レズビアン
れずびあん
概要
女性を性的指向、あるいは恋愛的指向が同性に向く女性のことであり、また女性同士の同性愛のことを示す。日本ではゲイの対に当たる言葉である(欧米では、ゲイは女性同性愛も含む)。
略してレズやビアンと言われる事が多い。どちらも略称という点で同じだが、「レズ」のほうは蔑称、差別語としてビアンと言い換えられることが多い。
百合と呼ばれる事もあるが、百合は一般に創作作品に用いられる呼称のため、実在するカップルに用いるのはあまり好ましくはない。
近年のヨーロッパやアメリカ大陸などでは、同性での結婚またはそれに準じる地位(内縁関係や登録パートナーシップなど)が認められている国が多い。日本では、現在も過去も女性同性愛が禁じられたことはないが、女性同士の結婚(事実婚を含む)は認められておらず、男性同性愛者と同様、結婚の代用として養子制度が用いられてきた。
誤解
同性愛者への誤解から、フィクションの「レズビアンキャラ」には「男嫌い」、「男性恐怖症」の要素が紐付けられることが多いが、レズビアンは異性愛(へテロセクシャル)と同様の性的指向であり、この認識は完全な誤りである。
この他、(LGBT全てに言えるが)フィクションには当事者に対する差別意識・誤解などから、誤った描写あるいは嘲笑するような描写がなされてきた。
架空のものとは言え、描写の際は、メディアとしての影響力や当事者なども見る可能性を考え、様々な配慮が必要と言える。
宗教との関係
同性愛はイスラム教で禁止されていることから、女性同性愛もイスラム教の国では固く禁止されており発覚した場合死刑になることさえある。また、ヒンドゥー教の法典『マヌ法典』の8章369節では、娘が娘を「疵ものにする」ケースに対し、罰金と鞭打ち系が定められている。一方で、イギリスなどの欧米諸国では、キリスト教の解釈から男性同性愛は過去に禁じられていたが、女性同性愛は特に禁止されていなかった。旧約聖書の『レビ記』で明確な死刑の規定がある(20章13節)のが男性の同性間性交渉だけ、という事情もあると考えられるが、新約聖書のパウロ書簡では女性間の性交渉も不道徳とはされている(『ローマ人への手紙』1章26節)。
歴史
歴史上多くの資料が残されている男性同性愛に比べ、女性同性愛の記録は少ない。
紀元前約625~570年頃、古代ギリシアのレスボス島に居を構えていた女流詩人サッポー(Sappho)の記録が最古と言われる。サッポーは恋愛を題材とした官能的な詩を多く残した詩人であり、サッポーが育んだ教え子の少女達との友愛関係は、現代の学説では古代ギリシアにおける同性愛と同様のものとの提唱がなされている。その事から、サッポーの住むレスボス島の名が、そのまま女性同性愛者を指す言葉となった。
日本で大正二年に発表されたメディアの中で、女性同性愛を指す「トリバジー」の語源は、「古代ギリシャにいたトリバスという女性」であるとする説が出たが、南方熊楠はこれを否定、これは元「撫摩(なでさわる)」を指す古代ギリシャ語トリベインから発生した語であると言っている。なお英語で貝合わせのような行為を指して、「tribadism」という。
平安時代の女房たちの間には深い友愛関係があったらしく、『紫式部日記』や『枕草子』などの記述から、紫式部や清少納言が同性愛的感性の持ち主だったのではないかという推測はあるが、明確な同性愛関係を示唆する描写はなく、真相は定かではない。日本の資料で明確な女性同性愛描写があるのは、鎌倉時代の物語『わが身にたどる姫君』が最初のものである。
pixivタグとしては
百合タグよりもエロティックな絡みイラストが多めな傾向にある。
しかし、こうした「使い分け」は誤解に基づいたものであり、望ましくない。
上記の通り、同性に性的指向を持つ女性を指す言葉のため、レズビアン女性やその恋愛を描いた作品に付けることが望ましい。
関連キャラクター
※公式でレズビアン、もしくは女性が好きと設定されている女性キャラクター。バイセクシャルを含む可能性がある。
※作品名の五十音順。pixivに該当記事のある人物に限ります。
※当事者に対し差別的、侮蔑的な描写がなされているキャラも含む。