概要
1989年以降、平成年間に作成されたウルトラシリーズに新規登場するウルトラ戦士、または彼らを主人公とした作品のこと。
基本的には平成最初のテレビシリーズである1996年開始の『ウルトラマンティガ』以降を指すことが多いが、海外向けシリーズである『ウルトラマンUSA』(厳密には1987年製作だが日本語版は89年)『ウルトラマンG』『ウルトラマンパワード』も元号が平成となった89年以降に製作された作品である。
また、この期間はウルトラマン80の後のテレビ放送シリーズが断絶しており、オリジナルビデオ作品としてリリースされた『ウルトラマンネオス』や平成ウルトラセブンも時期の概念的には該当する。
円谷プロから公式に設定された区分ではないため、どこまでを「平成ウルトラマン」とするかについては解釈が分かれており、元号が平成のうちに放送が終了した最後の作品である「ウルトラマンR/B」(及びその劇場版)までを指すという解釈と、長期のテレビシリーズ休止期間から復活した作品群である新世代ヒーローズ(ニュージェネレーションヒーローズ)を別枠と見なしてその前のテレビシリーズ作品であるウルトラマンメビウスまでの7作品を指すとする解釈(ウルトラマンザ・プライムなど)とがある。
仮面ライダーが元号で区切るプロモーションをしていることから同一のように扱うファンも存在するが、公式が良くも悪くもネタとノリとして取り上げた先方とは違い、あくまでもファンの一部で使われる概念でしかなく、ウルトラシリーズが仮面ライダーと異なり過去作のキャラクターや要素を一切出さない作品が3作品しかなく、『ダイナ』までと、『マックス』以降は昭和要素が必ず存在していることもあり、この扱い方に不快感を持つファンも少なくないので扱う際は要注意。
良くも悪くも仮面ライダーとウルトラマンは別物であり、共通認識として用いることには適さないことを念頭に捉えておくべきである。
平成作品の多くは、ウルトラマンがタイプチェンジを行うことが多い。
ウルトラマンティガを代表するように、削る形でデザインされた頭部、タイプチェンジも含めた多様なカラーリング、ウルトラセブンやウルトラマンタロウの物をより装飾を増したプロテクターや鎧のようなデザインや胸のプロテクターとは異なる装飾など、昭和ウルトラマンとは異なる方向性でデザインされていることも多く、プロテクター以外でも腕や胸にそれぞれ独自の装飾がほぼ全ての平成ウルトラマンに存在する。
逆に、平成ウルトラマンで装飾が一切存在しないのは、ゼアス、コスモスのわずか2人のみ。悪トラマンやタイプチェンジ後などを含んでも、シャドーやベリアルとダイナのミラクルタイプとストロングタイプが加わるだけだ。
また、映像技術の進歩に加え、設定面でもM78星雲等から来た宇宙人ではない特殊な存在のウルトラマンが増えた。
スフィアやカオスヘッダーなどの敵性存在、ダークルギエル、ジャグラスジャグラーなど黒幕やライバルキャラクターが設定され話に絡んでくることも多い。
21世紀に入ると、それまでの放漫経営や杜撰な管理体制のツケが回ってきたことで円谷プロがあわや倒産寸前という創立史上かつてない危機に直面してしまい、経営陣の刷新や大幅な経営戦略の見直しが図られることとなった。
これにより創業者であり放漫経営の元凶たる円谷一家は経営及び会社からも追放されることとなった。
当然、ウルトラシリーズもその影響を大きく受けており、平成シリーズを通してみると、昭和シリーズと比べて年代によって作風が大きく変わっていることがよくわかるだろう。
また、平成ウルトラマンは制作局が幾度か変わっており、平成3部作とコスモスはMBS、ハイコンセプト・ウルトラマンはCBC、新世代ヒーローズはテレビ東京の制作である。
平成ウルトラシリーズとは、ある意味円谷プロダクションの栄光と没落、そして再生までの道のりを体現化している作品群とも言えるのである。
平成ウルトラマンでは代表的な作品である『ティガ』をはじめ、昭和シリーズの世界観を踏襲せず、以降も一部の例外を除いてその作品独自の世界での物語が展開されているパターンが多い。
また、ハイコンセプト・ウルトラマンと新世代ヒーローズは制作局により放送時にそれぞれ公式サイトが開設されており、TDG三部作もCBC制作の『大決戦!超ウルトラ8兄弟』に客演したため、CBCにより新たに公式サイトが作られ『コスモス』以外の全ての作品にサイトが存在している。これらのサイトの閲覧は2022年現在も『コスモス』を除く全てのTVシリーズの平成ウルトラマンの公式サイトが閲覧可能。
チーム名
ウルトラ10勇士
平成シリーズは昭和シリーズとは異なり、作品それぞれで世界観が異なるため、世界観を越えた競演が可能になったギャラクシークライシス以降もあまり集まることは無かった…のだが、映画『ウルトラマンギンガS 決戦!ウルトラ10勇士!!』にて、OV作品のネオスを除いた10人が初めて共演することとなった(ちなみに10勇士の中でM78星雲出身なのはマックス、メビウス、ゼロの3人のみ)。
現在、この10名のウルトラ戦士は、公式で「ウルトラ10勇士」と呼称されており、これを基にしたスピンオフ企画も展開されるなどされている。
これ以降の作品では、(主に劇場版や外伝作品などを中心に)時空を超えて別作品のウルトラマン同士が共闘して敵と戦うという内容の作品が多く作られていくこととなった。
ある意味平成版ウルトラ兄弟のようなポジションを確立しているといえるが、しかしながらその名称の下に結集することは少ない。
新世代ヒーローズ
『劇場版ウルトラマンオーブ 絆の力、おかりします!』のキャッチコピーにて、ギンガ、ビクトリー、エックス、オーブの4人について「新世代ヒーローズ」(読みは「ニュージェネレーションヒーローズ」)の名称を使用したのが初出。ウルトラマンザ・プライム内にてそれらのウルトラマンが登場する4作品を「ニュージェネレーション」と紹介。
元号が令和になった現在でも「新世代ヒーローズ」の呼称は引き続き使用され、オーブ以降に登場したジード、ロッソ、ブル、タイガ、タイタス、フーマの6名も加えられ、総勢10人となっている。
2019年9月からはこの名称を冠し、タイガに登場した3名を除く7名(+グリージョ)を主役とする作品『ウルトラギャラクシーファイト ニュージェネレーションヒーローズ』が配信されている。
このシリーズは、放送局がそれまでのTBS系列からテレビ東京系列に移行し、ビクトリーが初登場したウルトラマンギンガS以降の主要スタッフが継続して関わっている作品という特徴がある。
さらに、6作品連続、6年連続で作られており、これは『帰ってきたウルトラマン』~『ウルトラマンレオ』の昭和ウルトラマンの第二期を抜いて現在シリーズ最長である(ただし、放送期間そのものは半年以下である為、1年間4クールで放送していた昭和二期とは一概に比較できない部分もあり、4クール以上の作品では現在でも昭和ウルトラシリーズが最長記録である)。
変身者である役者の出演も比較的多く、ギンガ~R/Bまでを括り、ゼロをゾフィー的なポジションに据えたウルトラ兄弟のような単位と見るファンも居る。
ダークネスヒールズ
平成ウルトラシリーズにて登場した悪のヒーローであるウルトラマンベリアル、イーヴィルティガ、ジャグラスジャグラー、ダークザギ、カミーラで構成されたウルトラマンヴィランズ。
定期的にイベントが開かれているほか、舞台化も果たした。
主要な平成作品
TDG三部作
「かつて子どもだった視聴者が大人になり、子どもと共にウルトラマンを見る」という、世代を超えて楽しめる作品になることをコンセプトに作り出された作品群。
昭和で培われたノウハウを踏襲しながらも、連続ドラマ形式のストーリーや、人間としての生き方とウルトラマンとしての使命との間で苦悩する主人公像など、新たなヒーロー像も確立している(こうした傾向は、後の平成シリーズにも大なり小なり受け継がれている)。
巨額の制作費用が掛けられていたことでも有名(一説によれば『ガイア』第1話の製作費は1億円を超えていたとも言われている…が2018年のイベントにて単純な予算は『ダイナ』の方が多く使ったと当時のスタッフがコメントしていた[要出典])で、その結果、非常に完成度の高い作品が多く生み出されているが、これが後に円谷プロの経営を圧迫する遠因となってしまった。
ちなみに、『ティガ』と『ダイナ』は同じ世界を描いた作品である(マルチバースでの呼称はネオフロンティアスペース)が、『ガイア』はの独立した世界観且つ過去作からの踏襲設定が一切存在しない作品である(ただし劇場版ではメタ設定を用いて過去作に触れている)。
また、『ガイア』を最後に20世紀ウルトラマンシリーズが終了する事になった。
- 『ウルトラマンティガ』
- 劇場映画『THE FINAL ODYSSEY』
- ビデオドラマ『古代に蘇る巨人』
- プラネタリウム『光の子供たちへ』
- 『ウルトラマンダイナ』
- 劇場映画『ウルトラマンティガ&ウルトラマンダイナ 光の星の戦士たち』
- ビデオドラマ『帰ってきたハネジロー』
- 『ウルトラマンガイア』
- 劇場映画『ウルトラマンティガ・ウルトラマンダイナ&ウルトラマンガイア 超時空の大決戦』
- ビデオドラマ『ガイアよ再び』
ウルトラマンコスモス
21世紀最初に製作されたウルトラヒーロー。
「ウルトラマンは怪獣を倒すもの」という既存の設定に真っ向から切り込み、絶大な人気を博した『コスモス』は、平成三部作とはまた違った方面で大きな話題を生み出した。
また、コスモスは上記の通り、装飾の多い平成のTVシリーズの中では唯一の無装飾である他、ボディに限定すればTVシリーズ唯一の2色のみのウルトラマンである。
- 『ウルトラマンコスモス』
- 劇場映画『ウルトラマンコスモス THE FIRST CONTACT』
- 劇場映画『ウルトラマンコスモス2 THE BLUE PLANET』
- 劇場映画『ウルトラマンコスモス2 THE BLUE PLANET(ムサシ13歳少年編)』
- 劇場映画『ウルトラマンコスモスVSウルトラマンジャスティス THE FINAL BATTLE』
ハイコンセプト・ウルトラマン
平成3部作とコスモスの後に制作された作品群。
年代によってテーマや作品の傾向は大きく異なり、個性豊かな作品が数多く作られている。
また、このシリーズは制作局が『ティガ』〜『コスモス』までのMBSからCBCに変わっている。
ULTRA N PROJECTの商業的失敗とM78星雲のウルトラマン再び
『ULTRA N PROJECT』は、「大人向けのウルトラマン」を志向し、他のシリーズと比べてリアルかつハードに作り込まれたストーリーとテーマ性が良くも悪くも印象に残った作品。
この頃から製作費の予算不足が深刻になり(その影響を受けて生み出されたのがメタフィールドである)、さらにこの『N PROJECT』そのものが商業面で大失敗してしまったことで、円谷プロの屋台骨が大きく傾くことになってしまった。
この打ち切りをめぐって円谷一夫と英明の関係が悪化。打ち切りに納得できなかった一夫は役員会を味方につけ英明を解任。それ以後も経営者交代が相次ぐなど徐々に暗雲が立ち込め始めた。
また、本作で培われた技術や一部デザイン及び設定は後のウルトラマンでも多く見られる(たとえば、ネクサスは平成ウルトラマンでは初めて、腕に装備を装着して戦った戦士であり、後の作品でもこの流れは継承されている。その後の全てのウルトラマンも何かしらの装飾をつけている)。
また、本作からテレビシリーズで本編終了後のミニコーナーが流れるようになり、以降の作品に踏襲されている。
『N PROJECT』の失敗を受け、ダメージの回復を狙い、テレビシリーズでは昭和以来となるM78星雲出身のウルトラマンが主役の作品が制作された。
M78星雲出身のウルトラマンの再登場や、昭和シリーズでも登場した人気怪獣がゲスト出演するなど、大幅なテコ入れがなされた。この作品以降昭和ウルトラマンとの関係性が強くなっていく。
視聴者からは好評だったものの、少子化や上記の通り『ネクサス』から放送局が中部日本放送となったことで首都圏で十分な宣伝ができず視聴率は不振。お世辞にもヒットしたとは言えず円谷プロの財政難を立て直すことはできず、ウルトラシリーズは長きにわたる暗黒期に入ることになる。
『N PROJECT』の展開
TV番組
- 『ウルトラマンネクサス』
- 『ウルトラマンマックス』
- 『ウルトラマンメビウス』
- 劇場映画『ウルトラマンメビウス&ウルトラ兄弟』
- 劇場映画『大決戦!超ウルトラ8兄弟』
- ビデオドラマ・雑誌展開『ウルトラマンメビウス外伝 超銀河大戦』
- ビデオドラマ『ウルトラマンメビウス外伝 アーマードダークネス』
- ビデオドラマ『ウルトラマンメビウス外伝 ゴーストリバース』
大怪獣バトルの果てに
この頃、円谷プロはTYO→フィールズといった別会社の傘下に入ったことで、経営陣が大幅に刷新。経営戦略も大々的に見直され、バンダイなどの玩具会社との提携を深めていくことになる。
また、創業者である円谷一家は買収の条件として退任を余儀なくされ、事実上社内から追放されることとなった。名誉会長として最後まで残っていた円谷一夫も2009年に退任。円谷一族は完全に追放された。
大怪獣バトルはそうした経営戦略の影響を大きく受けた作品であり、これまで変身アイテムやソフビを中心として展開されてきた商業展開に、新たに「アーケードゲーム」「カードバトル」という新ジャンルを組み込むことになった。
ただ、大規模なミニチュアを駆使した従来通りの新番組を制作できるだけの余裕はまだなく、この頃の作品は合成やCGを主体とし、セットも地球外の荒涼とした惑星を舞台とした殺風景な描写が多い。映像作品も、テレビシリーズは殆どなく、OV作品や劇場作品が大多数であった。
『マックス』や『メビウス』で使われた人気怪獣の着ぐるみの使い回しが増え、新怪獣の登場が大きく減ったり(※1)、宇宙人が登場する場合、「○○星人」といった種族名とは別に「グラシエ」「ジェイス」等と言った固有名詞が頻繁につけられるようになった(※2)のもこの頃からである。
一方で、以降の作品で重要な位置づけを担うウルトラマンゼロが初登場した他、一連の作品群でマルチバースと呼ばれる多世界解釈が設定され、様々な世界のウルトラ戦士たちの共演を可能とする下準備が整うことととなった。
- 『ウルトラギャラクシー大怪獣バトル』
- 『ウルトラギャラクシー大怪獣バトル NEVER ENDING ODYSSEY』
- 『大怪獣バトル ウルトラ銀河伝説 THE MOVIE』(ゼロ初登場)
- 『ウルトラマンゼロ』シリーズ
- ビデオドラマ『ウルトラ銀河伝説外伝ウルトラマンゼロVSダークロプスゼロ』
- 劇場映画『ウルトラマンゼロ THE MOVIE 超決戦!ベリアル銀河帝国』
- ビデオドラマ『ウルトラマンゼロ外伝キラーザビートスター』
- 劇場映画『ウルトラマンサーガ』
- 『ウルトラゼロファイト』
- 『ウルトラマンゼロTHE_CHRONICLE』
※1 『ゼロ THE MOVIE』のような例外はあるが、商業的な事情からか現在に至るまでこの傾向は続いている。
※2 固有名詞自体はこれまでも宇宙人の一部に使われていたが、着ぐるみの使いまわしが増えたことで、同じ宇宙人が期間を置かずに頻繁に登場するようになってしまったため、視聴者が過去作に登場した個体と混同してしまうのを避けるために多用するようになったものと思われる。
新世代ヒーローズ
長く続いた苦難の日々を乗り越え、ようやくウルトラマンは復活の兆しを見せ始める。
この頃のウルトラ戦士には、「歴代のウルトラ戦士や怪獣たちの力が封じ込められたアイテム(人形やカード、カプセルなど)を駆使して闘う」「変身アイテム以外にも多彩な追加装備を持つ」という共通点がある(これは、バンダイとの提携強化などの大人の事情が関係しているものと思われる)。そうした演出の都合からか、既存のウルトラ戦士と比べるとかなり複雑でゴツいデザインになっているウルトラマンが多い(一応、オーブオリジンのような例外もあるが)。
ウルトラマン列伝 / 新ウルトラマン列伝:スパークドールズ世代
2011年、円谷プロはこれまでの作品から様々なエピソードをピックアップした番組『ウルトラマン列伝』の放送を開始し、コーナードラマとして『ウルトラゼロファイト』等の短編特撮ドラマを放送する。
2013年、『新ウルトラマン列伝』枠内という扱いながら久々となる30分の完全新作『ウルトラマンギンガ』の放送を開始する。低予算、しかも3か月という短い期間で制作しなければならないという事情を抱えていたため、大規模なセットが作れず、ドラマパートの撮影期間が1ヶ月、放送も商戦が活発になる時期に限定され全11話の間に長い休止期間が挟まるなどの苦しい制約はあったが、製作陣の創意工夫や試行錯誤などが功を奏し、一定の人気を得るに至る。
ヒットを受け制作された第2期『ギンガS』では、放送期間の分割という制約はそのままだったが準備期間が十分とれたことから大規模なセットを組んだ撮影が可能となるなど、前作よりも見応えのある作品へと仕上がった。
そして、2015年に放送された『ウルトラマンX』では、遂には分割放送という制約が取り払われた(ただし放送期間は半年、それでも約2倍の話数に増えた)。『ギンガ』シリーズにはなかった防衛チームや戦闘メカが登場するなど、より従来のウルトラシリーズに近い作品へと進化していた。
ただし、防衛チーム関連の商品の売り上げはもともと売れにくいのもあって期待以上とはならなかったようで、さらにこの頃のウルトラシリーズの玩具商品は収集要素のある玩具へとシフトしており、今更防衛チームを商品展開の前面に出す必要性も薄かったことから、『X』を最後に防衛チームが物語の中心に絡んでくることはなくなっていった。
ちなみに、これまでは昭和ウルトラマンの一部が行っていた「必殺技を使用する際にその技名を叫ぶ」という演出が、この頃からよく見られるようになった。以降、昭和ウルトラマンやこれ以前の平成ウルトラマンもこれに合わせる形で技名を叫ぶ機会が増えてきている(もっとも、これに当てはまらないケースも多いため、まだ完全に徹底されているというわけではないようだ)。
- 『ウルトラマンギンガ』
- 劇場映画『ウルトラマンギンガ劇場スペシャル』
- 劇場映画『ウルトラマンギンガ劇場スペシャル ウルトラ怪獣☆ヒーロー大乱戦』
- 『ウルトラマンギンガS』
- 『ウルトラマンX』
- 劇場映画『ウルトラマンX きたぞ!われらのウルトラマン』
諸先輩方の力をお借りして、再び独立へ
ウルトラシリーズ放送開始50周年という節目の年を迎えた2016年、『新ウルトラマン列伝』は列伝から数えること5年の歴史に幕を閉じ、遂に完全に独立した新作『ウルトラマンオーブ』が製作されることとなった。
「斜め上」をコンセプトにした『オーブ』は大ヒットを記録し、劇場版は元よりインターネット配信限定のスピンオフドラマなど多彩な作品が作られ、視聴者にウルトラシリーズの完全復活を改めて印象付けることとなった。
その波に乗る形で、2017年には『ウルトラマンジード』が放送開始。同作は悪のウルトラ戦士:ベリアルの息子:ジードの葛藤と戦いを描くというこれまでにない雰囲気の作品となり、また『ウルトラ銀河伝説』から続いていたベリアルの物語の完結編となったこともあって、ファンから大きな注目を集めた。同年、多くのウルトラシリーズの製作に携わってきた大岡新一社長が退任。買収前の円谷プロを知るものは遂に一人もいなくなり、円谷プロは新元号を前に完全な新生が果たされることとなった(ちなみに、後任にはウォルト・ディズニー・ジャパンでスタジオ・グループゼネラル・マネージャーなどを務めた塚越隆行氏が就任した)。
2018年には、シリーズ史上初めてとなる2人の兄弟を主人公とした作品『ウルトラマンR/B』が放送され、平成ウルトラマンのトリを飾ることとなった。
前述の通り21世紀ウルトラマンとしては元号が令和に変わっても続く事になり、(間に休止期間を挟んではいるものの)昭和シリーズでは成しえなかった7年連続の新作テレビシリーズ展開へバトンを繋いだ。
この頃のウルトラマンは、「基本形態から歴代戦士・怪獣の力を借りて変身する・技として使用する」という共通点がある。しかしいずれの戦士にも、誰の力も借りないオリジナルの形態が何かしら登場しており、物語の要所で重要な役目を果たしている。
- 『ウルトラマンオーブ』
- インターネット配信番組『THE ORIGIN SAGA』
- 劇場映画『劇場版ウルトラマンオーブ 絆の力、おかりします!』
- 『ウルトラファイトオーブ』
- アーケードゲーム『ウルトラマンフュージョンファイト!』
- 『ウルトラマンジード』
- 劇場映画『劇場版ウルトラマンジード つなぐぜ!願い!!』
- 『ウルトラマンR/B』
- 『ウルトラマン ニュージェネレーションクロニクル』
上記以外の平成作品
- 『ウルトラP』/『ウルトラマンM730ウルトラマンランド』
- 『ウルトラマンゼアス』
- 『ウルトラマンナイス』
- 『ウルトラニャン』
- 『ファイティングエボリューション』
- 『ウルトラマンボーイ』
- 『怪獣バスターズ』
- 『AnotherGenesis』
- 『ウルトラゾーン』
- 『ウルトラマン妹』
- 『大怪獣ラッシュ』
- 『ウルトラマンリブット』
- 『怪獣酒場カンパーイ!』
- 『怪獣娘〜ウルトラ怪獣擬人化計画〜』
- 『ウルトラ怪獣バトルブリーダーズ』
- 『激闘バトル!ウルトラマンタカミー』
平成に制作された昭和系列の外伝作品
- 『ウルトラマングラフィティ』
- 『ウルトラマン超闘士激伝』
- 『ウルトラQザ・ムービー星の伝説』
- 『平成ウルトラセブン』
- 『ULTRASEVENX』
- 『ウルトラQ ~dark fantasy~』
- 『ネオ・ウルトラQ』
- 『ウルトラゾーン』
- 『ULTRAMAN』
- 『ウルトラQ怪獣伝説万城目淳の告白』
- 『ウルトラマン怪獣伝説40年目の真実』
平成に制作されたウルトラシリーズ以外の円谷作品
- 『電光超人グリッドマン』
- 『ムーンスパイラル』
- 『ブースカ帰ったよ!』
- 『怪奇事件特捜チームS・R・I 嗤う火だるま男』
- 『怪奇大作戦セカンドファイル』
- 『怪奇大作戦ミステリー・ファイル』
- 『ミラーマンREFLEX』
- 『生物彗星WOO』
- 『サイバー美少女テロメア』
- 『オタスケガール』