山手線
やまのてせん
曖昧さ回避
概要
路線名 | 山手線 |
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路線総延長 | 20.6km(品川-田端)/34.5 km(一周で) |
軌間 | 1067 mm |
電圧 | 1500 V |
最高速度 | 90 km/h |
JR東日本の運営する代表的な路線の一つ。全区間・全駅が東京都の特別区(東京23区)内のみで完結しており、都区部内の主要都市を円を描くように結ぶ環状運転を行っている。一周の所要時間は59分(日中の場合)。都心部を細切れに繋いでいるため各駅間が非常に短く、最も長い区間でも2kmほどしか離れていない(大崎-品川間)。そのため電車を待って乗るより歩いて移動したほうが早く着く区間も多い。
名称・呼称について
名前の由来は江戸時代〜戦前の江戸または東京における高級住宅街の呼び名「山の手」(下町の対義語)からと思われる。開業時の申請書には表記を「山ノ手線」とする旨が書かれていたが、開業時の表記は「山手線」となった。
読み方については「やまのてせん」が正式なものであり、開業から第二次世界大戦以前は一貫してこの読み方であった。しかし、終戦直後に連合国軍最高司令官総司令部の指示により、鉄道施設や道路標識などにローマ字の併記が進められた際、山手線には国鉄部内での通称だった「ヤマテ」につられて「YAMATE=Loop=Line」と併記してしまった。これがきっかけで「やまてせん」という読み方が一般的に定着し、行き先表示でも「山手 YAMATE」と表記されるようになった。その後、国鉄は「線名の由来・発祥から『やまのて』が伝統的に正しい」ことに加えて、根岸線の山手(やまて)駅(1964年5月19日に開業)との混同防止のため、1971年3月7日から読み方を「やまのてせん」に戻し、行き先表示も「山手線 YAMANOTE-LINE」に変更。以降は再び「やまのてせん」で統一されている。
「山手線」の呼称が指す区間は典拠や目的により、次のように使い分けられている。ヨドバシカメラの広告ソングで「まあるい緑の山手線」と形容される通り、一般的には2.を指すことが多い。
- 正式路線名(線路名称)としての「山手線」。品川駅(港区)を起点に、渋谷駅(渋谷区)・新宿駅(新宿区)・池袋駅(豊島区)を経由して田端駅(北区までを結ぶ、全長20.6km(営業キロ)の鉄道路線。東海道本線の支線であり、国鉄分割民営化時に当時の運輸省(現在の国土交通省)に提出された事業基本計画、および国土交通省監修の『鉄道要覧』に記載された「山手線」はこの区間を指す。田端駅を起点・終点とする電車は存在せず、早朝深夜やラッシュなどを除く大半の電車が後述の2.を経由する周回電車となる。駒込駅〜田端駅間の一部区間を除き、ほぼ全線が複々線であるが、このうちの埼京線の電車、湘南新宿ラインの列車や特急列車、貨物列車の走る線路を通称「山手貨物線」と呼ぶ。
- 運転系統としての「山手線」。1.に東海道本線の品川駅〜東京駅間および東北本線の東京駅〜田端駅間を合わせた、東京都区部内の全長34.5kmの区間で環状運転を行う近距離電車の運転系統。この系統のみが使用する専用の線路が敷設されており、主としてそれ自体を指して「山手線」と呼称する。
- マルスのシステム上の経路表示における「山手線」。1.から代々木駅〜新宿駅間を除外し、田端駅〜日暮里駅間を含む。代々木駅〜新宿駅間は「中央東線」と表示される。
- 運賃計算上の「東京山手線内」。東京駅からの営業キロ程が「100km超・200km以内」の範囲に所在する駅に発着する乗車券(または「1km超・200km以内」の範囲に所在する駅に発着する一部の特別企画乗車券)に表示されることがある運賃計算上の名称。2.の区間に加え、環状線の内側にある中央本線の神田駅〜代々木駅間および総武本線の秋葉原駅〜御茶ノ水駅間を含む。また、この区間内相互の近距離運賃は区間外よりも低額に設定されている。
使用車両
現在使用されている車両はE235系。当系列と、その前のE231系500番台の行先表示は「上野・池袋方面」「品川・渋谷方面」といった具合に内回り・外回りをはっきり区別しているが、それまでの車両の行先表示は大崎駅止まりなどの例外を除き、単に「山手線」だけで、内回りと外回りを区別していなかった。
歴史
現在のような環状運転となったのは1925年で、山手線内で最初に開業したのは日本初の鉄道となる1872年の新橋駅-品川駅間まで遡れるが、現在の山手線の源流となった区間は日本鉄道が1885年に開業した品川駅-板橋駅-赤羽駅である。また池袋駅-田端駅の開業は1903年で、池袋駅の開業もこの時である。なお現在の池袋-赤羽間は埼京線(正式には赤羽線)であるが、環状線運転以降も1972年までは山手線の支線扱いであった。
かつての1963年から採用されたウグイス色の車体色(現在の帯色)から「緑の山手線」と言われることがあるが、実は戦後すぐ1948年より緑色に塗られたことがある。田端~品川間を当時線路共用していた京浜東北線電車との識別の必要があるとのことから旧軍の放出物資である緑色塗料を使用し、ほとんど完成しかかったのだが、1950年の車輛大規模配置換えで混乱が生じ頓挫してしまった。新性能後、一度はカナリアイエローに決定しながらもウグイス色になったのは関係者がこの経緯もふまえていたからかもしれない。
JR発足後最初に6扉車を投入され、同時に一貫通編成では日本最長の11両編成化が実施されるなど等混雑が激しい路線であるが、一方、編成やホームの延長など地上側の投資が追いつかなかった面がある。近年は湘南新宿ライン・上野東京ラインの両長距離バイパス路線が整備されたことやE231系以降の拡幅車体導入で若干混雑が緩和されたこともあり、ホームドアの導入と合わせ、6扉車は撤廃されている。
都心を走る路線だけあってほとんどの停車駅にホームドアが設置されている。現在ホームドアがないのは東京駅、新橋駅、浜松町駅、渋谷駅、新宿駅の5つのみ。
2016年からナンバリング制度を導入し、すべての駅に順次駅番号が付けられた。
路線記号はJY=JR Yamanote line。
スリーレターコードに何故かこれが入っている。
停車駅(駅ナンバリング順/内回り)
駅番号 | 停車駅 | 乗り換え | 住所 | スリーレターコード |
---|---|---|---|---|
JY 01 | 東京 | 千代田区丸の内1丁目 | TYO | |
JY 02 | 神田 |
| 千代田区鍛冶町2丁目 | KND |
JY 03 | 秋葉原 | 千代田区外神田1丁目 | AKB | |
JY 04 | 御徒町 |
| 台東区上野5丁目 | |
JY 05 | 上野 | 台東区上野7丁目 | UEN | |
JY 06 | 鶯谷 | 京浜東北線(JK31) | 台東区根岸1丁目 | |
JY 07 | 日暮里 |
| 荒川区西日暮里2丁目 | NPR |
JY 08 | 西日暮里 |
| 荒川区西日暮里5丁目 | |
JY 09 | 田端 | 京浜東北線(JK34) | 北区東田端1丁目 | |
JY 10 | 駒込 | 東京メトロ南北線(N14) | 豊島区駒込2丁目 | |
JY 11 | 巣鴨 | 東京都交通局都営三田線(I15) | 豊島区巣鴨1丁目 | |
JY 12 | 大塚 | 東京都交通局都電荒川線大塚駅前停留場(SA23) | 豊島区南大塚3丁目 | |
JY 13 | 池袋 | 豊島区南池袋1丁目 | IKB | |
JY 14 | 目白 | 豊島区目白3丁目 | ||
JY 15 | 高田馬場 |
| 新宿区高田馬場1丁目 | |
JY 16 | 新大久保 | 新宿区百人町1丁目 | ||
JY 17 | 新宿 | 新宿区新宿3丁目 | SJK | |
JY 18 | 代々木 |
| 渋谷区代々木1丁目 | |
JY 19 | 原宿 | 東京メトロ千代田線/副都心線明治神宮前 <原宿> 駅(C03/F15) | 渋谷区神宮前1丁目 | |
JY 20 | 渋谷 | 渋谷区道玄坂1丁目 | SBY | |
JY 21 | 恵比寿 |
| 渋谷区恵比寿南1丁目 | EBS |
JY 22 | 目黒 |
| 品川区上大崎2丁目 | |
JY 23 | 五反田 | 品川区五反田1丁目 | ||
JY 24 | 大崎 | 品川区大崎1丁目 | OSK | |
JY 25 | 品川 | 港区高輪3丁目 | SGW | |
JY 26 | 高輪ゲートウェイ |
| 港区港南2丁目 | TGW |
JY 27 | 田町 |
| 港区芝5丁目 | |
JY 28 | 浜松町 | 港区海岸1丁目 | HMC | |
JY 29 | 新橋 |
| 港区新橋2丁目 | SMB |
JY 30 | 有楽町 |
| 千代田区有楽町2丁目 |
一番上に戻る。
…以上30駅。この中で最も新しいのは高輪ゲートウェイ駅(2020年開業)。
東京の中心部を走り、利用者数も非常に多いことから車体全体に広告を貼り付けたり、車体広告を1編成貸しきった編成が時折運行されている。ソシャゲの普及以降萌えキャラ広告が急増、さながら走る秋葉原と化している。
例としては
- ラブライブ!スクールアイドルフェスティバル・ラブライブ!関連(通称ヤテライブ!)
- 明治製菓ミルクチョコレート
- 東京駅開業100周年記念
- ラインカラー制定50周年記念 通称みどりの山手線
- 映画けいおん!
- AKB48関連
- ゲームセンターCXのアドトレイン
- Netflix、日本の鉄道開業150年記念「黒い山手線」
- ウマ娘プリティーダービー1周年記念関連
…など。ただし東京都の広告条例による規制があるため、それ以外の地方を走るラッピング列車のソレよりはだいぶ控えめなものにしている。
関連動画
関連タグ
- JR東日本
- 京浜東北線/中央本線/総武線
- 103系/205系/E231系/E235系
- 山手線ゲーム
- ラッピング電車
- 高橋みなみ(2012年3月17日から4月15日にかけて運行された広告貸切列車「AD TRAIN」編成で車内放送のアナウンスを担当)
- 大阪環状線/名城線/都営大江戸線(大江戸線は山手線と同じく東京23区内を路線図上では環状型に運転しているように見えるが、厳密には環状運転ではない)
- 七英雄(キャラ名が山手線沿線駅から由来)
- 女神異聞録デビルサバイバー(山手線を境に封鎖され、閉じ込められる)
- 志賀直哉 大正時代にこともあろうに山手線電車にはね飛ばされた人身事故歴を持つ文豪。現代であれば無論即死であり、当時の運転速度の低さと、使用車輛の小ささがうかがえる。
他の主要都市における環状線・環状運転の例