ピクシブ百科事典は2024年5月28日付でプライバシーポリシーを改定しました。改訂履歴
の編集履歴2023/04/20 05:06:32 版
編集者:じゅん
編集内容:分布|他微調整

🐜概要

膜翅目のうちアリ科に分類される昆虫のこと。

(=蟻以外の膜翅類)から派生したグループで、具体的にいうとスズメバチ等よりアナバチミツバチ等が属する系統に近い。

硬い外骨格、発達した大、頭・胸・腹の間がくびれるなど、基本の体制は蜂と大して変わらないが、各部位の比率や形、光沢や棘などの有無は種類により様々。触角はL字状に折り曲げて、色は黒や赤茶色、黄色のものが多い。

極地や一部の孤島以外の地上であればどこでも見つかり、最も身近なの一つである。1万3,000以上の種が知られているが、実際は2万以上いると予想される。

主に地表で活動する社会性昆虫であり、同種でも個体の姿は群れでの役割により異なる。

最も一般に見られ、群れの多数を占める個体は「働き蟻」である。働き蟻はを持たず、多くの場合は1cmも満たさないほど小さく、頭頂部にあるはずの3つの単眼もない。中には「兵隊蟻」という、頭部が特別に大きく武装した大型個体が混じっている種類もいる。また、働き蟻は全てメスであるが、通常は繁殖できず、群れの中で様々なタスクを担っている。

群れの中枢である「女王蟻」は少数(通常1匹、数匹以上の種類もいる)しかないが、多くのを産み続ける体が働き蟻より大きく、頭部に単眼があり、複眼も働き蟻より発達である。本来は蜂のように翅を持っているが、妊娠した次期翅が不要となり削ぎ落される。

雄蟻」も翅や単眼を持つが、女王蟻よりも小さく弱々しい姿で、胸部に対して頭部や顎が小さい場合が多い。

メスがから蟻酸と呼ばれるを放つ種が多いが、蜂の様に毒針を持つ種類も多い。

シロアリは名前に反して蟻や蜂の仲間ではなく、ゴキブリの間から派生し、蟻と似た社会性を収斂進化した別系統の昆虫である。

生態

どの種類も社会性の群れで暮らす。多くの種類が特定の場所(地下上)にを作り、その内部にエサを溜め込み、幼虫を育てる。

匂い(フェロモン)で同じ巣の仲間を識別し、触角同士を触れ合わせコミュニケーションしたり、口移しエサを運ぶ。童謡の「ごっつんこ」とはこの行動の様子を表している。

俳句季語では夏に分類されるが、からの暖かい頃に食料を集め、が近づき寒くなると巣で越冬する。

この生態を元に「アリとキリギリスギリシャではセミ)」の話が生まれた。

ほぼ全てが女王蟻を主体とする真社会性を持つ。働き蟻のうち若者は巣の中で、年配者は外で労働する。雄蟻はほぼ何もせず、女王蟻に一生使える量の精子を捧げるのが役目で交尾が終わると死ぬ。

このような社会性は同じ膜翅類スズメバチミツバチ、果ては膜翅類ですらないシロアリにも見られるが、全てが別々に収斂進化した特徴である。

繁殖は前述の社会性昆虫と似て「結婚飛行」という段階があり、この時期に処女の女王蟻と雄蟻が巣立ちして空を飛びながら交尾する。結婚飛行で妊娠した女王蟻は新たな場所で翅を削ぎ落して巣を作り、自分の群れを立ち上げる。女王蟻の繁殖力は凄まじく、多くが一日に100ほどのを産めるほどである。

多くは肉食寄りの雑食性で、捕食者兼腐肉食者の力が強く、体重の百倍の木の実を軽々と引きずる。例えるならおばちゃんカバを引きずり回せると考えれば分かるだろう。

動きも素早く、腹部には攻防用の蟻酸もしくは毒針があり、物量作戦が得意。小型種なら関節などの隙間から侵入できるのでカマキリやスズメバチ、タランチュラ等、虫で屈指のハンターも一方的に倒せる。

一般的に砂糖に寄ってくるイメージがあるが、砂糖を好む種類がいるというだけで、花の蜜やアブラムシの甘い汁を好むアリが良く似た砂糖を好むというのが現実。

また、甘いものと虫の死体を並べてどちらを好むか観察すると、虫の死体を優先的に砂粒で埋めたり、巣穴近くまで運搬して処理することが多い。炭水化物より、死体から得られるタンパク質(体を作る為に必要)の方が自然界での供給は少ないという事かもしれない。

切り取った葉を巣に持ち帰って菌を植え付け、キノコを育てて食べるハキリアリもいる為、種によって農業牧畜を行っているとも言える。

特定の種類の女王を殺して巣を乗っ取り、残りの働き蟻を奴隷にするサムライアリやトゲアリ等、恐ろしい生態を持つ種類もいる。

硬い外骨格や高い防衛性、団結力があるので天敵は少なく、いても多くが蟻を専門に捕食/寄生する種類。(アリクイアリタケ等

そのため蟻に擬態する虫(アリグモなど)や、蟻と共生関係を結ぶ生物も少なくない(後述の「好蟻性」を参照)。

好蟻性

他の生物が蟻に頼って生活する性質は「好蟻性」(こうぎせい)といい、動物であれば「好蟻性動物」(蟻以外の昆虫は「好蟻性昆虫」とも)、植物であれば「好蟻性植物」ないし「アリ植物」という。これらの生物の蟻との関係性は、種類により互利共生から捕食寄生まで多様である。

典型的なものは蟻のフェロモン偽装し、仲間として巣で暮らすタイプである。彼らは蟻の巣で外敵から守られて蟻に世話され、蟻やその幼虫等を捕食する者もいる。

この方法で好蟻性として知られている者には甲虫アリヅカムシヒゲブトオサムシ等)やクロシジミ)、アリヅカコオロギ蜘蛛ダニヤスデ等様々な節足動物が含まれる。

蟻と共生するアブラムシカイガラムシは蟻の巣に住んでいないが、蟻に天敵から守ってもらい、代わりに甘露を蟻に提供する。「アリマキ」の異名はここに由来。それだけでなく、蟻が自らアブラムシやハダニなど植物に棲む虫の卵を持ってきて、育てる事も多い。

植物害虫に覆われた場合、蟻の存在が疑われる為、害虫として駆除される事も多い。

植物の場合、海外にはアカシアやアリノトリデ等、自分のに空洞やトンネルを形成し蟻を住まわせて天敵を追い払う者がいる。

関連キャラ

関連記事

親記事

の編集履歴2023/04/20 05:06:32 版
編集者:じゅん
編集内容:分布|他微調整
の編集履歴2023/04/20 05:06:32 版