岐阜県

ぎふけん

岐阜県とは日本の都道府県の一つである。

概要

中部地方の県で、県庁所在地は岐阜市。律令国の美濃国と飛騨国に相当する県域を持つ（ただし2005年 2月、長野県木曽郡山口村に属した中山道信州馬篭宿を含む長野県の一部が越境合併により岐阜県中津川市に編入された）。

隣接県は、北に富山県、北西に石川県、福井県、西に滋賀県、南西に三重県、南に愛知県、東に長野県となる。

県の面積自体は広いのだが、北部の飛騨地方には多くの険峻な山間部を抱えているため、人口の大部分は濃尾平野が広がる南部の美濃地方に占められている。

更に美濃は大きな川が多いことに加え、東西の境界地域ということもあり古来より戦の舞台であり、関ヶ原の戦いでは主戦場となった。これらから信濃と同じく国内が小藩の群雄割拠、割れたビスケット状態に割り振られ、広域で大規模な産業発展は進まず、小さな地域単位での伝統産業やものづくりが続いており、またそれぞれの強固な団結力を見せる地域性を持つに至る（輪中根性）が、県全体で見ると各地域が見事にバラバラでまとまらない県でもある。

地域の特色

元より美濃と飛騨は別の国だが、美濃の中でも県東部と県西部では全く異なる文化を見せる。

東濃は隣県である長野県に跨がる古来より銘木と名高い木曽林を持ち、酷暑で有名な多治見市を中核に中央自動車道で物流を形成し、西濃に遜色ない産業誘致を成功させている。

土岐市は美濃焼産地から始まって現在では全国シェア一位の陶磁器出荷率を誇る。

中津川市は和菓子の栗きんとん(栗茶巾)発祥の地。

古来より信濃との国境争いが勃発していた地域である恵那市の岩村は「農村景観日本一地区」として名高く、日本三大山城の一つとして名高い岩村城址が存在する。標高721ｍという高所に今も残る無骨な如何にも戦乱期の建築物らしい石垣は一見の価値あり。城址直下まで自動車で登る事が出来るのもポイントである。

2018年のNHK連ドラ「半分、青い。」で登場する。

中濃は日本三大和紙の一つ・美濃和紙の産地である美濃市と、世界三大刃物3Sとしてゾーリンゲン（ドイツ）、シェフィールド（イギリス）に並び称される全国刃物出荷数一位の関市を擁する。

平成の市町村合併により関市は旧来を比較するだに途轍もない広さとなり、地図で見るとまるで美濃市をＶ字に包囲するかのような、些か妙な形をしている。

この地域は中世において織田信長が美濃攻略を進める上で分水嶺となったことでも有名な要衝でもある。

北に抜けると奥美濃と称される郡上八幡、すなわち郡上市に到達し、そのまま長良川と荘川の分水嶺を越えて飛騨に至る。

郡上市中心市街地は景観保存が行き届いており長良川の川の幸も美味である。連歌の名人として古今伝授も受けた事で有名な飯尾宗祇が詩を詠んだ宗祇水も郡上にある。

加えて郡上には四百年の歴史を誇り、江戸中期から続く日本三大盆踊り、日本三大民謡に数えられる郡上おどりが七月中旬から九月下旬に至るまで開催され、特に８月13日から８月16日までは四日間、夜通しで踊り通すのが他の踊りに無い特徴と云える。保存会も大正の頃から活躍し、夜通し期間中に訪れる観光客は延べ25万人とされる。

　東濃では古来より信濃と美濃とで常に国境争いが勃発していた現恵那市の岩村には日本三大山城の一つとして名高い岩村城址が存在する。標高７２１ｍという高所に今も残る無骨な如何にも戦乱期の建築物らしい石垣は一見の価値あり。城址直下まで自動車で登る事が出来るのもポイントである。岩村は他にも「農村景観日本一地区」として名高く、また、恵那峡にはテーマパークを含め各種娯楽施設が整っている。

　東濃の恵那と接する八百津町には第二次世界大戦、リトアニアの領事として勤務しナチス・ドイツから逃げてきたユダヤ系難民に「命のビザ」を退去間際まで発行し続け、六千名もの難民を脱出させた事で知られる外交官、杉原千畝の史料が展示されている杉原千畝記念館が建設されており、加えてこの一帯は「人道の丘」という名の自然公園として整備されている。大部と時間がかかったが杉原千畝の名誉も日本政府より公式に回復され、杉原千畝が主役となる映画、「Sugihara: Conspiracy of Kindness」「杉原千畝　スギハラチウネ（英題　Persona non grata）」やドラマ、「終戦60年ドラマスペシャル日本のシンドラー杉原千畝物語・六千人の命のビザ」が放映されもした。「杉原千畝　スギハラチウネ」での敵役の1人である大島浩駐独大使も岩村町出身であるというのは因果なものである。

県庁所在地である岐阜市周辺の岐阜地区は、隣の愛知県の名古屋市から電車で最速20分の距離にあり、名古屋のベッドタウンとして利便性の高い地域。

金華山と長良川の組み合わせがランドマークの岐阜市はかつてこの地を制した織田信長を愛するが、JR岐阜駅前に黄金の信長像を立てたことは市民から不評だったりする。宮内庁式部職鵜匠による伝統の長良川鵜飼が有名であるが、美濃和紙を使用した伝統工芸品の和傘は地味に全国トップシェアで、盆提灯の産地としても有名。『僕らはみんな河合荘』、『僕は友達が少ない』などの舞台でもある。

また、岐阜駅近辺に広がる金津園は東海圏でも有数の歓楽街として有名で、実は明治期に開拓された金津遊郭が始まりという古い歴史を持つ。一角全体が性風俗産業に割り当てられている為に利便性が良く、近県からも来訪する客が多い。

各務原市は日本最古の飛行場と航空自衛隊・陸上自衛隊の基地を持つ軍都であり、飛行場周辺には川崎重工を中心とした航空機関連企業が軒を連ねる、全国有数の航空宇宙産業の街。市内に入ると戦闘機の爆音が聞こえるのが常だが、異種編隊飛行が名物の航空祭は毎年多くの人で賑わう。『ひそねとまそたん』の舞台である。

2018年5月現在、この「ひそねとまそたん」が近年相次いだ岐阜県を舞台としたメディア作品の舞台としては最新である（但し近年のアニメ話数は通常1クール、長くて2クール程度のため、連ドラ「半分、青い。」より後まで流れるかは不明）。

羽島市は県内唯一の東海道新幹線の駅があるが、周辺地域からのアクセスが悪いため宝の持ち腐れ感が拭えない。

本巣市には濃尾地震の震源地となり直下型地震の活断層がある事で有名になった根尾谷があり、根尾谷断層は国の特別天然記念物に指定され、近隣には日本三大桜の薄墨桜が存在する。日本三大酷道の一つに数えられる国道418号線の道中、温見峠の『危険　落ちたら死ぬ！！』の看板も有名。

西濃は東海北陸自動車道から名神高速道路の接続に加え、東海環状自動車道の通過により信濃方面へのアクセスも格段に良くなっている。

大身となった大垣藩の大垣市が中心都市であり、『聲の形』の公開により、水路が巡る水の都として最近更に名を上げている。コンクリートによる大垣城の天守閣復興がなされており、近年にはこの大垣城を往年の総木造に建て替えようという運動が密やかに広まってきている。

そこから更に西進し、関ヶ原町に到着すると、関ヶ原の戦いで西軍と東軍が武力衝突した関ヶ原古戦場が保存されており、秀逸という他ない。近隣には関ヶ原ウォーランドというテーマパークも存在するが、打って変わってこちらの見所は古戦場に比べればかなり乏しい。

古今著聞集に記されて「汲んだ水が酒になった」と有名な親孝行の伝説「養老孝子伝説」の地である養老町の養老の滝は日本の滝百選、名水百選に選ばれているが、この近辺が飛騨牛というブランドで美味な牛肉を饗する地域であることは意外と地元以外に知られていない。

海津市や輪之内町といった南濃は、木曽川・揖斐川・長良川のいわゆる木曽三川が集中する地。大河が三本集まるその景観は壮大だが、水害に苦しめられてきた歴史があり、岐阜の子供は小学生の頃に社会科でこれについて学ぶ。

飛騨は金森長近によって整備された都市景観と、三大山車祭として全国的にも名高い高山祭を開催する事で有名な飛騨高山という県最大の観光地を有する。『氷菓』をはじめとする多くの作品の舞台にも使われている。

世界文化遺産の白川郷がある白川村は、東海北陸道によって近年、太平洋から日本海まで貫通したことで南北からのアクセスや連絡は共に非常に良くなった。『ひぐらしのなく頃に』の雛見沢のモデル。