仮面ライダーアギト(キャラクター)
かめんらいだーあぎと
「人の運命がお前の手の中にあるなら、俺が…俺が奪い返す!!」
「誰も、人の未来を奪うことはできない!!」
概要
『仮面ライダーアギト』の主人公である津上翔一が変身ベルトのオルタリングを使用して変身する仮面ライダー。
第1話・第2話のみ力を制御できず、アンノウンが出現すると苦痛を感じたり、異形の存在をすべて敵と認識して仮面ライダーG3に襲いかかったが、第3話以降は制御している。
なお、アギトとは光の力に与えられたアギトの力を覚醒させた者の総称だが、設定上「仮面ライダー」を冠する「仮面ライダーアギト」の名称が用いられているのは翔一が変身するアギトだけである(後述の翔一が登場しない作品も含めれば、『仮面ライダーアギト』の主役ライダーとしてのアギトだけ)。
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モチーフ
テレビ朝日の公式サイトにて『アギト』の主要3ライダーのモチーフが当時から公表されており、アギトは龍、仮面ライダーG3は未確認生命体第4号、仮面ライダーギルスはカミキリムシをモチーフとしている。
『テレビマガジン特別編集 仮面ライダーアギト』における早瀬マサトの発言によれば、モチーフは明らかにするつもりではなかったが、視聴者から殺到する問い合わせに際し、龍がモチーフであると公表する事にしたようである(マシンの名前も竜巻に由来しており、加えて龍は神の敵対者であるため、『アギト』の作品テーマに合致したモチーフと言える)。なお、『仮面ライダーセイバー』の玩具として展開されたレジェンドライダーワンダーライドブックのうちの一つ金色龍のアギトワンダーライドブックのタイトルに龍と入っている。
作中では氷川誠がアギトについて「(未確認生命体)第4号に似ていた」と発言しているが、第4号がどのような外見であったかは不明である。
前作『仮面ライダークウガ』における第4号こと仮面ライダークウガとよく似ているが、これは『アギト』の主要3ライダーがいずれも、クウガを番組制作上のデザインのモデルとしているため(クウガのモチーフであるクワガタムシが『アギト』のライダーのモチーフになっているわけではない)。津上翔一役の賀集利樹が「アギトはクワガタでしたよ?」という発言をしたことがあるが、アギトが龍モチーフであることが作中で大々的に示されることは無いため、演じていた本人であっても誤解するのはやむを得ないことだったと言える。
形態変化
アギトのフォームチェンジは、トリニティフォームまではグランドフォームを基本とし、胴体・篭手・ベルト中央の賢者の石の色と肩アーマーの形状のみが変化する。
初期はそれぞれの武器が取り出されてから外見の変化が起こっていたが、中盤以降は外見が変化してから武器が出現するようになった。
どのフォームも飛び道具を一切持たないため、遠距離戦は苦手という弱点を持つ(※武器を投擲して攻撃することは可能)。
ちなみに、翔一の変身するアギトに水属性が存在しないため、度々話題になる。
なお、序盤の数話は『クウガ』の第1話、第2話同様にオルタリングのスイッチを押してから敵を殴打しつつ、徐々に体をアギトの姿に変化させるという方式が取られた。『ジオウ』客演時でも同様の演出が取られている。
平成の主人公ライダーのなかでは最も変身ポーズのバリエーションが多く、通常の変身だけでも数パターンある他、バーニングフォームやシャイニングフォームの直接変身バージョンを含めるとさらに多くなる。しかも変身者が多岐に渡るからではなく、これらの変身ポーズはすべて同じ変身者が行なっている。
グランドフォーム(超越肉体の金)
大地の力を宿した基本形態。専用武器は使用せず、肉弾格闘を主体戦法とする。
クロスホーン(角)を展開することにより強化するという、準フォームチェンジ的な特徴を持つ。クロスホーンは必殺技を放つ際のみ展開する。
トリニティフォーム(三位一体の戦士)
グランド、ストーム、フレイムの3つのフォームの力を宿した強化形態。
翔一が一時的に記憶を取り戻した際に変身可能となった。
後のクライマックスフォームやドガバキフォームに代表される、てんこ盛りフォームの第1号である。
TV本編での出番はたった2回と極端に少ないが、17年後に大見せ場を得ることとなる。
バーニングフォーム(燃え盛る業炎の戦士)
地獄の業火をその身に宿したような、真紅の強化形態。
全フォーム中最もパワーに特化した形態であり、特にパンチ力は最強形態をも上回るが、スピードは最も劣る。
専用武器はシャイニングカリバーで、2つの刀を柄同士で連結させたシングルモードとして使用する。
シャイニングフォーム(光輝への目覚め)
太陽の光を受けたバーニングフォームがさらに進化を遂げた、輝きの最強形態。
バーニングフォーム同様にシャイニングカリバーを武器とするが、このフォームでは2つの剣に分離させたツインモードで戦う。
スペックについては、パンチ力以外は全形態を遥かに凌駕する。
スペック一覧表
パンチ力 | キック力 | ジャンプ力(ひとっ跳び) | 走力(100m辺り) | |
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グランド | 7t、15t(※) | 15t、30t(※) | 30m | 5秒 |
ストーム | 右3t、左7t | 5t | 50m | 4.5秒 |
フレイム | 右10t、左5t | 7t | 20m | 5.5秒 |
トリニティ | 右10t、左7t | 15t | 50m | 4.5秒 |
バーニング | 25t | 15t | 15m | 6秒 |
シャイニング | 15t | 45t | 75m | 4秒 |
※クロスホーン展開時
専用ビークル
ツール
オルタリング
アギトの変身ベルト。ベルトの左右にあるスイッチを同時に押すことで変身する。
変身した状態で左右どちらかのスイッチを押すことで武器を呼び出し、フォームチェンジする。
第15話以降は変身ポーズが仮面ライダーらしさを押し出した新しいものに変わり、バーニングフォームやシャイニングフォームに直接変身する際にも別の新しいポーズを取っている。
『小説 仮面ライダーアギト』ではベルトの名称は登場せず、ベルト型の変身器官と表記されている。
本編以降の活躍
『仮面ライダー龍騎ハイパーバトルビデオ 龍騎vs仮面ライダーアギト』
「俺は仮面ライダーアギト!」
「ヤツは俺であって俺でない。ミラクルワールドの作り出した、幻なんだ」
仮面ライダーアギト(幻)に苦戦する龍騎達を助けに突如として現れた戦士。非常に凛々しく、ベテラン感溢れる先輩ヒーローらしい漢で、お調子者の翔一とは別人とも思われる。
最後はダブルライダーキックでニセモノを無事撃破し、四人のライダー達と友情を誓い合うのだった。
賀集利樹のスケジュールが合わなかったため、スーツアクターの高岩成二が声を担当している。
『仮面ライダーディケイド』
リ・イマジネーションライダーとして、津上翔一ではなく芦河ショウイチが変身する仮面ライダーアギトが登場。
仮面ライダーG3の装着員だったショウイチは不完全な「アギトの力」に覚醒し仮面ライダーエクシードギルスに変貌してしまったが、小野寺ユウスケらとの邂逅により戦う決意を新たにし、仮面ライダーアギトへの変身を果たした。
仮面ライダーディケイドのファイナルフォームライドにより、アギトトルネイダーへと変形する。
『仮面ライダー×仮面ライダー W&ディケイド MOVIE大戦2010』
最強コンプリートフォームの能力によりシャイニングフォームへと変身した。
『仮面ライダーウィザード』
第52・53話に登場。
クウガや仮面ライダーブレイドとともに、ライダーリングを奪った少年に召喚され魔宝石の世界で怪人と戦った。しかし、怪人軍団の猛攻により捕らえられてしまい、アマダムに拘束される。
仮面ライダーウィザードと仮面ライダーディケイドによって解放されると次々襲いくる怪人を蹴散らしたが、巨大怪人戦では事前通告なしにディケイドのファイナルフォームライドでアギトトルネイダーに変えられてしまった。
『平成ライダー対昭和ライダー 仮面ライダー大戦 feat.スーパー戦隊』
まさかのトリニティフォームで登場し、仮面ライダースーパー1と激戦を繰り広げた。
バダンシティ戦ではやはりディケイドにアギトトルネイダーにされていた。
『平成仮面ライダー20作記念 仮面ライダー平成ジェネレーションズ FOREVER』
終盤に登場し、仮面ライダー龍騎やウィザードと共に人々の前に現れた。
怪人たちとの戦いでは仮面ライダーキバとタッグを組み戦った。その際に、テレビ本編では披露したことがない新技(手刀の先にオーラで作り出した刃を纏わせる攻撃)を使用している。
ティードの変身したアナザーアルティメットクウガには、ブレイドと仮面ライダー響鬼と3人でトリプルライダーキックを放った。
友情出演扱いで、戦闘時の掛け声や台詞は賀集利樹が新録した。
『仮面ライダージオウ』
第31~32話に登場。
本作は、すべての平成仮面ライダーシリーズと繋がりのある世界として描写されているため、変身者は原典同様に翔一である。
ちなみに、翔一の変身するアギトが登場するより前に、仮面ライダーディケイドがカメンライドしたディケイドアギトも登場している。
なお、第31話における変身シーンは、「暗闇の中からオルタリングの起動音を響かせながら翔一が現れる」「生身での格闘シーンを経てから変身する」というもので、『アギト』第1話・第2話のオマージュになっている。
第32話では、タイムジャッカーの策略でアギトの力をアギトライドウォッチによって奪われ、それを取り込んだアナザーアギトが翔一が変身するアギトと同じ姿となった。
ソウゴたちの活躍でアギトライドウォッチからアギトの力を取り戻した上、アギトのトリニティフォームとジオウトリニティの“六位一体”も披露した(このとき、アギトのトリニティを見てウォズが興奮して即席の口上を続けた)。
『セイバー+ゼンカイジャー スーパーヒーロー戦記』
他のライダーや戦隊レッドとともに、アスモデウスの軍団に立ち向かう。
ドラゴン/竜繋がり及び全員武装に剣を持っていると言う繋がりもある仮面ライダーセイバー、龍騎、チェンジドラゴン、リュウソウレッドの4人と共闘する。
ゲーム作品
『THE バイクレース』
隠しキャラクターとして参戦。
必殺技はクロスホーンを展開し、追尾弾を放つというもの。
バイク自体の最高速度がすべてのこのゲームにおいては当たりさえすれば、相手を強制的にスリップさせることが出来るのは優秀な部類の技と言える。相手が速すぎると追尾弾が追いつかないのが欠点。
『正義の系譜』
バイクレースを除けば初めての昭和ライダーとの共演作品。賀集利樹が演じている。
アンノウンとの決戦から4ヶ月後に、悪の気配を察知。訪れた発電所にて様々な時代の仮面ライダーたちと共闘し、悪の野望を打ち砕くこととなる。
なお、このゲームでの『アギト』の物語は未確認生命体事件から2年後という設定に沿って2003年末に決着が付いたことになっている。
変身前の翔一の姿と、変身後のアギトグランドフォームの姿で行動できる。
必殺技使用時のみ、バーニングフォームとシャイニングフォームに変身する。
また、本来はトリニティフォームの必殺技のライダーシュートをグランドフォームの姿で使用する。
『ガンバライド』
第3弾でグランドフォームがSR、第6弾でトリニティフォームがLRで参戦。しかし、性能はSR並とややガッカリな扱いだった。
第11弾でバーニングフォームがLRで参戦。コウゲキがトップクラスに高いのが特徴。その分、ボウギョと体力は低め。
01でシャイニングフォームがLRで参戦。コウゲキ特化のバーニングフォームと違い、こちらはバランス型。
『ガンバライジング』
ガンバライジングでは2弾から参戦。
表面はグランドフォームで、バースト面はLRではトリニティフォーム、LREXではバーニングフォーム。
その後、ナイスドライブ1弾でもLRで表面からバーニングフォームで再登場した。アビリティも毎ラウンドRP(ライジングパワー)が2ずつ加算されていく強力なものである。
バッチリカイガン3弾では最強フォーム・シャイニングフォームがLR枠で満を持して参戦。テクニカルタイプが2体以上いるときに、コウゲキとひっさつの強化に加えテクニカルゲージを超アップさせる強力なアビリティを持つ。同弾のSRギルス(テクニカルタイプ)やG3-Xと組ませれば、チームボーナス「アギトの会!」とAP・テクニカルゲージともに隙がない強力なデッキが組める。
ボトルマッチ1弾で表面・バースト面ともにグランドフォームのカードがLRで登場。ようやくグランドフォームのライダーキックが実装された。
ライダータイム1弾でも表面・バースト面ともにグランドフォームのカードがLRで登場。今回はバースト必殺技としてライダーブレイクが実装。
バーストライズ02弾では表面・バースト面ともにトリニティフォームのカードがLRで登場。バースト必殺技にメモリアルタッグフィニッシュとして、「六位一体の力 トリニティ」が収録。『ジオウ』第32話の再現で、ジオウトリニティとのダブルライダーキックを放つ(なお、同弾には同様の必殺技を持つジオウトリニティのカードも登場)。
また、ライダータイム5弾の途中から声が賀集利樹のものになっている。
ズバットバットウ1弾では現行主人公と炎の剣士つながりでフレイムフォームがLRで登場。必殺技は「セイバースラッシュ」。
ズバットバットウ4弾ではグランドフォームがLRSPで登場。バーストするとグランド、フレイム、ストーム、トリニティ、バーニング、シャイニングのいずれかになり、ストームフォームがシリーズ初登場。
リリリミックス4弾では50th anniversary レアとしてグランドフォームがLRで収録。
ゲキレツグランプリ1弾ではNながらストームフォームが単独カード化(バースト面はフレイムフォーム)。
『クライマックスヒーローズ』
1作目から参戦。
グランドフォーム、トリニティフォーム、バーニングフォームが登場し、3作目『オーズ』でシャイニングフォームが追加された。
5作目『超』で声が賀集利樹になった。
『ライダージェネレーション』
1作目から参戦。
ライダーアビリティの「オルタチャージキック」の使い勝手が悪いのが難点。
余談だが、『2』のディケイドはカメンライド(アギト)でオルタチャージキックと同じモーションのキックを溜め無しで撃てたりする。
バトライド・ウォーシリーズ
初代より使用可能。基本のグランド、ストーム、フレイムから攻撃を当て続けることでバーニングフォームに変身可能になり、超必殺技でシャイニングフォームとなる。コンセプトはクウガに似るが、より豪快で力強い技を持つ。
なお、トリニティフォームはライダーグライド中の一瞬のみ。
演じた俳優
映像作品
俳優
- 『仮面ライダーアギト』
- 『仮面ライダーアギト 3大ライダー超決戦(バトル)ビデオ』
- 『劇場版 仮面ライダーアギト PROJECT G4』
- 『仮面ライダーアギトスペシャル 新たなる変身』
- 『劇場版 仮面ライダーディケイド オールライダー対大ショッカー』(アギトの声は別人が担当)
- 『仮面ライダージオウ』
- 『仮面ライダーディケイド』
- 『仮面ライダー×仮面ライダー W&ディケイド MOVIE大戦2010』
スーツアクター
ゲーム
声優
- PS『仮面ライダーアギト』
- PS2『仮面ライダー 正義の系譜』
- 『仮面ライダー 超クライマックスヒーローズ』
- 『仮面ライダー バトライド・ウォー』
- 『仮面ライダー バトライド・ウォーⅡ』
- 『仮面ライダー サモンライド!』
- 『仮面ライダー バトライド・ウォー創生』
- 『オール仮面ライダー ライダーレボリューション』
- 『仮面ライダー クライマックスファイターズ』
- 『仮面ライダー クライマックススクランブル ジオウ』
- 『仮面ライダーバトル ガンバライジング』
余談
『仮面ライダーJ』に登場する怪人のトカゲ男アギトとは、まったくもって関係ないので注意されたい。
当初はパワーアップ形態は登場しない予定であった。
クロスホーンの開閉ギミックは早瀬マサトの発案である。『仮面ライダーストロンガー』で石ノ森章太郎がストロンガーのパワーアップ案として描いたスケッチが元ネタ。
ミスター仮面ライダー事本編でアギトを演じた高岩成二は、門矢士役の井上正大に忖度無く1番思い入れのあるライダーは何ですか?と質問された際に初めてのライダーの現場かつフィルムからカメラという最新の撮影ということもあってアギトが思い入れにあると答えている。
関連タグ
関連・類似キャラクター
- 仮面ライダー龍騎、ガンフォーム、仮面ライダーウィザード:龍がモチーフの主役ライダー。
- 仮面ライダーオーガ:プロデューサーと脚本家が同じ作品のΩと大地の仮面ライダー。
- 仮面ライダーオーズ:平成二期第2作目の主役ライダー、「マイペースでお人好しな性格の主人公が変身」「基本形態はバランス重視」「剣型武器を使用する」「変形するバイクを持つ」「二刀流で戦う強化形態は二回しか登場していない」「中間形態が火属性」「最強形態は複数のモードを持つ強力武器を使用する」「2号ライダーよりもスペックが高い」「自我を失って暴走してしまい、2号ライダーを攻撃してしまった事がある」といった多くの共通点がある。
- 仮面ライダー龍玄、仮面ライダークローズ:龍がモチーフの仮面ライダー。
- 仮面ライダーセイバー:次世代シリーズ2番目の主役ライダー。記憶喪失の主人公が変身、龍がモチーフ、火属性の赤い形態を持つ、剣型武器を使用する、中間形態は暴走の危険性・可能性がある、青い2号ライダーと3号ライダーと共にラスボスに挑む点が共通している。
- アギトボーマ:「アギト」繋がり。こちらは戦隊怪人である。
レジェンドライダー関連
ディケイドアギト アギトアームズ アギト魂 アギトゲーマーレベル2 アギトアーマー トリプルフラッシングアギト 金色龍のアギト トリケラゲノム アギトフォーム/アギトブーストフォーム
○号ライダー
アギト(1号) → G3(2号)