概要
ジオン公国が有する軍隊。一年戦争後は主に旧公国軍と呼ばれる。
ギレン・ザビを総帥(階級は大将)とした独立軍で、地球連邦軍に先駆けてモビルスーツの作成に踏み切った。
人員では遥かに連邦を下回るジオンが一年戦争を優位に戦えたのも、ひとえにこのMS製造技術とコロニー落とし等のスペースノイドにしか考え付かない作戦の数々と言える。
最終的にザビ家がミネバ・ザビを残して全滅した後にジオンは共和国制となり、各地に残存した勢力もアクシズへと集合。デラーズ・フリートやネオ・ジオンと言った反連邦組織、所謂ジオン残党軍を編成していく事と成る。
連邦と比べて兵士の連度は高い反面、プライドが高い者は少なくなくスタンドプレーや独断専行に走る兵士も多い。
組織全体では派閥同士の仲も悪い等、この一面は連邦側からは酷評されている。
作品では殆どは敵であり、「悪の組織」や「ならず者集団」と思われがちだが基本的には「戦争のルール」の通りに軍事行動を行っているに過ぎない(寧ろ連邦側の方が腐敗した組織関係を見せる方が多い)。但しコロニー落とし等の明確な悪事も働いている。
全体として見ると「義理人情を貫く者」、「何らかの矜持を持つ者」、「復讐鬼」、「極悪人」と個人同士の思想が良くも悪くも一貫している訳では無かったりもする。
編成
ジオン公国総司令部
全ての軍を統括する司令本部。総司令官はギレン・ザビ。
技術本部
総司令部直属の、宇宙攻撃軍、突撃機動軍から独立した組織。アルベルト・シャハト技術少将麾下で、一年戦争時に投入された(または投入予定だった)兵器の技術評価、検証などを専門に行っている。
主な所属者はオリヴァー・マイをはじめとした第603技術試験隊等。
宇宙攻撃軍
ドズル・ザビ配下の軍隊。最も巨大な勢力を持っている。シャア・アズナブルも左遷以前はここに所属していた。
著名な所属者はランバ・ラル、コンスコン、シン・マツナガ、アナベル・ガトー、ヘルベルト・フォン・カスペン等。
戦後は残存部隊の多くがアクシズに向かったとされる。
突撃機動軍
キシリア・ザビ配下の部隊。特殊任務や教導を請け負う特務隊を多く擁しており、ニュータイプの開発なども行っている。
主な所属者はシャア・アズナブル、マ・クベ、黒い三連星、シーマ・ガラハウ、ジョニー・ライデン等。
指揮下の特殊部隊としては、ジョニー・ライデンの属するキマイラ隊をはじめ、サイクロプス隊、闇夜のフェンリル隊、マッチモニード、マルコシアス隊等が存在する。
ア・バオア・クー戦に全戦力を注ぎ込まなかったことで主力部隊が残存し、戦後はアクシズに合流した他、少ない戦力が火星に向かって火星独立ジオン軍(ジオンマーズ)の母体となっている。
地球方面軍
ガルマ・ザビ配下の地球圏での戦闘を行う部隊。突撃機動軍の下部組織である。
一時は地球全土の半分を占領下に治めるも、MS開発を開始した連邦軍に押され始めオデッサ陥落による失地回復もままならず最終的には大半の部隊が敗走する。
総帥府
ギレン・ザビの独裁を支える特務機関。別名『ペーネミュンデ機関』。
本来は政府機関故に軍とは指揮系統が全く異なっているが、それでいて総帥府側は軍の指揮系統にも普通に介入する事が出来る程の強大な権限を有している。
主な仕事はプロパガンダの放送などの政治活動の他、諜報活動、指揮下の特務士官を各軍の部隊に管理官として派遣し、その行動を監視するなど秘密警察の様な事も行っている。
特務士官は表記の階級よりも2階級上の扱いを受ける特別待遇が許されており、いざとなれば派遣された先の一般部隊を強制的にその指揮下に置く事さえも可能。
主な所属はモニク・キャディラック特務大尉やギレンの秘書セシリア・アイリーン等。
主要拠点
宇宙の拠点
サイド3
ジオン公国本国。総帥府や総司令部の本部が置かれている他、上記の各軍に匹敵する規模を持つ常備戦力が本国防衛部隊として配置されている。
一年戦争末期に公国軍将校のアンリ・シュレッサー少将率いる首都防衛大隊が突如としてギレン・ザビ打倒を目的とするクーデターを起こし、一時混乱状態になる。
宇宙要塞ア・バオア・クー
ジオン本国防衛ラインを形成する三大重要拠点の一つ。他二つよりもややジオン本国に近い位置にあり、一年戦争末期には公国軍総帥ギレン・ザビ自らが指揮を執り最終防衛拠点として位置付けられた。内部には大規模な工廠を有しており、一年戦争後半にはジオン軍の宇宙における中心的な生産拠点としても機能した。
宇宙要塞ソロモン
ジオン本国防衛ラインを形成する三大重要拠点の一つ。ドズル・ザビ中将が采配を担う宇宙攻撃軍の本拠地。ジオン軍の制宙権確保及び他コロニーサイドへの牽制など、宇宙における作戦行動の中心拠点にもなっている。
月面都市グラナダ
ジオン本国防衛ラインを形成する三大重要拠点の一つ。キシリア・ザビ少将麾下の突撃機動軍の本拠地。ジオン軍による月面都市群の実効支配の中心地となっている他、地上部隊を送り込む際や宇宙から支援する際の中間拠点としても機能している。
小惑星基地アクシズ
地球圏からは遠く離れたアステロイドベルトに位置している資源管理基地。アステロイドベルトでの資源採掘の拠点であると同時に、木星ヘリウム船団の停泊地ともなっている。居住区画として改装された小惑星モウサが接続されている。
一年戦争終結後はア・バオア・クー戦から逃れてきたジオン敗残兵らを受け入れ、マハラジャ・カーンを継いだハマーン・カーン率いるジオン残党軍の拠点となる。
シャア・アズナブルも一時期滞在していたが、ハマーンを見限りエゥーゴへと渡る。
小惑星基地ペズン
一年戦争末期に兵器開発を行っていた基地。戦後は地球連邦軍に接収され、グリプス戦役後に駐留していた連邦軍部隊がニューディサイズとして蜂起した。
小惑星基地ダモクレス
コロニー建設時代初期に太陽系外縁から運ばれてきた、ソロモンの四分の一程の大きさの資源衛星。資源採掘後に辺境宙域に放置されていたが、一年戦争勃発時のコロニー潰しで破壊されたコロニーと衝突し周辺が暗礁宙域化。それを活かして一年戦争末期にジオン軍がゲリラ拠点として基地化した。巡洋艦数隻を維持補修する能力を備え、核パルスエンジンによってアクシズ同様移動が可能。
戦後はジオン残党の拠点と為っていたが、デラーズ紛争の際にデラーズ・フリートに呼応して出撃、空き家と成った所を後にエゥーゴの原型となる勢力の集結地点とされた。
地上の拠点
オデッサ
ヨーロッパの軍事拠点。大規模な資源地帯の中央部に位置しており、地上部隊への補給を大々的に担っていた。ジオン軍の地上拠点の中では最大規模かつ最も重要な場所の一つ。
キャリフォルニアベース
北アメリカの軍事拠点。ジオンの地球攻略作戦の中心拠点となっており、ジャブローへの攻撃は主にここから行われていた。オデッサと並ぶ地上の最重要拠点の一つ。
ニューヤーク
北米方面軍の司令部と基地が置かれた都市。基地令官は同軍の総司令でもあるガルマ・ザビ。都市そのものは同地を占領する前段階に行われた爆撃により廃墟と化してしまっている。
制服
一般的に濃い緑を基調とした軍服を着用している事が多く、ノーマルスーツも同様に緑が基本色である。
但し、階級に応じて軍服およびノーマルスーツの改造が認可されており、自身のパーソナルカラーの軍服を着用しているシャア・アズナブルやランバ・ラル等が特に顕著な例である。
また、総帥府直属の特務士官は赤色の専用軍服を着用している。
主要兵器
モビルスーツ
ザク系統
- ザクⅠ(旧ザク)
- ザクⅠ・スナイパータイプ
- ザクⅡ
- ザク改
- 高機動型ザクⅡ
- 陸戦高機動型ザク
- ザクキャノン
- 強行偵察型ザク
- ザクフリッパー
- サイコミュ試験型ザク
- ディザートザク
- ザク・デザートタイプ
- ザクマインレイヤー
- リユース・サイコ・デバイス装備高機動型ザク
グフ系統
ドム系統
ゲルググ系統
試作機・少数生産MS
水陸両用MS
モビルアーマー
戦闘艦(汎用及び宇宙専用)
戦闘艦(地上用)
その他
関連項目
機動戦士ガンダム 機動戦士ガンダム第08MS小隊 機動戦士ガンダム0080
ヴェイガン…ガンダムシリーズにおける似た様な組織。
ブルーコスモス、銀河帝国、黒の組織、ロケット団、クッパ軍団……長期に渡って登場する敵対勢力繋がり。前者はガンダムシリーズの敵対勢力繋がり。