解説
『仮面ライダー剣』に登場する不死の生命体。統制者によって創造された存在。
それぞれが動植物の先祖であり、一万年前に開催されたバトルファイトで自らの眷属の繁栄を賭けて戦った。
最終的に人類の先祖であるヒューマンアンデッドが勝利し、人類が繁栄するに至る。
そして本編より2年前、多くのアンデッドの封印が解除され、現代においてバトルファイトが始まった。
アンデッド(undead)というと一度死んでから蘇ったゾンビのイメージになるかも知れないが、本作では「不老不死の生命体」という意味である。英語のニュアンスとしては「イモータル(immortal)」と呼んだ方がしっくりくるが、日本の子供たちにもわかりやすい単語を考えてこうなったのだろう。
数・区分
アンデッドの総数はトランプの枚数と同じく53体(劇場版では+1体)。
他にも人造合成アンデッドのティターンやケルベロス、疑似アンデッドの改造実験体トライアルシリーズなどが存在する。
アンデッドとトランプがスペード・ダイヤ・ハート・クラブの4つのスートに、AからKまでの13の階級、番外のジョーカーという共通点を持つ理由については、『仮面ライダーブレイド超全集』内のQ&Aにおいて「トランプが、一万年前のバトルファイトの記憶から作られたものだからと考えられている。」と説明されている。
なお、ピクシブ百科事典では、アンデッドをスートごとにまとめて「スート・○○」(例えばスペードのアンデッド13体をスート・スペード)と呼称している(記事を作成している)が、作中でも公式資料でも使用されたことがない、ピクシブ百科事典独自の呼称である。
また、カテゴリーJ・Q・Kのアンデッドは上級アンデッドと呼ばれる。
上級アンデッドと特殊な個体であるアルビノジョーカーは人間態を持つことが確認されている。
不死身
アンデッドは不死の為、いかなる手段を使っても殺害が出来ない。
ただし、重傷を負うと腰のアンデッドバックルが開く為、この状態でラウズカードを投げると封印することが出来る。例外として、疑似アンデッドであるトライアルシリーズは撃破可能。
ラウズカードは、仮面ライダーの持つ「ラウザー」にスキャンすることでアンデッドの能力に基づく効果を発動する。これにより仮面ライダー達の技のバリエーションが広がる。
現代において、仮面ライダーに敗北したアンデッド達は、ライダーが持つ空のラウズカード「ブランクカード」によって封印される。
また、ライダーが存在しなかったかつてのバトルファイトで敗北したときには、統制者のモノリスによって封印されていたようだ。
不老不死ではあるものの戦いに使うエネルギーを補給するためか食事を摂る事はあり、特に下級アンデッドの中には人間を捕食する個体が多く存在する他、食事の為でなく人間を殺戮する事そのものを楽しんでいるかのような動きを見せる個体も確認が出来る。しかし、それらのような残虐な行為をする個体とは別に人間との共存を望むアンデッドもほんの少数だが存在し、こちらは人間達と変わらない食事を取っている。
その理由を示しているのかは定かではないが、一部の上級アンデッドは前回のバトルファイトの勝者であるヒューマンアンデッドの眷族たる人間が繁栄している現在の地球の状態に不満を表す言動を発している。
アンデッド共通の不死身という設定は他の怪人と混ぜる際に色々とややこしくなる為か、客演作品では割と無視される傾向にある。その代表格である『仮面ライダーディケイド』でも確かにアンデッドを封印するシーンがあるものの、「世界の破壊者」と称されるディケイド、そして彼と同等の能力を持つディエンド相手では設定そのものが破壊されたと言わんばかりに爆死する。あろう事かディケイド以外のライダーの必殺技を食らってもお陀仏になるシーンも見られる。
ディケイド本編ではディケイド龍騎のドラグクローファイヤーで爆散してしまった個体がいた。
ただ、本来の設定を反映すると別の場所で復活して活動を再開している可能性も考えられるが、詳細は不明である。
知能
アンデッド語とでも言うべき独自の言語を持ち、序盤では相川始が下級アンデッドと戦う際に使用していたが、後に登場する上級アンデッド達は総じて(何時習得したのかは不明だが)流暢な日本語をマスターして会話を行っていたため使われることは無かった。
また劇場版では古代語と呼ばれ、カテゴリーAが日本語字幕付きで使用していた他、大学で学んだ志村純一もそれを使用しアンデッドと会話していた。
上級アンデッドになると現代のバトルファイトが異常事態であることを把握し探るあるいは仮面ライダー側に接触する動きを見せていた。
関係性
アンデッド同士は、自らの種族を代表して他のアンデッドと戦い合うという関係上、それぞれが敵対関係にあり本質的な意味で上下関係は無い。その為、同じスートのアンデッド13体でのグループやチームといった仲間関係は存在しない。ましてやカテゴリーAとカテゴリーKのように分類学的に近い種だとしても例外ではない。
ただし、彼我の戦力差で上級アンデッドが他のアンデッドを従えていたこと、アンデッド同士で情報交換を行ったり手を組むことはある。また、最終的に決着をつける前提だがライバルとして関係を築き手助けを行う者もいた。
カリス以外基本的に固有の名前も無いため他のアンデッドを呼ぶときは「(種族名)のアンデッド」や「カテゴリー○」と呼んでいる。
上級アンデッドには設定上、人間としての名前があるが、あくまで人間社会の中で活動するためのものでありアンデッド同士でその名を呼び合うことは無い。
そのため、人間社会に関係なく活動していた者は、劇中で名前を呼ばれていない。
イレギュラーな存在であるジョーカーについては基本的に知識がある者は特に敵視しているが、そもそもジョーカーに対する知識もアンデッドごとにまちまち。作中でも仮面ライダーと同種のシステムだと理解したうえであくまでカリスだと思っていた、アンデッドに変身できるアンデッドがいるという話を聞いた程度の認識といった具合で上級アンデッド間でも結構差がある。
デザイン
アンデッド達の共通のデザインとしてレザーの装飾品が身体に取り入れられているのが特徴。個体によっては仮面の意匠があったり様々な固有の武器を装備していたり、さながら仮面を付け武装した戦士に見えるデザインが特徴である。
そのデザインと眷属の繁栄という目的から、アンデッドは各々の種族にとっての仮面ライダーとも呼べるべき存在である。
彼らのバトル
他のアンデッドを倒した場合、天空から統制者が操るモノリスが現れ、敗者となったアンデッドをラウズカードに封印し、最後に残ったアンデッドが優勝者となり自身の種が地球上の頂点となる権利を得られる。
本来の参加者は52体+ジョーカーの53体で、本編では新たにワイルドスートのAとしてケルベロスアンデッドと、もう一人のジョーカーが追加された。
また、本編とは異なった未来に到達した劇場版『MISSING_ACE』では、アルビノジョーカーと呼ばれるもう一体のジョーカーが新たに登場する。
現在、確認されている参加者のアンデッドは本編が55名で劇場版が54名。
カードのみで本編、劇場版、ディケイド、HEROSAGA全てに未登場のアンデッドはアルマジロ、フロッグ、ホエール、ファイアフライ、ハンマーヘッド、ホーク、キャメル、ビー、ライノス、コブラ、ポーラーベア、スコーピオン、テイピアとランス、ラルクの変身に使われる個体のケルベロスの計15体。
アンデッド一覧
下級・上級の52体のアンデッドの名前はスート・スペード、スート・ハート、スート・ダイヤ、スート・クラブの順に記載。
下級アンデッド
カテゴリーA
スート | アンデッド | ラウズカード | 備考 |
---|---|---|---|
♠A | ビートルアンデッド | CHANGE | |
♥A | マンティスアンデッド | CHANGE | |
♦A | スタッグビートルアンデッド | CHANGE | 劇中未登場 |
♣A | スパイダーアンデッド | CHANGE |
カテゴリー2
スート | アンデッド | ラウズカード | 備考 |
---|---|---|---|
♠2 | リザードアンデッド | SLASH | |
♥2 | ヒューマンアンデッド | SPIRIT | |
♦2 | アルマジロアンデッド | BULLET | 劇中未登場 |
♣2 | ビーアンデッド | STAB | 劇中未登場 |
カテゴリー3
スート | アンデッド | ラウズカード | 備考 |
---|---|---|---|
♠3 | ライオンアンデッド | BEAT | |
♥3 | ハンマーヘッドアンデッド | CHOP | 劇中未登場 |
♦3 | フロッグアンデッド | UPPER | 劇中未登場 |
♣3 | モールアンデッド | SCREW |
カテゴリー4
スート | アンデッド | ラウズカード | 備考 |
---|---|---|---|
♠4 | ボアアンデッド | TACKLE | |
♥4 | ドラゴンフライアンデッド | FLOAT | |
♦4 | ペッカーアンデッド | RAPID | |
♣4 | ライノスアンデッド | RUSH | 劇中未登場 |
カテゴリー5
スート | アンデッド | ラウズカード | 備考 |
---|---|---|---|
♠5 | ローカストアンデッド | KICK | |
♥5 | シェルアンデッド | DRILL | |
♦5 | ホエールアンデッド | DROP | 劇中未登場 |
♣5 | コブラアンデッド | BITE | 劇中未登場 |
カテゴリー6
スート | アンデッド | ラウズカード | 備考 |
---|---|---|---|
♠6 | ディアーアンデッド | THUNDER | |
♥6 | ホークアンデッド | TORNADO | 劇中未登場 |
♦6 | ファイアフライアンデッド | FIRE | 劇中未登場 |
♣6 | ポーラーベアアンデッド | BLIZZARD | 劇中未登場 |
カテゴリー7
スート | アンデッド | ラウズカード | 備考 |
---|---|---|---|
♠7 | トリロバイトアンデッド | METAL | |
♥7 | プラントアンデッド | BIO | |
♦7 | トータスアンデッド | ROCK | |
♣7 | ジェリーフィッシュアンデッド | GEL |
カテゴリー8
スート | アンデッド | ラウズカード | 備考 |
---|---|---|---|
♠8 | バッファローアンデッド | MAGNET | |
♥8 | モスアンデッド | REFLECT | |
♦8 | バットアンデッド | SCOPE | |
♣8 | スコーピオンアンデッド | POISON | 劇中未登場 |
カテゴリー9
カテゴリー10
スート | アンデッド | ラウズカード | 備考 |
---|---|---|---|
♠10 | スカラベアンデッド | TIME | |
♥10 | センチピードアンデッド | SHUFFLE | |
♦10 | カメレオンアンデッド | THIEF | 劇中未登場 |
♣10 | テイピアアンデッド | REMOTE | 劇中未登場 |
上級アンデッド
カテゴリーJ
スート | アンデッド/人間態 | ラウズカード | 備考 |
---|---|---|---|
♠J | イーグルアンデッド/高原 | FUSION | |
♥J | ウルフアンデッド/新名 | FUSION | |
♦J | ピーコックアンデッド/伊坂 | FUSION | |
♣J | エレファントアンデッド/大地 | FUSION |
カテゴリーQ
スート | アンデッド/人間態 | ラウズカード | 備考 |
---|---|---|---|
♠Q | カプリコーンアンデッド/矢沢 | ABSORB | |
♥Q | オーキッドアンデッド/吉永みゆき | ABSORB | |
♦Q | サーペントアンデッド/あずみ | ABSORB | |
♣Q | タイガーアンデッド/城光 | ABSORB |
カテゴリーK
スート | アンデッド/人間態 | ラウズカード | 備考 |
---|---|---|---|
♠K | コーカサスビートルアンデッド/キング | EVOLUTION | |
♥K | パラドキサアンデッド/鎌田 | EVOLUTION | 『仮面ライダーディケイド』で登場 |
♦K | ギラファアンデッド/金居 | EVOLUTION | |
♣K | タランチュラアンデッド/嶋昇 | EVOLUTION |
ジョーカー
改造実験体トライアルシリーズ
人造合成アンデッド
アンデッド以外の怪人など
ローチ
ゲームマスター
巨大邪神
その他
小説に登場。
仮面ライダースーパーライブに登場
- アルカナの四騎士(デビルナイト/バードナイト/ライオンナイト/牡牛型のナイト)
1号/V3/ストロンガー/龍騎/ファイズ/カイザ/カテゴリーAの10ライダーを封印し、10のセフィロトに力を満たしてマリアを破壊神として目覚めさせようと目論む4体のアンデッド。
その正体は人類がバトルファイトを審判する立場にあったマリア直属のアンデッドであり、非力で過ちばかり犯す人類がバトルファイトの勝者になった事を認めず、世界をリセットするべく活動を再開した。
それぞれがラウザーのような武器を持っており、封印したライダーのカードをラウズする事で仮面ライダーに変身するなどの能力を行使できる。彼らを封印できるのはそれぞれの小アルカナの象徴であるカテゴリーAのライダーのみである。
しかし、封印したライダーをカリスが解放した為に作戦は失敗したが、往生際の悪いライオンナイトは自害する事で破壊神を復活させた。
- マリア
過去の記憶を失っており、天才シンガーとして生活していたが、その正体はアルカナの四騎士の主人である破壊神の化身で、メルカバのカードに自らの力を封印して眠っていた。このメルカバのカードはマリアの命と直結しており、破り捨てる事は彼女の消滅を意味する。
ライオンナイトに重傷を負わされたブレイドを治療すると自らを倒させる為に自ら破壊神となった。
没になってしまったアンデッド
- モールドアンデッド
生物はカビの祖たる不死生物。全身のデザイン画は存在していたが、没になってしまった(『UNDEAD GREEN BLOOD』pp.108-109)。
コンセプト自体はファントムイマジンに受け継がれる。
- スネークアンデッド
生物は蛇の祖たる不死生物。蛇が辮髪のようになっている(『UGB』p.60)。
- カブトガニのアンデッド
生物はカブトガニの祖たる不死生物。正式名が決まる前に没になった(同上)。
他、『UGB』p.102によれば、ツルモチーフのものがコガネムシに、クロネコモチーフのものがカメレオンになったとのこと。
余談
- 前作のオルフェノクとは様々な面で対になっている。
種族名 | オルフェノク | アンデッド |
正 体 | 地球上の生物の特質を備えた人類の進化系。 | 地球上の生物の祖先である。 |
生 命 | 死んだ人間が変身し、オルフェノクになっても尚『死』が存在する。 | 倒されても決して死ぬ事が無い。 |
体 色 | 灰色で単色 | 緑や黒などでカラフル。 |
- メインデザイナーの韮沢靖氏によるとアンデッドの体の黒い部分は、過去のバトルファイトでダメージを受けた部位であり、トリロバイトアンデッドの様な古株は特に面積が広いらしい。
- デザインコンセプトは「鋲」と「レザー」。韮沢は高橋章による『仮面ライダー』のショッカー怪人・ゲルショッカー怪人をリスペクトし、人型で仮面を付けたようなデザインを基本としている。また、オルフェノクが石像ぽい造形のため、差別化として『マッドマックス』や『ヘルレイザー』のイメージから黒を基調にモチーフとなる動物固有の模様やディテールを配したデザインとなっている。デザインの特色である全身のブラックレザーと鋲(スタッズ)はショッカーベルトのコンセプトで、1万年前の戦いの傷を修復したイメージで、韮沢曰くローカストアンデッドなどは仮面の下に素顔があるとのこと。死をイメージしたアンデッドのため、それをシンボライズするため、ドクロのモチーフを頻繁に使用している。
- その傍ら、ドラゴンフライアンデッドに仮面ライダーV3要素が入っていたり(右腰にV3ホッパーまで付いている)、ジャガーアンデッドにジャガーマン要素が入っていたり、コーカサスビートルアンデッドの左腕にカブトムシの角の生えたドクロマークが入っていたり、イーグルアンデッドの左腕にショッカーのエンブレムがついていたりと、韮沢氏の遊び心に溢れた怪人群となっている。
- カテゴリーKは、いずれもカテゴリーAの近縁種、または下位グループがモチーフとなっている。
- ♠:Aヘラクレスオオカブト-Kコーカサスオオカブト(いずれもカブトムシ亜科)
- ♢:Aクワガタムシ-Kギラファノコギリクワガタ(クワガタムシ科の一種)
- ♡:Aカマキリ-Kゴーストマンティス(カマキリ目の一種)
- ♣:Aクモ-Kタランチュラ(クモ目の一科)
ただし、いずれも種は異なる。
- 動物の数に対して、アンデッドの数が明らかに少ない、上級アンデッドのみが人の姿を取る事が出来るのかは未だに不明といった疑問はファンから度々考察されている(ファンの考察についてはバトルファイトの方で)
関連イラスト
関連項目
仮面ライダー剣 ラウズカード 下級アンデッド 上級アンデッド
アンデッド:その他の用法
アリエナイザー、ドツクゾーン:ニチアサ同期作品に登場する敵対勢力。
マルガム:次世代5番目に登場する敵怪人。こちらも倒した怪人をカードに封印してライダー達の戦力になるのが共通する。