概要
原作となる小説、漫画、ゲームなどでは描写されていなかったアニメのみで語られるエピソードや設定の事。
あくまで、原作ありきの作品をアニメ化した場合に起こる物であり、アニメのコミックス版や、メディアミックス等における企画時からアニメと漫画が同時に動いていた場合は、これに含まない。
例:スクライド / ガールズアンドパンツァー等。
誤解されやすいが、原作が無くキャラや世界設定等を1から作られたアニメ作品の事はオリジナルアニメと呼ばれる。
その受け入れられ方は人によって変わり、原作の解釈を深めてくれたとして愛されるアニメオリジナルもあれば、原作の雰囲気をぶっ壊したと蛇蝎の如く嫌われる物もある。
はたまた、原作とは違うけど良作故にアニメ派と原作派で議論が終始行われている物等多数存在する。
ただし、古い時代(1970年代以前)のアニメは概ね原作をアレンジ、及び設定を使用したアニメオリジナルを入れる事は常識でもあった。これは、アニメと漫画は表現手法の違う作品であったためで、「原作はあくまで原作」であり、アニメはアニメで勝手にやると言うスタイルだった。
そのため、アニオリ問題は以前からあった物の、大々的に表面化したのは比較的最近である。
特に方向性や設定の齟齬が無い限りは、アニメオリジナルを歓迎する原作者もいる。
そして、オリジナルエピソードやオリジナルキャラと言われる存在感の強い要素は良く槍玉にあげられるが、些細な時系列の変化と言ったアレンジは含まれない事も多い。
反面、昨今は連載終了後のアニメ化や、クール制により一区切りついた所での中断等も増えており、大規模なアニメオリジナル要素は減少傾向である。
アニメオリジナルが生まれる要因
主に以下の物が原因である
1.原作にアニメ制作が追い付いてしまい、間を繋がなくてはならなくなった
2.原作の媒体によって尺が合わないので、尺を合わせるための改変
3.作風を統一するために、原作の要素をオミットする
4.プロダクションや放送局の都合による変更
5.アニメ制作者の独断や暴走
6.原作で語られていない部分を想像し、作風に合う様なエピソードを入れる
7.原作がアニメの使い捨てのゲストを逆輸入し登場させる作風だった場合
1.原作にアニメ制作が追い付いてしまい、間を繋がなくてはならなくなった
一般的にオリジナルエピソードは原作のネタ切れや引き延ばしのための手段として使われる。
日常系の作品や遠大な目的のために戦う人達を題材とした作品、所謂国民的枠の作品が使用する事が多い。
世の中に溢れるアニメオリジナルは大体コレである。
これらの原因は漫画の1話分が概ねアニメでは数分~10数分程度で消化されてしまう事にある。
絶対では無いが、大体少年漫画1巻分は2~3話で消化されてしまう。
原作が未完で連載中の場合、否応無しに原作に追いついてしまい、放送休止にする訳にも行かないのでオリジナルエピソード等が挟まれる事になる。
特に2000年代より以前のアニメは原作連載中にアニメ化となり、クール制でも無かったため、原作に追いつく程に長期間放映される物もままあったせいで、アニメオリジナルのエピソードは珍しくない。
週刊誌連載の作品で長期放映作品の場合は2023年の今でもこれらの手段による引き延ばしは行われている。
場合によっては、僅かな新規のカットのみを製作し既存部分を切り貼りして、アニメ全体で振り返りを行い「回想をする」と言う事で総集編を流すと言う手法が使われる事もある。
2.原作の媒体によって尺が合わないので、尺を合わせるための改変
1でも触れたように発表された媒体により尺が違う事は良くある。
漫画なら1巻分は2~3話だが、小説なら1巻分でアニメの10話以上になる事も珍しくない。
これを映像作品にする際、丁度良くぶつ切りにしていく事は早々出来ずに小さい物では人物が出るタイミングをずらしたり、本来出る複数人の役割を一人にまとめたりする描写の改変は良く行われる。
ゲームの場合は更に顕著で、あまりに長いゲームを映画1本分に収めるとなると、かなりムチャな手を使わざるを得ず、「ダイジェスト版」とも言える作風になってしまう事もある。
また、漫画でもTV放送される場合はまだしも、OVAで巻数が決まっていると完結作品でも改変される事はある。
(本義からは外れる物の、小説版の漫画化や実写映画化等でもこういう事例は起こりうる。)
3.作風を変更するために、原作の要素をオミットする
例えばギャグ風味とシリアス風味が混ざり合う作品があった際、それらを漫画の様にスムーズに差し挟む事が難しかったり、それをやると尺が足りないため、一部の要素をあえて切り落として改変する方法である。
この場合、ギャグがあった漫画でもシリアス一辺倒になったり、逆にギャグ中心でシリアス要素が無くなってしまう事もある。
また、当時の流行りである要素を入れてしまい原作の良さを台無しにしてしまう事もある。
4.プロダクションや放送局の都合による変更
これは時世を見た上での要請だったりする事が多い物の、強い権限を持っている人々が行うため、場合によってはアニメファンからの恨みを買う事も多い。
例えば、海外に売り込みたいがために、海外で炎上する要素を全てカットしたり(例えばナチス関連)放送コードや番組放映時間への配慮により、エロやグロはマイルドにされたりカットされたりする。(時には流血描写すらカットされ、僅かな血すら描かれなかったり、見せたくない部分を黒塗りにされたり、謎の光や湯気で隠される事もある。)
そして番組編成の変更や、偉い人の鶴の一声で急遽打ち切りが決まったアニメ作品も多い。
この場合は、それとないエンディングを入れて一応の終わりを見せてはくれる事はある物の、原作が続いており盛り上がっている場合は、「その続きが見たかった!」と言う事で恨み節となってしまう。
逆に原作も終わり、原作者も関わっていないが、大規模なお金が動いているせいでやめるにやめられず、アニメ独自で続編の企画がたてられてしまう事もある。
5.アニメ制作者の独断や暴走
原作者が強く関与していない場合、アニメ監督や制作者が暴走してしまう事も多々ある。
これが3に繋がってしまう事もあるが、アニメーターや監督の個性が強く出る事もあり、上手くかみ合えば名作として語られる事もある一方で、作品の私物化や、原作クラッシャーと呼ばれてしまう事もある。
近年は原作改変が喜ばれない事に加え、原作者が関与する事も増えたためにあまり見ない物の、原作者が関与しない作品では稀に暴走しているアニメを見る事もある。
この暴走による原作者の反応は作品によって様々で、喜んでいる者から悲しむ者、怒り心頭な者と様々である。
昨今は好き勝手に描けなくなったアニメーターが「原作者は邪魔」とネット上で言ってしまい炎上した事もある。
6.原作で語られていない部分を想像し、作風に合う様な描写やエピソードを入れる
これは原作を深堀したが故に描写されるパターン。
アニメーターや監督の原作愛が描写されている事もあり、概ね好評となる事が多い物の、
中には解釈違いとして受け付けない人もいる。
7.原作がアニメの使い捨てのゲストを逆輸入し登場させる作風だった場合
二次創作の二次オリに近いが、アニメ独自のゲストキャラクターを出すケース。原作を基調として設計されたキャラでも、「原作に登場する使い捨てのキャラとは法則が違う」、と言った特徴がある。
ある程度であれば、原作のイメージを破綻させる程でも無く、時には原作者に逆輸入され、助けになる事もあるが、(スケジュールだったり、原稿の枚数だったり)「原作のレギュラー以外を使うのはすべて原作クラッシャーだ」というイメージを抱かれる事があり、風評被害や誤解の流布に繋がる事もある。
様々なアニメオリジナル
古くは日本初アニメ放映作品である『鉄腕アトム(白黒版)』も早々にネタを使い切り、アニメオリジナルが盛り沢山のため、日本アニメの伝統とも言える。
『かいけつゾロリ』なども同様で早々にネタを使い切り後半がほぼオリジナルである。
また原作がアニメ放送中に現在進行形で続いているため、それから乖離する「一応の最終回」を作らねばならず完全に原作と違う筋書きをたどる作品(『鋼の錬金術師』、『ソウルイーター』、『トリコ』他)、設定を借りてストーリーの最初から大半か全部がオリジナル(『真剣で私に恋しなさい!!』、『薬師寺涼子の怪奇事件簿』)もある。
『はれときどきぶた』は一部キャラクターを引用しただけで全くのオリジナルとなっている。
そこまで極端な例でなくても、時間稼ぎのために無理矢理オリジナルの過去描写を使ったり(『BLEACH』など)や原作の数ページの内容を1話かけて描写する(『ドラゴンボールZ』など)してしのぎ切る、人気が高すぎて原作終了後もアニメを放送するためにオリジナルストーリーで制作(『ドラゴンボールGT』)、最終回のために原作の展開を一部変更 (TV版『頭文字D』のFifth Stage以外の各シーズン)、こういった内容は賛否両論となることが多い。
その一方で、人気の戦闘面、または生活面を重視して挿話を1エピソード丸々飛ばす、放送コード的に原作と同じ展開が出来ない物はすり合わせや、結末が全く正反対、後日談等を行った上でアニメオリジナル展開になるケースが多い。
エロゲ原作のアニメ作品、一騎当千やハイスクールD×Dや魔装学園H×Hのようなエロシーンが多い物、ベルセルクやされど罪人は竜と踊るのようなグロシーン等が該当する。
そうならずとも、原作者から挿話を好き勝手に改編させても容認するレアケースも多少なりとも存在する。監督の采配で物語そのものが凡庸さから、いきなりケレン味溢れるアニメに様変わりするか、原作レイプと揶揄されるかはその人の器量次第である。
アニオリ要素として、登場するキャラクター自体の設定が大きく変更(原作ファンからしてみれば改悪描写)される事も珍しくなく、極端なところでは
- 原作で全く接点の無いはずであるキャラクター同士に強引に接点を持たせるのみならず、異性同士の場合は恋愛関係にまで至ってしまう。
- 原作に登場しない主人公と距離の近い異性キャラ(所謂ヒロイン、幼馴染み等)を設ける事で、主人公に絶対必要とされている訳では無い「恋愛」の要素を入れてしまう。
- 特定のキャラクターへの人気が集まった事でそのキャラクターを異常なまでに持ち上げる独自ストーリーが描かれる。
特に『3』の場合は、対象が主人公のライバルキャラクターの場合だと、主人公と立場が逆転してしまったり、あるいは意図的に主人公の印象が悪く描かれてまで視聴者からの同情を集めたライバルが持ち上げられてしまう事さえもある程で、原作とあまりにも違い過ぎる印象には、やはり原作ファンからは難色を示される事になっている。
また、アニメ化を機に原作キャラクターが存在を消されてしまう事例も存在する。詳細は存在抹消の記事を参照。
しかしながら、原作媒体では語られなかったエピソードを補完する(『ONEPIECE』のTVSP「3D2Y」や『THELAST NARUTO THE MOVIE』、『頭文字D Final Stage』最終話の結末など)ことや、原作でのツッコミどころとなっているシーンを修正しているような場合(『北斗の拳』『金田一少年の事件簿』)、原作のストーリー性が薄い(『劇場版どうぶつの森』)、原作の発表時期から年月が経過しており、制作にあたって現代を舞台にしているなどそもそも一概に良い悪いとは言えないものもある。
原作者に気に入られれば、そういった描写が原作に逆輸入される場合も存在し、『ドラゴンボールZ』における主人公の亡父バーダック、『食戟のソーマ』における一部エピソード等の事例もある。
また、TVアニメの劇場版は多くがオリジナル展開であることが多いが、中には原作者書き下ろしのストーリー(上述のNARUTOやSAO劇場版のオーディナル・スケールなど)も存在する。
アニメオリジナルといえるかどうかはわからないが設定に変更のある部分も存在する。
例えば『鋼の錬金術師』のキング・ブラッドレイは原作及び2009年版ではラース、2004年ではプライドとして扱われたり、『頭文字D』の藤原文太のインプレッサは原作ではクールグレーメタリックなのに対しアニメではソニックブルーマイカに※、さらに星野好造のスカイラインGT-Rも原作ではグレードはV-SpecIIでカラーもベイサイドブルーだったがアニメではグレードは生産終了記念モデルであるV-spec II nurでカラーもそのグレード限定のミレニアムジェイドメタリックに変えられるなどが有名なものである。
アニメオリジナルは原作でも回収されていることも多々あったり、原作の追加要素として描いているシーンもあるため、「原作以外は全く無関係」という軽薄な考え方は誤解を生んでしまう一つの原因となることがある。つまり、原作以外のものも本編と繋がっていることも多々あるため、全ての作品は注意して見るべきなのである。
また、必ず漫画が先にあったとも限らず、企画時点からアニメと漫画がタイアップで放映される例もあるため、この場合は両方オリジナルであると言える。
例:ゲッターロボ、デビルマン、パトレイバー、リューナイトなど
また、大なり小なりアニメと原作は尺の違いや放送出来るライン等もあるため、完全に同じには出来ない事が多い。
原作を尊重し、忠実に作った作品でも時系列を入れ替えた構成にしていたり、細かいシーンが省かれていたり、逆に追加されていたり、アニメならではの要素が入る事も多い。
(例えば、原作に忠実なOVA版ヘルシングでは、少佐の演説とリップヴァーン・ウィンクル戦が入れ替わっているために、原作では演説の場にいるリップヴァーンがアニメ版ではいない。)
とはいえ、最近は大幅な路線変更やキャラやストーリーの追加は不評を買う事が多い上に、長期間の放映も減ったせいか、近年のアニメは原作に忠実に描かれる事が多くなっており、アニメオリジナル要素は原作の掘り下げに回る事も多い。
ただしその場合でも、古い作品をアニメ化する際は現代的な物を取り入れたりする事が多い。
例を挙げれば、スマホを持っていたり、インターネットを行っているなど。
細かい部分だと、使用武器や兵器、戦闘スタイルを最新式にアップデートしていたりなど。
概ね原作ファンが忌避感を感じる場合は、原作にそぐわない要素やキャラが大きく入っている場合が多い物の、重箱の隅をつつくような指摘は野暮になりかねない事は注意しておきたい。
※インプレッサの登場するエピソードのアニメ化以前に発売された各種グッズやゲームではグレーだったが原作で直接色に言及された事は無く、原作35巻のカラーイラストではブルーに近い色で着色されておりゲームでも現在はソニックブルーマイカで統一されている。なお、変更後のボディカラーは本来限定車専用であり現実では文太搭乗車と同グレードの車には設定されておらずオールペンしたものと思われる。
代表的なアニメオリジナル展開・描写
タイトル | 内容 |
---|---|
EAT-MAN | 主人公のボルト・クランクの描写に大きな差異があり、原作では物静かで何を考えているのかはわからないが、非道な事はせず理不尽な依頼は契約を反故にしない形で裏切ったり、敵対者も徹底した悪人でも無ければ見逃し、ほぼ喜怒哀楽を表さない男である。しかしアニメ版は、まさに悪役と言った有様で、理不尽な依頼での殺しを容赦なく行い、冷徹な目を持ち、不気味に笑ったり、イカれた様に笑い声をあげる奇行が多い。後に原作に忠実に作られた「EAT-MAN'98」が存在する。 |
うる星やつら(1981年/TV版・劇場版) | 原作とは全く違うストーリーで「暴走」とも言える程にアニメスタッフが好き勝手やった結果大好評を得た。特に本編だと少し出た程度であるモブのメガネをレギュラーキャラに大抜擢する等も行った。押井守の出世作であり、数多くの名アニメーターを生み出した上で、アニメブームを巻き起こしたが、押井守の思想が強く出た回もある他、やり過ぎたパロディ等は押井守や参加アニメーターによる作品の私物化と見ている人もいる。原作者の高橋留美子氏は劇場版の「ビューティフルドリーマー」を「押井さんの『うる星やつら』です。」と言っている。(なお喧嘩している訳では無いとの事)。2022年に原作を基調としたアニメ版が放映された。 |
エクセル・サーガ | アニメスタッフが好き勝手やった結果、何故か監督がキャラとして登場したり、大宇宙の意思で色々な状況がリセットされたりする始末だが、意外と好評。原作に取り入れられた物も多少ある。なお、第一話で原作者がアニメで殺されている。 |
カードキャプターさくら | 原作では19枚集めるクロウカードだが、アニメでは大幅に超えた53枚のカードを集める事になったため、アニメオリジナル展開は多く、オリジナルキャラも存在する。しかし、脚本の大半はCLAMPの大川七瀬氏が手掛けており、原作テイスト基調のアニメオリジナルと言える。また、同性愛要素やロリコン、ショタコン要素は時代を先取りし過ぎていたためか、マイルドに抑えられている。 |
ガンスリンガーガール | 1期のアニメは漫画でのエピソードを基に順番を入れ替えた上で、オリジナルエピソードや原作で描写されなかった細かい表現を追加。全体的なクオリティは高く評価が高い。ただし、原作者は不満だったようで、2期は原作者が監修した上で作成されたが、1期に比べると全体的なクオリティは低く低評価となってしまった。 |
神無月の巫女 | 概ねは原作である漫画に沿っているが、アニメではオロチ衆に関するエピソードが掘り下げられている他、苗字がついたりするキャラもいた。また、ヒロインが迎える結末も原作とは違う物となっている。 |
寄生獣 セイの格率 | ストーリーの流れは概ね原作通りだが、主人公の泉新一は原作と違い眼鏡をかけており、他の登場人物も原作とキャラデザは大幅に変わったために物議を醸した他、スマホや不良の表現も現代的な表現も増えた。TV放映のためか、残虐な描写もマイルドになっている。 |
キテレツ大百科 | そもそも原作は短期連載であり全3巻であるが、TVアニメ版は300話超という大ボリュームである。初期こそドラえもんと似た様なアニメであったが、徐々に独自の味を出していく事に成功し、人気の長寿作品となった。藤子・F・不二雄氏もアニメスタッフの努力と健闘を讃えており、毎週の放送を楽しみに見ていたとの事。 |
巨人の星 | 初期のアニメの宿命で、色々とオリジナル要素が多い。特にネット上で話題になるクリぼっち回はアニメオリジナルである。また、TVアニメ版は最後に星飛雄馬は死ぬ予定だったが、スポンサーからの猛抗議が来たので死亡しないエンディングとなった。なお、この急遽の変更は声優の古谷徹氏も現場で知ったとの事。 |
金田一少年の事件簿 | 一部キャラが未登場など改変はしばしあるが前述の通り、原作の不評、問題のシーンを良改変している場合もある(佐木竜太が死なない、魔犬の森の殺人の千家貴司はこの話のみの登場で他の話は未登場に改変か未アニメ化、同話の序盤の元研究所へ行くまでの一の行動を改変、高度1万メートルの殺人の犯人の非現実的な死を気絶に改変など)。原作一期のFILEシリーズの長編のうち、異人館村殺人事件は推理小説からトリックを流用している問題があったためかアニメ未放送。ただ、流用のことがなくとも一部切断された遺体を複数出せるのかという点もあるが。FILEシリーズでは首吊り学園殺人事件もアニメ化されていないが、異人館村ほどではないもののまた別の推理小説から着想を得ていることが問題となったか。アニメの放送スケジュールの関係で原作一期完結編金田一少年の決死行が一作目でアニメ化されず怪奇サーカスの殺人が最後の事件であった。短編では原作終盤の妖刀毒蜂殺人事件、幽霊ホテル殺人事件が未アニメ化。同じく原作終盤でアニメ一期で放送されなかった決死行、午前04:40の銃声、女医の奇妙な企みは15年経ってアニメ二期で放送された。 |
キン肉マン | 作者の意向により怪獣退治編のエピソードが割愛され、7話から超人オリンピックが開催。以降、タッグ編の準決勝までは残酷描写が緩和されたりアメリカ遠征編のエピソードが割愛されたりするなど細かな変更はあるものの概ね原作準拠で話が勧められていたが、原作に追いついてしまったため一時放送を中断。再開後はトーナメント・マウンテンからピラミッドリングに試合の舞台を移すアニメオリジナル展開となり、タッグ編後はオリジナル編「ザ・サイコー超人の挑戦編」と「地獄の極悪超人編」が放送された。原作終了後に放送された「王位争奪編」は黒幕が邪悪五神から超人閻魔に変更され、アニメ第一期同様二階堂マリがキン肉マンの恋人として登場したために原作でキン肉マンの婚約者だったホルモン・ビビンバはキン肉マンに敗れた後改心したキン肉マンスーパーフェニックスと結ばれた。 |
血界戦線 | アニメオリジナルキャラである「ブラック」と「ホワイト」が登場。原作の漫画はエピソード毎に区切られた方式であるが、それらの話を繋げていく役割を担っていたと同時にアニメ版のラスボスも担っていた。 |
こちら葛飾区亀有公園前派出所 | 原作の量は非常に多いのだが、時事ネタやアニメ化し辛いネタも非常に多いため、アニメオリジナルの話が多い。原作準拠の話もある物のオチを変えたり、他の話の要素をミックスさせたりしていた。 |
さくら荘のペットな彼女 | 詳細はこちらの記事に譲るが、原作で病人に「おかゆ」を出すシーンがアニメでは「サムゲタン」に変更されており、炎上した事がある。当時各種マスコミがごり押しをしていた韓国ブームに加え、連日サムゲタンを映しており、ステマに対する拒否反応と嫌韓感情からの反発があったとされる。美味しそうなおかゆを描くのは難しいと擁護もあったが、同スタッフでおかゆを描いたアニメがあると言われている他、おかゆを描いたアニメは多数存在する。なお、韓国の人によれば「韓国でも風邪の時にサムゲタン何か食わない。」との事。また、最終回において卒業式のシーンで、原作ではあった国旗掲揚が無く、原作の式プログラムに書かれていた国歌斉唱が校歌斉唱に変更していた事でも炎上を起こした。 |
サザエさん | 長年続いているシリーズであり、オリジナル展開が多いのは勿論の事、オリジナルキャラも多い。花沢さん、中島くんや、堀川くんもアニメオリジナルキャラ。マスオの同僚のアナゴさんもオリジナルキャラである。また原作は結構バイオレンスな事をやっていたり、放送禁止用語がバンバン出てきたり、毒のあるオチも多い。また、キャラクターの性格も大幅に異なる。ただ、ブラックユーモアを取り除いたのは原作者のアニメ化に際する条件との事。(ただし、それでも初期はブラックなネタがあった。) |
シャーマンキング(2001年版) | 概ねは原作に沿った形で進められていたが、アニメならではのアレンジも多い。後半はアニメオリジナルで展開し、ラストもアニメオリジナルで終わった。2021年に放映されたリメイク版は原作準拠で進み、原作通りの最終回を迎えた。 |
真マジンガー | あまりに多岐にわたる為、該当記事参照。 |
スレイヤーズ | 大筋や作風は原作に沿っているが、オリジナルキャラやオリジナル展開が非常に多い。小説では陰惨や悲惨だった結末や表現などがコミカルにアレンジされていたり、下ネタが削除されたりマイルドになっている部分も多い。例えば、原作2巻のアトラスの魔道士で悲惨な死を迎えるキャラがいるが、アニメではコミカルな扱いになり生き残ったりした。また、複数の巻にまたがる要素を統合して展開したりもしたほか、台詞の3割程はリナとガウリィのアドリブである。3期に当たるスレイヤーズTRYは完全オリジナルであるが、ストーリーは原作者の神坂一氏が手掛けている。 |
聖闘士星矢 | 作風や大筋は原作に沿っているが、聖衣の形が違う等の差異も多い。連載初期からのアニメ化と言う事もあり、当時の子供向け要素、かつ玩具を売るためのキャラと言えるオリジナルの鋼鉄聖闘士が登場した。このキャラは序盤以降の作風とは合わない上に悪目立ちしたためか、鋼鉄聖闘士は非常に不評で、黒歴史扱いとなっていた。しかし、後年聖闘士星矢Ωでまさかの復活を遂げた。他にもオリジナルのアスガルド編等もある他、幽霊聖闘士、水晶聖闘士、炎熱聖闘士等も登場した。 |
世界名作劇場 | 1年間の放送になるためか、アニメで作ったエピソードが差し挟まれるシーンが多い。例えば第1作であるフランダースの犬も、原作は短編であり、ほぼ全てがアニメオリジナルともいえ、名前が登場したキャラに詳細な設定を加えて登場させたりもしている。母をたずねて三千里等も有名。 |
ゼロの使い魔 | アニメで4期まで放映された人気作だが、アニメオリジナル要素は多い。特に4期のFは原作を大幅に圧縮した上で、ラスボスもアニメオリジナルとなっている。しかし、当時は原作者のヤマグチノボル氏は重病で死期を悟っていた程で、アニメ版を完結させると言う意志で製作にかかわり作りきった。尚、作者はアニメ放映の暫く後に亡くなられている。原作の完結は4年後で、しかも代筆と言う形だったため、当時出来る全てを入れた結果のアニメオリジナルと言える。 |
仙界伝封神演義 | ある程度原作のストックはあったため、中盤位までは原作準拠だった。しかし、連載に追いついてしまったので、最後の方はアニメオリジナルの終わり方をしている。原作準拠の期間もアニメオリジナルがあったり、カットされたシーンがあるため、賛否両論が巻き起こった。そもそも登場人物が多い作品であり出てこれなかったキャラクターも多い。後に原作の「仙界大戦」をアニメ化した覇穹封神演義が放映されたが、話数も少ない上に、ダイジェストでのストーリー進行と言った形だったために大不評である。 |
ダイの大冒険(1991年) | 原作に忠実な展開で好評も得て数クールの延長が予定されていたが、番組再編成に巻き込まれて中途半端な位置で放送終了。この際、原作者である三条陸が関わった上で竜騎将バランとの戦いの結末を変更して終了している。尚、劇場版はジャンプ映画によくある完全オリジナル展開である。2020年に原作基調のアニメ版が放映され最終回までのエピソードを映像化した。 |
ダーティペア | 人物設定等は同じ物の、オリジナルロボのナンモが登場している他、ムギも原作とはイメージが一新している。キャライメージも原作の小説版を全体的には踏襲しつつも違う物となっている他、二人が起こす災害も比較的マイルドである。 |
デビルマンレディー | 原作では主人公不動ジュンは活発で男勝りな体育教師だったが、アニメ版では気弱なファッションモデルとして登場する。例えば漫画版の不動ジュンは朝からビーフステーキを食べたり、大量のコウモリに襲われた際は(変身前でも)素手で引き裂いたりしているが、アニメ版の不動ジュンはか弱い女性と言う感じで、虚弱体質であり襲われた時も悲鳴を上げたりして反撃の素振りすら見せない程。ストーリー展開もアニメ版は漫画版のデビルマンを元にしたような構成だったり、永井豪作品からオマージュした部分も多い。また全体的に漫画版と同じ人物は登場する事はあるが、当然ながら役割や性格は全くの別物となっている事が多い。(多少被っているキャラクターもいる。) |
東京ミュウミュウ(2002年度版) | |
トライガン | アニメ版や劇場版等が存在する物の、設定やデザイン以外は、違う部分が多い。ただし、1998年版の後半に関しては作品が未完結のため、作者が考えていた当初の展開を基にして執筆されている。そのため、アニメオリジナルのGUNG-HO-GUNSなども登場する。2022年に放映されたTRIGUN STAMPEDEはキャラクターデザインから新規になっている。 |
ドラゴンボール | 基本的には原作踏襲だが、序盤からピラフ一味が登場し、ドラゴンボールを奪うために亀仙人の家に侵入したりする展開がある他、偽悟空の登場やクリリンに彼女が出来るアニオリ回等多数存在。悟空がタイムスリップして、武泰斗様に会ったりする回もある。 |
ドラゴンボールZ | 原作踏襲が基本だが、長期シリーズの宿命で、蛇の道での出来事や、修行中でのエピソードなど多数のオリジナル展開がある。特にピッコロと悟空が免許を取りに行く回は有名。他には界王星でヤムチャたちが修行としてギニュー特戦隊と戦ったりする回もある。ベジータが登場時と地球到着後で髪と戦闘ジャケットの色指定が違うのも有名。またアニメオリジナルとして、悟空の父であるバーダックの話が特別番組として放送され、鳥山明が気に入ったために、僅か2コマではある物の原作に登場する事となった。 |
爆走兄弟レッツ&ゴー!! | 序盤以外のほぼ全てがアニメオリジナル。月刊誌で連載が遅い事もあったかもしれないが、結果として好評を博した。特にミニ四駆では出来ない動きや走りはアニメならでは。 |
ハーメルンのバイオリン弾き(TVアニメ版) | 設定と人物を借りた別物と言える作品。原作の様なギャグ描写は皆無でシリアス一辺倒。暗い作風でバッドエンドであり、原作ファンからは黒歴史扱いにする人も多い。一方でアニメ版から入った人は好きと言う人もいる賛否両論の作風。本来はギャグやコミカルなシーンも入れる予定だった様だが、ストーリー一辺倒にするためにギャグ要素は完全に排除された。アニメ版の前に作られた劇場版も存在し、そちらは話自体はオリジナル展開だが、作風は原作の漫画版の作風である。原作者の渡辺道明氏は「ギャグを入れるとかえって伝えたいメッセージが霞んでしまう」と評価しているが、恐らくはリップサービス。後年のインタビューでは、原作準拠でアニメ化した自分の作品が見たいと言っており、原作テイストの劇場版に感謝の言葉を言っている他、TV版に関しては「わけあって原作とは全然違うシリアスな作風になった。」と述べている。 |
美少女戦士セーラームーン(90年代版アニメシリーズ) | そもそも、放送開始時に原作のストックもあまり無かったので、大半はアニメオリジナル。世界設定や人物設定、性格も変更されている他、原作準拠の話もアニメオリジナルで展開する事が多い。例を上げればセーラーマーズこと、火野レイはアニメ版だとタキシード仮面や地場衛に熱を上げる情熱的なキャラで月野うさぎと事ある毎に喧嘩するが、原作だとクールビューティー系のキャラであり、「男嫌い」と言う設定がある。2014年からは原作準拠の美少女戦士セーラームーンCrystalが放映されたが、こちらにもアニメオリジナル要素は存在する。 |
Fate/stay night(2006年DEEN版) | 当時は全てのルートを映像化する目処が立っておらずセイバールートを基調に原作である3ルートの統合が行われている他、ボンデージ桜等、アニメオリジナル衣装も登場。奈須きのこが監修に関わっているため、無分別なアニメオリジナルと言う訳では無い。モードレッド(Fate)やベディヴィエール(Fate)も登場している物の、後年になり設定の変化もあり現在とは違う声優や容姿である。原作のゲームと相違する部分があり、ネタ的に語られる部分もある物の高く評価されている。凛ルートに当たる劇場版も作られたが尺的な都合でダイジェストで進行するため、日常部分等はオミットされている。後に凛ルートを丁寧に描きTV放映したUBWや桜ルートを描いた劇場版のHeaven's_Feelが製作されており、原作準拠で描かれたセイバールートの新作を待っている人も多い。 |
HELLSING(TVアニメ版) | 最初の方だけは原作展開だったが、後半は全くの別物になった。特に原作の黒幕であるミレニアムが出てこない他、人物関係や吸血鬼の設定もアニメオリジナルの物。一説には海外展開を行うためにナチス表現をバッサリ切ったとされる。この改変は概ね不評であり、作者の平野耕太氏はサイトで不満を表明した他、『進め!!聖学電脳研究部』ではDVDを全部「まんだらけ」に叩き売ったと書いている。後年に原作に忠実なOVA版が登場し、大好評を博した。 |
北斗の拳 | 大筋は同じだが、アニメオリジナルの敵や技が存在多数する他、KINGが戦艦まで持っていたりと完全に軍隊となっている。オリジナル技としては南斗人間砲弾が語り草となっている。しかし、原作者の武論尊と担当編集が激怒したため、以降は原作者の監修が入る事となり、トンチキな拳法や暴走は鳴りを潜める事となる。 |
ぼくらの | 後半時点で原作が終わっていなかったためか、後半は完全にアニメオリジナル。(「阿野万記」編までは概ね原作準拠)。また、それまでに戦う相手の能力や形状が違う事も多い。ジ・アースが全体的にスローな動きになった事については、原作者からは不評。また、監督が原作に対する不評を書いて炎上した事もある。漫画の構想部分を先に出してしまってネタバレになってしまい、トラブルになった事も。 |
みなみけ〜おかわり〜 | 1期は原作ベースで好評を博したが、2期である「みなみけ ~おかわり~」がオリジナル要素を入れたために話題に上がる。オリジナルキャラである冬木真澄の登場や、暗いシーンも多く原作の「ゆるさ」が消えてしまっており、鬱っぽさを全体的に取り入れたのか、モブの顔も黒く表現されている上に、天気も曇り空だったりする事が多い。でも何故か保坂はいつも通りと言うきもちわるさである。大不評だったためか、3期以降は元に戻った。「おかわり」だけが非常に異質である。なお当時の大規模掲示板のアニメ板で炎上している。 |
無責任艦長タイラー | 全体的な設定が違う他、ストーリー展開等も違う。この方向性の違いには原作者の吉岡平氏は非常に不満が残っていた様だが、広く受け入れられたのは間違いがないとの事で、アニメ版を基調としたリライト版が出されている。反面、「代表作とされる作品が原作ではなく他人が大幅に手を入れ根幹テーマを全否定されたアニメである現状」は かなりキツいと晩年Twitterでこぼしていた。(ただし、氏はアニメ版はアニメ版で傑作であると認めている。) |
名探偵コナン | 初期の頃はテンポよく進めるため一事件一話であることが目立った。以降は原作回は前後編が多く概ね原作通り、アニオリ回は一話完結が多い。短編中心の作品にありがちな未アニメ化で飛ばされる原作話は基本なく、2007年発表の「逃亡者」(単行本57巻収録)は一話完結というコナンでは珍しい話のせいか2014年になって異次元の狙撃手公開記念でNOTTVでオンライン配信の形でアニメ化。翌2015年に「謹賀新年 毛利小五郎」のサブタイトルで新規カットを入れてテレビ放送された。2001年からJR西日本の企画で西日本を舞台にしたミステリーツアーのアニオリ回が大体毎年1話放送されている。2019年よりアニオリ脚本として関わっている浦沢義雄担当回では原作らしからぬバカミス、トンチキな話が目立っている。 |
るろうに剣心-明治剣客浪漫譚- | アニメではオリジナルストーリーである「修羅編」、「島原編」、「霊薬編」、「風水編」が展開した物の、原作のラストである「人誅編」は放映されずに終わった。なお、「勝海舟編」はノベライズが原作のアニメ化であるため、アニオリとは言い難い。(ちょっとややこしいが)。後に作成されたOVAの「追憶編」「星霜編」等が存在し、OVA故にクオリティは高い物の、少年漫画原作らしからぬ陰鬱な作風と共にキャライメージが完全に違うために異彩を放つ作品であり、ファンからも賛否両論となっている。2023年より、リメイク版が放映されたがこちらでも原作との差異は見られる。 |
ルパン三世 | 漫画の原作では悪漢で人殺しもいとわない大泥棒のルパンだが、アニメでは心優しい面を付与され「義賊」的な性格を帯びている事が多い。これはカリオストロの城などで固定化した物だが、殺しに関しては初代ルパン声優の山田康雄氏の「あまり人殺しはさせたくない」と言う要望があったためとされる。(ただし、初期以降でもルパン自身が人を殺害する話は存在している。ルパン暗殺指令やワルサーP38(ルパン三世)など)TVアニメSPでは、都度ヒロインが設定されロマンスが描かれる事も。原作者のモンキー・パンチ氏がアニメのストーリーを手掛けた際「ルパンが後ろから人を刺し殺す」展開を入れようとした所、「ルパンはそんなキャラでは無い!」と原作者であるにもかかわらず却下されてしまった事もある。尚、モンキー・パンチ氏は、ルパンを「ポリシーなど無い男」とバッサリ切っており、初代声優の山田康雄氏もルパンの好きな部分は「自由奔放で信念を持ってないこと」「義賊でないこと」等をあげている。 |