緒方恵美
おがためぐみ
概要
1965年6月6日生まれ。東京・秋葉原出身の生粋の江戸っ子。血液型はB型。既婚。
青二プロダクションなどを経て、2019年に個人事務所としてBreathe Artsを設立。現在は業務提携や預かりという形で複数の声優が所属しており、儀武ゆう子(業務提携)などがいる。
1992年に『幽☆遊☆白書』の蔵馬役で声優デビューし、一躍人気となる。
経歴、役柄など
父はかつて東宝芸能に在籍し、宝塚歌劇団のバック演奏で指揮者を務めたこともある人物。また、母も声楽をやっていて、家ではいつも音楽が流れていたとインタビューで語っている。
本人も音楽(洋楽)と芝居に興味を持ち、高校時代はアルバイトで資金を貯めて、芸能事務所の養成所に通っていた。通い始めてから2ヶ月ほどで仕事の話が来るようになったものの、在学していた高校では芸能活動が禁じられていたため、事務所を辞めることとなった。この経験がきっかけで芸能界への意志が強まったという。
「大学に進学したら劇団に入って芝居をしてもいい」という父との約束で、理数系が得意であったことから東海大学海洋部に進学する。しかし、キャンパスが静岡県にあり、都内での活動が難しいことから一年ほどで自主退学。
その後、父から勧められ、東京声専音楽学校(のちの昭和音楽芸術学院、昭和音楽大学の前身にあたる)ミュージカル科に入学。卒業後は劇団に所属し、ミュージカル女優として活動していた。
また、このころ長時間ダンスを披露しながら歌うというハードな活動が原因で腰を痛め、椎間板ヘルニアになってしまった。
所属劇団の解散をきっかけに青二塾に入所し、声優に転向する。
声優として最初に所属した青二プロ時代の同期には笠原留美、新山志保(故人)らがいる。
独特のハスキーで清涼感のある声から少年役を数多くこなし、特に前述の蔵馬や『新世紀エヴァンゲリオン』の碇シンジが有名。
「緒方さんといえば?」のアンケートでは、1位が蔵馬で、2位がシンジとなった。
ただし、地声はもともと高いほうであり、蔵馬を演じるにあたって声域を広げるため、ランニングをして体を作り替えたと語っている。
その他に美男子やボーイッシュな女性などの中性的な役や、別の姿や人格を有しているなどの二面性のある役を演じることも多い。
こちらの代表としては『美少女戦士セーラームーン』の天王はるか/セーラーウラヌス、『ジャングルの王者ターちゃん』のシーマ、『遊☆戯☆王』の武藤遊戯と闇遊戯、『カードキャプターさくら』の月城雪兎とユエ、『覚悟のススメ』の葉隠散などが挙げられる。
『魔法騎士レイアース』のエメロード姫とイーグル・ビジョン、『ダンガンロンパシリーズ』の苗木誠と狛枝凪斗のように一つの作品で全く別のキャラを演じ分けることもある。
女性役でも大人っぽい女性から清純美少女までと役柄は幅広い。
’幼少期から物語がずっと続いてそのまま続投した、という場合を除いて)日本の声優業界では初めて「高校生以上の男性役を演じた女性声優」である。このこともあって、男性役のイメージが当時の事務所の中でも強かったようで、エメロード姫のオファーが来た時は事務所中がざわついたというエピソードをたびたび語っている。
逸話
かつて持っていたラジオ番組「緒方恵美の銀河にほえろ!」は、余りの下ネタの多さと「番組中に酒を飲みながらリスナーの人生相談に答える」といった破天荒なスタイルで「久川綾のSHINY NIGHT」「電撃大賞」と並び文化放送の外道御三家と呼ばれた。
異名の「男八段」「司令」は共に同番組に由来する(前者は前述の人生相談コーナーのためにリスナーからプレゼントされた酒の銘柄と言われる。後者は同番組がゲーム『メルティランサー』の連動番組として始まり、この作品で司令官のメルビナ・マクガーレン役だったため)。
さらに、身長170cmと長身でガタイが良く、先の異名通り普通の男よりも外見が男前に見えることすらあり、ラジオ等のトークでも姉御肌・兄貴な応対が見られる。
そのせいか「間違って男子トイレに入ってしまったが、誰からも怪しまれなかった」、「夫婦で映画を見に行った際、映画館のガイドにトイレの場所を聞いたところ男子トイレを案内され、そのことを夫に愚痴ったら『ノーコメント』と返され落ち込んだ」、「甥に初めて会った時に号泣され、義母に『男の人と目が合うと泣くのよー』と言われた」など、数々の侠気ある?逸話を持つ。
ちなみに、この映画館に一緒に行った夫は元々アニメなどには特に興味がなく、『エヴァ』についても「結婚するまでは見たことがなかった」とTwitterで語っている。
また、『カードキャプターさくら』でロリとショタに好かれ、『新世紀エヴァンゲリオン』では渚カヲルとのホモネタが取り上げられ、更には『美少女戦士セーラームーン』では百合界のカリスマの片割れを同時期に演じていたことから、当時のラジオリスナーに「緒方さんはロリコン、ショタコン、ホモ、レズの四姦王ですね」とネタにされてしまった。恐ろしいことに全て地上波の夕方やゴールデンタイムで放送していたアニメで達成している。
「幽白のオーディションを受けた際、自己紹介の『青二プロダクションの緒方です』の時点で審査員に“蔵馬がいた”と思われた」、「納得行かない台詞に監督と徹底的に話し合い、変更させた(※)」、「CDドラマ版『るろうに剣心』で緋村剣心を演じるにあたり、“剣士を演じるのなら剣について知る必要がある”と考え剣道を始めた」、「『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序』で台本5ページ分の絶叫シーン(第6の使徒の光線に胸を焼かれる場面)を収録した翌日、喉に違和感を覚えたため病院を受診したところ、本当に気管に軽い火傷を負っていた」など、数々の逸話を持っている。
2018年には岩田光央主催の「おじさん」アーティストが集まる『おじパラ』というイベント(「おれパラ」の派生企画)に出演し、ついに「おじさん女性声優」となった。
前述の通り男役が多いためか、近年藤沢文翁が主宰する朗読劇『Voicarion』にも出演しており、2020年の「信長の犬」では緒方のほか、甲斐田ゆき、井上和彦とともに宝塚歌劇団OGかつ宝塚時代は男役を務めた凰稀かなめ・紫吹淳・真琴つばさ・彩吹真央と共演し、オフィシャルでも美青年異種格闘技戦と評された。
2021年に主演した『シン・エヴァンゲリオン劇場版:||』『呪術廻戦0』がいずれも興行収入100億円を突破し、「2作連続」「2年連続(封切りでは同一年度、達成日では2年連続)」「女性の役者が男性の役で主演」という前代未聞の快挙を成し遂げた。翌年3月の声優アワードでは「主演女優賞」を受賞し、「もう男とか女とか関係なくやりませんか」とコメントしている。
姉御肌で知られるが、本人も実際に三姉弟の姉(長子)である。なお、2人いる弟のうち、下の弟が2014年に亡くなったことをブログで明かしている。
※複数のエピソードがある。
『Air/まごころを、君に』ではテレビ版と同一のシーンのセリフについて、庵野秀明との話し合いの上で変更。また、同作については宮村優子も庵野との話し合いで台詞が変更された(「気持ち悪い…」のシーン)と語っている。
『碇シンジ育成計画』では、音楽用語に由来する「ソルフェージュ」についてシンジが意味を尋ねるという当初のシチュエーションに対し、「長年チェロを習っていたシンジが知らないのは不自然」とスタッフを説得し、変更となった。
主な出演作
アニメ
イラスト未確認
ドラマCD・OVA
イラスト未確認
李翠蘭@風の王国
陽央あきと@グランステージ
ゲーム
イラスト未確認
その他
朱鷺燈零士(少年CV)@ClockoverORQUESTA |
Nullbyいつきそう |
- 『声優と夜あそび 1stSEASON』:内田彩氏と共に月曜日を担当
- 『JKからやり直すシルバープラン』:尾上慎二を担当
関連動画
外部リンク
- ランティスによる、アーティストページ
- 公式サイト『M.O.bay』
- 公式ブログ『オガタノカタチ。』
- Twitter アカウント『緒方恵美@Megumi_Ogata』
- Wikipedia
- ニコニコ大百科