☕概要
生豆(コーヒーノキになる果実の種)を煎って挽いた粉。または湯や水を使って前述した粉から成分を抽出した飲料。「珈琲」と表記する場合もある。
多数の国で飲まれている嗜好飲料のひとつ。生産のほとんどは「コーヒーベルト」と呼ばれる赤道に近い地域で行われ、世界各地に輸出されている。
お茶と喫茶嗜好を二分する飲み物。お茶と同様に、喫茶店、家庭、街頭のあらゆる場所で飲まれている。日本ではどちらかというと男性・中年・女子大生等の層を中心に好まれる傾向が強い。これに対し青少年、熟年層ではどちらかというとお茶が好まれる。
ブラックコーヒーを筆頭に、中二病(厨二病)におけるアイテム・ツールの一種としても扱われ、「(自分にとって)うまくもないコーヒーを飲み始める」という現象は代表格の一つ。これは、「大人ぶりたい」「映画やアニメの人物・キャラのマネをしてみたい」「カッコつけたい」などが当て嵌まるだろう。
加工の工程
コーヒーノキの栽培と果実の収穫、生豆の取り出し(精製)、選別・格付けは生産国でされることが多い。
消費地で輸入した生豆を焙煎する。焙煎された豆や粉、抽出液、または液から加工した製品が消費者に提供されることが多いが、個人で焙煎をする人もいる。
コーヒーの淹れ方
ウォータードリップ
マキネッタ(直火式エスプレッソメーカー)
コーヒープレス(フレンチプレス、メリオール)
コーヒーバッグ(コーヒーパック)
パーコレータ
イブリック
コーヒーのバリエーション(アレンジレシピ)
アメリカンコーヒー カフェオレ カフェロワイヤル ウィンナーコーヒー
カフェラテ カフェモカ カプチーノ デザインカプチーノ ラテアート
コーヒー牛乳(コーヒー入り乳飲料)
アイリッシュコーヒー (コーヒーを使ったホットカクテル)
ベトナムコーヒー (練乳を底に入れてコーヒーを注ぐ)
タンポポコーヒー (コーヒーという名がついているがコーヒーではない)
塩コーヒー (エチオピアやカリブ海地域で飲まれているが、某アニメでは大量に入れている。)
インスタントコーヒーと缶コーヒー
食品加工技術の発展に伴い、より手軽にコーヒーを飲むことができるようになった。
また、これらの製品の登場により、それまでの飲む直前に豆や粉から淹(い)れるコーヒーを「レギュラーコーヒー」と呼んで区別するようになった。
缶コーヒーはかなりガラパゴスな文化で、日本式コーヒーといえる存在である。
UCCミルクコーヒー ジョージア BOSS マックスコーヒー
コーヒーを取り扱うお店
コーヒー器具
軍隊とコーヒー
現在多くの国の軍隊のレーションにはコーヒーが同封されている場合がほとんどである。これは、戦闘行動中の軍隊は基本的に禁酒であるため、酒類に代わる嗜好飲料として提供されているためである。飲みなれたコーヒーを提供することで兵士のストレス解消を図る他、コーヒーの香りによる食欲増進や、コーヒーに含まれるカフェインによる覚醒作用などが期待される。このため、戦争等によりコーヒーの輸入が滞ると、代用コーヒーが供される場合がある。
また、戦闘地域において清浄な水を確保できる可能性は低く、多少異臭などがあっても抵抗無く飲めるようにと、インスタントコーヒーはじめとする粉末飲料が配布される。
コーヒーと健康
昔からコーヒーの健康への影響については様々な論議が繰り返されている。
現状では「適度かつ適切に飲めば健康につながる」という論に落ち着いている。
カフェイン
コーヒーに含まれるカフェインは、覚醒作用や利尿作用等で知られるが、カフェイン耐性の弱い西欧人などはこの効果が大きく出るが、アジア人にカフェイン耐性の無い人は稀であり、コーヒーに含まれる程度のカフェイン(60mg/100mℓ)で覚醒作用が出ることは少ない。
ちなみに日本茶の最高製品玉露のほうが、コーヒーの2倍強(160mg/100mℓ)もカフェインを含んでいる。
胃を刺激し、胃酸の分泌を促進するため、消化の補助もしてくれる。食後のコーヒーはそうした点で理に適っている面もある。
ただし呑み過ぎは胃酸の分泌を必要以上に促進するともいわれ、胃が弱い、もしく胃が荒れやすい人は、摂取量を調整する必要がある。
ポリフェノール
飲料の中ではワインに比肩されるポリフェノール含有量がある。
コーヒーのポリフェノールは、血管と新陳代謝に作用し、また神経系への刺激とリラックス効果を持つとされる。
目安としては「1日2杯~5杯(※一般的な濃さで作った場合)」程度。
上記のカフェインとの関連もあって、個人で許容量を判断して飲用したい。
コーヒーの実
もっぱらコーヒーと言えばコーヒー豆であるが、コーヒー豆は果実の種子である。コーヒーの果実は「コーヒーチェリー」と呼ばれ、赤い実(黄色もある)で果肉部分は少ないが甘酸っぱい。
元々は果実として食べられていたのではないかともいわれている。
コーヒーの主なブランド/産地
モカ
原産地のコーヒー。かつてイエメン・モカの港から世界各地に輸出されたことから。イエメンとエチオピアのコーヒーを広く指し、特にイエメン産に限る場合はモカ・マタリと呼ぶ。香り高く、爽やかな酸味と仄かな甘みが特徴。
キリマンジャロ
タンザニア産のコーヒー全般を指す。同国にあるアフリカ最高峰キリマンジャロが由来。本来はキリマンジャロ山の標高2000m前後の地域で生産されたものを指した。強くすっきりとした酸味が特徴。
ブルーマウンテン
最高級のコーヒー豆とされる。ジャマイカのブルーマウンテン山脈の限定された地域で生産されたもののみがこのブランドを用いられ、公的機関により厳しくチェックされてから輸出される。味わいは苦みや酸味、甘み、コクなどのバランスが取れていると評される。
コーヒーの歴史
コーヒーの起源には伝説が多い。原産地はエチオピアと推定され、今でも野生のコーヒーノキが自生している。
伝説では、アラビア半島・現代でいうイエメンはモカの地に住むシーク・オマールという祈祷師が発見したという。オマールは病気を治療したモカの王女に恋してしまい、モカ王によって追放されてしまった。空腹に苦しみながら山中を彷徨うオマールは、樹上で美しく鳴く小鳥を見かけた。その声の美しさに思わず手を伸ばすと、枝には果実が実っているだけであった。この果実をスープにすると、香りの良い飲み物になり飲めば不思議な力が湧いてきた。オマールはこの飲み物の話を伝え、街に戻ることを許された。これがコーヒーの発見であったという。これは13世紀ごろの話であったが、実はそれ以前からこの不思議な飲み物については記録に登場しており、ラーゼスというアラビアの医師が強心消化の薬として患者に飲ませたという900年前後の記録が初出らしい。
そしてコーヒーはイスラム修行者の秘薬として中近東各地に広まった。コーヒーの木もエチオピアからイエメン、そしてセイロンにまで伝えられた。しかし淹れ方は現代日本の一般的な方法とは異なる。トルコを代表とした中近東及びギリシャ等では、今でも鍋で水と粉で煮出す伝統的な淹れ方が愛用されている。
ヨーロッパへの普及については1683年、トルコ軍の第二次ウィーン包囲の逸話がよく知られている。リュディカー率いるオーストリア軍は包囲に耐え、ポーランド軍等の支援でトルコ軍は敗走した。その遺棄物資には大量の奇妙な豆があった。トルコ文化に詳しく密偵・伝令として活躍したコルシツキーという男がこの豆を引き取り、ウィーンに最初の喫茶店を開いて大盛況であったという。
しかし1650年にはレバノン出身のジェーコブズという男が英国のオックスフォードでコーヒー店を開いて学生の人気を集めたともいい、実際の伝来はもう少し前だったようだ。
また1763年、既に名も伝わらぬフランスのブリキ職人がポットの中にコーヒー粉入り布袋を下げて熱湯を注ぐという淹れ方を発明したという。これが欧米や日本で一般的なドリップコーヒーの始まりである。
日本には江戸時代の長崎貿易でオランダからコーヒーが伝わった。当時を代表する文人・歌人である大田南畝が、1804年に随筆した『瓊浦又綴(けいほゆうてつ)』に書かれてあるのが最初の記録である。
開国後に本格的に輸入が始まり、明治21年(1888年)には上野の下谷黒門町に「可否茶館」という最初のコーヒーを出す喫茶店が出来た。やがて浅草、京橋などにコーヒー専門店が増え、文化人が文学や芸術などを論じるサロンとして賑わった。こうしてコーヒーが普及して現代に至るのである。
ミルクと砂糖
コーヒーに付き物なのが、砂糖とミルク(あるいはコーヒーフレッシュ)の存在だろう。
特に日本人の場合、「コーヒーをミルクと砂糖で飲むのは邪道」「男は黙ってブラック」「君の味覚はお子ちゃまかな〜?」と、無糖ブラック派が幅を利かせてくることが多い。
しかしコーヒーの無糖ブラック推しは諸外国では日本人独特の感性と言われる。
ほかに無糖ブラックを主流にするのはアメリカやドイツくらいのもので、アメリカも薄めに淹れた「アメリカンコーヒー」が主流で、その上でカフェオレやマキアート等のアレンジカフェが上をいくらしい。
濃いブラックを飲みたがるのは日本人くらいだという。
なら濃い目で知られるエスプレッソの本場イタリアはと言えば、溶けきらないほどの砂糖をぶっ込んで残った砂糖をデザートにするのが通好みと言われる。
これらは日本人の喫茶文化への愛と拘りが生んだ現象といえる。日本には濃茶を一服する「茶道」の文化があり、江戸時代には煎茶の普及でこれまた「煎茶道」と形式化してしまうなど、喫茶文化への拘り(というか凝り性)がとても強い。
そして茶道では、普通砂糖は入れない。そもそも砂糖とミルクが全国津々浦々まで格安で普及したのは戦後の話であり、砂糖は明治時代の大増産計画で、ミルクに至ってはGHQの給食指導が入るまで入手困難であった。
その過程で茶道の「お茶は苦いままで飲む」という思想が流入し、さらに「せっかく店主が淹れたコーヒーをミルクと砂糖で濁すのは無粋」という職人への忖度と自己陶酔が生まれ、『無糖ブラック推し』という文化を後押ししていると思われる。
よってミルクと砂糖を入れて揶揄われても、何も恥じる必要はない。「私は甘口派ですから」とオシャレに切り返して差し上げよう。
一方、日本発祥の純喫茶が世界的に注目され、コーヒーを濃い目のブラック無糖でじっくり味わうのも世界的な流行となりつつある。
表記揺れ
関連タグ
カトウハルアキ(真田ジューイチ) - アマチュア時代、「コーヒー」という筆名を使用していた。
喫茶店←珈琲が飲める有名店舗はこちらを参照。
作品名・バンド名
コーヒー好きのキャラクター
作品名(五十音順) | キャラ | 備考 |
---|---|---|
アサルトリリィ | 安藤鶴紗 | |
碧の軌跡 | アレックス・ダドリー | |
ウマ娘プリティーダービー | マンハッタンカフェ | 一度に沢山飲むとお腹を壊すので、少しずつ飲む |
家庭教師ヒットマンREBORN! | リボーン | |
仮面ライダーキバ | 次狼 | |
仮面ライダービルド | エボルト | 飲むのではなく淹れることが好き |
艦隊これくしょん~艦これ~ | 水無月 | ブラックは飲めない |
機動新世紀ガンダムX | テクス・ファーゼンバーグ | |
逆転裁判3 | ゴドー | 彼のテーマ曲は「珈琲は闇色の香り」であり、コーヒーの名を冠する |
Gu-Guガンモ | ガンモ | 但し飲むと泥酔する |
スタートレック:ヴォイジャー | キャスリン・ジェインウェイ | |
ゼノブレイド2 | トキハ | |
閃の軌跡 | マキアス・レーグニッツ | |
007 | ジェームズ・ボンド | |
テイルズオブシンフォニア | リフィル・セイジ、クラトス・アウリオン | |
とある魔術の禁書目録 | 一方通行(アクセラレータ) | 缶コーヒーが好きだが、特定の銘柄を好むのではなく、飽きるまで1つの銘柄に拘って飲み続ける |
トップをねらえ2! | ニコラス・バセロン | 甘い缶コーヒーが好物 |
ムヒョとロージーの魔法律相談事務所 | 黒鳥理緒 | |
〃 | ペイジ・クラウス | 甘いコーヒーが好物 |
〃 | 緑河満 | 缶コーヒーが好物 |
名探偵ピカチュウ | ハリー・グッドマン | |
よつばと! | 小岩井葉介 | |
龍虎の拳 | リー・パイロン | |
RED GARDEN | ローズ・シーディー | ブラックが好物 |
〃 | ニック | エスプレッソが特に好物 |
ONE PIECE | ニコ・オルビア | |
〃 | たしぎ | ホットコーヒーが好物 |
〃 | コニス | パンプキンコーヒーなるものが好物 |
コーヒー嫌いのキャラクター
作品名(五十音順) | キャラ | 備考 |
---|---|---|
アズールレーン | 赤城 | 判明したのは別の作品 |
うらら迷路帖 | 棗ニナ | |
仮面ライダー電王 | 桜井侑斗 | 大量の砂糖があれば何とか飲める |
仮面ライダーキバ | 紅音也 | |
銀河英雄伝説 | ヤン・ウェンリー | 紅茶好きの反動、「ドブのような飲み物」というほど嫌い |
繰繰れ!コックリさん | 市松こひな | |
サクラ大戦 | 米田一基 | |
テイルズオブシンフォニア | リーガル・ブライアン | |
名探偵ピカチュウ | マイクのアギルダー |