概要 🐑🐏
ウシ科の動物。灰色の柔らかい縮れ毛でおおわれ、螺旋形の角を持つ。瞳孔の形は横長。
群れをつくる習性が強く、集団を作りリーダーに従って行動する。性質は臆病。
草食性だが、ヤギが樹葉を好んで食するのに対し、地表の若い草を特に好んで食べる。
毛を刈って織物の原料とするために、古くから家畜化されてきた。羊毛の採取の他、肉は食用となり、乳・脂肪・皮も利用される。用途別に品種改良が進み、200以上の品種がつくりだされた。
モンゴルや中央アジア、中東、イギリス、アルゼンチン、オーストラリアなど牧羊が盛んな地域は多い｡
日本では大正時代に羊毛を刈るために飼われるようになった。北海道や長野市、遠野地方では、羊肉をジンギスカンとして食す地域が多い｡
より詳しくは、『ヒツジ』の頁へ。
羊に関する文化
羊はヤギとともに“最古の家畜動物”と言われるほど、人間とのかかわりが古く、深い。そのため、多くの文化や宗教、占星術などと結び付けられてきた。
中国神話
中国の神話では、羊は人類に五穀の種をもたらした偉大な神として描かれている。人類はその五穀の種をまき、その年には農作物が育った。しかし羊の行いは玉皇大帝の怒りを買い、大帝は天宮で羊を殺し人類に罰として羊の肉を食べるよう命じた。そのため、中国において「羊」には自分の身を献上して人のために尽力するという寓意がある。
未年
十二支のひとつ。通常十二支の中で第8番目に数えられる。
ヒツジは、群れをなすことから「家族の安泰を示し平和に暮らす」ことを意味する。
牡羊座
黄道十二星座の1つ。
キリスト教
キリスト教、またその母体となったユダヤ教では、ヤハウェ（唯一神）やメシア（救世主）に導かれる信徒たちが、しばしば羊飼いに導かれる羊たちになぞらえられる。
「ヨハネ福音書」では、イエスが「私は善き羊飼いである」と語るが、イエス自身も「世の罪を取り除く神の小羊」と呼ばれる。
また、旧約聖書の時代、羊は神への生贄として捧げられる動物の一つである。
羊の肉はユダヤ教徒が食べられる肉としても規定されている。
あと、比較的に人間に近い一部の構造とその見かけやすさ故に、よく海賊や貧乏な羊飼いに獣姦の相手とされている、それも何故か悪魔がよく羊をモチーフとする原因の一つである。
イスラム教
イスラム教国においては重要な家畜の一つである。
ヒツジはイスラム教の祭日であるイード・アル＝アドハー（犠牲祭）においてもっとも一般的な生贄として用いられる。
捧げられた肉は自らの家庭で消費するほか、施しとして貧しい人々に分け与えられる。
犬種（シープドッグ）
犬種の中には『シェットランドシープドッグ』のようにsheepdogという語が含まれるものがあるが、これは牧羊犬に適した犬種であることを示している（シェパード Shepherd も同様）。欧州において、いかにヒツジが身近な家畜であるかという事がわかる命名である。
眠れない時に羊を数える
イギリスをはじめとする英語圏には、「眠れない時に羊を数えると眠れる」というジンクスがある。
これは英語の「sheep（羊）」という言葉が「sleep（眠る）」という言葉の響きに近いため、「one sheep（ワンシープ）、two sheep（ツーシープ）、three（スリーシープ）」と発音し続ける事で、「眠れ～眠れ」と自己暗示を掛けられるからだという。
シープル(Sheeple)
英単語のヒツジ（sheep）と人々（people）を組み合わせて作られた混成語。“群集動物である羊のような人々”という意味で、非難的、揶揄的なニュアンスを込めて用いられる。批判的な分析や調査を行うことなく、流れるままに流されている人のこと。
ヒツジの習性として、群れをなし、同類のグループに集まる傾向がある事や、管理を容易にし、逃亡防止の為に、祖先よりも知性が低くなるように繁殖させられてきたという歴史から、こういった言葉が生まれたと思われる。
羊に関する作品
羊を主人公とする作品
※50音順
- こひつじのティミー(アードマン・アニメーションズ)
- チリンの鈴(やなせたかし)
- ひつじのショーン(アードマン・アニメーションズ)
- やんやんマチコ(カナバングラフィックス)
羊、シープなどの語を含むタイトルを持つ作品
※50音順
曲
羊をモチーフとしたキャラクター
神話・伝承
- 雨工※、饕餮、獬豸、羵羊、土螻(中国の伝承)※黒い羊のような姿をした怪物。
- クヌム(エジプト神話)
- バロメッツ(ヨーロッパの伝承)
- 金毛羊(ギリシア神話)
- 牡羊座(星座)
- 未(十二支)
- 黙示録の子羊(ヨハネの黙示録)
特撮
- ガイナギスカン(仮面ライダーBLACKRX)
- シープファンガイア（仮面ライダーキバ）
- アリエス・ゾディアーツ(仮面ライダーフォーゼ)
- 幻獣カプリコーン拳ドロウ(獣拳戦隊ゲキレンジャー)※十二支の「未」に当てはめられる。また名前の由来の土螻は羊に近い。
- デーボ・アックムーン(獣電戦隊キョウリュウジャー)
- イトイト(宇宙刑事シャイダー)
- インキュラス(ウルトラマンコスモス)
ゲーム
- シープマン(ロックマン10)
- メリープ、モココ、エルフーン、ウールー、バイウールー(ポケットモンスター)
- ホワイトメリー(ポップンミュージック)
- ビッグホーン、ちんもくのひつじ(ドラゴンクエスト)
- モア(SHOWBYROCK!!)
- シープヘッド(ミネルバトンサーガ)
- れいよう/れいようつかい(サンサーラ・ナーガ)
- ラミー(ウンジャマラミー)
- ヴィンセント(CATHERINE)
- メーディア(ペルソナ3)
- かぞえヒツジ(デビルチルドレン)
- 羊の呪い(トリオ・ザ・パンチ)
- パリス、アポロン、ドゥムジ、アルテラ・ザ・サン〔タ〕(Fate/GrandOrder)
- ゴトシープ(艦隊これくしょん)
- ベリアス(ファイナルファンタジーシリーズ)
- 饕餮尤魔(東方Project)
- 饕餮王(OGシリーズ)
- アリエティス(Zシリーズ)
アニメ
- チリン(チリンの鈴)
- スフレ(エトレンジャー)
- ポー(ストレイシープ)
- メイたん(えとたま)
- らむりん(しましまとらのしまじろう)
漫画
- アリエス(FAIRYTAIL)※正確には牡羊座
- ウールマン(キン肉マン)
- オパチョ(シャーマンキング)
- シープスヘッド(ONEPIECE)
- 金羊将軍ミナトン(DQ列伝ロトの紋章)
- 獣の巨人(進撃の巨人)※トム・クサヴァーが巨人化した個体が羊型。
小説・文学
その他
名前が羊、または羊っぽい、羊関連等
- アメン(エジプト神話)※羊を聖獣とする
- アベル(旧約聖書)※神に羊を捧げた
- シープ(トリックスター)
- カリファ(ONEPIECE)
- 前野(行け!稲中卓球部)※前世がヒツジ
- 牡羊座のムウ、牡羊座のシオン(聖闘士星矢)
- 牡羊座の貴鬼(聖闘士星矢Ω)
- エアリーズ(新機動戦記ガンダムW)
- 羊谷遊人(MR.FULLSWING)
- ゴルドフ・アウオーラ(六花の勇者)
- アノン(うえきの法則)※「十ツ星神器・魔王」で黒い羊のような怪物を出現させる。
- アリエス・スプリング(彼方のアストラ)
- ロサンゼルス・ラムズ(NFL)※チーム名の「ラム（Ram）」は牡羊の意。
- ランディ・ロビンソン(レスラー)※リングネームが「ザ・ラム」で羊のマークが描かれたコスチュームを着用している。
キャラクターのモチーフとしての扱い
どこか獰猛なイメージの山羊に対し基本おとなしいキャラクターが多い。
ネットスラングとしての羊
ネットやSNSなどでは「羊」という言葉自体が「無抵抗で誰かの言いなりになる人間＝イエスマン」に対する蔑称としても使われており、現実でもフィクションでも良くも悪くも羊のごとくおとなしい人間が少なからず存在している。
関連タグ
別名・表記ゆれ
イメージ：
