
イギリス魔法界の監獄。ディメンターといううつ病を擬人化したようなモンスターが看守を務める北海の孤島。
戦闘組織
原語ではデスイーター。闇の陣営であり、ヴォルデモートを支持し彼のために戦う魔術師たちのこと。過激な純血主義をイデオロギーとし、敵対勢力とマグルの支配・殲滅を目論むテロ組織。全員二の腕に刻印があり、主人からの招集時には焼けつく。旧支配者階級である純血名家の者も多く、中には政財界で大きな権力を持つ者もいる。普段は仮面をつけて活動し、メンバー全員の顔と名を知るのはヴォルデモートのみ。人狼や巨人、吸魂鬼といった闇の生き物と呼ばれる者たちを味方につけている。
野望や血統を重んじるスリザリン寮出身者が多いが、他寮の出身者も存在する。逆に、スリザリン出身者が全員闇の魔法使いというわけではない。
原語ではオーダー・オブ・フェニックス。ヴォルデモートと死喰い人に対抗する陣営。ホグワーツ校長アルバス・ダンブルドアが創立した秘密結社。メンバーは教職員から闇祓い、バーテンやならず者、果てはスクイブに至るまで多様。ポッター夫妻を殺した後ヴォルデモートが失踪したので、本編開始時点では解散状態だった。
通称DA。ハリーを指導者とし、学生のみで防衛術を学ぶ組織。ハーマイオニーの提案により結成した。スリザリン寮以外の全ての寮の様々な学年から構成される。ハリーらトリオの他にネビル、ジニー、ルーナが中心メンバー。一部メンバーは不死鳥の騎士団と共に戦い、特に最終決戦では多くのメンバーが戦った。
魔法史
ホグワーツの共同創設者で、寮の名前の由来となった4人の魔法使い・魔女のこと。ゴドリック・グリフィンドールとサラザール・スリザリンは親友だったが決別したという。
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※記事ウィザーディング・ワールドのグループ系タグの一覧を参照
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※記事ウィザーディング・ワールドのカップリング一覧を参照
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※記事ウィザーディング・ワールドのBLカップリング一覧を参照
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※記事ハリポタ百合を参照
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