「うるせえ! 不平をカマすな! 無能マグナス!」(コミカライズ版より)
「ふざけんな!〈勇者〉より優れた〈魔法使い〉なんているわけがねえ!!」(web、書籍版、コミカライズ版共通)
「うるせえ、バアアアアアカ! テンゼンはなあ、ウゼえテメエをぶっ殺すのを手伝ってくれる上に、オレも王国乗っ取りを手伝ったら、ラクスタの半分をくれるって約束したんだよお!羨ましいだろ? 美女も金も権力も、オレの思いのままになるってわけさ!」(web、書籍版より)
プロフィール
概要
本編の主人公である魔法使いの青年『マグナス』がプロローグで追放された勇者パーティーで勇者を務めている16歳の青年。
だが物心ついた時から勇者として育てられたわけではなく、元々は1章の舞台である『ラクスタ王国』の隣にある小国『ハリコン王国』で生まれ育ったごく普通の一般人だったのだが、運命の神霊タイゴンのお告げを受けて魔王モルルファイを倒す運命を背負う勇者になったという経緯がある。
そしてハリコンにて仲間を探し、最初に女僧侶のヒルデ、二番目に魔法使いのマグナス、そして三番目に女戦士のミシャをパーティーに加え、あちこちを冒険しながら旅を続けていき、二ヶ月かけて本編1章の舞台である『ラクスタ王国』の王都である『ラクスティア』に到着した。
ちなみにマグナスを仲間に加えた理由は、ヒルデと仲間探しをしている時に『マグナスは王立学院を15歳で卒業した天才魔法使い』という噂話を聞いたからである。
人物像
小説家になろうやカクヨム等で読める異世界もの(追放もの、復讐もの)ではおなじみとなっている『悪の心とクズの性根を兼ね備えた悪徳勇者』にピタリと当てはまるような性格をしている。
勇者の肩書を持つのもあって常に上から目線で他者を見下しており、その上とにかく短気且つ血の気が多く、少しでも思い通りに行かなかったり、気に入らない事があると誰彼構わずに当たり散らすという、不良や暴漢を彷彿とさせる悪人顔も相まって、まさに勇者の皮を被ったチンピラである。
戦闘においても『命令させろ、俺に指図するな』という言葉を(文字通りの意味で)体現したような感じで、パーティーメンバーの良心と言える存在であるマグナスやミシャの意見を碌に聞き入れようとせず、その場の勢いや短絡的な思いつきだけで行動し、後先の事を考える事をまるでしない。
更には自分が誰かに物を頼む時も、これまた上から目線で馴れ馴れしい不愉快な口調で言うため、礼儀の「れ」の字すら微塵も理解しておらず、基本的に交渉の際にはヒルデがフォローに回っている(これに関しては本人曰く『偉大な勇者らしからぬ気さくさ』と自画自賛している)。
そんな人物なので、強盗まがいの行動を行うことも辞さず、更には他者に注意されても逆上する、『自分の思い通りにならないなら相手を暴力で脅して強制的に従わせる』という手段も躊躇なく実行できるという有様となっている。
そのくせ、味方と言える者が全て居なくなり孤立無援の状態になってしまったり、実力行使が通じない相手に対しては、媚びへつらって弁解したり、果ては逃亡や命乞いも辞さない腰抜けな一面もある。
そんな勇者らしからぬ極めて傲慢且つ醜悪な言動や、貪欲で器の小さい性格故、ヒルデとニャーコ以外の人間・亜人・魔人達からは軽蔑または嫌悪と総じてロクな印象を抱かれておらず、中にはナルサイやデルベンブロの様に腹を抱えて爆笑する程に堂々と嘲る者さえいる。
戦闘力
勇者なだけあって剣を用いて戦うのだが、前述の通り神霊タイゴンのお告げを受けるまでは完全な一般人であったため、戦闘や剣の修行も碌にしていない。
それが祟ったのか、後述のデルベンブロとの戦闘の時点ではレベルは19と勇者パーティーの中では最も低い(因みにマグナスの後釜として仲間にしたニャーコはレベル20、ヒルデとミシャはレベル22である)。
この事からWeb版・書籍版ではマグナスはユージン(を勇者に選んだ神霊タイゴン)を「●●●●に刃物を渡してしまったわけだな(※自主規制込み)」と評している。
また後述の通り『勇者専用魔法』も使えるらしいのだが、ユージン自身が極めて脳筋寄りな思考及び愚かで無能且つ、(上記で述べた通り)碌に鍛錬をしていないのもあって、それが登場する事は最後までなかった。
所持スキル
- 武具覚醒
武器や防具に秘められた真価を発揮する勇者専用のスキルでレベル19で習得する。普通に使っても強力だが『マジックアイテム』に分類される装備品ならば、その効果は更に上昇する。
ただし武器が粗悪品の場合、スキルに耐え切れずに壊れる事が有る。
ちなみにユージンのこだわりなのかこのスキルを発動する際には必ず、「昂(たかぶ)ってきたっっっずぇええええええええええっっっっっ!!」と叫んでいる。
- 天命未だ尽きず
ユージン自身も所有していることに気付いていない勇者専用の隠しスキルで、詳細は後述参照。
装備品
武器
- 普通の剣(仮)
本編のプロローグでユージンが使用していた剣。
正式名称をはじめとする詳しい設定や描写こそ無いが、恐らくは後述のミスリルソード及びフレイムソードを手に入れた事で御役御免となり、武器屋に売りに出されたと思われる。
- ミスリルソード
『ドミタス』と言う名前の貴族からの依頼で探していたマグナスが持っていた魔法使い専用の武器『魔法の杖』を金貨1200枚(本来の相場は金貨1000枚)で購入して入手し、それと交換して手に入れた剣。
金貨5000枚の値打ちがある貴重な代物で、マグナスを悔しがらせる魂胆もあったのが、それよりも高ランクの剣を持っているマグナスにとっては最初からどうでもいい取引だったため失敗に終わった。
前述のミスリルソードと炎晶石(えんしょうせき)三個を素材として作成できる武器。
ユージン曰く『金貨8000枚は下らないマジックアイテム』な武器で、本来なら強力な武器なのだが……。
- 歴戦のフレイムソード
フレイムソードの後にユージンが使用している剣でその名の通り前述のフレイムソードの上位互換である。
防具
猛者の冠 | 黒銅の鎧 | 聖水のシャツ |
獄炎鶏のマント | ビリビリズボン | 深緑香ばしき靴 |
いずれも小説の方の書籍版で判明したユージンの装備している防具一式。
『冒険の途中で手に入れた強力な装備群』とのことらしいが、一貫性のないトンチンカンなコーディネートは、見た者の笑顔を誘う効果があるらしい……
経歴
勇者は魔法使いを追放する
本編のプロローグにてユージン率いる勇者パーティー一行でボスモンスターの『デストレント』の討伐に挑むもユージンは『植物系の魔物には炎属性の攻撃が一番効くに決まってる』という思い込みで、マグナスに命令して炎属性の魔法攻撃をさせるも、全くダメージを与えられずに跳ね返されてしまう。
それにマグナスが「他の属性の攻撃魔法を試すべきだ」「理屈と現実が違うなら、疑うべきは理屈の方だ」と主張するもユージンは「黙ってオレに従え!」と全く聞く耳を持たず、最終的にはミシャの物理攻撃が勝利の決まり手となり、デストレントの討伐には成功する(後にマグナスが手にした攻略本で、「デストレントは植物系の魔物でありながら、炎属性の攻撃に完全耐性を持っている」「弱点は雷属性」という事が判明し、実際の戦いに於いても、攻略本に掲載された情報を基にデストレントを誕生させたマグナスが、雷属性の攻撃魔法サンダーⅢを使用した結果、デストレントは一撃で討伐できた為、マグナスの言う通りに他の属性で攻撃していれば、もっと早急かつ楽に倒せた事は言うまでもない。尤もこの場合は、マグナス自身の実力の高さや、強化魔法による補助もあるが)。
その後、同日の夜に王都ラクスティアにある酒場にて、ユージンはデストレントのドロップアイテムであるステータス強化の果実をパーティーの面々に分配していき、自分やヒルデ、ミシャには各々の立ち回りに合った効果の果実が分けるが、マグナスに適した効果のある『魔力の果実』はユージンが『オレは勇者専用魔法が使えるから』という理由で自分の取り分とし、マグナスには一つも与えなかったのだ。
それに抗議するマグナスに対し、ユージンとヒルデは彼がデストレント戦で禄に活躍出来なかった事を引き合いに出し、マグナス本人だけでなく彼が所属する魔法使いそのものにまで穀潰しのレッテルを貼り、終いにユージンはマグナスに「お前もういらねぇわ パーティー抜けろよ」と戦力外通告及び追放を宣言する…。
それによりマグナスは勇者パーティーから脱退し、その後ユージンはマグナスの後釜として女武道家であるケットシー(ネコ人族)のニャーコをパーティーに加えた。
目的は達成するも、目論見は失敗した勇者
ユージンがマグナスを勇者パーティーから追放してから一か月と数日後……勇者パーティー一行はドミタスという貴族からの依頼でランクC(ランクC以上の装備品は普通の店には出回らずオークションやダンジョン探索等でようやく手に入る可能性があるレア度である)の武器『魔法の杖』を探すも手がかりなしであるため行き詰まっており、「ここならば!」と自分達が拠点としている王都ラクスティアでも規模の大きい『マルム商会』に立ち寄るもここでも魔法の杖の手がかりを得ることすらできなかった。
収穫無しでマルム商会を出ると、そこで何と自分達が追放したマグナスとバッタリ鉢合わせする。
思わぬ再会を前に、両者共に気まずい空気が流れるが、マグナスは「無視するのは何だか負けた気分」と言う理由で自分達の事をジッと見つめてくる為、そんな彼の視線に不快感を覚えたユージンは、舌打ちをしながらマグナスを睨みつける。
そんなユージンとは正反対にマグナスは堂々と「久しぶりだな。どうした? 何か買い物か?」と大人な対応で声をかけるのだが、マグナスの事を見下し嫌っているユージンが素直な態度で応答する訳が無く、「うるせーよテメーには関係ねーだろ」と邪険な態度で悪態をつく。
それにマグナスは「それもそうだな。それじゃ失礼、何か知らないが探し物が見つかると良いな」と自分達を横切ってマルム商会に入って行こうとするのだが、それにミシャが待ったをかけて、「魔法使いのマグナスであれば、何か(魔法の杖に関する)情報を知っているのではないか?」と提案し、ヒルデもそれに賛同してきたので、「ヒルデがそう言うんならわかったよ」と提案したミシャの主張を考慮していない無神経極まりない事を言ってからマグナスに事情(自分達が魔法の杖を探していること)を話す。
それを聞いたマグナスが「あぁ……魔法の杖ね…(手がかりなら)あるな」と答えたのでユージンはその吉報にテンションが上がって食いつくのだが、ユージン達が魔法の杖を探している事は聞かされても、その理由までは聞かされていなかったマグナスからは、「あれは魔法使いにしか装備できない武器だぞ?(魔法使いがパーティーにいない)お前らが手に入れてどうするんだ?」と聞かれる。
それにユージンはドミタスからの依頼で探していることを話すも「……ってお前には関係のないことだろ、さっさと在処を教えろよ」と交渉の『こ』の字も理解していない事が窺える態度を取り出したのでマグナスが呆れていると、同じくそう思っていたヒルデが二人の間に割って入り「お願いします、マグナスさん。どうしてもあの杖が必要なのです。どんな些細な情報でも良いので知っていたら教えていただけないでしょうか」と深々と頭を下げて頼み込んでくる。
その立場をわきまえた態度が功を奏したのかマグナスから「…たまたまだが1本持ってる。そんなに欲しいなら(元々マルム商会で売り払う予定だった為、タダで譲る事は出来ないが)売ってやろうか?」という返事が貰えたのだが、またもやユージンは「マジかよ!初めて役に立ったじゃねぇかマグナス!」と余計なことを言いそうになったのでヒルデはそれを遮り「ぜひお売り下さい! (相場の)金貨1000枚……いえ、(相場以上の)1200枚出します」と必死に頼み込むが、それにマグナスが「そんな大金本当に出せるのか?」と問うと、ヒルデは「勇者様の魔王討伐に必要なものですし、そのためなら私たちの教会は援助を惜しみません」と払えることは分ったので、ヒルデの言い値である金貨1200枚で交渉が成立する。
そして金貨と魔法の杖のトレードが済んだ直後、ユージンはようやく手に入れた魔法の杖を抱きかかえると下卑た笑みを浮かべて『依頼人のドミタスからこの杖と引き換えにミスリルソード(金貨5000枚の値打ちがある貴重なランクBの武器)をもらう取引をしている』という先程は言わなかった真相を明かして、ヒルデやニャーコと共にマグナスを嘲笑う。
この時のユージンは、「曲がりなりにもランクCというレアアイテムである魔法の杖を手に入れるのには、マグナスも相当苦労しただろうから、苦労して手に入れた代物が有償とはいえ他人に取られた上に、その相手が杖を更に強力な武器と交換すると知れば、盛大に悔しがるだろう」と思い、この後には「マグナスは『売るんじゃなかった』と大いに後悔し、あわよくば『お願いだ! やっぱり返してくれ!』と自分の足に縋りついて懇願する」という展開を予想していたのだろうが、当のマグナスは後悔するどころか、心底どうでもよさそうに「そうか、良かったな」と、寧ろ哀れむような眼差しで答えたので、ユージンもヒルデもあんぐりとしてしまう……(コミカライズ版では、困惑の余りユージンが情けなく口をパクパクさせるという様子が加わった。)。
実はマグナスは自分達に追放されてから、魔法の杖やミスリルソードよりレア度も性能もずっと上の『大魔道の杖』を手に入れており、ミスリルソードの上位互換である武器『蒼雷の剣』も件のミスリルソードも既に入手しており(ミスリルソードに至っては6本も持っている)、更に言うとユージン達に渡した魔法の杖もその過程で手に入れた10本の内の1本(コミカライズ版では作画ミスで8本になっている)で、即ちマグナスからすれば最初から『どうでもいい取引』に過ぎず、むしろダブって荷物になっていた低ランクの武器を相場よりも高値で買い取ってくれて好都合であった為、マグナスが損をする要素など何処にも無かったのだ。
こうしてマグナスは、そんな事情もつゆ知らずに呆然となるユージン一行に「じゃあな。魔王討伐の旅、俺の分まで頑張れよ」と声をかけて立ち去っていき、マルム商会に入っていくのだが、そんなマグナスにユージンは「あ、ああ……」という返答をするのが精いっぱいであった……
悪徳勇者…暴走する
そんな出来事があってから数日後……。
ユージンはミスリルソードの件でマグナスに面食らわすつもりが、逆に彼から面食らわせられた事などとうの昔に忘れ、それどころかマグナスがパーティーから抜けた事で、ユージンは『オレの言う事やる事に苦言を呈し、叱ったり諫めたりするうるさい奴がいなくなった』と清々しており、そんな彼の暴走はいよいよ顕著なものと化していく事となる。
ユージンは以前(少なくともマグナスを追放するより前)、ラクスタ王国の国王の誕生日パーティーに招かれた際に出会い意気投合した近衛騎士隊長のテンゼンが「秘術鍛冶師のバゼルフに自分の剣『ミスリルソード』の強化を依頼した」事を当人から聞いていた為、自身もバゼルフにミスリルソードの強化を依頼するも、上から目線で態度がなっていなかったのが主な理由となったためバッサリと断られるが、ニャーコがバゼルフに暴行を加えたのをきっかけにユージンは彼を暴力で脅して自分の剣『フレイムソード』を作らせ、剣が完成すると「お前はもう用済みだ」と言わんばかりに彼の仕事場である工房を滅茶苦茶に荒らす。
なお、剣の強化の対価は一銭も払っておらず、それどころかバゼルフから仕事道具である愛用の金槌を奪う(※)という最早野盗も同然の乱暴狼藉を働き、見かねたミシャから非難されるも、逆ギレするばかりか、「勇者パーティーに所属して彼等と共に魔王退治と言う功績を上げる事で、冤罪で家名に泥を塗った父親の汚名を濯ぐ為にも、パーティーを抜ける訳には行かない」と言うミシャの弱みを突く形で、ヒルデと共に彼女を嘲笑。
ミシャを同調圧力で訴えを捻り潰し無理矢理黙らせると、意気揚々とバゼルフの工房を去って行った(因みにバゼルフは、後から入れ違いでやって来たマグナスに助けられ、より高性能な金槌を受け取る事で秘術鍛冶師として再起する事が出来た)。
余談だが、コミカライズ版では工房内における一連の暴挙は、バゼルフの回想一コマ分に省略される形でカットされてしまっている。
※…小説版ではこの際、ヒルデが「口止め料」という口実でユージンに金槌を奪う様に進言していたが、口止め料というのは本来、「自分の悪事の被害に遭った、若しくは自分の悪事を目撃した人物に対し、周囲にその事を他言しない事を条件に渡す物」である為、そうなるとこの場合、ユージン達がバゼルフに口止め料を払うべきであり、ヒルデの主張は的外れそのもの(敢えて訂正するのであれば、人質ならぬ『物質』と言うのが正しいのであろうが、当然ヒルデは「金槌を返してほしければ、工房での事を他言するな」などといった対価条件をバゼルフに提示する事もしておらず、単に自分の言い分が根本から間違っている事に気がついていなかった模様)である。
悪徳勇者、功を焦る
それから更に数日後、勇者パーティー一行は高名な学者のナルサイから研究用としてブナビア洞窟に咲いている珍しい花の採取の依頼を受けていたものの、依頼を受けたユージンがド忘れしていたのが理由で依頼を受けてから1ヶ月も過ぎているというヘマをしでかし(更に言うと受けていた依頼を思い出したのはユージンではなくヒルデで、ブナビア洞窟で件の花を見かけた彼女が「せっかくだから持ち帰って、報酬をいただきましょう」と進言しなければ、ユージンの頭の中では依頼の事は忘却の彼方になっていたのは確実だった)、ようやく依頼の品を届けた時には、ユージンが忘れていた間に別口で依頼を引き受けた“親切な御仁”が、その日の内に依頼を達成したばかりか、既に花の研究も終わった事を告げられてしまう。
納得出来ないユージンは「忙しい勇者のオレ様がわざわざ摘んできてやったんだぞ! いいから感謝しろ!」等と恩着せがましくゴネまくり(一応、自分が依頼を引き受けている真っ最中なのにも拘らず、何の相談も無く他人に依頼の実行権を譲った事に怒るのも無理は無いかもしれないが、流石に1ヶ月間も、それも大して困難という訳でもない依頼の達成を遅延させてしまえば、依頼人から信用を失うのは当然な上、遅れた理由も「どうしても外せない用事が重なった」等なら兎も角、ただ単に忘れていただけとなれば、完全にユージンの自業自得である)、しまいに依頼を代わりに達成した『親切な御仁』を『邪魔したヤツ』呼ばわりし、その人物が誰なのか問い詰めると、ナルサイの口から「偉大なる魔法使い マグナス殿」という名を出され、ヒルデと共に驚愕する。
まさかの自分が見下していたマグナスの名前が出てきた事が信じられず「マグナスだと!? どうしてあの戦力外の役立たずが!?」と動揺するユージンだったが、ナルサイからは「どこかの勇者?(いわずもがなユージンの事である)よりもマグナス殿の方が遥かに優秀」と言い放たれてしまう(web版や書籍版では、「名ばかりの役立たずな勇者」と露骨にユージンに対する嘲りの感情と意趣返しを強調した物言いになっている)。
当然、納得がいかないユージンは冒頭部二段目にある(自らの身勝手極まる)持論である迷言を喚き立て、しまいにはバゼルフの時と同様暴力で脅して(事実上の依頼失敗にもかかわらず)報酬を無理矢理ふんだくろうとする(コミカライズ版では単に『勇者である自分をコケにした』という理由から暴力に打って出ようとした)が、逆にナルサイから「『ラクスタ王家に七代に渡って仕えてきた学者の家系である私を脅してきた』と、国王陛下に報告させていただきますが、よろしいのですね?」と権力で脅し返されて脂汗を流して狼狽えてしまうが、幸いにもヒルデが割って入ってフォローしてくれたため、『今のは冗談』という事にして許してもらえたが、自分が平身低頭で媚び諂う羽目になっただけでなく、全て見透かしていたナルサイからは完全に見縊られ、高笑いされるという恥辱を受ける事となった。
結局、一文も報酬を貰える事なくナルサイの屋敷から酒場兼宿屋への帰路についた勇者パーティーであったが、ユージンは知らぬ内にマグナスに(本来なら自分が得る筈だった)手柄を奪われ面目を潰された上に、ナルサイからも散々バカにされた事で彼等への怒りと苛立ち、憎悪が収まらず、ストレスが絶頂に達していた。
そこへ運悪く鬼ごっこをして遊んでいた子供の一人が自分にぶつかってしまい、堪忍袋が切れたユージンはなんと、
「おらガキてめぇ、ぶっ殺されてぇのか!?」
と怒り任せて子供を思い切り蹴り飛ばして大怪我を負わせてしまう(コミカライズ版ではセリフが「ガキ! ぶっ殺されてぇのか!?」と少し変化しており蹴飛ばされた子供は蹴飛ばされた勢いのまま地面を水切りの石のように数回跳ねると積んであった木箱の山に叩きつけられて頭から血を流す程の大怪我を負うとユージンの外道ぶりが増長している)。
そして幸いにも子供は命に別状はなく、気絶と大怪我を負うだけで済んだため、ミシャがすぐさま駆け寄りその子供をすぐさま介抱し、ヒルデが即座に回復魔法で治癒したため大事には至らなかったが、ユージンは謝罪どころか、悪びれる様子も見せなかった。
すると、この一部始終を見ていたラクスティアの住人達から勇者パーティー一行は市民の白眼視と嫌悪を買い、仕舞いには群衆達の間から…
- 武器屋の商品の鎧を店主にクレームをつけてタダ同然で強奪する(詳しくは作中で語られていないが、十中八九バゼルフの時と同じ様なパターンでのやり取りを繰り広げたのであろう)。
- レストランで無銭飲食を一ヶ月に渡って働く(それも、高額な料理が多いので女店主に抗議されたが、『オレが世界を救ってやるんだから、これくらいの小さなツケでガタガタ抜かすな』と逆ギレ同然で一蹴)。
- 特に罪もない市民に「ブサイクなツラが気に入らねぇ」という理不尽な因縁をつけて傷害を与えた(仲間の方もユージンを諫めたり被害者の男性に謝罪もせず、ヒルデとニャーコに至ってはそれを見てゲラゲラと嘲笑っていた)。
という勇者どころか、最早野盗を通り越して強盗の如き所業を行っている事を陰口にして(主に読者に)晒されてしまう。
既にラクスティアの人々からの勇者パーティーの信頼や評判がどん底に落ちているだけでなく、更には彼等からあてつけの如く、自分が「戦力外」「役立たず」「無能」「穀潰し」として追放した筈のマグナスが、
- 大怪我を負った人物にエクスポーションを提供する。
- とある村に出没したヴァンパイアを退治する。
- メゴラウスの大坑道を占領するボスモンスターを討伐して数百年ぶりに開放する(さらに大坑道の採掘場までのルート開拓にも成功する)。
等々(勇者パーティーを追放されてからマグナスが入手した攻略本に記されている「クリアすると経験値やアイテムが得られるサブクエストだから」という主な理由があったとはいえ)、ラクスタ王国のあちこちで人助けをしている事を吹聴され、自分とは真逆といってもいい程に民衆から圧倒的な支持と信頼を得ているという現実を受け入れる事ができず、激しい屈辱心と反骨心に苛まれたユージンは、持論である『勇者より優れた魔法使いなどいない』ことを証明して、自分はマグナスより格上であることを民衆に知らしめるため、魔王軍の幹部である八魔将の一人『魔拳将軍デルベンブロ』を討伐する事を決意する。
しかし、この時ユージン自身は言わずもがな、勇者パーティー全員がデルベンブロと戦うにはレベルが全く足りてない上、突発的な思いつきによるものだった為、ロクに対策を考える事さえもしておらず、この決意は無謀どころか自殺行為も等しい行動であった(後にその話をナルサイから聞かされたマグナスも「……ユージン……愚かな」と呆れて閉口する他無かった)。
こうして名声欲しさの虚栄心だけで分不相応な挑戦に乗り出したユージンはわざわざ「今から討ちに行くぞ」と恩着せがましくあちこちで喧伝してから、勇者パーティーを引き連れてデルベンブロの居城がある死の山に向けて王都を発つのだった……。
勇者にあるまじき愚行
デルベンブロの居城である魔城に到着したユージン達勇者パーティーは、道中で出くわす魔物に苦戦しながらデルベンブロの居る最上階に向かう途中の魔城五階の迷宮まで辿り着くが、そこにいたのは何とマグナスだった。
更に本人の口から『マグナスが自分達と同じくデルベンブロの討伐の為に来た(しかもソロで)』という事を聞き(『魔法使いの一人旅』いう信じがたい話に動揺し、狼狽えるも)、マグナスが先に行こうとしたのでヒルデはそれを静止して『自分達が力量に合わぬ無理や無茶をしている』という自覚があるため、彼に勇者パーティーへの復帰をダシにしてまで共闘を要請する(当然ユージンは反対した)。
しかし、それもあっさりと断られた挙句、「お前たちでは戦力にならない」とかつて自分達がマグナスにした戦力外通告を、今度は逆に自分達がマグナスにされるという意趣返しをされてしまう。
それにプライドを傷つけられたユージンは逆上して道中で見てきたトラップを利用して仕掛けを起動させてマグナスを奈落の底に続く落とし穴に落とすという卑劣な手段に出る。
そして落ちて行くマグナスを見下ろしながらユージンは
「思い知れマグナス! 勇者より優れた魔法使いなんざいねぇんだよ! ギャーハッハッハ!」
と嘲笑うのだった(尤もマグナスからすれば、飛行魔法である『フライト』を習得しているお陰で、何時でも落とし穴から脱出可能なので、トラップに嵌められた事は大した痛手にはなっておらず、それどころか落とされた先の地下牢で探し求めていたデルベンブロ討伐に必須なマジックアイテム『デルベンブロの心臓』を見つける事ができた為、かえって好都合な結果となり、ユージンは図らずもマグナスのデルベンブロ討伐に大きく助力する形になってしまった)。
マグナスを卑劣な手段で排除した(と思い込んだ)ユージンは、仲間を連れてようやく最上階の玉座の間に到着し、討伐する相手であるデルベンブロと対面する。
だがレベル40のデルベンブロからすれば、ユージン達は取るに足らないレベルの無謀な挑戦者に過ぎず、対峙早々に『雑魚共』と嘲笑されてしまう。
「ざ…雑魚だと!? このオレたちが!?」と激昂するユージンにデルベンブロは更に追い打ちをかけるように「〈レベル〉と〈ステータス〉を見れば、一目瞭然ではないかね? 余程運が良いのだろうな。〈勇者〉というのは」と堂々と皮肉る。
当然それに憤慨するユージンであったが、不意にデルベンブロから某RPG作品の一作目のラスボスの如く、「勇者よ、私の部下となれ。さすればラクスタの半分を貴様にやろう」という誘いを告げられ(正統派な勇者なら断る場面だが)ユージンは直前までの怒りを忘れて「え、マジで!?」と嬉しそう且つ乗り気で食いつくという失態を読者に晒してしまう(コミカライズ版ではミシャは言わずもがな、何時もならどんな時でも彼を支持しているヒルデでさえもドン引きするような眼差しをユージンに向けていた)。
だが、デルベンブロはすぐに「魔王様の指示でそう言っているだけで、(自分達魔王軍が真に求めているその国に居る有能且つ利己的な重鎮は欲しいが、ただ単に貪欲なだけで極めて愚かで無能な)貴様など本気で欲しがるわけがないだろう。ここで今すぐ死ね」とバカにしているかの如く直ぐに掌を返してしまう。
どこまでも見くびられ、弄ばれていると自覚したユージンは激昂し、デルベンブロに一斉攻撃を仕掛ける。
しかし力の差は歴然であり、ダメージを与えるどころか対面した時からずっと玉座に腰掛けていたデルベンブロを玉座から立たせることすら出来なかった。デルベンブロの異常な防御力の高さの前にミシャとニャーコの攻撃はおろか、ヒルデからかけてもらった強化魔法と勇者専用スキル『武具覚醒』を発動したフレイムソードの一撃も効かず、それどころか『武具覚醒』によってかかる負荷に耐えられなかったのが要因でフレイムソードの刃が折れてしまう。
しかも、そのフレイムソードは粗悪品だった(デルベンブロ曰く「優れた匠は自分が作った渾身の逸品である武具には銘を刻むもの」だが、バゼルフはせめてもの抵抗にと、ユージンには銘の刻まれていない手抜きのフレイムソードを作り、渡していた)という事実や、レベル30以降の敵は魔力を帯びていない攻撃はろくに効かなくなる事をデルベンブロから教授され、更にパーティー内に(自分に唯一ダメージを与えることのできる)魔法使いがいない事を指摘され「なんともバランスの悪い哀れなパーティーだな」と徹底的にこき下ろされてしまう。
一方、自身のフレイムソードが粗悪品だった事が未だ信じられずに硬直したままのユージンだったがその隙を突かれてデルヘンブロからデコピン一発で大広間の壁際まで吹っ飛ばされてしまう。
ヒルデは瀕死のユージンを回復しようと駆け寄るのだが、あろうことかユージンはヒルデの手を取りこう言いだした。
「駆け落ちしよう」
まさかの一言に流石のヒルデも意味がわからず困惑する中、ユージンは彼女の手を無理矢理引き、ミシャとニャーコを置き去りにして敵前逃亡するという勇者とは思えぬ愚行を犯したのだった。
これにはミシャも「ここまで……ここまで意気地のない男だったなんて……!」と怒りを通り越して、茫然自失になるしかなく、デルベンブロからも「あれが本当に〈勇者〉かね?〈臆病者〉の間違いではないのかね?これはケッサクだ!」と腹を抱えて大笑いされる始末だった(ちなみにその後、ニャーコは酷い目に遭い、ミシャも同じ目に遭うすんでのところでマグナスが現れ、彼がデルベンブロを討伐することで救われた)。
堕ちるとこまで堕ちた勇者の裏切り
「名声欲しさの虚栄心でデルベンブロに挑むも全く歯が立たず、手負いになると仲間を見捨てて敗走する」という惨敗を喫しただけでなく、結局は「デルベンブロ討伐」の手柄さえもマグナスに取って代わられてしまったユージンだったが、実は上記の近衛騎士隊長であるテンゼンは、デルベンブロと内通してラクスタ王国の侵略に手を貸すという裏切り行為を行っていた事が発覚し、経緯は不明だが、彼に「王国乗っ取りを手伝えば、憎い相手であるマグナス抹殺に助力し、ラクスタの領土の半分を渡す」と唆され、ユージンは上記の事から、勇者としての自分の面目に後が無い事を悟っていた事もあって、ヒルデ共々あっさりとその契約に乗り、テンゼンと手を組んでしまう。
マグナスがデルベンブロを討伐してから五日後。
ラクスタ王国の王城にて行われるデルベンブロ討伐を祝う晩餐会へヒルデ、テンゼンと共に乗り込んだユージンは、ラクスタ国王をはじめ晩餐会に集っていた人々の前で「マグナスの正体はデルベンブロ」という無理矢理な妄言を突きつけ、困惑するマグナスに対し「随分と顔色が悪いじゃねぇか?」「テメェの正体こそが『魔拳将軍』だってバラされて、すっかりブルっちまったかい?」と煽るが、マグナスからは「疲れてるだけさ」と一蹴された挙げ句、逆に自分がデルベンブロ戦で手も足も出ず、あまつさえ仲間を見捨てて敵前逃亡した事を暴露された事で動揺し(ユージンの演技力の無さも有って)、言葉の至る所で噛み噛みになったり、マグナスの事を「デルベンブロ」ではなく「マグナス」と本名で呼んでしまったりと、早くもボロを出しかけてしまう。
そこでテンゼンが代わりにラクスタ国王に《人物鑑定》のスキルを使うよう進言する事でマグナスの〈レベル〉や〈ステータス〉が人間の域でない事を理由にその正体が人間でないと追求し、その場に居合わせたミシャが見かねてマグナスを弁護するも、ユージンは「あいつはデルベンブロに誑かされた、愚かな淫売なのです。あんな女の言うことを真に受けていたら、国を危うくいたしますぞ!」と、とうとうミシャをも辱めにしてこき下ろしてしまう。
更にヒルデもそれに便乗して、「そうです、勇者様と彼女の言葉……どちらが信頼できるかなど考えるまでもありません それこそ(勇者様を疑うなど)神霊タイゴン様を疑うようなものです」と周囲を煽り、ミシャは晩餐会の参加者達に疑惑の眼差しを向けられてしまう。
一方、マグナスは攻略本の情報で、テンゼンこそデルベンブロの依代及び後釜である事を既に把握しており、その正体と八魔将の力の継承システムの全貌を皆の前で明かしながら、論より証拠と言わんばかりにテンゼン目掛けてデルベンブロの弱点属性を衝く攻撃魔法の〈サンダーⅣ〉を放ち、その醜悪な魔物としての正体を公衆の面前で晒し、自らの潔白を証明すると共にユージン達の悪行を明白にするのだった(ちなみにその〈サンダーⅣ〉の軌道上(攻撃範囲)にいたユージンはというと「うわあああああああ 死にたくええええ」という小物な悪党感全開な台詞と共に必死に走って逃げたため巻き添えを食わずに済んでいる)。
こうして化けの皮が剥がされ、魔物『テンゼン=デルヘンブロ』となったテンゼンに対峙しようとするマグナスだったが、その前に何故かユージンが立ちはだかる。
その勇者としての真逆の行いに「言うだけ無駄だと思うが……それは何の真似だ?ユージン」とマグナスが問うと、ユージンはニヤついた顔でテンゼンから借りた『歴戦のフレイムソード』(こちらはデルベンブロ戦で折れたユージンのフレイムソードとは違って、まだ権力に目が眩んでいなかった頃のテンゼンの正しい心を見込んだバゼルフによって丹精込めて作られている業物で、銘も刻まれている)を構えて「決まってんだろ」と返す。
明らかに矛盾した状況にマグナスから「……どう見ても、お前が刃を向けるべき魔物はあっち(言うまでもなくテンゼンの事)だと思うがな……勇者様?」と指摘されるが、ユージンは冒頭三段目の台詞と共に勇者でありながら、自らの(美女も金も権力も自分の思いのままにしたいという)私利私欲で世界の平和を脅かす魔王軍と結託して守るべき筈のラクスタ王国を売った事を、ラクスタ国王やミシャ達も居る前で自分から堂々と打ち明ける。
そんな最早勇者の面汚しとしか言いようのない愚行に、マグナスからは「…愚鈍だとは思っていたが……堕ちるところまで堕ちたな……」と心底呆れ果てられ、一方のユージンもその発言が「ンだとぉ!? マグナス!」と癇に障ったようで「テメエのその気取った態度が、昔っっっから気に食わなかったんだよぉ!!」と怒りを爆発させて襲い掛かり、遂に〈勇者〉と〈魔法使い〉は直接対決へと発展する。
ユージンは『魔法使いのマグナスが相手なら呪文を唱える隙さえ与えなければ勝てる』という浅知恵(しかしながら、ユージンは先程マグナスの強烈な攻撃魔法〈サンダーⅣ〉を目の当たりにしているため「魔法使いのマグナスを相手に距離を取って戦うのは愚策」という考え自体はある意味間違っていない)から接近戦に持ち込むのだが、何とマグナスはユージンの斬撃を歯牙にもかけず、そのまま彼の顔面に、大魔導の杖を用いた杖術によるカウンターをお見舞いする。
倒れ伏せたユージンは、有り得ないと言わんばかりに唖然とするも、簡単な話だった。
何故なら、ユージンはレベルが19なのに対し、マグナスのレベルは36で、全種類のステータス強化の果実を効果が発揮される限界である50個ずつ食べていたこともあり、魔法系は勿論のこと力や素早さといった物理系のステータスにおいてもユージンより遥かに格上なのだから。
その為、ユージンのテンゼンから借りた『歴戦のフレイムソード』を用いた斬撃は全て回避され、逆にマグナスの杖術は全てユージンに命中してしまう。それでもユージンはヒルデの回復魔法や強化魔法による助力もあってガムシャラな攻撃をしつこく続けるが、マグナスの相棒であるバトルゴーレム『グラディウス』に阻まれて狼狽えてしまう。
そしてマグナスは戦う相手をテンゼン=デルベンブロに変更して激戦を繰り広げるが、その隙を突いてヒルデが卑劣にもマグナスの恋人である少女アリアを人質に取ったことで形勢逆転し(当然それを見たミシャも助太刀に入ってアリアを助けようとするが、テンゼンが用意した彼と同じく魔物化した部下達に囲まれ阻まれてしまう)、勝利を確信したユージンは武具覚醒を使用して『歴戦のフレイムソード』でマグナスにトドメを刺そうとするが、グラディウスがマグナスを庇うように立ちはだかった為、ユージンは「邪魔だ クマああああああああ!!!!!!」と勢いそのままに『歴戦のフレイムソード』を振り下ろし、グラディウスをバラバラに粉砕してしまった……。
そしてそれに呆然したのか沈黙したマグナスに、ユージンは「よけるなよマグナス! よけたらあの女が死ぬぞ~?」「ほーら死んじゃうぞ~~~~~~っっっ???」と盛大に挑発しつつ、今度こそトドメを刺そうとするも、先程自分がグラディウスを破壊したことがマグナスの逆鱗に触れてしまい、カウンターで渾身の一撃を顔面に叩きこまれてしまう。
強烈な一撃を叩きこまれたユージンは「マグナス、テメエエエエエエエエエエエエ!?」と逆上し、「ヒルデ、殺れえええええええええええ! このバカに後悔させたれええええええええっっっ」とヒルデに命令して人質にしたアリアを殺させようとするのだが、そんなユージンにマグナスは「生憎だが……バカなのも……後悔するのも……お前たちの方だ」と吐き捨てると、この時の決戦に備えて用意していた切り札である決戦兵器……即ちマグナスが倒し、その後『屍竜の王錫』でアンデッドとして使役していたデルベンブロこと『アンデッド・デルベンブロ』を呼び出す(コミカライズ版では、既にマグナスによって倒された筈のデルベンブロが生きている事に唖然となるユージンを、マグナスが先程の「随分と顔色が悪いじゃねぇか?」というユージンの発言の意趣返しとして、「随分と顔色が悪いじゃないか?ユージン」と嘲笑うシーンが追加されている)。
そしてアリアを人質にしていたヒルデは、アンデッド・デルベンブロの強烈な一撃で吹き飛ばされて失神(コミカライズ版ではマグナスの呼び出したアンデッド・デルベンブロにヒルデが気を取られている隙を突いてアリアが逃げ出し、それに気づいたヒルデがアリアの手を掴んでもう一度人質にしようとするも、それよりも早いマグナスの「アリアに汚い手で触るなヒルデ」の言葉と共にアンデッド・デルベンブロの攻撃を叩きこまれて吹き飛ばされ、失神に加え失禁と少し異なっている)。
その光景を目の当たりにしたユージンは状況を理解できず「どうしてデルベンブロがここにいるんだよおおお!? なんでマグナスが使役してんだよおおおお!?」と恐怖に怯えて錯乱する中、マグナスから意趣返しの如く「俺の正体がデルベンブロだと言ったのはおまえだぞ? 当然、(デルベンブロと)戦うことも視野に入れた上で、そう糾弾したのだろう?」と皮肉を吐かれるが、最早唯一の味方であるヒルデも戦闘不能となって四面楚歌の状態となった今、ユージンにできる事は「うるせええええっ!! オレは聞いてねええええ! そんなん聞いてねえええええええ!!」と駄々をこねる子供の様に喚く事だけであった。
尚、コミカライズ版ではこの時、魔物化したテンゼンに向かって「テンゼン! なんでだっ! どうして(アンデッド・デルベンブロの存在を)教えてくれなかった!?」と筋違いな詰問をするも、当然そんな事を予想する術など無かったテンゼンからは、呆れの余り無視された。
そして「己の愚かさを後悔し――清算しろ」というマグナスの言葉を合図に、かつて自分を瀕死にしたデルベンブロが突進してくると、ユージンは恐慌して無様な姿を晒しながらマグナスに向かって「オレが悪かったあ、マグナス!止めてくれっ!オレたち一緒に旅した仲間じゃねえかよっ」と自分の方から一方的に断ち切った関係を引き合いにして命乞いを実行するが、マグナスからは「もう仲間ではないはずだが?」と冷淡に一蹴され、尚も「もう二度とテメエにはちょっかい出さねえ! 誓う!!だから許してくれよおおなあああ!!」とゴネるも、マグナスにとっては自分が勇者パーティー在籍時代にユージンやヒルデから受けた仕打ちについては最早「どうでもいい」と割り切っており、そんな事よりも『自分にとって大切な人であるアリアの命を脅かした』(コミカライズ版では『バゼルフに造ってもらってからの付き合いは短いが相棒と呼べるほどに愛着が湧いたグラディウスが破壊された事』も理由に加わっていた)事が彼の逆鱗に触れていた為、恐ろしい形相で「絶対に許さん」と凄まれる事となる。
情に訴えかけた命乞いが通じる余地がないと悟ると、今度は半ば開き直ったかの様な態度で「オレは勇者だぞ!? 世界を救う運命を背負った男だぞ!? 勇者を殺したら世界終了だぞ!? テメエ責任とれんのかよ!?」と(自分の方から私利私欲の為にその運命を放棄しておいて)自分の立場を鼻にかけた上から目線の命乞いを実行するも、ユージンに追放され、手に入れた攻略本の真価を知った時に『自分が勇者(ユージン)に替わって魔王を倒し世界を救うこと』を自分自身に誓っていたマグナスがそんな命乞いに心を揺さぶられる筈もなく、「お前程度が世界を救えるものか」「責任?あぁ取ってやるさ」と反論され、彼の指示を受けたアンデッド・デルベンブロに鋭利で重い腕による猛攻を30発以上も延々と叩き込まれてしまい、それはユージンが今までにしてきた悪事の報いと言わんばかりに、肉体が原型を留めない程に潰されたのだった。
ユージンの終焉
だが、ユージンはしぶとくも死んではいなかったのである。それは以下のスキルの効果によるものだったのだ。
天命未だ尽きず
勇者の職業を持つ者だけが所有している隠しスキルで、このスキルの持ち主は魔王モルルファイが生きている限り、いかなる手段をもってしても死なない(HPが必ず1残る)という効果があり、どんな致死率が絶対的な酷いシチュエーションに陥ろうとも、死ぬ(HPが0になる)ことは決してないというまさしく反則級の効果を秘めている。
しかし、死なないのは確かだがこの手の不死身の能力には珍しく『自己再生や自動回復等で傷やダメージを癒す能力や効果』は備えてはおらず瀕死や戦闘不能にならないわけではない。
そのため、復活するには他者から回復魔法等で治癒・治療してもらう必要があるが、そうすればどんなに体が目を背けたくなるような惨い状態でも肉体は完璧に復元・完治するためチートそのものなスキルである事には変わりない。
こうしてユージンは勇者でありながら、罪もない大勢の民衆を苦しめ傷つけただけでなく、魔王軍に魂を売り、国家転覆を企んだテンゼンに私利私欲が理由で加担したという大罪を犯した(オマケに、国王や大臣を始めとする晩餐会の出席者全員にその犯行を目撃されてしまっている以上、言い逃れも出来ない)事から、本来なら極限まで拷問や責め苦を行い痛めつけてから公開処刑されるべきなのだが、このスキルが理由で(完全に無力化する事は可能だが)死なないため、水牢に永久幽閉されるはずだった。
しかしそれも、ヒルデの所属する教会の僧侶たち(旧弊であるためラクスタ王家にも影響力がある)が
「ユージン殿は、神霊タイゴンに選ばれた勇者である」
「もしその勇者を幽閉すれば、いったい誰が魔王を討つのか?」
「諸外国が許すと思うのか?」
「王は責任を取れるのか?」
と言った感じに(ユージンが犯した悪行を棚に上げて)唾を飛ばしながら大いにゴネたため、ラクスタの国王は大いに悩んだ末にユージンに『国外追放』(極刑や投獄は科さない代わりに、ラクスタ王国からの追放は勿論、隣国からラクスタ王国への入国、並びに国境の越境も永久禁止で有り、二度とラクスタ王国の地を踏む事は禁ずる)という処罰を下し、ユージン(とヒルデ)はラクスタ王国から追放された。
コミカライズ版では、追放される際の様子が少しだけ追加で書き加えられており、ラクスティアの裏町を逃げる様に歩きながら、あれだけ散々やらかしたにもかかわらず「なんで勇者のこのオレが国外追放なんだよ!おかしいだろ!」と苛立ちながら愚痴を溢し、ヒルデから「こんな無礼な国(自分達の今までの悪行三昧を、完全に棚に上げての発言である事は言うまでもない)さっさと出てしまいましょう」「私はいつでも勇者様の味方ですわ」と慰められ、2人で悦に浸っていた
……が、そこへ以前、ユージンが八つ当たりで暴行した子供の父親に「この前はよくも息子を蹴飛ばしてくれたな!」と掴みかかられたのを皮切りに、それまで自分達が危害を加えたり、迷惑をかけまくった民衆達から
「魔物に魂を売った極悪人め!」
「今までは勇者だからって我慢してきたが、もう言いなりにはならないからな!」
「この国にアンタの居場所なんかないよ!」
「さっさと出ていけ!」
と野次罵倒を受け、憤慨して『歴戦のフレイムソード』(ユージンがした事を考えると、この剣は勿論の事、その他鎧等の装備類全てを押収された上で放逐されても可笑しくないのだが、恐らくは先述の教会の僧侶及び信者達がその件に関してもゴネた事で、ユージンは追放されても尚、全ての装備類を所持していた)を抜きかけるも、ヒルデから「勇者様!ここで騒ぎを起したら今度こそマグナスさんに…(殺されてしまいます)!」と制止され、自身もマグナス(の行使したアンデッド・デルベンブロ)から受けた徹底攻撃がフラッシュバックして顔面蒼白となり、悔しそうにラクスタ王国を出て行くのだった(なお、ユージンはそれでも懲りもせずに「別の国ではオレ様を崇め讃えるに決まっている」と根拠のない自信を豪語していた)。
ちなみに、ミシャは先の『デルベンブロとの戦いでユージンが自分を見捨てて逃げた』件と『身勝手な私利私欲の為に魔王軍と手を結んだ』件でユージンに対して完全に愛想を尽かし、同時に自らも魔王軍と戦うには力不足であると痛感した事で、これからは故郷の魔物退治で地道に汚名を返す形で貢献していく事を決め帰郷。
ニャーコもまた『デルベンブロ戦で見捨てられただけでなく、そのせいで敵に犯されかけた』事もあってか死の山から生還後、ミシャと同様ユージンに愛想を尽かした事から縁切りを決めるも、自身もそれまでユージンに便乗して散々乱暴狼藉を働いていた事が仇となって投獄され、勇者パーティーは事実上の解散状態となり、そのまま物語からフェードアウトした。
ちなみに、ラクスタ国王はユージンの悪事を余さず国内に公布するだけでなく、諸外国にも使者を送り伝えたらしく、ユージンとヒルデの悪行三昧は風聞となってアルセリアの世界各地(ラクスタ王国やハリコン王国は勿論、アラバーナ帝国、カジウ諸島連盟、聖地ウーリュー、ルクスン大公国、ヴィヴェラハラ、リーンハルター帝国、etc.)へ伝えられ、マグナスの予想や考えでは『世界中のどこへ行こうと、(二人は)石やゴミを投げつけられ、一生迫害され続ける』『死んだ方がまだマシな目に遭うが、ユージンはなまじ死ねない分悲惨な事になる』『いつの日かタイゴンに選ばれたことが、実は祝福ではなく呪いである事に気付く』『自分がしでかした罪と愚かさのツケを清算するだけ』とのことらしい。
人物関係
勇者パーティー
同じパーティーの女僧侶。
自分が『彼女が信仰している神霊タイゴンに選ばれた勇者』と言うこともあって彼女からは慕われており、それどころか自分の言うことやること決めたことは全て肯定してくれるのでとても信頼している。
そのため彼女の進言や助言にはマグナスやミシャと違って素直に聞き入れている。
同じパーティーの女戦士。
マグナスとは違って攻撃面で役に立っているため冷遇こそしないものの、彼女の言うことには基本的に耳を貸さず、彼女から自分の悪行を咎められた際には聞き入れもせず、それどころか(彼女が勇者パーティーに所属しているのは『勇者パーティーの一員として活躍して、冤罪で家名に泥を塗った父の汚名を濯ぐ』という事情があるため)「マグナスみてぇにパーティーを追放されてぇのか!」と逆ギレして脅して黙らせている。
デルベンブロ戦で彼女をニャーコ共々見捨てた後は、マグナス同様に見放したかの様な態度をとっている。
自分が追放したマグナスの後釜として仲間にしたケットシーの女格闘家。
『超が付くほどの短気で暴力的』と言うこともあって彼女とは気が合うようで、彼女の乱暴狼藉は一切咎めないどころか、一緒に乱暴狼藉等の悪行を働く有様である。
しかし、デルベンブロ戦では彼女(とミシャ)を躊躇なく見捨てて逃げ出した為、あくまで気が合うからヒルデ並に優遇しているだけであって、所詮彼女への信頼や仲間意識などその程度の物であるという事が窺える。
コミカライズ版では国外追放となったユージンが彼女を探していた事から、デルベンブロ戦で見捨てた後は実質勇者パーティーから除外扱いしていたミシャと違って、まだ多少は仲間意識が残っている事を窺わせる言動を見せていたものの、ニャーコが後に勇者パーティーを脱退宣言した際、乱暴狼藉その他諸々の罪を被害者達から改めて訴えられて投獄された事をヒルデから聞かされるとすぐに掌を返し「使えねえ!」と悪態をついていた。
憎悪の対象
かつて自分のパーティーに所属していた魔法使い。
自分より二つも年上で、自分の言うことやること決めたことに苦言を呈していたためとても煩わしく思っており、本編のプロローグにてデストレントとの戦いで特に活躍してなかったことを理由の一つ(実際はユージンの指示や攻略法が間違っていたのが理由)に彼や魔法使いそのものをヒルデと共に散々侮辱して嘲笑った挙句、追放した。
だがナルサイの屋敷での一件や、その後の街で起こした騒動から『(全てユージンの自業自得だが)自分は民衆からの評判がとても悪いのに対し、マグナスは民衆からの評判がとても良い(それも「これじゃあどっちが勇者様かわからんな」と民衆に言われる程)』事を知らされた事で、ユージンは彼に逆恨みな憎悪を募らせることになる。
尚、マグナスは(プロローグが終わった後の)物語開始時点ではレベル23と、パーティーで一番高かったのに対し、ユージンはレベル19、それもデルベンブロ戦の時点であり、即ち物語開始時点ではもっと低かった可能性もある為、ユージンがマグナスを追放した時点では、少なくとも彼とはレベル4もの差があった事になる。
それなのにも拘わらず、自分より遥かに格上のマグナスを、そんな事も知らずに見下し嘲笑していたと考えると、非常に滑稽である。
自分たち勇者パーティーに依頼をした依頼人である学者。
依頼を忘れて1ヶ月も放ったらかしにしていたユージンと違い、依頼を受けたその日の内に依頼を達成したマグナスを高く評価しており、尚もマグナスを「役立たず」と罵ろうとするユージンに対して、上記の通り正面からとマグナスを称賛し、彼と比較する形でユージンをこき下ろし、乱暴者のくせに権威には弱い彼の器の小ささを露骨に嘲笑うなど頭から馬鹿にしている。
その結果、ユージンはマグナスと同様彼に対しても憎悪を募らせる事になる。
魔王軍
魔王モルルファイに仕える幹部『八魔将』の一人。
ユージンはマグナスへの反骨精神から手柄を求めてデルベンブロの討伐を目指すのだが、デルベンブロからは実力(レベル・ステータス)は勿論の事、知識すらもろくに備えていないユージンのことをトコトンにまで見下して嘲笑している(そもそもとして、先述の通りデルベンブロに物理攻撃は効かない為、仮にユージン達のレベルが32以上だったとしても、非戦闘員であるヒルデを除けば、全員が物理攻撃しか使えない勇者パーティーに、最初から勝ち目など無かった。しかし、後に登場する剣士がデルベンブロのような完全な物理攻撃が効かない強敵に対抗するための魔法剣のような攻撃スキルを使用しているため、勇者であるユージンもそのような攻撃スキルを習得する可能性がないとは言い切れない)。
協力者
- テンゼン/テンゼン=デルベンブロ
ラクスタ王国の近衛騎士隊長。
かつてはラクスタ王国への忠義厚く、理想に燃えていた正しい心を持つ騎士だったのだが、今では権力等に対する欲に目が眩み、デルベンブロのラクスタ王国侵略に手を貸す程の悪に堕ちてしまった。
本編開始前(マグナスが追放される前の頃)に開かれたラクスタ王国の国王の誕生パーティーに招かれた時に初めて会って意気投合する。そしてその時に彼から「バゼルフに自分の剣をフレイムソードに強化してもらった」という話を聞き、それがバゼルフに依頼するきっかけとなった。
前述の通りデルベンブロがマグナスに討伐された後はデルベンブロの後を継ぐようにユージンを唆してデルベンブロ討伐を祝う晩餐会の時に国家転覆のため行動に移し、マグナスと対峙した時に魔物に変貌した肉体を自分の本性と共に晒した。
その後はユージンと共にマグナスと交戦するが、最終的に彼の攻撃魔法によって跡形もなく消滅してしまった。
しかし、デルベンブロと結託し異形の怪物と化す事に一切の躊躇いを見せない程にまで欲深いテンゼンが他人に、それも自分より格下のユージンにラクスタの領土の半分を渡すとは到底考えられない為、恐らくはユージンの事はデルベンブロを撃破した要注意人物であるマグナスの排除の為の即戦力としか見ておらず、クーデター計画が完了し用済みとなれば、約束を反故にして(上記の『天命未だ尽きず』のスキル故に完全に無力化する事は可能だが死なせる事は出来ないので)水牢にて永久幽閉するか、肉体をバラバラにした後生き埋めにするか、マジックアイテムを用いて魂や肉体を封印するか、記憶を消すか等の方法で始末していた可能性が高い。
その他
ラクスタ王国の王都ラクスティアにて店を構える名工。
ユージンからは暴行で脅されてフレイムソードを無理やり作らされ、店も荒らされた挙句対価も一銭もないどころか愛用の金槌も奪われる(この金槌はその後どうなったのか不明)と散々な仕打ちを受けるが、後から店に来たマグナスに助けられ、彼からサブクエストをこなして入手した最上級の金槌『オリハルコンスミスハンマー』を受け取る事で鍛冶師として再起して彼の助けとなっている。
まだマグナスがパーティーに在籍していた頃にユージンが立ち寄ったエンゾ村の戦士。
容姿こそユージンと同じく『金髪の強面』ではあるが、仲間を躊躇なく見捨てる事が出来るユージンとは違って、彼は愛する女性の為に命を賭けられる勇気ある人物であり、マグナスも「どこかの運命(の神霊タイゴン)に選ばれただけのバカとは違う」と、ユージンと比較する形で「本物の勇者」と称賛している。
余談
『ピクシブ百科事典に個別記事のある追放ものの悪徳勇者』という括りでは、最も早く破滅して物語からフェードアウトした(書籍版では1巻、コミカライズ版では3巻で退場している)ユージンだが、実は2023年3月29日に同じ悪徳勇者の代名詞的存在として悪名高い某ウ○コクズのイラストがアップされるまで、メイン画像に最適任なイラストが投稿されている唯一の悪徳勇者であった。
更に言うと、そのイラスト自体がピクシブ百科事典にユージンの個別記事が作られる前から投稿されたものである。
ちなみにいうと、一応は追放もの悪徳勇者の筆頭格であるアイツのファンアートもなくはないのだが、クオリティのほどはお察しください。
関連タグ
悪徳勇者 チンピラ バカ 卑劣漢(悪漢) 小悪党 無能 自己中心的 傲慢:作中におけるユージンの評価の数々。