虫とは
- 人間、獣、魚、鳥、貝以外の小さな生き物。多くは昆虫を指す。
- 秋の季語。美しい声で鳴く昆虫の総称。マツムシ・スズムシなど。
- 人に害を与える小動物。人の体内に住む寄生虫や、ノミ・シラミ・シミなど。→ 害虫
- 人間の体内にあり、さまざまな考えや感情を起こすもとになると考えられていたもの(腹の虫、浮気の虫など)。
- 一つの事に熱中する人(本の虫、勉強の虫など)。
- ある特定の性向をもっている人。他の語と複合して用い、その人をあざけっていう(泣き虫など)。
生き物の虫
昆虫を多くは指し、ほかにもダンゴムシ、ムカデ、ヤスデ、ミミズ、カタツムリ(デンデンムシ)、タニシなども虫として扱われているが、人によって認識は異なる。
漢字
漢字の「虫」の字は本来、単に動物を指す文字であった(蟲のモデルは蜷局を巻いた蛇)。哺乳類は「毛虫」(もうちゅう)、鳥類は「羽虫」(うちゅう)、魚類や爬虫類は「鱗虫」(りんちゅう)、カメや甲殻類などの節足動物は「甲虫」(こうちゅう)、そしてヒトは「裸虫」(らちゅう)と呼ばれていた。
哺乳類である蝙蝠、貝である蜊と蛤も虫偏である(貝類に貝偏が付かないのは、貝が本来お金に関する漢字であることによる)。蛸、蛙、蝦、蟹も虫として扱われ、蛇も「長虫」といわれている。そのため、蛇や竜によく似た「虹」にも虫偏がついている。
人間との関わり
虫と呼ばれる動物たちは地球上のあらゆる生態系に多数が棲息するため、人類も必然的に彼らとは密接な関係にある。過去には虫を食用にする(昆虫食)文化が広く存在し、またノミなどの寄生虫は人類にとって身近なものであった。
古来の日本人はセミやスズムシの声、空を行き交うトンボに四季の移り変わりを感じ、戦前の日本では蚕を育てて絹を生産する「養蚕」が盛んであった。
ところが、現代のコンクリートやアスファルトで覆われた大都市では小動物が激減しており、季語となっている「虫の声」も聞かれなくなった。「夏の風物詩」であったセミの声もなじみがなく、「うるさい」として嫌う人が増えている有様である。日常生活で目にする虫はハエ、ゴキブリ、蚊、ダニなどの「衛生害虫」「不快害虫」に限られがちになっている。そういった虫は発見するやいなや殺されてしまう事が多い。それでも種多様性が高く比較的見栄えのする蝶や甲虫などを中心に、野山での昆虫採集などを愛好する人々もいる。
一方で、農業の世界では、現代に至るまで人類と虫たちとの密接な共生関係が続いている。まずあげられるのは、蜂や蝶などの受粉昆虫との関わりで、蜂蜜を生産するミツバチを家畜として飼育する「養蜂」という営みもある。またミミズや線虫の多く棲息する土は、良質な作物を育む。もちろん葉や植物の汁を食べてしまう芋虫やアブラムシなどの害虫もいるが、こういった害虫を食べてくれるトンボやカマキリなどは「益虫」として農家にありがたがられる。
虫を「主題」とした版権作品
- 重甲ビーファイター
- カブトボーグ
- 甲虫王者ムシキング
- BugFables
- みなしごハッチ
- バグズ・ライフ
- 常住戦陣!!ムシブギョー
- テラフォーマーズ
- HollowKnight
- 仮面ライダーカブト
- ヨシモトムチッ子物語
- 王様戦隊キングオージャー
- ムシウタ※
- 蟲師※
※虫の形をした"憑き物"で、厳密には異なる。
虫と呼ばれるもの
関連タグ
蟲:表記揺れ。