概要
「仮面ライダーごっこで女児は怪人役か捕まる役しかできない」との意見が一つのもととなって始まったスーパー戦隊シリーズ。とはいえメインターゲットはあくまで男児。女児の視聴者層が具体的に分からなかったため、初期の戦隊は主に『男4と女1』という構成が一般的で女性のカラーはピンクのみだった。作劇的にも男性と女性を並ばせるのは難しく、当時は女性は男性より弱いという風潮が強かったため、モモレンジャーのように男性に1人並ぶ理由付けとしてハーフもしくは外国人という設定にならざるを得なかった。デンジピンクは戦士の選定理由を宇宙人の末裔というファンタジーな設定にしたことで、強いヒロインにする余地はなくなったものの、先述の風潮により今度は他メンバーより弱いヒロインになってしまう等演出にも苦戦を強いられた。
太陽戦隊サンバルカンではヒロインを廃止したが、売り上げは良好だったため、製作陣は女児視聴者の意識した作品作りにさらに悪戦苦闘することとなってしまった。
ゴーグルピンク、ダイナピンクなどでヒロイン作りはなんとなく掴めてきたものの、やはり作劇は難しく、ついには5人全員男性という案まで出たほどだった。しかし超電子バイオマンでついにダブルヒロインの案が出され、採用された。モモレンジャーのような勇敢なヒロインをイエローフォーに、デンジピンクのような優しいヒロインをピンクファイブに割り当てたこのダブルヒロインが「次は5人全員女性で良いんじゃないか。」レベルで好評を博し、以降のシリーズでも『男3と女2』の構成が採用されるようになった。
それと同時にピンク以外にもイエローやブルー、ホワイトなども女性の色として使われるようになる。
21世紀以降は5人戦隊はほぼダブルヒロイン体制となり、初期メンバーが5人で紅一点の戦隊は百獣戦隊ガオレンジャー、炎神戦隊ゴーオンジャー、獣電戦隊キョウリュウジャー、
騎士竜戦隊リュウソウジャーのみ。そのうちゴーオンジャーは途中でもう1組のゴーオンウイングスに女性メンバーが来たため、
実質ダブルヒロイン体制となり、キョウリュウジャーも番外戦士ではあるが、女性メンバーが追加された。
一方で初期メンバーが3人の場合はダブルヒロイン体制だと女性の比率が高くなるため、今現在は、必ず紅一点になっている(非公認を除いて)。
また、レギュラーメンバーでの女性人数も2人が最高となっている。(ゲスト戦士や番外戦士を含めるともう少しいるが…。)
敵側の女性幹部が2人以上になることもあり、その場合、正義のヒロインが紅一点になりやすく、例外は超電子バイオマン、超新星フラッシュマン、地球戦隊ファイブマン、首領含めると2人になる
鳥人戦隊ジェットマン、超力戦隊オーレンジャー、悪の戦隊の女性戦士を含めると3人になる電磁戦隊メガレンジャー、敵組織は存在しないが各犯罪者グループメンバーとして
複数回登場した女性怪人が3人いる特捜戦隊デカレンジャー、魔法戦隊マジレンジャー、烈車戦隊トッキュウジャー、作品としてはダブルヒロイン体制の宇宙戦隊キュウレンジャー
の10作品である。電撃戦隊チェンジマンの副官シーマと光戦隊マスクマンのイガム王子をカウントしたら12作品となる。
紅一点から女性が2人になったため性格の幅も広がり、片方がお姉さん、姉御キャラで片方が妹系、可愛いキャラというのが定番になった(一方で天装戦隊ゴセイジャーのようにどちらにも当てはまらないダブルヒロインもいる)。
戦隊ダブルヒロイン一覧
昭和戦隊
戦隊 | ヒロイン1 | ヒロイン2 | 備考 |
---|---|---|---|
超電子バイオマン | 小泉ミカ・矢吹ジュン/イエローフォー | 桂木ひかる/ピンクファイブ | 戦隊シリーズ初のダブルヒロイン |
電撃戦隊チェンジマン | 渚さやか/チェンジマーメイド | 翼麻衣/チェンジフェニックス | |
超新星フラッシュマン | サラ/イエローフラッシュ | ルー/ピンクフラッシュ | |
光戦隊マスクマン | ハルカ/イエローマスク | モモコ/ピンクマスク | 昭和最後のダブルヒロイン |
平成戦隊
90年代
戦隊 | ヒロイン1 | ヒロイン2 | 備考 |
---|---|---|---|
地球戦隊ファイブマン | 星川数美/ファイブピンク | 星川レミ/ファイブイエロー | 星川姉妹、平成最初のダブルヒロイン |
鳥人戦隊ジェットマン | 鹿鳴館香/ホワイトスワン | 早坂アコ/ブルースワロー | |
超力戦隊オーレンジャー | 二条樹里/オーイエロー | 丸尾桃/オーピンク | |
激走戦隊カーレンジャー | 志乃原菜摘/イエローレーサー | 八神洋子/ピンクレーサー | |
電磁戦隊メガレンジャー | 城ヶ崎千里/メガイエロー | 今村みく/メガピンク |
2000年代
2010年代
令和戦隊
戦隊 | ヒロイン1 | ヒロイン2 | 備考 |
---|---|---|---|
魔進戦隊キラメイジャー | 速見瀬奈/キラメイグリーン | 大治小夜/キラメイピンク | キラメイガールズ、現在令和唯一のダブルヒロイン |
特殊
戦隊 | ヒロイン1 | ヒロイン2 | 備考 |
---|---|---|---|
高速戦隊ターボレンジャー | 森川はるな/ピンクターボ | 月影小夜子/流れ暴魔キリカ | 敵対関係だが後に和解 |
救急戦隊ゴーゴーファイブ | 巽マツリ/ゴーピンク | 速瀬京子 | 後者はVシネ版で変身 |
爆竜戦隊アバレンジャー | 樹らんる/アバレイエロー | 今中笑里 | 後者はコスプレ |
特命戦隊ゴーバスターズ | 宇佐見ヨーコ/イエローバスター | エスケイプ/エスケイプ・エボルブ | 敵対関係 |
騎士竜戦隊リュウソウジャー | アスナ/リュウソウピンク | 龍井ういorオト | 後者は変身しない |
機界戦隊ゼンカイジャー | マジーヌ/ゼンカイマジーヌ | フリント・ゴールドツイカー | 前者は変身前も着ぐるみ、後者はイレギュラーな形で変身 |
関連タグ
スーパー戦隊シリーズ 紅一点
仮面ライダーエグゼイド 仮面ライダーリバイス:仮面ライダーシリーズでダブルヒロインが登場した作品
時空戦士スピルバン ビーファイターカブト:メタルヒーローシリーズでダブルヒロインが登場した作品