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の編集履歴2024/02/03 07:36:02 版
編集者:山城明人 (HN)
編集内容:検討していたのとは違うキャラを1件追加

🛡概要

盾とは、などによる斬撃、打撃武器による打撃、及び弓矢・投石器の射撃などから身を守るための防具のことである。

携行し易い小型の物から、携行使用を全く考えていない大型の所謂「置き楯」まで幅広く存在するが、一般論として多くの人が想像するであろう「盾」というのは、片手で保持して使うタイプであり、置き盾と区別するため「手盾」または「持盾」という呼称が、便宜的に使用されることもある。

また、一般的には単純防御やパリィの様な相手の攻撃をかわし隙を作る用途にしか用いられない限定描写が多いが、特にこの手の盾を活用していた欧州では「シールドバッシュ」と呼ばれる盾での殴打術が研究されて用いられていた。

また各組織のシンボルであり負傷者を運ぶ担架としても用いられたため、中世ヨーロッパ騎士達には必須の代物であった。

甲冑姿の騎士で頭部前面を覆ってしまうため、何者か判別できない。これを認識するために盾に描いた文様が、西洋における紋章の起源である。

個人が携帯する持ち盾は鎧の発達により小型形骸化し、銃器が発達してくると置き楯も完全に無用の長物になった。ただし現在でもジュラルミンやポリカーボネートで作られた所謂ライオットシールドなどが盾の系譜として生き残っている。

フィクションにおける盾

なぜか「盾だけ」を武器にしている人がフィクションでは少なからず存在する。

前述のように、シールドバッシュという運用は存在しているものの、本質的には「防具」なのだが…。

その運用法も「盾の面で殴りつける」「飛び道具を反射する」のはまだいい方で、「尖った盾で敵に斬りつける」「鎖付きの盾をヨーヨーのようにして敵を切り裂く」「盾から炎やビームなどが出る」「表面に棘のついた盾でカウンターを狙う」など、盾の存在意義を根本から問うものが多い。

特に顔のついている盾は口や目から何かしらの魔法を出す可能性が高く、鏡でてきた盾は魔法を反射することがほとんど。

ドラクエを始めRPGでは一般的に「防御力の上がる装備品」として用いられるが、現実的には盾というのは「敵の攻撃が直撃しないよう身代わりに用いるもの」なので、どちらかというとFFのように「回避率の上がる装備品」と見るのが正しいという解釈もある。

元祖RPGの『ダンジョンズ&ドラゴンズ』ではそもそもダメージを軽減させるルールが存在しなかったため、も全て攻撃回避の能力(AC、アーマークラス)が向上する装備品だった。上昇するのがダメージ軽減か回避能力かという取捨選択は、初期RPGにおけるシステム単純化の方法の一つだったのだろう。

もっとも、「盾で回避率が上がる」というのは(プレイヤー自身の経験的にも、ゲーム内で敵の攻撃がミスるのが増える的な意味での体感も(体感で分かる程だとバランスブレイカーになりかねない))わかりづらいので現在でも多くのRPGで「防具」として使用されているが。

前述のFFでは、作品によって盾によって攻撃を回避した場合、ちゃんと回避時に盾を構える演出が入る。ドラクエシリーズでも、盾スキルが導入された以降は、盾ガードに成功すれば完全にダメージを回避出来るようになった。

盾使いのキャラクター

前述の通り攻撃武器と組み合わせて使うべき物である為、膨大な創作物の中でも「盾をメイン武装」にしているキャラクターは極めて少ない(大抵は剣のサブである事が殆ど)。

防御に特化したスタイルや、説得力を持たせる設定、盾の持つ機能を最大限に活かしている戦闘など、クリエイターにとっては無理の無い描写をする力量が必須となる上級者向けの装備とも言えるだろう。

固有キャラ

固有メカニック

※シールドを持つ機体が多い主人公機ライバル機などは記事が肥大化しかねないためこの機体と言えば「盾」となるような盾が象徴、印象的な機体のみ記載とします。

その他

ゲーム『タクティクスオウガ』では操作可能なほぼ全てのキャラが盾による攻撃が可能(武器防具を装備できない大型モンスターを除く)。

武器に比べて与えるダメージは低いが、相手を1マス分押し出す「ノックバック」を発生させ、ステージによっては復帰不可能な高さの段差に落として無力化する事も可能。攻撃側の装備の重量が大きいほどノックバックの確率が上がる。

機動戦士ガンダムから始まるリアルロボットアニメでは多くのロボット兵器が盾を保持しているため、例外は多いもののスーパーロボット大戦ではシールド防御がリアルロボットの象徴のようになっている。

余談

防具以外の盾

日本競馬においては、天皇賞を優勝すると副賞として楯が贈られることから、天皇賞の通称として、「盾」という言葉が用いられている。

天皇賞(春)「春の盾」天皇賞(秋)「秋の盾」と呼ばれる。

どうしてサムライ(武士)は盾を使わないのか

(この項における盾は特に言及がない限り、一般的に認知されている片手で保持して使う、いわゆる「手盾」とする。)

諸説あり。以下はその例である。

甲冑の性能向上説

これは盾が不要になるほど、甲冑の性能が向上したためという説であり、専門書などでは、後述の「鎧に盾の機能が組み込まれている説」とセットで語られることも多い。

実際、このような例は諸外国にも見られ西ヨーロッパ地域でも中世に置いては、作りやすく動きやすいが防御力に難を抱えていた鎖帷子から、戦闘の激化に伴い板金のパーツが鎧に組み込まれていくにつれて防御力が上がり、盾が縮小している事例があり、それ以外でも古代~中世のアラブや東ヨーロッパに存在した、カタフラクトなどと呼ばれる人馬諸共、甲冑で装甲化した重装騎兵も盾を装備していた形跡がないといわれる。

またアジア地域でも古代より、鎖帷子よりも性能の高い傾向のある小札鎧が発達しており、盾を装備しない兵士も槍騎兵か弓騎兵に関係なく、一定数存在していたらしい。そういう面で見れば、同時代の日本周辺地域の専業戦士と比較してサムライ(武士)が特異な存在だったかは微妙である。

鎧に盾の機能が組み込まれている説

真面目な解説書などではこの説が採用されていることが一番多い。大抵は単独で使用されている説であるが、先述の「性能向上説」とセットで語られることも多い。

武士が身につけていた鎧には大袖と呼ばれるパーツが存在した。これは鎧のあたりに付属していた、長方形のヒラヒラとした部位である。しばしば、ある時代まで武士はこの大袖を、体をひねるなどをし、この部位を前方を敵に向け、盾として使用したといわれる。

仮に大袖を盾の一種として見た場合、このようなタイプの盾は諸外国にはほぼ見られず、そういう意味では武士は特異だったと言えるかもしれない。

サムライも盾使ってたよ説

この説はあまり一般的ではない。

書籍や情報発信者ごとに、「普通に使ってたよ」とすることもあれば「不人気ながらも一応使われてたよ」とすることもあり、どの程度使われていたか、その捉え方に差がある。

サムライ同士の戦争が行われていた時代に描かれた絵画には、『法然上人絵伝』など木製の盾と刀剣を構えた兵士が描かれている物も存在しており、戦国時代の武将であった仙石秀久の遺品には盾が存在した。また、武術の伝書には盾に言及するものもあった。

とはいえ、絵巻物などに描かれる盾は諸外国のような縁や表面を金属や革皮で補強したものではなければ、何かしらの模様や絵が描かれているわけでもない、木の板に取っ手をつけた簡素なモノである。そのバリエーションは少なく、簡素な構造であるため、「正規の装備ではなく、どちらかといえば臨時的な装備だったのではないか?」という見方もある。また、盾を構えている兵士も軽装であることが多く、彼らが武士身分だったかは不明瞭である。

そもそもサムライが誕生する前から盾なんて使われてなかったよ説

この説もあまり一般的ではない。

古代日本における律令制下の騎兵は、初期の武士と同じ馬に乗りながら弓矢を主体に戦闘を行う「弓騎兵」であるが、

彼らの武装は武士と同じく弓矢刀剣類、そして甲冑があるものの、手盾に関する言及は文献にはなく、盾を装備していなかったと推測されており、武士と共通項が多く、武士の原型の1つであるといわれる。

当然ながら律令制下には歩兵も存在しており、かつては彼らは矛と呼ばれる片手で使う槍と片手で使う大きめの手盾を主体に戦闘を行う存在であり、軍勢の主戦力とされていた。しかし、矛の現存品や文献から、彼らも騎兵と同様に盾を装備しておらず、矛を両手で使用していたという推察もある。

武器が両手で使用するモノだったから盾は使えない説

ネット上にて一番人気のある説である。先述の「甲冑の性能向上説」とセットで語られることも多い。

武士の得物は、初期の段階で太刀である。非武士階層の従者は薙刀を始めとする長柄武器を用いることが多く太刀を用いる者もいた。この他にも両者の共通装備として短刀があった。

短刀を別とすれば、これらはすべて両手で使用する武器であり、盾を使用する余地がないとする説だが、ネット上で最も採用されている説であるためか、暴論も混じっていることも多い。

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